YM、キタニタツヤ(こんにちは谷田さん)、ぬゆり、朝日廉(石風呂) – ボカロの出自が変える音楽シーン vol.4

YM、キタニタツヤ(こんにちは谷田さん)、ぬゆり、朝日廉(石風呂) – ボカロの出自が変える音楽シーン vol.4

新世代ボカロP出身クリエイター&アーティスト、現役ボカロPの魅力をお伝えるべく定期コラムをお届けする「ボカロの出自が変える音楽シーン」。

ヤマハが開発した歌声合成技術「ボーカロイド」が初代の発売から今年で15年を迎えた。コンピューターで人工的に歌声を作る「ボーカロイド」の最新版は日本語だけでなく、英語で男女の声が作れるようになったという。

また、8月30日にはニコニコ動画をはじめとする動画サイトに投稿されたボカロ楽曲の中から視聴者が好きな楽曲を見つける音楽発掘サービス「Kiite(キイテ)」が一般公開された。“楽曲を探す楽しさ”“楽曲に出会う喜び”を体験しやすくすることを目的に開始したサービスであり、いかにボカロが注目されていて、新たなボカロ曲の発掘することにニーズが高まっていることを象徴していることであろう。

現行音楽シーンでのブレイクのキーワードとされる“ボカロ”は様々な技術者とクリエイター達、アーティスト、ユーザーに支えられ発展と進化を繰り返してきたことは決して忘れてならない。そして“ボカロ”が音楽ビジネスのための消費に利用されないことを切に願う。

第4回目となった今回はこれまでと趣向を変えてバンド活動も行うボカロP出身クリエイター&アーティストである、YM、キタニタツヤ(こんにちは谷田さん)、ぬゆり、朝日廉(石風呂) の4名をフォーカス。

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文・編集 / 滝田優樹(@takita_funky )


【YM】

GUMIを使用した楽曲制作を得意とし、今では“GUMIマスター”の呼び声も高いYMは、ボカロPとしては10年のキャリアを持つベテランだ。

ニュー・ウェイヴやマス・ロックなどのギターロックにダンスビートを取り入れた音楽性で多くのフォロワーを獲得し、現在ではメジャー1stアルバム『センセーショナル大革命』をはじめとする2枚のメジャーフルアルバムと3枚のボカロアルバムをリリースしている。

また、ボカロPとしてのみならずロックバンドRubberJohnnyではベーシストとして活動やコンポーザー、イラストレーターとしても活躍。

楽曲のみならず曲に合わせたマッシュアップや手描きMAD動画も人気が高く、最近ではVTuber奏星音夢のモデリングや自作のMVでは自身で手がけたイラストやLive2Dを導入するなどクリエイターとしても手腕をふるっている。

上記のようにYMはボカロPの活動をきっかけにマルチなな才能を発揮し、活躍するクリエイターである。今後も様々な分野でのブレイクが必至なYMを追うのは今からでも遅くはない。まずは先日公開のインタビュー記事を確認してみてほしい。

関連 : YM インタビュー
https://toppamedia.com/innterview-2019-8-ym-vocaloid-p/


【キタニタツヤ(こんにちは谷田さん)】

“こんにちは谷田さん”の名前でボカロPとして活動していたキタニタツヤは、その類い稀なるポップセンスで多くの人々魅了する、ネット出身アーティストとしてネクストブレイクが期待される若手のホープである。

シンガーソングライターであるだけではなく、バンドのヨルシカとSajou no hanaではベースを担当、さらに四つ打ちギターロック楽曲をコンセプトに活動するアイドルグループPayrin’sのメインサウンドコンポーザーも務めるなどその活動から見てもポテンシャルと期待の高さを伺うことができるだろう。

そんなキタニ タツヤの魅力はポップ~オルタナロック、ソウルやR&Bなどジャンルレスな音楽性――ではなく、そのどれもにダークな雰囲気ただようサウンドメイクである。キャッチーと前衛の間をいく、なじみ深いけどもどこか新しい絶妙なバランス感覚を武器に紡がれるキタニ流ポップはJ-POPシーンのJ-POPシーンの新たな光だと断言していい。

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