KEYTALK・Benthamチーフマネージャー/有限会社マーガレット・ミュージック取締役社長/KOGA RECORDSオーナー 古閑裕 インタビュー

KEYTALK・Benthamチーフマネージャー/有限会社マーガレット・ミュージック取締役社長/KOGA RECORDSオーナー 古閑裕 インタビュー

古閑裕 (読み方 : こが ゆたか)
古閑裕 個人Twitter : https://twitter.com/rocketkoga
KOGA RECORDS HP : http://www.koga-records.net/
KOGA RECORDS Twitter : https://twitter.com/kogarecords
KOGA RECORDS LINE@ : http://line.naver.jp/ti/p/%40koga-records
KOGA RECORDS YouTube : https://www.youtube.com/user/KOGARECORDS

音楽を中心に、様々なカルチャーが渦巻く町、下北沢。この地に根ざして早2〜30年は経ったであろうか、KOGA RECORDSは数々の名アーティストを輩出してきた。レーベルオーナーである古閑氏率いるROCKET Kは勿論の事、KEYTALK、Bentham、SpecialThanks、そこに鳴る、number girl等々……日本のロックシーンを語る上で今も昔も目が離せないバンド達ばかりだ。

今回、有限会社マーガレットミュージック取締役社長/KOGA RECORDSオーナーの古閑氏に対し、彼の生い立ちから音楽的ルーツ、KOGA RECORDSの成り立ちや各バンドとの出会いのきっかけ、音楽観等を伺うべく、堂々の1万字超えインタビューを実施した。

取材・文・編集 / 宮久保 仁貴


 

-TOPPA!!初登場という事で、改めまして古閑様の自己紹介をお願い致します。

 

古閑 : 昭和40年に熊本に生まれて、ごく普通の家庭に育ったんですよ。ただ、一つ付け加えるなら家系が音楽の先生で、潜在的に音楽の血が流れているような家系でしたね。

音楽を意識して聴き始めたのは、小学校高学年の時に、近くに住んでた同級生の洋楽好きの友達に教えてもらってからですね。例えば、QUEENの様な『MUSIC LIFE』や『ロック・ショウ』に載っているような……当時はアイドル扱いされていたバンドが好きでしたね。また、当時はレコード屋でレコードコンサートと言って、新譜を流すイベントがあったんですよ。そこで行われたプレゼント企画でCHEAP TRICKの『蒼ざめたハイウェイ(※原題 : In Color)』が当たりまして。そればっかり聴いていた事を覚えていますね。

 

ライブを見始めたのはいつの出来事になりますか?

 

古閑 : その後、1978年に福岡の九電記念体育館にCHEAP TRICKがライブをしにやって来たんですよ。絶対見に行きたくてチケットは取ったんですけどけど、年齢が若すぎたので、おじいちゃんに付き添いで行ってもらいました。その日が、生でロックを観て聴いた初めての日でしたね。そこから洋楽にハマりまくって、ちょうど熊本で毎週土曜日の6時に洋楽のMVを流していた『サタデー・ミュージック・スペシャル』というローカル番組がありまして。そこで、今も熊本で現役でDJをなさっている”かなぶんや”さんがTHE CLASHとかTHE DAMNED等を流されていまして、そこからの影響でその年代のパンクも聴いていました。

あとは同時期にラジオも聴いていまして。大貫憲章さんが『若いこだま』『ヤングジョッキー』というNHKのラジオ番組でDJをやられていて、毎週のように新しい音源を紹介されてて、毎回チェックするのが僕の日課でしたね。

あと、東京でやっていた番組で、「全英TOP 20」で大貫さんがパーソナリティを務められていて、イギリスの音楽をいっぱい流していらっしゃったんですよ。今思えば、この番組が僕の音楽的ルーツの源流かもしれません。

その流れもありつつも、ただ僕は九州在住でもあったので、同時にめんたいロックの流れにも乗っかりまして。たまに熊本にもめんたい系のバンドがライブで来てくれるんですよ。初めて観たザ・ルースターズが確か1stアルバムを出したぐらいの時だったかな……当時はお客さんが5人くらいだったのを覚えています。

 

それは意外ですね!

