細川成美 インタビュー

細川成美 インタビュー

細川成美:これですね。

[eicateve 2nd Album “LOVE” / CROSSFADE]
https://soundcloud.com/eicateve/eicateve-love-crossfade

細川成美 : 実は大学に入学して初期ぐらいの時に、一度有償でイラストを描いたんです。元々はデジタルで描いていたって言ったんですけど、こういう感じのものを描いていて。

Twitterのフォロワーに同人音楽を作っている方がいて、eicateveさんという方なんですけど。その人が2ndアルバムをリリースされた際に、描かせて頂いたこの絵が初めてだったと思います。ちょうど私が大学入学した時くらいからかな、もともと結構仲の良いフォロワーさんで、古くから付き合いがある人なんですけど、その人がとある作品を気に入って、依頼をくれたんです。「髪の毛の中に世界があるような、そういう表現が非常に気に入ったので、そんなイラストが書いて欲しい!」というリクエストでこのジャケットイラストを描きました。

当時デジタルのイラストは今見ると結構下手くそんですけど……当初は「かわいい外見・容姿攻撃的な性格の2面性をテーマにしていたんです。予備校時代から大学入学初期にかけて確率した作風で、ライフワーク的に継続して書いてたイラストレーションなんですけど、グッズにした時の見栄えはむしろ今のよりも断然こっちの方が良かったりして、今でも気に入っている作品ですね。

 

-この頃から今の作風の要素が垣間見得ますね…•!続けて作品の話に移りますと、近年アーバンギャルドの「鬱フェス 2018」のメインビジュアルを書かれたり、作品『ブリリアント・サマー』が菊勇株式会社の新作夏酒「純米大吟醸 すずかぜ」のラベルに採用されたりと、華々しいニュースが多いですね。これらが決まったきっかけを教えて下さい。

アーバンギャルド公式HP http://urbangarde.net/info.html
アーバンギャルドofficial blog https://ameblo.jp/zeneitoshi/entry-12366647554.html

細川成美 : アーバンギャルドさんの依頼は、突然メールで送られてきたんです。当初、私はTwitterで一方的に浜崎容子さんをフォローしていて、まさか認知されているとは思ってなくて。どうやらアーバンギャルドのマネージャーさん曰く、メンバーのどなたかが作品を気に入ってくれたらしいんですね。それで使いたいんです、という連絡が来まして。あの時は「うわー!!!きたー!!」と思って思わず声が出ちゃいました(笑)。

後日アーバンギャルドのマネージャーさんと松永天馬さんと打ち合わせをしたんですけど、その時に自分の作品のメッセージを松永さんがかなり的確にとらえてくれていたんです。というのも私は結構、同じ髪型、同じ外見、同じ服装の女の子を描くことが多いんですよ。そういうところに目をつけられて、典型的な美少女像、理想像を非常にアイコニックに描かれていますよね、と。そういう意図・メッセージを含めて描いている事を認識してくださっていて。作品に関してものすごく考えてくれていたんです。その日の打ち合わせで、「是非描かせていただきます!」と言いました。また話を聞いたら、私は2016年3月に個展をしてるんですけど、その時から浜崎さんが作品を知ってくれていたみたいなんです。もしかしたらその時から、いずれ依頼をいただける可能性はあったのかもしれないですね(笑)。

作品の方向性を相談をした結果、作品「少女ダンス」の方向性が近いとのことで、セーラー服がいっぱい描かれている作品を描く事になりました。

 

-こちらの作品はどの様なプロセスで描かれたのでしょうか?

 

細川成美 : この作品を作った時のイメージとしては、中央に女の子がいて、周りに顔が写ってない状態の女の子が浮遊している構図を意識しました。その中で、中央の女の子だけネイルを赤にしてあるんです。あと、本当に小さいので分からないと思うんですけど、周りの女の子たちが黄色とか白とかグリーンとか、いろんな色のネイルをしていて……そこに、いろんなアーティストが集まって、リボンを全員が持っていて、一つのイベントを作り上げるというイメージで作りました。あとは、やっぱりアーバンギャルドのモチーフとしてセーラー服が使われている事が多かったりしたので、何か魅惑的なテーマを取り込みたかったんですよね。スカートの中の色をショッキングピンクとか鮮やかなグリーンにすることで、めくりたいものとか覗きたいもの……そういうメッセージを込めました。

 

菊勇株式会社公式Facebook : https://www.facebook.com/36samurai/photos/a.264451740758928.1073741828.264270997443669/314141152456653/?type=3&theater

菊勇に関しては、私が作品を販売するのに使っている通販サイトのお問い合わせからメッセージが送られてきたんです。内容としては、「作品が気に入ったので弊社が作る新作の地酒のラベルに使わせてほしい。」との事でした。

実は少し前から、年配のファンが買えるグッズを作りたいと考えていたんです。どうしても既存の印刷会社に依頼するものってステッカーや缶バッジとか、年配の方には向かないグッズしか作れなくて。その時に日本酒の依頼が来て、これまた「来たー!」と思って引き受けました。さすがに日本酒のパッケージだからセーラー服は使えないので、着物とかの夏らしいイメージの作品を5-6点送付して、どれが良いですかって聞いたら、丁度今製品パッケージで使われているそれを選んで頂きました。イラスト自体は菊勇様のために描き下ろしたものではなかったんですけど、イラスト描いてる時の自分のイメージは……私は『海がきこえる』という映画が好きで、そういう懐かしいノスタルジックな感じの、記憶の中にある美しい海みたいな……そういうものをイメージして作りました。

