細川成美 インタビュー

細川成美 インタビュー

細川成美(読み方 : ほそかわなるみ)
HP : http://gdarkness.wixsite.com/narumi-hosokawa
Twitter : https://twitter.com/giRly_darkness
Instagram : https://www.instagram.com/narumi_hosokawa/

細川成美女史は1994年生まれ名古屋出身、多摩美術大学在籍中の美少女画作家。繊細で独自のタッチ・色彩感で描かれる彼女の作品は、どこか儚げで、その世界観への想像を掻き立てられる。ただ、それは性的に消費される対象では無く、反骨や媚びといった要素は存在しない。正当な美少女の追求……彼女の思考は純粋にそれを追い求める。

WEB・展示会を中心に活動する彼女だが、近年はアーバンギャルドの「鬱フェス」アートワークや、あの(ゆるめるモ!)、黒宮れい(BRATS)のポートレート等、音楽に関連した作品も手がけている。この事をきっかけに、彼女あるいは彼女の絵の事を知った読者も多いのではないだろうか。

今回、細川女史に対し、彼女の生い立ちから絵・音楽的ルーツ、現在の画風確立のきっかけや作品製作時の心がけ等を伺うべく、怒涛の1万字超えインタビューを実施した。

取材・文・編集 / 宮久保仁貴


 

-TOPPA!!初登場という事で、改めて細川様の自己紹介をお願い致します。

 

細川成美 : 愛知県名古屋市出身で、もともと漫画とかアニメを愛する家族の元で生まれ育ちました。母が手塚治虫の大ファン、妹は趣味の合うオタク友達のような存在、そして父も娘と一緒にアニメを見るような家族でした。だから、アニメや漫画が一番身近に触れていた分野で、それらに感化されて絵は物心つく前から好きで描いていました。

 

-なるほど。どのような雑誌を読まれていたのでしょうか?

 

細川成美 : 小学生時代は特に『ちゃお』とか『なかよし』を祖母が買ってくれて、そういった女児向けの分野の漫画を読んでいました。同時に母が持っていた古い世代の漫画も読んでいましたね。手塚治虫作品は言わずもがな、『ガラスの仮面』『パタリロ』『漂流教室』などです。また、小学生時代、ちょうど週刊少年サンデーで犬夜叉が連載されてる時期だったと思うんですけど、その漫画とアニメも見ていました。

中学生時代は趣味がちょっと変わり、少年漫画にハマるようになりました。『週刊少年ジャンプ』の漫画をメインに、『ドラゴンボール』とか、『D.Gray-man』、『デスノート』、『家庭教師ヒットマンREBORN!』、『銀魂』、『SKET DANCE』、『黒子のバスケ』などなど……。それと同時に、大暮維人さんの『エア・ギア』とか『天上天下』なんかも単行本集めたりしてました。

あと、これは中学時代なんですけど、少年漫画にハマる同時期ぐらいに丁度VOCALOIDが誕生したんですよね。そこから、ニコニコ動画に触れました。誰でも曲を作れる、しかも初音ミクが絶対的に幅広い音域を保証してくれ、その歌声を調教するというシステムに驚きましたね。ニコニコ動画っていう発表場の土台もあってか、作曲の才能を持っていても思い通りに歌えずその才能を発揮できていなかった層から大量のスターが生み出されるのを幼いながらに肌で感じてきました。本当に革新的で面白い文化だと思います。そこから高校時代は、VOCALOIDや「歌ってみた」「踊ってみた」などの分野を趣味として楽しんで見てました。いろんな歌い手さんのバージョンを入れるから、ipodに同じ曲名が複数入ってる、そんな状況でした。

同時に学校ではKPOPブームが到来していて、東方神起、少女時代、KARAなどの好きな韓国アイドルを観賞したりしてましたね。

 

-そこから、現在在学されていらっしゃる多摩美術大学に進学されましたよね。こちらに進めれたきっかけを教えて下さい。

 

細川成美 : 当時は美術大学に行く予定が一切なかったんです。家族が嫌がると思って。美術の分野の多くは「職にできるかできないか」「収入が安定するかしないか」という問題があって中々難しいじゃないですか。行かない前提でいたんですけど、ある時母が「もしかして、行きたいんじゃない?行ってもいいんだよ」と言ってくれたので、その後予備校に入ってデッサンや諸々を学び、目指すことにしました。

