END : クサいこと言いますけど、やっぱり関わったものは全部深い印象を持ってますね。自分が携わっているバンドとかって、部分的には商業的なところもあるんですけど基本的には“自身との繋がり”を大事にしている部分が強いので。やっぱり仲良いバンドとか、個人的に繋がりが深くなってくると、フライヤーだったりマーチとかをやりたいなってお互いになった時、自然にやっているんですよ。なので、フライヤーもマーチも全部思い入れ強いんですけど、さっき言ったような自身が若い時に聴いてたレジェンドのNYHCバンドのTシャツやフライヤーデザインを手掛けられたのは感慨深いですよね。それは十数年やってきた中でつい最近のことですけど。AGNOSTIC FRONT、GORILLA BISCUITS、STRIFEとか、自分にとってレジェンドバンドのアートワークの一部分になれたっていうのは単純に嬉しいです。
あと、2013年に、新宿ANTIKNOCKで自身が初めて企画したイベントがあるんですよ。START FROM ENDっていう名前のイベントで2 DAYSやったんですけど、それはその当時自分が描いていたバンドをぎゅっと集めてお祭りをしたかったというのと、自分が2013年までに描いたバンド同士は繋がりがあっても一緒にショーをやるという組み合わせが無い時期のバンド達だったので、「ちょっと時代を戻した感覚を味わおう!」という企画にしたかったんです。
……感慨深いというか思い出深いですね。例えばSLANGとか、2013年当時だとアンチでやるのは珍しいBRAHMANとかも出てもらったり、そのBRAHMANと90年代に対バンしてたNUMBとかETERNAL Bとか、そういうちょっと懐かしい組み合わせを“2013年”に。今だったら結構いろんなバンド同士でやってるんで、割とそういう感情も薄れてるっちゃ薄れてるんですけど、2013年とかはやっぱり震災後で、いろんな感情がこみ上げてきたのはあったかもしれないですね。でもその感情はただ単に主催者だからテンパって生まれた感情なだけかもしれないです(笑)。
-(笑)。改めて見返すと、このメンツは本当に凄いですよね……!さて、再び近年の活動を触れますと、自身のブランドOLDX(オールドエックス)を立ち上げられましたよね!ブランド立ち上げのきっかけを教えて下さい。
END : GReeD TOKYOの話にもなるんですけど、お店を出す時に、自分の新しい拠点が出来たわけじゃないですか。アパレルとか洋服が元々好きだし、昔携わっていたということもあって、自分の着たい服を自分で作って、自分のお店で販売するという……大きく広げるつもりは無いけれど、自分の手の届く範囲でやれたら良いなと思ってて。ここで一点説明しておくと、OLDXはストレートエッジブランドではないんで(笑)。Xが思いっきりデザインされたりしてOLDXのアイコンになってるけど、基本的にはストレートエッジじゃない人も全然着られるブランドなんで。ややこしいんですけどね(笑)。
周りの友達が着てくれるのとかは本当に嬉しいですね。例えばSHADOWSとか、そういういつも描いているHCシーンとはまた違う仲の良いバンドの人たちが着てくれることは嬉しいですね。自分は色んな場所で色んな人達と会話して自分が良いなと思ったことを表現していきたいタイプなんで、人と繋がりがあって、自然な形でリリースして、そのアイテムを単純に良いねって言ってくれて着てくれるのが嬉しいです。
この年になると色々物事に対して違う見方にならないですか?20代は初期衝動でこいつらはカッコイイ!こいつらはダセエ!みたいな安易な見方でバンドやアーティストを見ていたんですが、40代になり色々知識や経験を経て生活しててやっぱり人間的に見ることが多くなったなーって。バンドの音や言ってることはカッコいいこと言ってるけど実際の生活はすげーしょうもない生活のやつとかがいくらカッコつけても真面目にイケてることをやってる人には適わないというかダサく見えるよね。仕事も含め自分の芯をもってやってきてるやつの方が言ってる言葉の重みを感じられるし、適当なやつがいくら吠えててもマジでちゃんとヤれてから言えよ!みたいな。感覚でカッコいいかかぎ分けるのも合ってるけど、それ以上にそんな人間としてイケてるかどうかも含めバンドも見る様になってきてます。
あ……話がずれてない?まあ自分は皆で楽しみながらやれれば良いなと思っていて、だから自分もアーテイスト活動しながら、Crystal LakeのTRUE NORTH FESTIVALやROCK-O-RAMA、SATANIC等でライヴペイントやってたり、BLOOD AXEやMAG SIDE、年末のNERDS FESの様なHCイベントでライブペイントしたりそういう所でOLDXのブース出したり、皆でわいわいお祭りのように表現出来れば……というテーマでブランドをやってます。
–近年いろんなライブハウスやフェスでOLDXを着用しているキッズやバンドマンが沢山いますね!色んなコミュニティが今後も広がれば何よりですね!続いては、GReeD TOKYOについて触れたいと思います。こちらの立ち上げのきっかけを教えて下さい。
END : 2013年にこの場所に出して、もう今年で5年目なんですけど……そのさらに5年前ぐらいに、今はもう無い渋谷PARCOの中に実はGReeD TOKYOってあったんですよ。そこはNUMBのNATSUO君とかもいて。その時は1年か半年くらいの期間でやってたんです。そこも洋服や作品はもちろん色々やってたんですよ。H8MONGER&EDGE OF SPIRITのSHOがやっていたDARK SIDE USTという伝説のユーストリーム番組をそのパルコのGReeD TOKYO店内で朝までやっていたり。かなり笑えてヤバかったですね、あのユーストは(笑)。腹ちぎれる程笑ったからね。いつかまた似たようなことをやってほしいですねー。
その時から5年くらい経って、また渋谷に出そうとなったのは2013年当時、H8MONGER氏とGReeDの平山君が共同で店を出そうと話が出て、自分が加わった感じです。今は独立した形で自分がやってますけど。東京というか渋谷のこういうセレクトショップで、なおかつバンドや絵とか、そういうものに対して目を向けられる場所ってライヴハウス以外にほぼ無いんですよ。特にセレクトショップだと東京にはほぼ無いし、渋谷はライヴハウスやクラブが多くてアーティストが活動する場所でもあるので、やっぱりどうしてもその近くに出したいっていう意向で、ここの場所に出したんです。近くにLOYAL TO THE GRAVEのKOHAMA君、ICE GRILLSのMIZUKIがやってるNERDS RECORDもあるし。
だからバンドマンも沢山来るし、自分と同じような絵描きも遊びに来るし。単純に洋服が好きな人、絵が好きな人、そういうバンドが好きな人、全員が集まってわいわいだらだらして溜まれる秘密基地みたいな場所がどうしても必要だと思うんですよ。それを含めてストリートのカルチャーだと思っているので。やっぱり1つだけ突出していてもカルチャーって育たないので、周りに付随しているものが揃って初めてカルチャーになり、ムーブメントが起こったりするし。バンドシーンに携わっていて自分も絵を描いてたりしますよね、その中で自然に発生するじゃないですか、アンテナが高い人らが揃ってるんでイケてる服作りたいとか着たいとか、自分たちでそういった環境を作ることで生まれていくものだし、そういうものは絶対に残しておくべきだと思います。実際やっていて楽しいんで気軽に来て欲しいです。だらだら暇つぶしに来てもいいですし、ぶらっと皆が来られるような場所を作っていきたいなと思っています。
–確かに、今GReeD TOKYOの様なショップは中々見当たりませんよね。歩みを止めないで欲しいです。さて、話は変わりますが、ENDさんが最近触れた中で感銘を受けたアーティストを教えて下さい。
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