Crystal Lake pre TRUE NORTH festival 2017.10.21@Studio Coast ライブレポート

取材・文・編集 宮久保仁貴 / Photo by Takashi “TAKA” Konuma

日本は勿論、近年はヘッドライナーとして海外ツアーを敢行し、国内外ラウドシーンのトップを駆け抜けるCrystal Lake。

2017年10月21日、バンド結成15周年を記念し、彼らと親交の深い仲間達をゲストに迎え、新木場Studio Coastにて、Crystal Lake主催フェスティバルTRUE NORTH festivalが開催された。

Crystal Lakeにとって、因縁の地、Studio Coast。過去、Rockstar Taste Of Chaos in Japan 2007にて、彼らには、数多のバンドが参加したオーディションに勝ち抜き、初めてStudio Coastの舞台でプレイした過去があった。それこそ、今回のTHE ROAD TO TRUE NORTHに出演し、勝ち上がった3バンド(Graupel、Sable Hills、A Ghost of Flare)のように。

イベント当日は、台風が近づき、生憎の雨だったが、そんなものは物ともせず、全出演者の熱気溢れる演奏に、来場者の盛り上がりが応じるかの如く、Studio Coast全体が熱気で覆われていた。

そして、終日出演者も来場者も皆、どこか希望に満ちた顔をしていて、15年間活動してきた今までのCrystal Lake、現在、そしてこれからの彼らの活動を応援するかのような眼差しがステージに向けられていた。

今回、TOPPA!! 編集部はTrue North Festivalに出演した、Crystal Lake Reunion、並びにイベント全体のホストCrystal Lakeにフォーカスしたライブレポートをお届けする。

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【Crystal Lake Reunion】

Free Will StageでTRUE NORTH festivalのトップバッターを務めたのは、Crystal Lake Reunion。

今回、Crystal Lake結成15周年を記念し、現メンバーのYudai(Gt)、Shinya(Gt)は勿論の事、2010年に発売された2nd アルバム『INTO THE GREAT BEYOND』リリース時のメンバー(Kentaro(Vo)、Yasuyuki(Ba)、Yusuke(Dr) )が再集結し、”Crystal Lake Reunion”と称して、1日限りの復活を果たした。

SNSを中心に、Crystal Lake Reunion出演は事前に大きく話題を呼んでおり、当日、余りの人の多さからFREE WILL STAGEは開始前から入場規制措置がかかっていた。尚その待機列が途切れる事は無く、ステージが始まると共に、更にその長さを伸ばしていた。

そして、戦友であるCOUNTRY YARD、Loyal To The Grave、SAND、SHADOWSなどのメンバーが見守る中、彼らの瞳もまた、純粋なキッズの様に輝いていた。

イントロの「River of Truth」で幕を開け、のっけからシンガロング、パイルオン、ダイブ、ウィンドミルなど、これぞThis is Hardcoreと言わんばかりに、オーディエンスの熱気が爆発した。勿論、演者側の熱気もフルテン状態であり、Yudaiは観客に身を任せ、客中にダイブしながらギターをプレイする荒業を見せた。

「Fabricated Fate」では、盟友Loyal To The GraveのHiroyuki Kobayashi(Vo)が客演し、Kentaroと阿吽の呼吸で呼応するかの如く、力強いシャウトを繰り出し、オーディエンスに東京のニュースクールハードコアシーンの熱きユニティーを感じさせた。

MCにて、Kentaroが今回のReunionについて、全ての人に感謝を述べた後、「俺ら今日の一回しかないから。告知とかも無いし、最後までやるだけだから。皆さんよろしくお願いします!」と宣言し、場内の歓声は更に高まった。

「The Passenger」では、Yudaiの豪快なギターのアップライジングが、ニュースクールハードコアバンドマンとしてのオーラを強く醸し出していた。そして、勿論場内のモッシュピットは収まる事は無く、若いキッズや、年季の入ったハードコアファンまで、老若男女問わず、終始”治安の悪い”MOVEが繰り広げられていた。

