DETOX インタビュー

DETOX インタビュー

DETOX (読み方 : デトックス)
メンバー : 肇(Ba) / 知弥(Vo)
HP: http://www.detox-official.com/home/
Twitter: https://twitter.com/detox_jp

DETOXは横浜は元町中華街にて結成されたバンド。今は無き横浜Club Lizardを中心に、横浜の若手ロックバンドシーンの中で活動しており、結成当初はミクスチャーロックを奏でていた彼ら。途中メンバー変遷があり、2015年3月にオリジナルメンバーの知弥(Vo)、最初はサポートで参加し、現在オリジナルメンバーとなった肇(Ba)の2人体制に移行。その時から、現在奏でているポエトリースタイルを取る様になった。

どこか仄暗く、黒色に近くて……等身大の言葉で突き刺してくる様な知弥のリリック、夜明け前の焦燥・葛藤や青年期の衝動を優しく包み込む様な肇のBa独奏……病み付きになるか拒絶するか、一度DETOXのサウンドを聴いたら、この二択の選択肢が脳裏に浮かぶに違いない。中間なんて甘い考えは存在しない。

そんな彼らは2018年10月3日に新作フルアルバム『生存者 前編』をリリースした。前作『生存者 後編』に引き続き、今回も日本のロックリスナーの心を揺るがしているTHE NINTH APOLLOからのリリースとなる。THE NINTH APOLLO、そして横浜のダークホース的存在であるDETOXが放つ待望の1stフルアルバム。

今回、DETOXの始まりから現在に到るまでの経緯、彼自身の音楽遍歴、『生存者 前編』にまつわる逸話等を聞くべく、メンバーの知弥氏に対し、単独ロングインタビューを実施した。

取材・文・編集 / 宮久保 仁貴   写真 / 山崎 奏太郎


 

まずはDETOXの歴史を教えてください。活動当初は今とは違って、所謂バンド体制でしたよね?

 

知弥 : 元々俺も覚えてないすけど……大学1年ぐらいの時にライブハウスで出会った先輩達とDETOXを組んだんですよ。当初は俺たち3人とサポートメンバーで、ミクスチャーロックをやっていました。この、”DETOX”という名をつけたのは、元メンバーの先輩なんですよ。

 

そこから、現在のスタイルに変わったきっかけを教えて下さい。

 

知弥 : まずDETOXを結成した当初は、ポストハードコアが流行っていてツーステップ文化が蔓延していた時代だったんですよ。ただ、それに関して「これ、かっこよくないよね?」と話していたんです。「なら、好きな事をやろうぜ!」となり、最初俺が好きだったミクスチャーをやりだしたんです。そして……メンバーが変わり変わって、最初から残っているメンバーが俺だけになった時、今のBaの肇にサポートを頼んだんです。

それと同時期に、MOROHAがアンダーグラウンドシーンでもその名を聴くようになり、KSKN(FOAD/Vo)さんに音源を聴かされたんです。今考えると……物凄く失礼な事なんですけど、「あの人たちが出来たなら……俺たちでも出来んじゃね?」と思ったのが、今の体制の始まりのきっかけです。

 

それはいつの出来事になるのでしょうか?

 

知弥 : ある友達の復活ライブから、この体制で始めたので……2015年3月ぐらいですね。もう3年くらい経ってんのか……!なので、このDETOXという名前では6年やってて、今の体制が始まってからは大体3年半ぐらいですね。

 

ちなみに、知弥さんはどちらの出身になりますか?

 

知弥 : 母方の実家が宮崎で、そこで生まれてから横浜の弥生台に移り、育ちました。今は別の所に住んでいるんですけど、生まれ育ったので感慨深いです。あと、知弥の「弥」と弥生台の「弥」が一緒なんですよ。何かの縁を感じますね。

 

なるほど。DETOXの活動としては、今は無きClub Lizardを主に、横浜を主戦場として活動されていますね。何か理由はありますか?

