END インタビュー

END インタビュー

 END : やっぱり絵やアートそのものが好きなので個展をよく見に行くんです。同じ絵描きやアーティストだと、TENGAoneが最近個展やってまして……これは「どかん!」とくらいましたね。ヤバ過ぎです、素晴らしいです。あんまりしょっちゅう個展やってるわけではないんですけど、開催される時は西武百貨店とか大きいところでもやっていて……とにかくクオリティと発想が素晴らしいですね。カッコいいアーティストです。

あとは今年の11月中旬まで個展が開催されているんですけど、HAMADARAKAというアーティスト。HAMADARAKAの世界観が本当に好きで。作品もデカいし、すごく作品に対してのクオリティーが高いです。期間中是非見に行ってみてください、迫力が凄すぎて圧倒されますよ。

周りに凄いアーティストは沢山いるんで、作品を見て影響されたり、自分の気持ちの部分で活動のプラスになっています。ムカついてきますけどね、上手すぎて(笑)。めっちゃやられすぎて、もう腹立ってきますよね、なんなんだろうって(笑)。でも素晴らしいし、大体僕の周りのアーティストって無料で見られる場所でやってることが多いからそういう情報をキャッチしながら、東京に来た時とかいろいろ行ってもらえるとすごく楽しめると思いますね。東京って街は情報がとにかく多いので埋もれがちなんですがそこで生活していて、東京をより楽しんで過ごす一環として個展やアート展などの情報は自身でキャッチしてほしいです。知識や経験は自身の財産になるからね。

 

諸々ありがとうございます、チェックしてみます!ちなみに、ENDさんは普段一つの作品を完成されるのに、どれだけの時間をかけられるのでしょうか?

 

END : うーん、基本的に速く描くように意識してるので、1つの作品に対して3日間くらいじゃないかな……と思います。その為に常に妄想、想像を膨らませて生活しています。描きたいものだらけ状態です(笑)。1つのアートワークにだけ集中してやるならもっと速く仕上がると思うけど、個人の作品や依頼されたものも含めて常に2~4つくらいを同時に抱えているので。うーん……同時進行で1日何時間って割り振りでやっていくと、1つの作品の時間は3日ぐらいになります。ビッグピースな作品だと1ヶ月半とかもっとかかることもありますけど、フライヤーとかTシャツ、マーチとかはそれぐらいです。手描きアーティストの中だと速い方だと思います。やっぱり遅すぎてもなかなか難しい世界なんで。正直活動しているバンドも多いから、やっぱりある程度スピードがあって、それについて来る発想と技術を常に……そこと戦いながらやっている感じですね。フライヤーは特に締め切り期限があるので。

 

本当ENDさんの速筆っぷりには驚かされます……!続いては……ENDさんの下の世代には、主にWEBやSNSを主戦場とするアーティストが沢山増えたかと思います。この近年の画家/イラストレーターシーンについて思う所を語って下さい。

 

END :

あー出た!これ系ね……サイゼリヤで長々とドリンクバー頼んで話しちゃう(笑)?こういう似たようなお題がちょいちょい普段の話の中で出るんだよね。あくまで自分が勝手に思うことでいいんですよね(笑)?

今いっぱいアーティストがいるよねとにかく。自称アーティストも含め本当にめちゃくちゃいるから、なんとも言えないですけど……。他のシーンは自分も知らない部分があるから逆にあんまり分からないことが多い、普通に商業デザイナーとかもいるし。自分がいるハードコアやパンクシーンのこうやって同じような感じで活動しているアーティストって実はいるようで今もあんまりいないんですよ。自分が始めた十数年前から。それはなぜかというと、たぶん商業的にならない、お金にならないので、情熱がないと続いていかないからだと思うんですよね。お金じゃなくて好きが先行しているから、その音楽が好きとか、そこにいる人達が好きとか、そのカルチャーシーンが好きじゃないと続けられないし、逆を言うと“そこから求められることもない”と思うので。そこまで考えたり、情熱を持っている人が多分いないからいないっていうだけで。