2回目のMCでは、Yudaiが、「今回の趣旨は、15年の時を経て、過去と今のCrystal Lakeがリンクする日です。今日は自分達が歩んで来た軌跡を、Veron(Kentaro)が死ぬまで見せてくれるから、一思いに殺してやって!」と言い、オーディエンスの闘志に更に火をつけた。加えて、「そして、10年前にCrystal LakeはTaste Of Chaosのオーディションに応募して、Studio Coastでライブする事が出来ました。自分達のイベントでこうやって戻って来れて、自分達の曲でこの場を作れた事を感謝します。今日一日楽しんで行きましょう。」と、過去、そして現在の滾った想いを述べ、締めくくった。

続く「Into The Great Beyond」のメロディアスなイントロに、場内は郷愁に包まれた。曲中、Crystal Lake Ryo(Vo)が客演し、轟音の中で、新旧Voが合間見え、お互いに一歩も譲らず、過去と現在のCrystal Lakeがステージ場に交錯した。

その後、ニュースクールハードコア期の名曲「Freewill」を披露し、Veronが「ここから行こうぜ、ここから!」と煽ると、それに応じて、ステージ内外からのパイルオン、シンガロングが殺到した。

ラストは「The Burden」を演奏し、FREE WILL STAGEの前方も後方もモッシュが多発し、一瞬で場内全てが戦場と化した。

上半身裸となったKentaroの姿は、まるでカンフー映画のヒーロー”ブルース・リー”を彷彿とさせる様なオーラを放ち、どれだけの人数がパイルオンしようとも、ものともせず、力強いシャウトを放ち続けた。

最後にYasuyukiが客中にダイブ、それに応じてYudaiもスピーカーに飛び乗って客中へダイブした。観客の波を泳ぎ、場内を完全にCrystal Lake色に染め上げ、1日限りの復活に幕を閉じた。

 

-Set List-

1.River of Truth

2.Fabricated Fate (feat. Hiroyuki Kobayashi from Loyal To The Grave)

3.The Passage

4.Into The Great Beyond (feat. Ryo from Crystal Lake)

5.Freewill

6.The Burden

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【Crystal Lake】

TRUE NORTH festivalもいよいよ終幕、超満員の会場のトリを務めるのは主催のCrystal Lakeだ。雄大なイントロが流れ、Ryo(Vo)が「さあ、もう最後だ!やるしかねえだろ!今しかねえだろ!やらかそうぜ!」と絶叫すると、「The Fire Inside」がスタート、戦いの火蓋が落とされた。

一気に場内全体が前方に向けて自然と圧縮され、全方位からダイバーが続出、初っ端から派手に荒れ模様を見せる中、シンガロングパート「We are not fucking dead」の箇所でRyoが客中に突入、さながらその姿は照明が後光を差していたのもあり、英雄の如きオーラを放っていた。

Ryoが、「普通なんてねぇぞ、もっと無茶して来い!」と叫び、「Prometheus」がスタートした。Ryoの煽りと共に、当日最大規模のサークルピットが形成され、あらゆるものをなぎ倒すかのようなスピードで回転していた。ブレイクダウン突入前に、「やらかそうぜ!」とRyoが一声かけると、サークルピットは一気にウィンドミルが多発した危険地帯に様変わり。そして、Ryoの持ち味の、Lowが極悪に効いたガテラルボイスが合間って、場内を音の暴力で叩きつけた。

「飛ぶ準備は出来てるか?全員で新木場揺らしていこう!」とRyoが引き続き場内を煽り続け、「Matrix」を披露した。メンバーのバウンスと共に、オーディエンスのジャンプも止まらず、地獄の底から揺らしたかの如く、場内の熱気、そして振動も収まる気配を全く見せなかった。