 

知弥 : Lizardに出始めたのが、今Made in Me.で活動している彦のつながりだったんですよ。Club Lizardで活動を初めて、そこからHOMIESというイベントをやっているブッキングのアッキーさんに出会い、同世代の横浜のバンドと切磋琢磨していました。

 

当時の横浜シーンはアツかったですね!

 

知弥 : そうそう、アッキーさんのHOMIES……あれが皆の憧れの舞台で。それに出る為に結構頑張ってたけど……僕らはLizardある頃には呼ばれなかったんですよ(笑)。友達だからこそ言いますけど、同い年のヴァジリアントマトとかばっかり誘われてて、それがむちゃくちゃ悔しかったんですよね。そこから来るコンチクショウ精神で、そのおかげでDETOXとして続けられたんですよ。

 

 

その時代から反骨精神が培われていたんですね。早速ですが、『生存者前編』リリースおめでとうございます。今回のリリースのきっかけを教えてください。


【リリース情報】

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【タイトル名】
『生存者 前編』

【発売日】
発売中

【価格】
2,000円(※税抜)

【収録曲】
1.生存者 前編
2.雨が降る理由
3.下書きの現実
4.自傷
5.思春期
6.大切なお知らせ
7.お前だよ
8.明けない夜
9.金木犀
10.東京競争曲
11.在処

 


 

知弥 : 実は前編を録ったのが2017年の7月で、1年以上空いてて。そこから後編をとったのが2018年3月で、実は前編を先に録っていたんですよ。

 

何故、「生存者後編」が先にリリースされたのでしょうか?

 

 

知弥 : よく聞かれるんですよ。深い意味が無い訳じゃないんですけど……言うならば、俺の捻くれ具合が出ちゃった感じですね。「リリースするにあたって、面白い事をやりたいんですよ。」と社長の旭さん(渡辺旭/THE NINTH APOLLOレーベルオーナー)に相談したんですよ。そしたら、「STAR WARSみたいに、後編から先に出したら?」と言われて、そこに対して「めっちゃ面白い!」と思ったんですよ。

『生存者後編』を録る前にそういう話があったので……なので『生存者後編』からリリースしました。この話をする前まで、元々決めていた『生存者前編』のタイトルはかなり違うものだったんですよ。

 

ちなみに、今回もTHE NINTH APOLLOからのリリースとなりますね。レーベルとはどの様な出会いをしたのでしょうか?

 

知弥 : 旭さんと出会ったのは……いつだったっけな……確かTHE NITH APOLLOとFADの共催イベントかな?いや……その前にもあったのかな……多分それが最初の出会いだったんですよ。ライブは観て頂けていて、そこで誘ってもらった覚えがあるから、確かそこだったのかもですね。でも……マジで正確に覚えてない……これ、怒られんのかな(笑)?

 

-(笑)。続いては、本作の50%を担う知弥さんの音楽遍歴を教えて頂ければ、と思います。これまでに影響を受けたアーティストやジャンルは一体何なのでしょうか?

 

知弥 : それこそいろんな場所でポエトリーリーディングの名前を出されるんですけど……実はどハマりした経験が無かったんですよ。それこそ、狐火とかMOROHAとか聴いてはいますけど。

ルーツは恐らくRIZEとRHYMSTERだと思います。この2つは今までで聴いてきた中で一番ハマりましたね。RIZEが好きだったのもあり、DETOXの初期はミクスチャーをやっていたんですよ。俺的にDETOXでポエトリーをやってる意識は無いんですけど……俺のスキル不足がそう聴こえてしまうのかな、と(笑)。全部が全部ポエトリーに聴こえるのは……こいつらの耳が悪いんじゃないかな?とたまに思うんですよ。俺、嫌なんすよね。

 

かなり刺して来ますね……!良い意味で、音は人を表すのだなと思いました。そんな知弥さん視点で、本作の聴きどころを教えて下さい。

 

知弥 :「前編と後編どういう流れで聴いた方が良いですか?」とよく言われるんですけど……俺自身は「前編を後に聴いた方が良いのかな?」と思います。言ってしまえば……『生存者前編』は最後の方に収録されてる「東京競争曲」、これに全部詰まっているのかな……と思います。

 

「東京競争曲」は自身の体験から書かれたのでしょうか?