 

古閑 : 今やめんたいロックのレジェンドですけど、当時はまだブレイク前で。その頃のザ・ルースターズはかなり激しいパブロック〜パンク寄りのサウンドだったんですけど、衝撃を受けましたね。シーナ&ザ・ロケッツは元より、ザ・ロッカーズ、THE MODS、を観に行ってたりして、中学時代はライブ三昧でしたね。そして、仲よくしていただいていた先輩の家にはパンクのレコードがほんとにいっぱいあって、例えばデッド・ケネディーズとか、SEX PISTOLS以外のいろんなパンクバンドのレコードを聴かせてもらってました。

 

高校時代はどのような学生生活を過ごされたのでしょうか?

 

古閑 : 高校ではパンク〜ニューウェイブ好きの友達とつるんでいましたね。類は友を呼ぶと言いますか。その時、友達から「これ、先鋭的なんだぜ!」とオススメしてもらったのが、PiL(PUBLIC IMAGE LTD)で。それを聴きつつ、東京ロッカーズ〜フリクションだったり、LIZARDを聴いていました。新宿LOFTというキーワードが出てくる度に、僕の頭の中で「いつかここに行ってみたい!」といった夢が膨らんで来たのを覚えています。イギリスの音楽の流れで、レーベル4ADからリリースされていたBAUHAUSやCOCTEAU TWINSやBirthday Partyなどなど……いわゆるポジパン、ネオサイケ、ゴシックの洋楽取り扱っていた頃の『FOOL’S MATE』もよく読んでいました。

そんな訳で、イギリスと東京への憧れがすごくあって、高校卒業後一年間福岡で浪人して、東京の大学に入りました。とはいえ、浪人中は福岡でめんたいロックのバンド達を観ていたりはしたんですけど。今僕は52歳なので、もう30年以上前の出来事になりますね(笑)。上京後は東京のライブハウス、それこそ新宿LOFTや今は無き渋谷LIVE INNでFOOL’S MATE系のアーティストをよく観に行ってました。あと、La.mamaにもよく行ってて、当時のオリジナルラブとか、その後のフリッパーズ・ギターとなるロリポップ・ソニックとか。僕自身カッコいいバンドを観たら、すぐに「知り合いになりたい!」と思う人間でして、終演後に「僕は〜ファンなんです!レコード持ってます。サインしてください」と言っては近寄っていってました。そこから色んなバンドの人と知り合いになりました。

そして、引き続き洋楽も聴いていたので、大学1,2年の時にイギリスの『NME』を青山ブックセンターで買って読んでたんです。THE SMITHとか、THE STONE ROSESとか、当時のマンチェスターのシーンが出て来て、「あ、こういう音楽あるんだな!」と影響を受けつつも、その頃から、さらにポップな音楽にも目覚めてきたんですよね。

 

ちなみに、バンド活動はどのタイミングから始められたのでしょうか?

 

古閑 : そして、イギリスへの憧れから、お金を貯めて、一度現地に行ってみたんですよ。当時は向こうに行くのに30-40万かかっちゃう様な時代で、親にも援助してもらいましたね。現地では色んなライブを観て、ときめいて……それで僕の人生の方向性が決まった感じはありましたね。その後、日本に帰って来て、自分もバンドを組もうと思い、バンド活動をスタートしました。

最初やっていたバンドはCOCTEAU TWINSや耽美派、シューゲイザーに影響を受けた女の子ボーカルのバンドでして。そんな時、渋谷の屋根裏が下北沢に移って来たんですよ。そこで、いろんな人と知り合いましたね。DIP THE FLAG(※現dip)のヤマジ(Vo/Gt)くんとか、アルルカンの本橋(Vo/Key)くんとか。

その後、バンドをやめて、大学卒業後2年半くらいサラリーマンをやっていたんですよ。ただ、就職したけど、やっぱバンドを諦めきれず、大学時代に知り合いだったペニーアーケードの石田真人(Gt)くんとその後ヴィーナス・ペーターを結成しました。当時僕自身は転勤で大阪に住んでて、「もしバンド組めたら、東京戻ってくるよ!」と電話していまして。なんやかんやで大阪から東京戻って来て……それがヴィーナス・ペーターの始まりでしたね。

当時はフリッパーズギターやブリッジと仲良くさせて頂いていて、そういった関係で、Creation RecordsのVELVET CRUSHのフロントアクトをさせていただきました。当時、ヴィーナス・ペーターみたいなマンチェスターっぽいと言うか、ダンサンブルなギターサウンドは珍しく、かなり洋楽っぽかったのか一躍話題になりました。そこで、一緒にやろうと声を掛けてくれたのがUK PROJECTの与田さんでした。

 

順調にバンド活動が進まれたのですね!