 

この辺りは難しいですよね。

 

END : うん、でももっと増えてほしいですけどね。描いてる人は単発でもいっぱいいますよ。すごい上手かったりカッコよかったりしますけど、その中で世界観持ってプライド持ってやってる人ってあんまり見ない気がしますね。自分が知らないだけかもしれないけど、もっといてもいいと思いますね。バンドだけ増えて描く側のアーティストが増えないのもどうなのかなと思うし。

SNSが発展して、自分の作品をいろんな人に見せられるチャンスが転がってるじゃないですか。だからやり方次第で自分のやりたいことに近づける人はいっぱいいると思うけど、ちょっとした進め方とかが分からない人が多いのかなと。便利な分、何でも飛び級しちゃうんですよね。カッコいい人、有名な人が、割とダイレクトで話せたり見られたりしちゃう時代じゃないですか。目の前のSNSでいきなり有名バンドの人がいたからって、地位と名誉をめがけて「わーっ」ていく人が多い気はしますよね。結果その人には実際何もなく中身が薄いっていうかなんもない。俺このバンドとやったからすげーとか有名になったぜすげーとか自然と怖いことに本当にダサいことを堂々とやってる人が多い時代だとも感じます。それは見ていたら誰もが思ってることなんで。同時に自分も客観的に見てあぶないかどうか見直してます(笑)。

アーティストとして本質的なことを自然と見れて動いてる人は同じようなアーティストからも支持があるしバンドマン自体がその人のファンになってることが多いんですよ。だからその絵描きのアーティストが描いた作品が好きで、自分たちの表現したいアートな部分と感じてるからその人は頼まれたりするんです。そういうのを考えながらアーティスト活動している人って実はあんまりいないんじゃないかなと。要するにアーティストからカッコいいと言われるアーティストが素晴らしいですよね。「売れてる=イケてる」この方程式なんて人それぞれの感覚に過ぎないから自分が答えを出したものが「好き=イケてる」にならないと駄目ですよね。人が右向きゃ自分は左!じゃないけど人が良いと言ったからって同調しないで自分が好きなものを胸張って好きとアピールできることが素晴らしいと思います。精神がそれこそハードコアだと思います。売れてることは素晴らしいしうらやましいですが(笑)作品がカッコいいかは別物ですね。すみませんね、急にカーブ切った様に言いたい放題言って(笑)。あいつまじで調子いいこといってるぜってSNSで書かないでくださいね(笑)。

 

それこそポーザーのやる事ですよ(汗)!ただ、確かに最近はSNSの数字とか、そういった見せかけのモノに皆踊らされている気がします。

 

END : ただ、間違いなく言えるのは、同世代のバンドと寄り添ってやっていくのが一番やりたいものに近づけるんじゃないかなって。自分の友達のバンドとか、そのフライヤーやマーチを、皆で1つのクルーじゃないですけど、そういう形が美しいと思います。お互いに10年も経てばそれなりに第一線でやってるところに達するんで、そういう時にまた違う展開、動きになってくるから。それまでは自分の好きなシーンで好きな仲間たちと遊んでいく、バンドは音作ってアーティストはそれをサポートするような形で。共に育っていくそういうアーティストが増えれば、若いバンドが出てきても、10年後には素晴らしいシーンになってると思うんですよ。

日本はそういうのがあんまりないから、アーティストが育ってないのかなと。アーティストを下に見ているようなバンドやレーベルもいたりするし、アーティストも評価されるような時代でないと共に育たないというか。今はジャケ買いとかあんまりないけど、今だとTシャツとかカッコいいデザイン、でも音ダサいとか、逆に音超カッコいいけど、すげえマーチがダサいみたいな……そういう点ですよね。イケてるバンドってやっぱり自分たちのマーチャンダイズにも自信持ってるので、自分たちと深い付き合いがあるイケてるアーティストを起用してイケてるマーチを作ってて、音もイケてる、絵でもイケてる、じゃあイケてんじゃん!みたいな(笑)。共に育つような環境を作っていくことが大事だと思います。