実は今の大学に入る時に、愛知県立芸術大学という県立の大学と、多摩美術大学という2つの進路で迷いました。1人暮らしの費用と私立の学費の合計に比べると、経済面では愛知の方がどう考えても安く済むからです。でも、創作活動をする上ではやはりギャラリーが多い東京の方が利があるし、先進的なクリエイティブが集まる都市はやっぱり東京だと思いました。愛知にいた時からずっと危惧していたことなんですが、愛知だけが世界ではないので、創作をするなら情報の鮮度や空気など絶対に東京のものを感じておいた方が良いなと思いました。
あとは、知人がすでに何人も通っていたので、今更行っても面白くないなというのがありましたね、どうせだったらもっと見たことないものや人に会いたいという思いが強かったので、多摩美術大学に行くことにしました。

 

-なるほど。実際に入学されてからはどの様な活動を行われてきたのでしょうか?

 

細川成美 : 入学してから夏休みまでは、課題の量に慣れるために学業をメインにこなして夏休みから始める展示活動のスケジュールをずっと練っていました。

夏休みに入って展示を始めてからも、課題の量と頻度が多いカリキュラムにもかかわらず学業をサボるのがどうしても嫌だったので、課題をやりつつ自分の作品を描く時間もとらなきゃで、結構ハードでした。多摩美のグラフィックデザイン学科って課題の量が細かくて多いんですよ。なので、アトリエに残って課題の作業をして、10時くらいに帰宅して自主制作して、ということを毎日やっていました。企画展が週に1本ぐらい、月3-4本ぐらいあって、毎週2-3作の作品を作りました。だから月10作ぐらい作るやり方で毎回展示活動をやっていましたね。

最近は展示の質を限定して選んでいるので、おかげさまで、描いたことない題材を描くとか、絵画以外のもの、イラストの依頼とかコラボレーションなども余裕を持って受けられるようになりました。

 

-ありがとうございます。それでは、美少女画作家として名を馳せ、近年は音楽アーティストのグッズデザイン・ポートレートも作成されている細川様ですが、 改めてその絵・音楽的ルーツを教えて頂けますでしょうか。

 

細川成美 : 割と雑多なんですけど……1つ言えるのが、基本的に私はカラオケとか歌うのが趣味なんです。なので自分の音域に合うもの、女性ヴォーカルの曲を聴いてしまうんですね。男性の曲も一応聴くんですけど…。ジャンルも偏ってはいるけど割と雑多に聴いていて、女性アーティストメインにK-POP、邦楽や洋楽、アニソン、VOCALOID、この辺がメインです。本当に好きなものだと、ゲームの歌や同人音楽なども聴いたりします。結構スローテンポな感じの曲が好きなんですよね。

あと、これは男性のアーティストなんですけど、ZAYNの「PILLOWTALK」という曲が大好きで、制作中ずっとリピートしていました。本人の声が澄んで美しいですし、ゆったりしたテンポながらPVは非常にアーティスティックで刺激的でありました。初めて聴いた時は鳥肌が立った記憶があります。

特定の女性アーティストだと、ARIANA GRANDEとか、TAYLOR SWIFT、ALLIE X とか、1人脱退したらしいんですけどFIFTH HARMONYも好きです。洋楽はファッショナブルな映像やテンポの良いものが好きで、言葉が分からないからこそ、心地よい体感的なリズムを好んで聴いていますね。邦楽だと歌詞にこだわりがあるものが好きで、コラボさせていただいたアーバンギャルドさんのある種中二病的なストレートな世界観が大好きですね。また、大森靖子さんとか黒木渚さんも大好きで、やっぱりひた隠さない直情的な、刺激的な歌詞のものに感情を大きく動かされます。あと、ヴィジュアルから入ることもあったりします。 DAOKOさんに関してはもう完全に本人のヴィジュアルから入ってしまった感じで、「あ、かわいい!!」と思ってそこから曲を聴きだしました。本人の売り出し方も「女子高生」っていう最強のポジションを利用しつつそこにラッパーの要素を押し出していて、良く出来たマーケティングというかプロデュースだなと思った記憶があります。あとは、最近また個人的にK-POPのブームが来てまして、LOONA、Redvelvet、BLACKPINK辺りに夢中になっています。

 

-幅広い聴き方をされていらっしゃいますね!さて、画家としてのお話に移りたいと思います。細川様が美少女を描く事に目覚められたきっかけを教えて下さい。

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