 

古閑 : ただ、そういう音楽を聴きつつも、BEYONDS〜Hi-STANDARD辺りの下北沢のライブハウス界隈で遊んでて、音楽好きの仲の良い人たちがどんどん増えていきました。あと、学生時代に引き続き、DOLLやFOOL’S MATEも読みつつ……当時メタルとかハードコアの線引きが良い意味で曖昧な時代で、Howling BullからEAT magazineがリリースされてたんですよ。

 

小杉さん率いるHowling Bullの登場ですね!

 

古閑 : そうなんです。思えばその時から、メタルやハードコア、それに近いような音も改めて聞くようになりました。実は、小杉さんと通ってきた道は違うんですけど、同じ大学の同級生なんですよ。後日、ふとした機会で会ってみたらお互いに諸々共通点があり、そこからたまに一緒に飲んだりと、仲良くさせて頂いてます。

音楽に関しては……ざっくり言えば大学卒業してから、ポップな音楽もロックもメタルも……あらかた聴きすぎて今に至ります。今はもしかすると、ロックというジャンルに関しては、メタルの方が好き度の比重が高いかもしれません。ちなみに、MASTODONは来日公演毎回見に行ってます。

 

先日サマーソニックで来日していましたよね!それでは、その後古閑様はKOGA RECORDSを立ち上げられますね。こちらのきっかけを教えて頂けますでしょうか。

 

古閑 : 元々ヴィーナス・ペーターとしてUK PROJECTに所属していたんですが、海外のインディレーベルだと、イギリスのCreation Recordsとか、アメリカだとSub Pop Recordsのようなレーベルに憧れていたんですよ。それで、元々自分でもレーベルをやってみたいと思っていたんです。

ある時期、ヴィーナス・ペーターのバンド内がぎくしゃくして、解散するかしないかという話が持ち上がっていたんです。ただ、自分も会社も辞めてバンドに専念していた時だったので、「音楽で何かしらやりたい……!」と思い、レーベルを立ち上げる事を更に意識しましたね。UK PROJECTからの報酬はあったんですが、お酒好きなんでもっと飲み代が欲しかったんです。当時、バンドマンとして活動する傍ら、アルファレコードというレコード会社でバイトもしていたんです。そこで、業者さんとのやりとりはこうで、印刷屋さんがこうやって来てとか、いろんなノウハウを学び、いろんな点が見えてきたんです。そして、「実際、僕でもレーベルが出来るな!」と勘違いし、ヴィーナス・ペーター解散後、レーベル業務がスタートしました。立ち上げ当時は、2年くらいは元所属事務所UK PROJECTと絶縁していたんですよ。勿論今は仲が良いんですが(笑)。私の半分逆恨み、逆ギレみたいなもんでして、今思えばあの時は若かった。今となっては、当時のUKの社長がやってたことと同じことを自分がレーベルでやっていて、結果、(あの時は若かった)アーティストたちとの付き合い方、諸々の流れもわかるので、凄く感謝しています。

 

ありがとうございます。それでは、現在マーガレットミュージック/KOGA RECORDS代表として、数多くのアーティストを手がけられていらっしゃる古閑様ですが、アーティストと契約する上で心がけている事を教えて下さい。

 

古閑 : 信頼関係が大事だと思いますね。契約する時は、当然僕が一方的に好きになってオファーする時もあれば、向こうも憧れて相思相愛的に契約する場合もあります。なんせKOGA RECORDSを20年以上もやっているので、ちょっと昔の人ならば知っているんですが、今や知らない若者も多いので。自分が誰なのかをアピールする事を心がけると共に、その説明の仕方に苦労しますね。昔はnumber girlをリリースしていたとか、最近だとKEYTALKが所属しているとか。リリースするそこに鳴るがYouTubeで100万再生されたとか。

