OKOJO・街人・山岸竜之介・fibgloo – ROCK FROM KANSAI

OKOJO・街人・山岸竜之介・fibgloo – ROCK FROM KANSAI

2010年代も終わりを迎え、2020年代に突入しようとしている。音楽をとりまく状況はここ数年で大きく変わった。フェスの盛り上がりや、サブスクリプションの普及、TikTokなどのSNSの登場や、教育現場で“ダンス”に力を入れている背景も、そういう変化のひとつだろう。ダンスという部分であったり、みんなでシェアできるものほど流通しやすくなった、というところが音楽を見通すうえで重要なキーワードになのかもしれない。

だが、必ずしも踊れたり、シェアできる音楽が正義となりつつあるからといって、ロックそのものが下火になったというわけではない。少なくとも関西では多数のライブハウスで、様々なインディーズバンド・アーティストがしのぎを削って己のパフォーマンスを磨いている。そして、そういうパフォーマンスを渇望しているリスナーが一定数存在している。

音楽を聴くという行為の障壁が下がり、ある種軽薄的に扱われるようになってきたからこそ、ライブの価値が大きく高騰しており、それは20年代になっても続くこと自体は間違いないと思われるのだ。

このコラムでは、OKOJO・街人・山岸竜之介・fibglooという、関西拠点あるいは関西出身の4組の“ロック“なアーティストを紹介させていただきたい。

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文・編集 / ロッキン・ライフの中の人( https://twitter.com/rockkinlife )


【OKOJO】

2018年結成の大阪発の3人組バンド。まだ結成されてから2年も経っていないにも関わらず、すでに界隈では大きな話題となっているニューカマーである。なぜこんなにも話題になっているのか?大きなポイントは、思わず口ずさみたくなるキャッチーなメロディーにある。実際、OKOJOの曲を聴いたリスナーはメロディーが好き、と答える率が高い。筆者調べで9割を超えている。

筆者調べが胡散臭いと思うのならば、YouTubeをみてほしい。彼らの代表曲である「最低なラブソング」は、YouTube上ですでに40万再生を超えるヒットソングとなっている。メディアで取り上げられているわけでもない、まだ2年足らずのインディーズバンドがこの数字を叩き出すのは、もはや快挙にも近い偉業である。勢いこのままに、おそらく2020年のインディーズ界隈を盛り上げることが予想される。メロディーのキャッチーさを一言で表すならば、メジャー感溢れるJ-POPにも通ずるメロディーラインを内包していることが挙げられるだろう。ただし、単なるポップスに仕立て上げるのではなく、きちっとバンドサウンドでそのメロディーを輝かせて、ポップなメロディーをロックなサウンドでもり立てるのが、OKOJOの大きな魅力だと思う。

キャッチーメロディーを痛快なバンドサウンドに載せる技術は天下一品だろうし、この力があるからこそ、OKOJOは今後大きく躍進することが予想されるのである。


【街人】

2014年に結成・small indies table所属の滋賀県出身の3人組バンド。街人とかいて、マチビトと読む。スリーピースバンドであり、ギター、ベース、ドラムというシンプルな構成で瑞々しいロックサウンドをかき鳴らす。余計な音は取り込まず、メッセージ性の強い歌をストレートにかき鳴らすのが特徴。

「ロックバンドになって」や「コニカ」のような、疾走感のあるナンバーにこそ街人の魅力が大きく詰め込まれているように感じる。バンドが持つロック性とは何か?そういうシンプルに問いに、もっとも素直に回答しているのが街人なのではないか?と思う。ロックバンドの率直さをそのまま音に表したような、裏も表もないそんなバンド。それが、街人の大きな魅力である。

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