 

-活動の幅が広がりそうな出来事ですね!さて、近年これらの他にも数々の経験をされていらっしゃるかと思いますが、直近の活動で特に印象深かった出来事を教えて下さい。

 

細川成美 : 私がクリエイティブで、頑張っててよかったと思ったことが一つありました。小学生時代にめちゃくちゃ漫画好きだったって話をしたんですけど、ブックオフに頻繁に通っていたんです。それで吉富昭仁さんの描いてる『RAY』っていう漫画、あれを一度読んでめちゃくちゃ好きになって、……中学・高校と思い出すたびに読んでいたんです。その事を最近ふと思い出して「『RAY』っていう漫画がめちゃくちゃ好きなんですけど……!」とツイートしたらご本人が私のtwitterアカウントをフォローしてくださったんですよ!小学生からずっと読んでた好きな漫画家さんと、こんな形で10年越しくらいに出会えたので、本当に嬉しかったですね。自分が絵を描いていなかったらフォローいただけなかったでしょうし、するとtwitterをやっている事にすら気付けないままだったかもしれなくて。本当に偶然のことなんですけど……!いつも頑張って活動しておいて良かったなと思いました。

 

-今の時代どう繋がるかわからないものですね!話は変わりますが、細川様が最近触れた方や物の中で感銘を受けた人や物を教えて下さい。

 

細川成美 : K-POPのアイドルグループのPVにめちゃくちゃハマってます。LOONAっていう女の子のアイドルグループなんですけど、2016年くらいから活動を開始したみたいで。面白いというか特殊なのが、メンバーが1人ずつ月1で公開されるんですよ、2016年から1人ずつ、そのメンバーがメインの楽曲とPVが公開されていくんです。そして2018年の3月、メンバーが公開された時に「あぁ、好き!」ってなりましたね(笑)。彼女の名前は(Olivia Hye)オリビア・ヘっていうんですけど、「Egoist」っていう曲で、そのビジュアルと曲が、自分の理想の作品イメージとものすごく合致していたんです。歌詞の内容は言語が違うので聞き取れないんですけど、PVに赤色をメインに使っていたりだとか、女の子が2人登場するんですけど、すごく友情めいたような、恋愛めいたような、女の子同士の愛情や母性をほんのり感じる、しっとりとした雰囲気で、曲調はすごく心地よくて。私は好きな曲があったらその1曲をずっとリピートするんですけど、最近はその曲だけをずっと聴いてました。その子に夢中ですね。

 

-作品に良い影響が出ると良いですね!続きまして、近年の画家/イラストレーターシーンはWEBやSNSの発展で大きく移り変わる過渡期にあると思われますが、こちらについて思う所を教えて頂けますか?

 

細川成美 : クリエイターの飽和時代だと思っています。こういうのをレッドオーシャンって言うのかもしれません……あらかた画風や絵画の種類が出尽くしている時代。だから古いものが何度もリバイバルを繰り返している。新しいものを作るには、古くからあるものと新しい価値観を掛け合わせる……そんな時代が来ていると思っています。しかも、クリエイティブを職にしている人のすぐそばに、趣味で同じクオリティのものを作る人がいる。タレントが絵画を描いたり、職の垣根を超えてクリエイターになる人も増えています。SNSで誰でも作品を発表する土台が定着してるので、本気で探せば似たような絵がごろごろ見つかったりもしますね。だからこそ、同じ印象の絵だったらこの人に頼みたいって思われる人になりたいです。私と同じような要素を扱って絵を描く人はごまんといます。でもそこで私を選んで頂くにはどうするべきなのかと常に考えていて。自分がどこに所属するのか、どこで作品を発表するのか、どういうメッセージを込めて作品を作るのか、自身がどういう外見でいるべきか、どういう意思を言葉で表現するのか。作品だけじゃなく作家像にまつわる全部のことを意識して選んで組み合わせる方法でブランドを作っていかないと、絵柄だけだと個性を確立するのが難しいんじゃないかと思います。

だから、私の場合は、デザイン科で学んだ事を絵画に活かすことで面白くならないだろうかとか、美少女というありふれたモチーフにどんなメッセージを込めて描いたら差別化になるかとか……そうして複合的に自分の個性やオリジナリティを出そうとしています。モデルやタレントさんに関しても、本人のヴィジュアルの良し悪しに関わらず、どういったところで活動しているのかが重要視されたり、それこそイメージの悪いタレントさんがCMに起用できないみたいに、自分がどう活動するか、それがどう影響するかを常に考えて動いています。……私も含め、これから活動される方はそういう気の抜けない環境を生きていかないといけないので、中々大変だと思います。

 

-プロ意識に関するお話がお伺い出来て何よりです。ある種シーンとして戦国時代に突入している中で、細川様の今後の目標を教えて下さい。

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