あと、契約を結ぶ際には、必ず良い点も悪い点も説明しますね。「君らの音楽大好きで、うちはこういう事が出来るよ!」と。言い方を悪く言えば、「一回うちに乗っかって、リリースしてみない?」とも。人によっては、疑心暗鬼になって、「俺たち騙されてるんじゃね?」って思う人もいると思うので。必ず50:50でないかもしれないけど、僕自身も昔バンドやっていた話をして、「お金の動きはこうなっているよ。」とか、キチンと理解して契約出来ればとは思います。まずは、KOGA RECORDSのやってきた事を理解して頂いて、そして僕も貴方達に惚れたので、「一緒に組んでやりましょうよ。私含めウチのスタッフが第2、第3のメンバーになるから、一緒に活動してみない?」と。相互理解する事を心がけていますね。そうでないと、お互いに続かないと思うので。

お金の面もそうだし、方向性を順序立てて、こういう形でリリースしようとか一緒に決めて行ければ良いですね。まぁ、一番は一緒にお酒飲める様な仲になるのがベストですね。僕自身お酒が好きなので(笑)。

 

過去から現在に至るまで、マーガレットミュージック/KOGA RECORDSには数多くの名バンドが所属されていらっしゃいますね。今改めて、各バンドとの出会いのきっかけを教えて下さい。

 

古閑 : KEYTALKは11年前に出会ったんですよ。丁度彼らが19か18歳くらいの時ですかね。事務所にデモテープが送られてきたんです。その当時、僕自身がthe band apartが好きだったんですけど、このデモにバンアパに影響受けた音だと感じたんです。それがKEYTALKになる前、前身バンドrealの音源でした。昔から今まで、もらったデモなどに電話番号があったら、僕は即電するタイプなんです。このデモにも電話番号が書いてあったので、早速「一度ライブを観させて頂きたいです!」と連絡しました。

彼らのライブを最初渋谷CYCLONEで観たんですが、この時の現場はただならぬ空気感があったんですよ。というのも、立って観ている自分の後ろに、知り合いばっかりがいまして。いわゆるスカウトと言うか、業界の方々が何人もいて、「これは戦いになりそうだな……!」と思いました。それが、後のKEYTALKとの最初の出会いでした。

 

当時から頭角を現していたんですね!

 

古閑 : あれは驚きましたね。ライブが終わってから、そこで感想を言うのはかっこ悪いと思っているんで、「またちょっとメールで感想入れるね!」と彼らに言いまして。その後、ライブを何度も観て、当時彼らはまだ未成年なので一緒に飯食ったりするのがコミュニケーション手段でしたね。後から話を聞くと、当時10社くらいから話が来てたそうなんですが、どことも契約せず1年くらい宙ぶらりん状態だったんですよ。僕も流石に大手さんいるのでダメかな……と思い、マクドナルド下北沢に小野武正(Gt)を呼び出して、「ウチは手を引こうと思っているんだけど、今後も何かあったら相談乗るから……。」と言ったんです。ただ、そこで武正が「いやいや古閑さんちょっと待って、古閑さんとこにお世話になろうと思ってるんですけど!」と。そんな流れだったので、「えええ本当にウチで良いのかな……?」と疑心暗鬼になりつつ、逆に「これは重大なアーティストを抱えることになるのかな……!」と思いました。彼らを総合的にプロデュースするにあたり色々考えまして、まずは音源関連ではプロデューサーにFRONTIER BACKYARDのTGMX君にお願いしました。KEYTALKみたいなテクニカルな要素が入ったバンドは、今までの僕がプロデュースしてきたバンドとは別視点で攻めなければ、と思ったので。

 

 

ただ、3年くらいはKEYTALKはブレイクしなかったんですよ。ちょっとthe band apartの匂いがしすぎると言うか。ある時、メンバーが色んな要素を試行錯誤しながら取り入れている中、「日本語の歌詞でやりたい!」という話が持ち上がったんです。当時の僕は歌詞=英語人間だったのでどうなのかな……と思ったんですが、「でも、やりたければ、やっていいんじゃない?」と彼らのやりたい様に任せまして。そうしたら、だんだん火がついて来て、ブレイクの兆しが見え始めました。同時に、彼らは週に何回も地方都市回ったり……それこそ北から南まで。彼らは同年代の日本語歌詞の踊れるインディーズバンドで人気の先駆けになったのかなとも思ってます。

 

今の活躍も当時の試行錯誤があったからなんですね!

