克哉(SLOTHREAT/Misanthropist)の異分子のすゝめ Vol.3

克哉(SLOTHREAT/Misanthropist)の異分子のすゝめ Vol.3

TOPPA!!をご覧の皆様、こんにちは。

克哉です。

 

世の中には耳に心地の良い音と悪い音がありますよね。

そんな中で、皆さんは音源を聴く際に"音質"を気にした事はございますか?

イヤホン・プレイヤー等の特性だったりに依存する音質の事ではなく、音源そのものの音質の事です。

すなわち、"サウンドプロダクション"です。

 

音源制作は、大雑把に言うとレコーディング→ミキシング→マスタリングという工程で行われます。

サウンドプロダクションの要はエンジニアです。

サウンドプロダクションはとても大事です。

 

善し悪しという概念はさておき、

サウンドプロダクションがその楽曲にマッチしていれば楽曲の良さが100%以上引き出される事もあり、その逆の場合は0%にされ殺される場合もあります。

 

例えば100人エンジニアが居れば100種類の音像があります。

それぐらいエンジニアによって音質は変化します。

更にその中の一人のエンジニアに絞ったとして、アーティスト毎の方向性や趣向等により更に音質は変化していきます。

 

しかし勿論、主となる音の方向性はエンジニアに依存します。

僕はある日音楽を聴く中でサウンドプロダクションそのものに興味を持ってからどっぷり沼にハマり、音楽を聴くのが更に楽しくなりました。

いつしか自分で自分の音源のサウンドメイクをするようになり、今は有難い事に自分以外のバンドのサウンドメイクも頼まれるようになり、まだまだ未熟ですがエンジニアリングも日常の中に組み込まれました。

そこで、今日はエンジニアリングについて、あくまでも「僕なり」にですが触れていきたいと思います。

 

レコーディングは音を録る作業の事です。

各パートの演奏を録音して素材を揃えていきます。

ベストテイクのハードルの傾向等、ディレクションはエンジニアによって千差万別です。

当たり前ですが、この工程で良い素材を録り揃えられないと音源のサウンドプロダクションの最大値にハンデを背負う事になります。

料理で言う所の食材を揃える段階です。

この段階で、目指すサウンドプロダクションに対して実直な素材を揃える事が大切だと考えます。

 

ミキシングは素材を調理する工程です。

前述したように食材にハンデを背負った場合は、過度な加工が必要になってきます。

そうなればなるほど素材の良さが濁ってきます。

ミキシングはとても大切です。

ミキシングによってサウンドプロダクションの大枠が決まります。

まずわかりやすい所だとそれぞれのパート・トラックの音量バランスを細かく設定するのもこの段階です。

各パート、各トラックそれぞれに細かな処理ができるのもこの段階です。

一つ一つ細かく丁寧に処理をしていき、緻密に作り上げていきます。

 

マスタリングは音源を世に出す上でラストの関門です。

色々な意味がありますが、ここでは音圧調整などの意味で扱います。

マスタリングではミキシングによって混ぜられた1つのデータに対して処理を行います。

全体のダイナミクス調整・イコライジング処理などを行い、最後の仕上げをします。

マスタリングは音源の良さを120%引き出す為にとても重要な作業です。

そしてここでどう足掻いても微妙な場合はミキシング時に原因有り→レコーディング時に原因有り、と言ったようにマスタリングでは軌道修正不可能な状況にも陥るので、いずれにせよどんなプロセスも大切です。

 

当たり前に聞こえる事ばかりを書いてしまったかもしれないですが、基本的にはこういうイメージです。

 

世の中には素晴らしいサウンドメイキングをされている方々が沢山居ます。

僕は所謂ラウドミュージックのサウンドメイクをメインとしているので、偏りがあるかもしれませんが話していきますね。

 

日本には、僕の師匠でもあるex.ギルガメッシュのяyoさん、そしてStudio PrisonerのHiroさんだったり、

海外では、とても多いので近年登場した方々に絞りますがWill Putney、Josh Schroeder、Taylor Larson、Think Loud Studios、Chris Whited、Drew Fulkなど、