 

知弥 : 好きではいるんですけど、創作的な作詞が出来ないんですよね。なので、「東京競争曲」もそうだし、基本的に実話を全部元に書いたんですよ。あともう一つの書き方として、俺アニメとか漫画が好きで。それを題材に書く事もありますね。

 

実体験を元にされていらっしゃるんですね。話を続けると、「大切なお知らせ」「お前だよ」の勝気なリリックに感銘を受けました。この曲を作った時の心境を教えて下さい。

 

知弥 : 「大切なお知らせ」を作った時は、周りのシーンに疑問しか感じてなかったんですよ。よく、バンドが解散したり、休止する時に”大切なお知らせ”ってよく使うじゃないですか。でもそれって、本当はそんなに大事な事じゃないと思うんですよ。お客さんからしたら、好きなバンドにそんな事言ってもらうより、「バンド楽しくやってます!ツアーやってます!新譜出します!」くらいの方が”大切なお知らせ”だと思うんですよ。この言葉をテンプレとして使っているバンドが多すぎて……実は皆何も考えてないのかな、と。どう思うかは、皆の勝手だけど……俺はそう思いました。

 

確かに。ちなみに、普段作詞をされる際、どのような時にインスピレーションが湧くことが多いですか?

 

知弥 : 俺の場合、寝て起きて、「ビビビ!」みたいな体験は無いんですよ。あるとしたら……友達と話してる時とか、好きな漫画やアニメ、ゲームの中で言葉が出て来たりとか。今回もある曲の一節は『シャーマンキング』から取ったんですよ。知ってる人は「あ!」となると思うので、探してみて下さい。あと、『生存者前編』の最後に収録されている「在処」はアニメのAKIRAを逆読みしたらARIKAになるんですよ。そして、「在処」の歌詞にもAKIRA要素を入れているんですよ……「これ、AKIRAの曲ですか?」と言われたかったです(汗)。

 

-(汗)。続いて、曲のメロディから作詞を始められますか?あるいは作詞から作曲が始まるのでしょうか?

 

知弥 : 題材を僕が決めて、「こういう曲書きたい!」と肇に投げて。そこからデータでもらって、言葉を乗せるんですよ。たまに、肇が「こういうの作って来た!」と題材もらう事もあります。「東京協奏曲」は……サビが無いですけど。あれは長い曲を作りたいと漠然と考えて歌詞を書いたんですよ。いざ書き始めると、普段考えている事が止まらなくなって……マイナスな力が働いてドロドロになりましたよね。あれ作ったのが去年の2〜3月ぐらいで……その時が暗い感じの事を沢山考えてたんです。

 

作品の随所からも感じます。それでは、前作『生存者後編』と本作『生存者前編』それぞれの作品のテーマを教えて下さい。前者はどこかポジティブ……出会いや誰かを待望する感じ、後者はネガティブ……葛藤しているイメージを受けました。

 

知弥 : 比較すると、『生存者後編』の方が明るいかもしれないですね(笑)。ただ、いわゆる日本のメジャー音楽と比べたら、どっちとも暗いですね(汗)。『生存者前編』は黒いイメージで、『生存者後編』は灰色なイメージですね。

 

そんな『生存者前編』と『生存者後編』それぞれの世界観を添えるアートワークを担当された方を教えて下さい。

 