 

古閑 : あと、KEYTALKに出会う1年前にSpecialThanksに出会ったんです。名古屋のライブハウスで初めて観たんですが、Misaki(Vo/Gt)の存在感が凄かった事を覚えています。当時、英語でバチバチに歌っているメロコアで女の子Voのバンドがいなかったし、これはヤバイと思い、その日に「是非ウチでリリースしましょう!」とオファーしました。その時、Misakiのお母さんも来ていて、「彼女を嫁に下さい!」くらいの勢いで挨拶した事を覚えています。そして、いざリリースしてみたら、いきなりインディーズ1位になった事も驚きました。

 

 

そこからもう10年経つのかな……彼らの活動はマイペースなので、定期的に高クオリティの作品がリリース出来ればと思います。最近は彼らも日本語で歌ったりとか、音楽の幅を広げようとする流れがありまして、その調子でインディーズで頑張って欲しいです。

最近の話になると、そこに鳴るは自分がネットでバンドを探してたらたまたま名前が出て来たんですよ。いざ音源を聴いてみたら、物凄くテクニカルだけどポップで和エモいと思いました。彼らに関しては、向こうからデモをもらったわけでもなく、こっちからオファーしました。実際、もう1レーベルに声かけられていたそうなんですが、幸せなことにウチでリリースが決まりました。

 

 

今までミニアルバムを4枚リリースしてきたんですが、4枚目の『ゼロ』収録の「掌で踊る」が最近YouTube上の再生回数が100万を突破しまして。今までの積み重なりが良い具合にプラスになって来て、聴いてくれる人が増えて来たのかなと思います。メタルやラウド系の要素もあり、凛として時雨的な繊細な要素や、L’Arc-en-CielやLUNA SEAが持っている様な美しい要素も持っている才能のあるバンドだと思うので、次のステップに行って欲しいなと思っています。

 

 

あと、そこに鳴るにNOCTURNAL BLOODLUSTの音源を紹介したのは僕なんですよ。NOCTURNAL BLOODLUSTの容姿の美しさと音の激しさのギャップが個人的に好きで、そこに鳴るにもある種近いものがあるんじゃないかな?と思いまして。そこに鳴るのメンバーに、「このバンドかっこいいから一度聴いてみて!」と紹介したら、メンバーがノクブラのことを色々調べ始めまして。ある種、そこに鳴るは音楽性的に孤高の存在なんですが、僕と彼らで合意の元で意見を取り入れてもらったりするのは嬉しい事ですね。

バンドがいて、僕も、ある一定の所で意見を言えれば、バンドとレーベルで互いに相乗効果があるのかな、といつも思っています。

 

今挙げていただいたバンド様それぞれが個性豊かで面白いですよね。そんなアーティスト達が所属するKOGA RECORDSですが、一言で表すならどのようなレーベルだとお考えですか?

 

古閑 : 自分の歴史、それこそ自分が通ってきた音楽にリンクするようなアーティストをリリースするのがKOGA RECORDSなのかなと思います。KOGA RECORDS = 古閑裕的な所かなと(笑)。ただ、自分自身もメジャーな世界を通って来ているので、いつもアーティストを売り出す方法を考えていますね。全体のマーケットを見つめつつ、このバンドの方向性だと、ここに足踏み込めばいけるんじゃないか?とか。

あと、最近の話だと本当はCDもしくは盤に固執したいですけど、今後の主流となると言われているサブスクリプションの流れも加味する必要があるじゃないですか?その辺も時代の流れを取り入れないと前に進まないので、どんどん新しい事に取り組めるレーベル作りは心がけています。

この他、実は海外の人達からオファーを受ける事が多いんですよ。アーティスト達の力でお声がかかるのか、はたまた自分の音楽の視点がグローバルなのかはわかりませんが。とはいえ、KEYTALKは日本のバンドですし、今日本のメジャーシーンで戦っているので、そこで1位を取れるくらいまでやらなきゃな……!と思っています。

 

ありがとうございます。それでは、下北沢という土地において、レーベルを運営される上で日々感じている事を教えて下さい。

 

