KEYTALK・Benthamチーフマネージャー/有限会社マーガレット・ミュージック取締役社長/KOGA RECORDSオーナー 古閑裕 インタビュー

KEYTALK・Benthamチーフマネージャー/有限会社マーガレット・ミュージック取締役社長/KOGA RECORDSオーナー 古閑裕 インタビュー

古閑 : 自分の歴史、それこそ自分が通ってきた音楽にリンクするようなアーティストをリリースするのがKOGA RECORDSなのかなと思います。KOGA RECORDS = 古閑裕的な所かなと(笑)。ただ、自分自身もメジャーな世界を通って来ているので、いつもアーティストを売り出す方法を考えていますね。全体のマーケットを見つめつつ、このバンドの方向性だと、ここに足踏み込めばいけるんじゃないか?とか。

あと、最近の話だと本当はCDもしくは盤に固執したいですけど、今後の主流となると言われているサブスクリプションの流れも加味する必要があるじゃないですか?その辺も時代の流れを取り入れないと前に進まないので、どんどん新しい事に取り組めるレーベル作りは心がけています。

この他、実は海外の人達からオファーを受ける事が多いんですよ。アーティスト達の力でお声がかかるのか、はたまた自分の音楽の視点がグローバルなのかはわかりませんが。とはいえ、KEYTALKは日本のバンドですし、今日本のメジャーシーンで戦っているので、そこで1位を取れるくらいまでやらなきゃな……!と思っています。

 

ありがとうございます。それでは、下北沢という土地において、レーベルを運営される上で日々感じている事を教えて下さい。

 

古閑 : 学生の頃から下北沢で遊んでいるのもあるんですけど、下北沢で活動を始めてからもう2〜30年は経ってますからね。最近はオールジャンルで町の方々と知り合いになれた事が嬉しいですね。ライブハウスや音楽関連の人達は勿論知っていますけど、最近は商店街の方々や飲食店の方々とかも僕達がやっている事を知ってくれてまして。良い意味で町ぐるみで応援してくれている感覚はあります。下北沢は良い意味で狭い町だなと思います。最近は町を歩いていて、「古閑さんこんにちは!」と知らない人から挨拶されたりします。だから反面、悪い事は出来ないです(笑)。

その恩返しとして全国に下北沢の事を知ってもらえるよう努力していきたいと日々思っています。KEYTALKは全国各地の会場で最初のMCは、「下北沢から来ましたKEYTALKです!」って言うんですよ。レーベル・事務所として、第一の故郷はやはり下北沢で。例えば野球だと、シアトルだとマリナーズとかってあるじゃないですか。それが「KOGAだと下北沢だよね!」と、そういう関係性になれたらいいなと思います。

 

今後が楽しみですね!ちなみに、レーベル及び会社を運営される上で、良かった点や苦労した点を教えて下さい。

 

古閑 : KOGA RECORDSが古閑の歴史でもあるので、自分の好きなアーティストについて発信できるのが幸せですね。人によっては、「仕事と趣味を分けるべきだ!」と異論のある人も多いと思いますが、僕としては好きな音楽が仕事になったので嬉しいです。もう20数年やってきた流れで色んな人に自分発信の音楽を聴いてもらって、賛否両論言ってもらえる事も嬉しいです。

バンド単位の話をすると、先ほども触れたんですが、KEYTALKは最初3年なかなか芽が出なかったんですよ。その下積みの後、いざ新作をリリースしたら、ライブ後、メンバーからライブの報告電話が毎回各地からかかってきまして、「一昨日が10-20枚売れて、今日は40枚売れました!」と。彼らの頑張りが結果として次第に出て来て、じゃあ次は「ワンマンでクアトロみたいな大きい所でやりたいですね!」って話だったり、その後はあれよあれよという間にどんどん結果を出していきまして。先日KEYTALKは武道館や横浜アリーナもソールドさせたんですけど、彼らと僕って、親と子供くらい年齢が離れているんです。だから親子の様な関係なので、息子達が大きな晴れの舞台に出た時は感慨深いんですよね。例えば、ライブが始まって照明が点いた時、胸の底からジーンと感じるんです。印象深い事は沢山ありますけど、本当にレーベル冥利に尽きると言うか、彼らと一緒にやっていて良かったなと思っています。