知弥 : まずは、『生存者後編』はカメラマンの山崎 奏太郎( https://twitter.com/kanader1)にお願いしました。あいつとは相性合う感じで、話してても面白いんですよ。今のアー写もあいつが撮りました。それを元に、「『生存者後編』より明るいジャケを作って欲しい!」と『生存者前編』は上田奈々(https://twitter.com/N1a2n1a7T)に制作をお願いしまして。彼女はDETOXがバンド時代からの知り合いなんですよね。

俺らが出来てるかはわからないけど……昔からの付き合いは大事にしたいし、そうたろうもそうだし奈々ちゃんもそうだし……俺らがフックアップしたかったんですよ。今の時代、名前がある人たちに頼む事は簡単に出来ますけど……そこじゃないと思うんですよ。すぐ簡単に名前のある人に頼んだら……それって結局ビジネスの匂いがするじゃないですか。それはダメなんですよ。彼らだからこそ……いろんな文化が混じり合った感じを生み出せると言うか。それがバンドの音や世界観を作れると思っています。

 

文化はそういうトゥルーな要素が必要ですよね。

 

知弥 : そうなんですよ……世の中金払えば何でも出来るけど、そこじゃないんですよね。目に見えない……ふわっとした何かを大事にしたいんですよ。それが、後々次に繋がっていって。金で作った関係は、金が無くなれば人は離れるけど……人同士で出来た関係は離れないと思っています。

 

金言ですね!ちなみに、本作のレコーディングはどちらで行われたのでしょうか?

 

知弥 : まず、前編は大阪で4日間Studio do-doというスタジオを抑えたんですけど……これ録った時が死ぬほど大変だったんです。語りは別に録ったんで、10曲ここで録ったんですよ。4日くらいで録り終えたんですけど、遠征が重なってて……大阪や名古屋、横浜を飛び回って……めちゃくちゃ大変でした(笑)。ミックスマスタリングはStudio do-doのリッキーさんに頼んで。これは旭さん伝いでお願いしました。

そして、後編は録りを下北沢のHMCというスタジオの池田さんにお願いして、ミックスマスタリングをStudio do-doのリッキーさんにお願いしました。後編も大変で……。録りに2日間スタジオを抑えてたんですけど、初日に俺が40度の熱出してレコーディング行けなかったんですよ。なので、1日目だけはベースだけ録って、2日目は薬で抑えてフラフラの状態でレコーディングしたんですよ。前編後編、どっちともしんどかった事を覚えています。

 

身を削って挑まれたからこそ、熱気が伝わって来ました……!ちなみに、本作からは「明けない夜」のMVが公開されましたよね。青春を感じさせる曲ですが、この曲はどういう思いで書かれましたか?

 

 

知弥 : 作ったきっかけは、同じレーベルのハルカミライのライブを観て、“明けない夜”というフレーズが出て来たんですよ。そういう曲を描いてみようかな……と。歌詞に関しては、俺の家って、横浜のバンド仲間がよく出入りしてて、夜外で散歩したり、Bluetoothで音楽流して深夜徘徊したりするんですよ。そんなバンド仲間本人達に聴いたわけじゃないけど……いろんな先輩がやっているフェス、それこそ京都大作戦やDEAD POP FESTiVALとか……そういったフェスもきっかけはささいな事だと思っていて。仲良いバンドたちが酒飲みながら……「やりてぇ!」と始まったんじゃないかな、と。そう考えると、スカスカな平日ブッキングが後々伝説として語り継がれるんじゃないかな……と。

 

この曲自身が伝説となるかもしれないですね……!ちなみに、MVを撮られた時はスムーズに進みましたか?