古閑 : 学生の頃から下北沢で遊んでいるのもあるんですけど、下北沢で活動を始めてからもう2〜30年は経ってますからね。最近はオールジャンルで町の方々と知り合いになれた事が嬉しいですね。ライブハウスや音楽関連の人達は勿論知っていますけど、最近は商店街の方々や飲食店の方々とかも僕達がやっている事を知ってくれてまして。良い意味で町ぐるみで応援してくれている感覚はあります。下北沢は良い意味で狭い町だなと思います。最近は町を歩いていて、「古閑さんこんにちは!」と知らない人から挨拶されたりします。だから反面、悪い事は出来ないです(笑)。

その恩返しとして全国に下北沢の事を知ってもらえるよう努力していきたいと日々思っています。KEYTALKは全国各地の会場で最初のMCは、「下北沢から来ましたKEYTALKです!」って言うんですよ。レーベル・事務所として、第一の故郷はやはり下北沢で。例えば野球だと、シアトルだとマリナーズとかってあるじゃないですか。それが「KOGAだと下北沢だよね!」と、そういう関係性になれたらいいなと思います。

 

今後が楽しみですね!ちなみに、レーベル及び会社を運営される上で、良かった点や苦労した点を教えて下さい。

 

古閑 : KOGA RECORDSが古閑の歴史でもあるので、自分の好きなアーティストについて発信できるのが幸せですね。人によっては、「仕事と趣味を分けるべきだ!」と異論のある人も多いと思いますが、僕としては好きな音楽が仕事になったので嬉しいです。もう20数年やってきた流れで色んな人に自分発信の音楽を聴いてもらって、賛否両論言ってもらえる事も嬉しいです。

バンド単位の話をすると、先ほども触れたんですが、KEYTALKは最初3年なかなか芽が出なかったんですよ。その下積みの後、いざ新作をリリースしたら、ライブ後、メンバーからライブの報告電話が毎回各地からかかってきまして、「一昨日が10-20枚売れて、今日は40枚売れました!」と。彼らの頑張りが結果として次第に出て来て、じゃあ次は「ワンマンでクアトロみたいな大きい所でやりたいですね!」って話だったり、その後はあれよあれよという間にどんどん結果を出していきまして。先日KEYTALKは武道館や横浜アリーナもソールドさせたんですけど、彼らと僕って、親と子供くらい年齢が離れているんです。だから親子の様な関係なので、息子達が大きな晴れの舞台に出た時は感慨深いんですよね。例えば、ライブが始まって照明が点いた時、胸の底からジーンと感じるんです。印象深い事は沢山ありますけど、本当にレーベル冥利に尽きると言うか、彼らと一緒にやっていて良かったなと思っています。

 

先日は巨匠(KEYTALK/Vo/Gt)様及び古閑様の故郷熊本でもワンマン公演を行われていらっしゃいましたよね。

 

古閑 :やってます。2年前、熊本で震災が起こった時、僕も熊本で子供の頃、遊んで音楽を楽しんで過ごした故郷への思い出、思い入れがあるので、何かしら熊本へ支援という形で恩返しをしたい想いがあったので、メンバーと一緒に熊本市長に義援金を届けに行ったり。早く昔の熊本みたいに戻って欲しいと。勿論ライブで元気になってほしいし、それ以外だと、それこそ巨匠が熊本城マラソンで走ったりしましたし。

話を戻して……苦労した点は……無いんじゃないですかね?嫌ならばこの仕事を50歳まで続けなかったと思いますし。強いて言うならば、先ほどと同じく、アーティストとの信頼関係を築く事は大変だという事ですね。なんせ価値観が違う人もいるんで、お互いに通づる所を作るべく、リンク共有しなければいけないと思うんです。それは、多分こっちから言い寄らないと出来ない時もあるかもしれません。

あとは、実際身体的な所ですかね。趣味が仕事なので、変な話休みが無いんですよ。土日祝って普通の人だと休みだと思うんですけど、音楽に関してはライブがありますし。好きで観たり行ったりしているので僕は良いんですが、たまに年齢的にキツイかな……?と思う瞬間もあります。

この他だと、キチンとした会社でいる事ですね。自分や一人二人でやって来た時はお金がない時でも多少無理がきいたんですが、今は全部で10名くらい社員がいます。彼らが生活していけるように経営を考えていかなきゃならないので、そこは趣味気分だけではなかなか立ち行かないですよね。勿論マネージメントアーティストの生活もそうだし社員の生活もそうだし、正直売り上げを伸ばさなければならない点を、ここ10年くらいで意識するようになりました。この業界だと土日稼働も多いので、働いた分はきちんと数字として、結果として出さなきゃなと思うようになりました。