若いバンドも自分の周りの絵描きとかフックアップして、「俺らのフライヤー描いてみてよ!」みたいに、常にお互いに育っていく形がこういうバンドシーンには絶対必要ですね。海外はずっとそれやってますからね。今でもどんどん謎めいた絵描き達が増えてますね。さっき言ったRaymond Pettibonも、BLACK FLAGって書いてなくても、彼の絵を見たら「BLACK FLAGの人じゃない?」ってなるじゃないですか。もっと一般的な所で有名な例をあげるとMETALLICAだったらPUSHEADとか、アーティスト名が分からなくても「METALLICA描いてる人だよね?」とか、そういうことですよね。だから若いバンドのアートワークを周りの仲間の絵描きがずっと描いてたらきっとイメージとか世界観の層がグッと厚くなると思います。

 

互いに切磋琢磨する事は重要ですね!バンドもアーティストも揃ってこそのシーンですし。さて、ENDさんの今後の予定を教えて下さい。

 

END : 今後か……えーと自主出版にて3年に1回画集を出していて、それが今回で4号目で、また今年から3年後の2020年に『START FROM END』って言う画集の5号が出るので、それに向けて絵を描く日々ですね。変わらず絵を描く日々が続く中で、ライブペイントをやったり、自分で個展をやったりして生活していく感じです。

あとはGReeD TOKYOで、自分の周りにいるアーティストを集めてポスターアート展っていうのを定期的にやっているんですが、そのアート展を12月7日~16日まで開催します。それに向けていろいろ動いている感じですね。

そして、直近だと10月26〜28日の間でCrystal Lakeと「AFTER TRUE NORTH」という形でポップアップショップを開催します。この間TRUE NORTH FESTIVAL 2018でライブペイントをやってて、あの時キャンバスに絵を描いてたんですよ。前まではデカい壁に描いてたんですけど、これを一点ものの絵で展示販売して、あとはOLDXとCrystal Lakeのコラボアイテムを何点かリリースして金・土・日の3日間でやる感じですね。最終日の28は新木場でCrystal Lakeのショーもあるのでぜひ遊びに来てほしいです。

そして、11月10日にはSHADOWSのHiro(Vo)の店Thumbでポップアップを行います。ThumbとOLDXと、Kazuki(SHADOWS/Gt)のWEIRDNERVEで。これ、多分みんな来たら飲むだけなんだろうね……(笑)。最下層の極みになるんじゃない?夜中あたりは(笑)。

 

-(笑)。

 

話は変わりますけど……やっぱり知らないだけで周りには30代とか20代で絵描きさんってけっこういるのかな……?とか、そういう年代の人達の制作方法はどんな形なのかな?とたまに思ったりします。興味があるんですよね、ジャンルというか音によって、アートワークの世界観って変わるから。手描きやコラージュだとハードコアとかパンクのシーンが似合ってるし実際に多いよね。メタルコアシーンだとそういう手描きのもあるけど、ちょっとデジタルっぽいのが主流というか。コンピューターグラフィックやデジタルコラージュもそうだし、。もうちょっとメタルっぽいテイストが好まれたりするよね。エモだったりメロディがあるバンドもそれぞれ特色があるから気になるね。

自分より若い世代だと、鏡海イサナ(BLACKINK)ちゃんは凄いよね。あの年齢であのクオリティは本当に凄いと思いますね。彼女の性格も含め世界観ばっちりでしょ!あとはTM PAINTとかも世界観出てて好きですね。本人のキャラクター含めて、あのポップなテイストが出ているのはユニークですね。

 

確かにこのお二人の作品は良い意味で「これだ!」ってわかりますよね!

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