Ryoが、「さあさあ、休ませねえぞ、全員両手を挙げろ!手叩け!」とオーディエンスを鼓舞し、間髪入れずに「Mercury」をプレイした。「お待ちかね、俺達のヒーロー!」と、Ryoが叫ぶと、SHADOWSのHiro(Vo)がステージに飛び入り参加した。Ryoと対峙、そして掛け合いの後、Hiro自ら客中へ飛び込み、オーディエンスによるシンガロング、パイルオンの山が形成された。

「We are Crystal Lake! TRUE NORTH festivalへようこそ!もう一生分のブレイクダウン聴いたよ!もう要らねぇだろ?!」と、Ryoがオーディエンスへ質問を投げかけると、場内全方向のオーディエンスから応援の歓声が舞い起こった。「もっと欲しいか?じゃあくれてやろうか!」と再び返した際には、オーディエンスの歓声が更に倍増した。

Ryoが、「Crystal Lake Reunion、あれが歴史の証だと思う。こうやって15年歩んで来た道は間違いなかったって、今日本当に100%確信しました!15年前だろうと、10年前だろうと、5年前だろうと、今だろうと、俺達がCrystal Lakeだ。これが、俺達の生き様、これが俺達の死に様なんだよ!ライブで死ねるなら本望なんだよ!この次にやる曲が、TRUE NORTH festivalにベストな曲だって事を証明してやるよ!」と言い放ち、Gaku(Dr)のブラストビートが炸裂、静と動を兼ね備えた名曲「True North」が始まった。楽曲の圧倒的スピードにより、多数のダイバーが発生、人の大津波が何度もフロア内に起こった。

「もう散々色んな所で言って来たし、これ以上言う気はねえけど、今日ここにCrystal Lake Reunionから全バンドを通して、今この瞬間に全てが集まっているんだ。わかるか?過去も未来も時間を越えて、この1曲に全てが集約される。俺達はどんな境界も越えられるって、この景色を見て、今日思ったよ。全てを越えて、ヤバい遊び場を与えてあげるから。改めて、新曲やらせてもらっていいかな?」とRyoが叫び、今月リリースしたばかりの新曲「Apollo」を演奏した。

Yudaiの浮遊感を感じさせるアトモスフェリックなギターフレーズに、Shinya(Gt)のDrop F Tuningの超重低音なリフの刻みが絡み合い、Ryo(Vo)の言葉通り、新時代のヤバい遊び場が展開されていた。

Ryoが、「ようやく、俺達の理想のヘヴィミュージックのフェスティバルがここに誕生しました。本当にこんなにウルセー音楽が好きなやつがここに集まると思っていませんでした。本当に有難う。俺さんざん言って来たけど、こういう音楽が日本の文化になるんじゃねぇかって、本当に思いました。」と言うと、場内は拍手喝采に包まれた。

続けて、「Crystal Lakeと新木場Studio Coast、因縁の歴史があるの、皆知ってる?最初は、Crystal Lakeはオーディションを勝ち抜いて、Taste of Chaosというイベントで新木場Studio Coastのステージに立ちました。そこから、色んなライブで、ここに戻って来たね。土砂降りの中もあったし、雷起こせって言ったら本当に雷落ちたよ(笑)。今日も生憎の雨だけど。そして、ステージダイブさせすぎて、怒られたこともあったし。今日は本当に、何が起こるかわかんねぇからさ。今日は俺らのイベントだから好きなようにやってよ、皆よろしく。」と、Ryoは締めくくった。

「ヤベェ。ありがちだから言わないけど、ここに来て心底思ったのは、ここに来てる人もそう、今STAFFとして皆を支えてくれている人もそう、このライブを支えてくれる人達に、本当に有難うと思えるようになりました。俺は大人になった。あと、Crystal Lakeがやってく上で必要なTeamの皆、本当にありがとう。皆の前で言う事じゃないけど、今日だけは言わせて。そして、今日出てくれたバンドの皆、マジでリスペクトしてる、ありがとうございます。そして、ここに立ってるメンバーの皆、マジでありがとう。ここから発信して、日本のミュージックヤバいぜ、Crystal Lakeヤバいぜって言われるように変えていきたいし、今日がその一日だと本当に思っています。言いたかった事はそう言う事。人と人がつながって欲しいなと思う。」と、Yudai(Gt)は彼なりの、気さくで、かつ心底熱いMCを行なった。

