多様化するVTuber – オリジナル曲を歌う音楽バーチャルYouTuber Vol.5 花譜、AZKi、花鋏キョウ、かしこまり

多様化するVTuber – オリジナル曲を歌う音楽バーチャルYouTuber Vol.5 花譜、AZKi、花鋏キョウ、かしこまり

音楽に特化したVTuber、オリジナル曲を歌うバーチャルシンガーたちをフックアップし、その魅力をお届けする当コラム。2019年4月27日に行われたドワンゴ主催の大規模イベント「ニコニコ超会議2019」では、今年の目玉として1ホール丸ごとVTuberのためのブースが作られ、史上最大級のVTuberイベント「VTuber Fes Japan 2019」が開催された。2日にわたり「バーチャルさんがいっぱい スペシャルバーチャライブ」が開催された他、バーチャルカラオケやVTuberたちとお話が楽しめる「VTuberおしゃべりフェス」や「VTuberなりきりAI計画」などなど数々の関連ブースが催された。改めてVTuberが日本のカルチャーとして確立されつつあり、注目を浴びていることが感じられる。

こうしている今も数多のバーチャルYouTuber、ひいてはバーチャルシンガーが誕生し、その才能を開花させている。今回でVol.5を数えるが、まだまだ紹介できていないバーチャルシンガーも数多く存在する。紹介させていただいたバーチャルシンガーたちも次々に新曲を発表、イベントを開催するなど非常に動向の早いシーンであろう。

そのため今回は、過去に当コラムやインタビューにて紹介した音楽VTuberを含めた花譜、AZKi、花鋏キョウ、かしこまりの4組のオリジナル楽曲に着目して、その魅力をお伝えする。

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文・編集 /  滝田優樹


【花譜】

花譜もまた、当コラムVol.2で紹介を行ったバーチャルシンガー。前回特集時はYouTubeのCH登録者数は2万4千超え、Twitterのフォロワーは約1万2千だったのが、2019年5月現在のYouTubeのCH登録者数は5万8千人を超え、Twitterのフォロワー数は2万8千人を超えている。数字だけでも花譜の飛躍っぷりがうかがえるだろう。

2019年5月現在、15歳の彼女は2018年10月のデビュー以来、楽曲カバーを行うほか、ボカロPのカンザキイオリが手がけたオリジナル楽曲を4曲発表するなど活動してきた。高校受験のために活動を一時休止していたが、3月22日に新曲「雛鳥」を公開し活動再開した。

これまでの楽曲に続き、カンザキイオリが作詞作曲編曲を担当した「雛鳥」は神秘的だと称される彼女の世界観が凝縮された集大成だと言っていいだろう。彼女を語るうえでまず特筆すべきはその唄声だ。まだ幼さの残る瑞々しい歌声で、クリーンとハスキーの間をいき、揺らぎながらもスピリチュアルに響く。その儚くも生命力を感じさせるヴォーカルは切々と胸に迫りくる。

そして、高校入学を果たした花譜の今を感じさせる今作のプロダクションにも注目して欲しい。川サキ ケンジが映像制作を手掛けたMVは校舎が舞台で、歌詞には青春における日々のもどかしさが書き書きつらねられている。そういった意味ではリアリティな作品であるが、成長過程にある彼女の唄声を通じて耽美な世界へと誘われてしまう。

類い稀なる才能を目の当たりにし、花譜のシンガーとしてのこれからを期待せずにはいられない。

関連 : 花譜 YouTube CH
https://www.youtube.com/channel/UCQ1U65-CQdIoZ2_NA4Z4F7A


【AZKi】

当コラムのVol.2でも紹介させていただいたAZKi。YouTubeにてアニソン・ボカロ曲などのカバー曲を中心に「歌ってみた」動画を投稿し、多くのファンに期待を寄せられていた彼女は、現在8ヶ月連続12楽曲リリースにも挑戦中。2019年4月30日にはBiSH、BiS等の楽曲を手がけるSCRAMBLESが全面プロデュースの第7弾『Fake.Fake.Fake』(AZKi BLaCK)、アイドルグループtipToe.のメインソングライターやその他アイドルやボーカリストへの楽曲提供などを行う瀬名航がプロデュースの第8弾『いのち』(AZKi WHiTE)をデジタル配信にて同時発売。5月19日には秋葉原エンタスにて初の単独リアルライブイベント『The Shitest Start』を控えており、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

今回紹介するのは、5thオリジナルソング「ひかりのまち」(AZKi BLaCK)と6thオリジナルソング「Starry Regrets」(AZKi WHiTE)の2曲だ。

「ひかりのまち」は、攻撃的で疾走感のあるAZKi BLaCKの楽曲で、先述のSCRAMBLESが作詞作曲編曲を担当している。今回は、ラウド感強めなヘヴィなギターリフと豪雨のごとく鳴らされるドラムが印象的のAZKi BLaCK史上一番ハードなロック・ナンバー。一方で、潤いを与えるポップネスなキーボードやクリアなヴォーカルが衝動的なサウンドを上手くコントールしているのが聞きどころだろう。このサウンドとヴォーカルのコントラストこそがサビで歌われる“人は嘘をつく生き物だ”という歌詞の説得力を与えるハードだが、テクニカルな1曲。

ポップさと透明感を兼ね備えたAZKi WHiTEの「Starry Regrets」では、AZKiは初のバラード曲に挑戦したという。作詞作曲編曲は個人レーベル「Foxtail-Grass Studio」主宰であり、過去にVTuber虹乃まほろの楽曲等を手がけた“ハム”が担当。ピアノ、シンセ、ストリングスを上手く手繰りながら描かれた至極のラブバラードで、とにかく展開がドラマティックだ。壮大なスケール感で届けれる音像にしっとりとしたAZKi自身の唄声も儚く、おぼろ月のように尊い。

このようにジャンルを問わずヴォーカルの幅を魅せつけるAZKiの表現力のポテンシャルは底を知らず、コンセプトの違う2名義でその魅力を届けられるバーチャルシンガーも多くはない。著名なクリエイター達が楽曲提供をするのも納得だ。ますますの活躍が期待される。

関連 : AZKi インタビュー
https://toppamedia.com/interview-2019-2-azki-virtual-diva/

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