 

知弥 : 確か……めちゃくちゃ雨が降ってたんですよ。初めにロケハン予定の場所に行ったら、完全に土砂降りで(汗)。どうしようも無かったので、肇と旭さんと一緒に中華街で飯食って……その後横浜で敢行しましたね。

撮った時はよく覚えてないですけど……楽しかった感情は覚えています。あと、裏話的な事を言うと、この日めっちゃ雨降ってたって言ったじゃないですか。機材車が駐車所出るとき、駐車場台を旭さんが出してくれたんですよ。雨で札がちょっと濡れてて、その札を精算機に入れたら返ってこなくて……旭さんのお金が無かった事になってしまうので、自分のサイフから、1000円出して駐車場から出ました。これ……旭さん見てたらバレるのかな(笑)。

 

-(汗)。ちなみに、今まで活動してきた中で、印象深かったことや苦労したことの両方を教えて下さい。

 

知弥 : 今の所印象深い事はぶっちゃけ無いですけど……印象深い事として後で話せるように、やりたい事があるんですよ。これは俺の野望と言うか、夢なんですけど、DETOXは2人編成だからこそ入れる隙間が沢山あると思っていて。そこで、今後featuringアルバム作りたいとめちゃくちゃ思ってるんですよ。それが1枚出来上がった時に……初めて「印象深い出来事じゃね?」と肇と一緒に言ってる気がします。これは……いつになるかわからないけど、いつかやってみたいですね。

 

これは是非やってもらいたいですね!どんな化学反応が起こるか楽しみです。反面、苦労した事はありますか?

 

知弥 : 苦労した事は沢山あるんですけど……肇が免許取ってから、機材車で遠征に行くことが多くなって。地方を何連チャンで回ったりしてたんですけど……ライブが終わって朝まで打ち上げ残って、駐車場で寝て起きて、そのまま次の会場向かって……同じサイクルを繰り返してたんです。そんな中でも一番辛かったのは、去年の8月に、機材車のエアコンが壊れてしまったんですよ。俺達は寝るところを選ばないタイプの人間だったんで、ホテルや満喫行くよりは機材車で寝れればいいや、くらいに思ってたんです。でも、如何せんエアコンが壊れてて暑すぎるから、ブロック氷を8パックくらいコンビニで買って……あれが一番しんどかったですね。遠征のオフ日もエアコン壊れてたんで……あれは死ぬかと思いました。

 

この経験が将来の曲となって現れるかもしれませんね。続いては、最近感動した出来事はありますか?

 

知弥 : Apple Musicってあるじゃないですか。実際俺も使っているんですけど……これ、マジで凄い存在だと思っていて。こういうサービスを使ってないインディーズバンドマンは○んだ方が良いと思います、CDの購買数上げる為にあえて使ってないなら別ですけど。

俺もそうなんですけど、年々人々ってdig能力がだんだん欠如してしまうと思うんですよ。それが進むと、元々あんまり知らなかったジャンルやアーティストをdigる事ってマジで無くなると思っていて。これはバンドマンもそうだし、お客さんもそうだと思っています。ただ、Apple Musicのおかげで、こうやってすぐ検索できて、すぐ聴ける事はめちゃくちゃ良いと思うんですよね。もしやっていないインディーズバンドがいれば、「皆すぐにやりな!」って感じですね。最近『生存者後編』をApple musicとSpotifyで配信スタートしたのには、そういう意図もあります。

バンドだと……最近だとアイドルのsora tob sakanaはApple Musicで知りました。ライブだと、tricotさんのライブを見させて頂いて、そこからめちゃくちゃハマって。最近出た新譜だと、Age Factoryはすごいと思いました。海外だと今年のFujirockにも出ていたTHE FEVER 333がヤバくて。俺あんまり洋楽聴かないんですけど……聴いた中でも本当に凄いと思いました。洋楽は他にもSIGUR ROSやMY CHEMICAL ROMANCEを聴いたりします。ただ、洋楽邦楽色々バンドがいると思うんですけど……横浜の友達のバンドは皆かっこいいです。

 

なるほど、ありがとうございます。ちなみに、昨今の音楽シーンは流行の流行り廃りのスピードが急だったり、色々考えさせられる事も多いと思います。この事について思う所を教えて下さい。