そして、Ryoが「知らない奴らが音楽を通じて繋がっていくのは面白いし、こういう音楽が、一人一人がサポートしあって、出来ていると思ってるから、皆で楽しい遊び場作っていきましょう!宜しく!今日から新しい歴史が始まるんだよ、お前らわかってる?今日お前達が日本の音楽の新たな歴史に載るんだよ?自覚しろよ!Crystal Lakeも15年の時を経て、何度も解散などの危機に立たされた。俺も何度も辞めようと思った、でも、今こうやってステージに立ってる。まだ続けようと思ってる。そうやって傷だらけになりながら、一歩、もう一歩、そしてまた一歩歩んでいくから、俺らの傷の証。」と言い、Black & Blueが始まった。Black & Blueの歌詞の中では度々、”傷”について触れられているが、Ryo(Vo)が途中、ステージ上にて懺悔するかの様なポーズを取り、それは聖者の様にも感じられた。

ライブも終盤にさしかかる中、「Beloved」がスタートした。途中、CrossfaithのKoie(Vo)が客演し、持ち味の獰猛なシャウトを繰り広げた。Ryoと対峙するKoieの姿はまるで颯爽と現れたダークヒーローの様で、現行の日本ラウドシーンの虎と龍が争っていた。

「俺が欲しいのはそんなんじゃねぇ!お前らが無茶する瞬間を見てぇだけなんだよ!」とRyoが叫び、Omegaがスタートした。

ダイバーによる人の波が続く中、Ryoは自ら客中へ入り、波に抗い、叫ぶ事を辞めなかった。最後にはYudaiもダイブし、本編が終了した。

ただ、場内の歓声は鳴り止まず、熱気冷めやらぬ会場のアンコールに答えて、再びメンバーがスタージに登場した。

アンコールでは、「今日誰が出てるかわかってんだろ?特別ゲスト呼んでやるよ。悪魔の申し子、MEANING Hayato (Vo)だよ!」とRyo(Vo)がMEANING Hayato(Vo)をステージ上に召喚し、バンド史上屈指の極悪曲「Hades」がプレイされた。途中、SAND MAKOTO (Vo)の客演もあり、悪魔が3人ステージに立っていた。Ryoが「さぁ、やるしかねぇだろ、命かけろ、やれ!」と観客を煽り、さながらモッシュピットの様子は、今日一番の地獄絵図のような盛り上がりを見せていた。

アンコール2曲目は、「Crystal Lakeの過去と未来を繋ぐ曲!」とRyoが叫び、「Twisted Fate」が始まった。それまでの盛り上がりは勿論の事、客席からも、ステージ袖からも、全方向からダイブの嵐が巻き起こり、会場内は一体と化した。

曲の最後には、旧VoであるKentaroの客演、Ryoとの掛け合いもあり、ステージ上にて、Crystal Lakeの過去と現在、そして未来が表現され、TRUE NORTH festivalは幕を閉じた。

最後のRyoの一言、「これがCrystal Lakeだよ!」、まさにこの一言に集約されているに違いない。滝の様な激しい部分も持ちつつ、全てを優しく包み込むような底の広さ、一言で言えば、彼らは静と動併せ持った、カオスなバンドなのだ。15周年経った今も、彼らの底は測り知れない。

 

-Set List-

1.The Fire Inside

2.Prometheus

3.Matrix

4.Mercury (feat. Hiro from SHADOWS)

5.True North

6.Apollo

7.Black &  Blue

8.Beloved (feat. Koie from Crossfaith)

9.Omega

EN1.Hades (feat. Hayato from MEANING and Makoto from SAND)

EN2.Twisted Fate