YM インタビュー

YM インタビュー

YM :「キャンディポップじゃ笑わない」自体は昨年の2月頃に生まれて、当初のタイトルは「涙が笑ってる」でした。「人生は泣きたくなるくらい色々あるよね。それでも、涙こぼしながらでも笑っていけたらいいよね」みたいなことを考えながら歌詞を綴ったので、楽曲やMVのかわいい雰囲気とは少しギャップのある内容になっています。

MVはとにかくポップで可愛い感じにしたかったので、このままのタイトルではしっくりこないから代替を考えた結果「キャンディポップじゃ笑わない」に落ち着きました。

キャンディポップは涙の雫“ティアドロップ”から連想してタイトル自体には「人からもらったアメでは泣き止めない。自分の意思で乗り越えて笑ってやる」という意味を込めています。

 

タイトル由来を知ってからまた曲を聴いたり、MVを観賞するとまた違った印象になりそうですね。

 

YM :実はMVの構想は1年前からあって、空から巨大なキャンディが降り注ぐ中でGUMIが歌っている姿をイメージしていたんですが、どんぴしゃな感じに再現できたのでめちゃテンションが上がりました。

当時GUMIの9周年に合わせてMVを公開する予定だったんですが、そもそも楽曲自体の完成が間に合わず少し後の9月に発表したミニアルバム『カンセイコンゴウ論』へ収録することになり、今年のGUMI10周年に合わせてMVを制作し無事公開することが出来た感じです。公開予定日の前日からMVを作り始めたので内心「無理かも……。」と思いながら作業していたんですが、間に合って良かった……。

 

そう思うとこのタイミングでの公開がベストだったようにも思えます。楽曲はもちろんのこと、絵や動画のクオリティもかなり高く、楽曲の世界観と合わせてYMさんを語るうえで不可欠な要素だと思います。絵や動画の目覚めはいつですか? また、自らMVやジャケ写を手掛けるようになった経緯をお聞かせください。

 

YM :物心ついた頃から絵を描くことが好きで、幼少時代の夢は画家になることでした。とはいえ志しは高くなかったので、少年時代はひたすらノートに鉛筆で落書きをする程度でしたけど。バンドを始めた頃に知人からデスクトップPCを譲ってもらいデジタルでイラストを描く環境を手に入れたのでジャケ写やイベントのチラシなどは当時から手掛けていました。

動画に目覚めたのはバンド活動を休止した後で、そのあたりからインターネットの契約をしてPCのネットが繋がりニコニコ動画にどっぷりハマって、自分でも動画を作ってみたくなり、必要なソフトや使い方を調べまくってマッシュアップや東方プロジェクトのキャラを用いた手描きMADを作って投稿していました。

 

はい。

 

YM :そういう活動をするさなか当時働いていた居酒屋の店長から「東京のアニメ専門学校の先生がこっちでセミナーやるらしいよ」という情報をもらい、アニメーターに凄く興味があったので「秋田で本場の人の話が聞けるチャンスだ!」と思いすぐセミナーに申し込みました。当日会場に向かうと、なんとその日の参加者は僕ひとりでまさかの個人面談に。その先生にこれまで作った作品をポートフォリオとして見てもらったところ、アニメーターとしての素養は十分にあると認めてもらうと同時に、いざ働くとなった時の“金銭面の厳しさ”という現実を教えてもらい、貯金もなく家族からのサポートも受けられないフリーターの僕はその話を聞いて絶望し、アニメーターになることを諦めました。それでも絵は描きたいし、動画も作りたい。そして辞めるつもりだった音楽も…。そう思った時にニコニコでいつも観ていたボカロ作品のことが頭をよぎり”これだ!“と。そしてボカロPになる決意をし、音楽とMVを作るようになりました。

 

これまたドラマチックな展開ですね(笑)。ボカロPになることで全て叶えてしまったすっきり感も含めて興味深いお話でした。感銘を受けたイラストレーターや尊敬しているクリエイターはいますか?