 

これから更にKOGA RECORDSの名が広まると良いですね!そんな古閑様がお考えになる伸びる、または売れるバンドの特徴を教えて下さい。

 

古閑 : これはレーベルありきの話になるかもしれないんですけど、人がやっていないことをやってみたいとか、そういう好奇心を持っていて音楽に関わる何かしらを柔軟に受け入れられるバンドかな、と。売れると言うか、話題になるのかなと思っていて、例えば最初はメロコアに影響受けてたけど、次ははポップスやろうかとか、でも「もっとこうした方が良い!」と意見を受けたら、そういう音楽もじゃあ聴いてみようかな、とか。

レーベルと会話のキャッチボールを行なって、人と違った良いものが出来たら相乗効果ですよね。過去の流れでいくと、上にいくというか、多くの人に聴いてもらえるチャンスの多いバンドがそういう考えを持っているような気がします。

そして、人間的にも魅力的なバンドは強いのかなと思います。「こいつだったら一緒にサポートして良いな……!」と思わせるようなバンドと言うか。例えば、2つのバンドがいて、「こういう仕事の話が来たけど、どう?」と聞かれた際、「明日仕事なんでやりません……。」というバンドと、「仕事終わってからでも良ければやれますよ!」というバンドだと、多分後者の方が私的に頑張ると思うんですよ。多少自分が無理してでも活動したがるアーティストの方が伸びるのかなと思いますね。

 

何事も取り入れていくバンドは強いですよね。話は変わりますが、古閑様が最近触れた中で感銘を受けた事を教えて下さい。

 

古閑 : 音楽に限った話では無いですけど、ボランティアをやっている方は本当に凄いなと思います。僕は自分の生活で一杯一杯だったりするんですけど、例えば震災が起こった時、現地まで行って何か出来る方には感銘を受けますね。よく、自分の事でいっぱいいっぱいで……と片付けますけど、でも、この奉仕活動やボランティアの精神は大事だと思います。特にアーティストがもたらすそれは信念がありますよね。僕らもなるべくなれるように、日々やっているつもりではありますけど、無理して時間を作れる方は本当に凄いと思います。

 

それでは、近年の音楽業界について思う所を語って下さい。

 

古閑 : 業界全体で見ると……極論になるかもしれないですけど、音楽はもう大衆のものじゃないかもしれないと思っていて。これだけ沢山の楽しい何かしらが出てきた中で、音楽は最優先では無く、一つのジャンルと言いますか。好きな人は音楽を聴くし、でも昔みたいに、その音楽が何百枚売れたとか、どれだけ広まったかとかわからないんですよね。なので、特定の層にちゃんと届くような、ジャンルとしての音楽を意識する事が、今後の音楽業界の捉えた方なのかなと思います。それこそ、Spotify とかで影響力ある方が選ぶプレイリストってあるじゃないですか。人によっては、そのプレイリストに入っている音楽が好きというよりは、そのキュレーターが好きだからそのプレイリストを聴く……みたいな特化した音楽の聴き方もありますし。国民全員が知ってる音楽は無くなっていると思いますが、ただ、それはそれで良いと思います。ドラマがあったとすれば、音楽はドラマの一部じゃないですか。ひとつの小道具として、大きな芸術をサポートする一つのツールが音楽なのかなと。伝え方はどうであれ、結果お客さんが感動してくれる事が一番良いと思っているので。

あと、バンドシーンについては、盛り上がっているように見えますけど。最近面白いと感じたのが、最近のバンドシーンやライブハウスサーキットとかに行くと、アイドルやお笑い芸人が混じっていたりしてて、その中でバンドは一つのジャンルとして確立したものになっているじゃないですか。これはこれで、横のつながりで化学反応が起これば良いのかな、と思います。バンドシーンだけだと、今後どうにもならないのかもしれないし、僕もアイドルやお笑いはそんなに詳しくないです。ただ、そんな事も踏まえた上で、僕はバンドに特化した形で盛り上げていきたいな、と感じています。

 