皆さんそれぞれがそれぞれの個性を持ち、素晴らしいサウンドプロダクションを作られています。

 

個性というのは本当に大切です。

僕が思うにサウンドメイキングというものは、ただ単に数値的な話ではないです。

作曲に近い所もあります。というかめちゃくちゃ近い。

そこを意識するかしないかで音楽的かそうではないかが変わってきます。

当然ながら音楽的か否か、というのは本当に大切な側面です。

全てのプロセスに「何故そうするのか」と問いかけながらやります。

その楽曲が求めている方向へ全てを促します。

その楽曲の本質を理解していないと楽曲に見合う上質なサウンドは作れません。

そして正解というものは有るようで無く、果てしないのです。

 

そんな迷路のようで、でも無限に面白い世界がサウンドメイキングの世界。

是非とも一度気にして音楽に触れてみて欲しいです。

きっと音楽を聴く行為が1000倍は楽しくなります。

 

次回のコラムでは、サウンドメイキングに関して更に自分なりに具体的に突っ込んだ話が出来れば良いなと思っています。

 

そして最近の僕が手掛けた音源を紹介させて頂きます。

 


▼SLOTHREAT『Allium』

▼作品タイトル
『Allium』

▼配信・発売日
・各種配信サービスにて配信中
配信リンク : https://linkco.re/vNRfMHpD
・2019/5/11〜会場限定でCD販売
CD : ¥2,000円(税込)

▼収録曲
1.心霧
2.蒼華
3.Mirage
4.Certainty
5.sin of pride
6.Scarlet
※CDverには、ボーナストラックとして、Track.2〜6のインストverが収録


 

SLOTHREATというバンドの1st Mini Albumである本作。

僕のバンドの記念すべき最初の作品です。

此方のRecording, Mixing, Mastering全てを担当致しました。

 

サウンド傾向として一番気を遣ったのは、ローチューニングの扱いです。8弦ギターの領域のローチューニングはクリア過ぎても無意味だと僕は考えています。

そして、ほぼ全てがクリーンボイスによるアプローチだからこそ、日和ったミキシングではなく如何に攻撃的な音像を作るかという所を第一に意識しました。

とにかくヘヴィかつとにかくメロディが際立つように、そんな事を常に意識しながらサウンドメイキングをしました。

矛盾をより際立たせつつ違和感を消すような感じです。この言葉自体矛盾しているかもですが(笑)

 

といった感じです。

本当はミニアルバムの楽曲の内容も話したい所ですが、今回はそこではなくサウンドメイキングに重きを置いて触れました。

 

よければ是非とも色々踏まえてAlliumを聴いてみて下さい。

心の底から超絶自信作と言わせてもらいます。

聴きどころは全部です。

 

そして気になった方は5月11日にTSUTAYA O-Crestにて行われる、SLOTHREATの1st Live Event “Worlds Apart” にもお越しください。

先日全てのメンツが解禁されました。


【SLOTHREAT presents 「Worlds Apart」】

▼日時場所
2019年5月11日(土)渋谷TSUTAYA O-Crest
開場 18:00 / 開演 18:30

▼出演者
SLOTHREAT / DIMLIM / heaven in her arms /Mirrors / Sailing Before The Wind

▼チケット価格
前売 ¥3,000 / 当日¥3,500
先行プレオーダー : 2019年3月31日迄
一般発売 : 2019年4月6日
チケット申し込み : https://eplus.jp/sf/detail/2912530001


 

本当にアツすぎて失禁しそうなメンツです。。。。

平成から令和へ。

大きな変化と共に、SLOTHREATが産声を上げる瞬間の喜びを是非とも一緒に分かち合いたいです。

 

ではまた!

 

克哉


関連 : 克哉(SLOTHREAT/Misanthropist)の異分子のすゝめ Vol.2
https://toppamedia.com/column-katsuya-ibunshi-no-susume-vol2/

関連 : 克哉(SLOTHREAT/Misanthropist)の異分子のすゝめ Vol.1
https://toppamedia.com/column-katsuya-ibunshi-no-susume-vol1/

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