 

先日は巨匠(KEYTALK/Vo/Gt)様及び古閑様の故郷熊本でもワンマン公演を行われていらっしゃいましたよね。

 

古閑 :やってます。2年前、熊本で震災が起こった時、僕も熊本で子供の頃、遊んで音楽を楽しんで過ごした故郷への思い出、思い入れがあるので、何かしら熊本へ支援という形で恩返しをしたい想いがあったので、メンバーと一緒に熊本市長に義援金を届けに行ったり。早く昔の熊本みたいに戻って欲しいと。勿論ライブで元気になってほしいし、それ以外だと、それこそ巨匠が熊本城マラソンで走ったりしましたし。

話を戻して……苦労した点は……無いんじゃないですかね?嫌ならばこの仕事を50歳まで続けなかったと思いますし。強いて言うならば、先ほどと同じく、アーティストとの信頼関係を築く事は大変だという事ですね。なんせ価値観が違う人もいるんで、お互いに通づる所を作るべく、リンク共有しなければいけないと思うんです。それは、多分こっちから言い寄らないと出来ない時もあるかもしれません。

あとは、実際身体的な所ですかね。趣味が仕事なので、変な話休みが無いんですよ。土日祝って普通の人だと休みだと思うんですけど、音楽に関してはライブがありますし。好きで観たり行ったりしているので僕は良いんですが、たまに年齢的にキツイかな……?と思う瞬間もあります。

この他だと、キチンとした会社でいる事ですね。自分や一人二人でやって来た時はお金がない時でも多少無理がきいたんですが、今は全部で10名くらい社員がいます。彼らが生活していけるように経営を考えていかなきゃならないので、そこは趣味気分だけではなかなか立ち行かないですよね。勿論マネージメントアーティストの生活もそうだし社員の生活もそうだし、正直売り上げを伸ばさなければならない点を、ここ10年くらいで意識するようになりました。この業界だと土日稼働も多いので、働いた分はきちんと数字として、結果として出さなきゃなと思うようになりました。

 

これから更にKOGA RECORDSの名が広まると良いですね!そんな古閑様がお考えになる伸びる、または売れるバンドの特徴を教えて下さい。

 

古閑 : これはレーベルありきの話になるかもしれないんですけど、人がやっていないことをやってみたいとか、そういう好奇心を持っていて音楽に関わる何かしらを柔軟に受け入れられるバンドかな、と。売れると言うか、話題になるのかなと思っていて、例えば最初はメロコアに影響受けてたけど、次ははポップスやろうかとか、でも「もっとこうした方が良い!」と意見を受けたら、そういう音楽もじゃあ聴いてみようかな、とか。

レーベルと会話のキャッチボールを行なって、人と違った良いものが出来たら相乗効果ですよね。過去の流れでいくと、上にいくというか、多くの人に聴いてもらえるチャンスの多いバンドがそういう考えを持っているような気がします。

そして、人間的にも魅力的なバンドは強いのかなと思います。「こいつだったら一緒にサポートして良いな……!」と思わせるようなバンドと言うか。例えば、2つのバンドがいて、「こういう仕事の話が来たけど、どう?」と聞かれた際、「明日仕事なんでやりません……。」というバンドと、「仕事終わってからでも良ければやれますよ!」というバンドだと、多分後者の方が私的に頑張ると思うんですよ。多少自分が無理してでも活動したがるアーティストの方が伸びるのかなと思いますね。

 

何事も取り入れていくバンドは強いですよね。話は変わりますが、古閑様が最近触れた中で感銘を受けた事を教えて下さい。

 

古閑 : 音楽に限った話では無いですけど、ボランティアをやっている方は本当に凄いなと思います。僕は自分の生活で一杯一杯だったりするんですけど、例えば震災が起こった時、現地まで行って何か出来る方には感銘を受けますね。よく、自分の事でいっぱいいっぱいで……と片付けますけど、でも、この奉仕活動やボランティアの精神は大事だと思います。特にアーティストがもたらすそれは信念がありますよね。僕らもなるべくなれるように、日々やっているつもりではありますけど、無理して時間を作れる方は本当に凄いと思います。

 

それでは、近年の音楽業界について思う所を語って下さい。

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