ありがとうございます。それでは最後に、これから音楽業界で働きたいと考えている方へのメッセージをどうぞ。

 

古閑 : 実際ウチもたまにアルバイト募集で若い子の面接をしたりするんですが、やる気は当然必要ですけど、やる気以外も必要なのが、音楽業界だと思います。やる気はあっても、実際そんなに甘い世界では無いので。個性が必要……他の人とは違ったことが出来る、言い換えるなら何かしらの秀でた技術ですよね。それはもしかしたら自分から望んで勉強すれば手に入るかもしれないですし。「これが好きだから……ここでは誰にも負けない!」そんなスキルを持った若者を求めたいですね。

今の時代、音楽活動が過渡期にある中、やる気と音楽好きは本当に重要だと思います。例えば、僕の場合だと今まで聴いてきた音楽に関しては、本当に好きで聴いてきたし。ロックというジャンルで何か質問されたら、ロックなら全てわかるつもりだし、どんな質問が来ても答えられるし、それが自負でもありますね。あと、僕だったら、酒を酌み交わせば、誰とでも仲良くになれる事も自分の強みなのかな、と。まあ酒で迷惑もかけますが(笑)。自分に他より秀でた何かがあれば、それを是非磨いて欲しいです。秀でる事を求める事、それはつまり身を削ることになるのかもしれません。ただ、それでも自分の目標があり、身を削っても働きたい方がいれば、是非チャレンジしてみて下さい。


【有限会社マーガレットミュージック / KOGA RECORDS 求人情報】

■概要
有限会社マーガレットミュージックは、下北沢の老舗レーベル『KOGA RECORDS』として1994年の創業以来、日本のロックシーンに確かな影響力を持つインディーズレーベル兼アーティストマネジメント事務所として、新たな音楽・文化との出会いを提供すべく活動を続けております。

【マネジメントアーティスト】

KEYTALKBentham

【インディーズ部門所属アーティスト】

SpecialThanks/そこに鳴る/Crispy Camera Club/PiggiesNUDGE’EM ALLRON RON CLOU/アップル斎藤と愉快なヘラクレスたち/MIX MARKETROCKET K

~事業拡大に伴い、スタッフを募集しています!~

・責任感を持って意欲的に仕事に取り組める方

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ご応募お待ちしております。

■職種
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■業務内容
所属アーティストの音楽制作に関わる業務全般
およびマネージメント業務全般

■求めるキャリア・スキルや応募資格
音楽業界にて制作・マネージメント経験のある方
PCの基本操作ができる方(ExcelWordは必須)
・音楽制作およびマネジメント業務にご興味のある方、及び将来前述の職業に就くことを希望する学生、専門学校生、フリーターの方
学歴不問・新卒可

■雇用形態
社員もしくはアルバイトの雇用形態は経験により話し合いにて決定。
アルバイト関しては正社員登用制度あり。

■勤務地
世田谷区代沢(事務所所在地)
※交通 : 小田急線、京王井の頭線「下北沢」駅より徒歩3分

■勤務時間
フレックス制 / 基本勤務時間:12:0021:00
個々のアーティストのスケジュールにより変動します

■給与
経験、能力、前職給与などを考慮の上、当社規定により決定します。
アルバイト時給:985円~

■待遇・条件
昇給あり、交通費全額支給
休日・休暇:週休2日制(土日祝)
夏季、冬季休暇 スケジュールにより変動あり
勤務年数に応じた有給休暇制度

■応募方法
郵送にてご応募ください。

※必要書類

・履歴書(写真貼付) / 以下を明記してください。

 就業開始可能日

 連絡先PCメールアドレス

・職務経歴書(書式自由) / 志望動機、自己PRを明記してください。

■郵送応募 宛先
155-0032 東京都世田谷区代沢5-31-3エクセレント下北沢202 有限会社マーガレット・ミュージック 人事採用係

■応募締切
20181122日(金)消印有効

■選考スケジュール
応募受付後、書類選考通過者にのみ随時面接日程をご連絡致します。

■注意事項
お電話でのお問い合わせ及び書類のご持参はご遠慮ください。

応募書類は、今回の採用選考にのみ使用し、同意なしにそれ以外の目的に利用したり第三者に提供することはございません。

採用が決定次第、募集を締め切らせていただきます。

早めに終了する場合もございます。

 

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