 

YM :パッと思い浮かぶのは子供の頃に好きだったアニメや漫画の作者さんである鳥山明先生とうすた京介先生ですね。

インターネットで活動を始めてからは僕と同じように音楽を作っていたりイラストや映像を作っている人たちが信じられないほど大勢いることを知り、その人たちが生み出す膨大な作品たちに常に刺激を受けています。そんな中で人物に対しても特に注目しているのは“プロデュース能力に長けている人”と僕と同じように“絵も音楽も出来るマルチな人”ですね。

例えば同じボカロPでバンドマンでありながらアイドルのプロデュースもしている鬱Pさんや、コンポーザーでありながら多数のVTuberをプロデュースしているエハラミオリさん、マルチなクリエイターとしては圧倒的な世界観のはるまきごはんさん、エンターテイメントの塊カルロス袴田さん。他にも大勢いらっしゃるんですが、最近特に凄いなと思った方々としてはこんな感じです。

カルロス袴田さん、ほんと会い足りないので飲みに行きましょう。

関連 : カルロス袴田 インタビュー
https://toppamedia.com/interview-2019-7-carlos-hakamada-saize-p/

 

カルロス袴田さんにどうか届きますように(笑)。最近ではVTuberの奏星音夢さんのモデリングも手掛けられていますが、こちらのきっかけをお聞かせください。

 

 

YM :まずVTuberとの関わりについてですが、僕の所属する「ネネバネバネマレ団」というサークルに、昨年2月から VTuberの“はちこ”(https://twitter.com/85_85ch)が加わり、彼女のLive2Dモデリングを僕が担当したんです。それをきっかけに、度々モデリングのお仕事を頂くようになったんです。VTuberシーンが盛り上がるにつれ個人でも気軽に始められるLive2Dモデルの需要が増してきたので、自身の技能を出品できるココナラというサイトでVTuber向けのモデル制作を出品してみて、いちばん最初にご依頼してくれたのが奏星音夢さんでした。

 

 

– Vtuberシーンの盛り上がりについてお話されていたのでお聞きしたいのですがこちらについて思うことはありますか? また、気になるVtuberがいましたら教えてください。

 

YM :自身のサークルにVTuberが所属しているのもあり昨年まではいろんなVTuberさんの動向を追っていましたが、最近はめっきり追わなくなってしまいました……。

というのも僕自身の活動が当時より多岐に渡って忙しくなってしまい、ただでさえ提供されたコンテンツをじっくり楽しむ余裕がない人間だったのにさらに拍車が掛かってしまったような状態で……。強いて言うならいちばん関わりの深い「はちこ」とモデル制作で携わったVTuberさんたちを特に応援しています。

シーン自体が盛り上がるのはとても良いことですが、それと同時にトラブルも起きたり規模の大小に関わらず問題もたくさん抱えていると思います。少なからず界隈に関わっている身としてそういった面も意識して活動し、VTuberシーンが健やかに育ってくれることを願っている感じですね。

 

健全なさらなる盛り上がりを期待したいですね。また、Live2Dということについてもお話がありましたのでこちらもお聞かせください。こちらを最近では用いてのアニメーションも作成されておりましたね。

 

YM :Live2Dという技術自体は3年くらい前から知っていたんですがあまり身近なものには感じられず「イラストをアニメっぽく動かせるのか凄いな~!」程度の認識でした。

その後ゲーム実況者の真下さんがFaceRigというソフトを使って猫の3Dアバターに自身の表情を投影させながらゲームをプレイしている動画を見つけて、めちゃくちゃ面白かったので自身の生配信でもFaceRigを導入してみたんです。しばらくは真下さんと同じ兜を被った猫のアバターがお気に入りだったんですが、だんだん自分のオリジナルのアバターが欲しくなり、作れないものかと調べたところLive2Dで制作したモデルをFaceRigで利用できることがわかったんです。

早速ソフトを導入して自身のオリジナルキャラクターはちたろうのモデルを作ったのが2017年5月で、これがLive2Dとの本当の意味での出会いでした。この年の暮れに“バーチャルYouTuber”という存在を知り、翌年にはVTuberのモデリングも手掛け、Live2Dというソフトへの理解が深まったところで映像作品でも使えると考え始めました。

先日公開した「キャンディポップじゃ笑わない」ではGUMIのLive2Dモデルを起用していますが、このモデルは2018年6月に作ったものです。しかし、先述した通り楽曲が出来上がらなかったため、このモデルを用いたMV制作は1年間お蔵入りに。とはいえ今回こうしてMVとして納得のいく形に出来たし、具体的なことは考えていませんが今後の制作でもLive2Dはガンガン使っていきたいと考えています。

 

なるほど、そうだったんですね。今後もYMが制作のMVには注目ですね。話は変わってSNS上などにアップされたイラストを拝見するとアニメや漫画への造詣の深さが感じられます。好きなアニメ・漫画・キャラクターがありましたら教えてください。また、最近のおすすめもありましたらお願いします。

 

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