 

知弥 : いつの時代もブームってあると思うんですけど……それが嫌いで。そもそも、いつもアンチテーゼな感じで活動する事、それがロックなんじゃないの?と思っていて。ロックって、皆と一緒な事が嫌いで始まるはずなのに……でも気がついたら所謂ロックバンドは皆一緒の事をやっているし。俺達が今回「生存者〜」というタイトルをつけたのも、そんな思いからだったんですよ。本当にロックしている奴、生きている奴は何人いるのかな?って。俺はずっと、「皆、同じような歌詞書くな……。」と思っているんですよ。日本語を使っているバンドとしてちゃんと生存出来ているのかな?って。俺がちゃんと出来ているわけではないですけど……そんな俺でも、ダメな意味でヤバいと思うバンドが売れているのが現状だったりして。そして、所謂定職に就いた事が無い俺が言うのもあれですけど……好きじゃないことを仕事にして、何が楽しいのか全くわからないんですよ。諸々の意味で、「生存者〜」というタイトルをつけました。

あと、俺は横浜界隈の中でも音楽聴いていない方だと思っているんですけど……そんな俺よりもdigっていないバンドマンが多いな……とも思っています。勿論、横浜のバンド達は好きですけど……「俺の好きなバンド聴いたことないべ?お前ら曲聴かなすぎじゃね?」って思いますね。

最後に、売れてるバンドの中でも本当に凄くて評価されているバンドは必ずいますけど……流動的に流行りに乘っかったり、乗っかれたバンドが多すぎると思うんですよ。そうやって、ぽっと出てきた人たちは5年くらいで大体いなくなっていて……早く売れるより、長く続ける事が大事だと感じています。俺達は後者のスタイルで頑張って、何年後かにそいつらの前で「最近どうしたん?」とドヤ顔で言いたいですね。ただ、現状は俺達自身人の事を言えた分際じゃないんで、ただひたすら頑張るしかないです。

 

良い感じに止まらないですね!

 

知弥 : う〜ん……やっぱ不満みたいなものが腐る程あるな……ライブ中で思わず言っちゃうこともあるし(笑)。言っちゃダメな訳じゃないけど……正直そんな現状に面白さは感じてないです。例えば……お客さんの趣味嗜好次第だから何とも言えないですけど……ぶっちゃけ微妙なバンドの時に、お客さんが手を挙げてたりしたら、ショック受けちゃいますよね。これは傲慢で無いと思いますけど……でも、言いたい事をちゃんと言って、ダサいものはダサいと認識する姿こそあるべきじゃないかなと思います。

 

そんな知弥さんの今後の目標を教えて下さい。

 

知弥 : 俺は曲をめちゃくちゃ残したいんですよ、その内容が良いか悪いかはぶっちゃけどうでもよくて。結構月並みな言葉だけど、人っていつ死ぬかわからないじゃないですか?これをちゃんと考えている人は少ないんですけど……いざ意識してみると、「思ってるより、俺の残りの人生は短いんだな……!」と感じて。今はただただ自分の音を何かしらの形で残していきたいですね。その為にも、曲を日々めちゃくちゃ書いてます。俺はロマン的な話がめちゃくちゃ好きなんですけど……何百年後かに、世紀末みたいな世界の中で、廃屋の中から僕らのCD出てきて欲しいですね。そんな事が起こるようにも……コンスタントに作品を残していきたいです。

ただ、それだけなんですよ。フェス出たいとかライブ出たいとか、いろんな場所行きたいとかはあくまで二の次で。評価も二の次です。

 

個人的に、最近お話させて頂いた方の中でも、一番知弥さんがアーティスト然していると感じました。ちなみに、『生存者前編』を提げて、ツアーも行われますよね?

 

知弥 : そうなんです。11月7,8,12日と東名阪でツアーを行います。

 

 

ちなみに、これらの日のアーティストブッキングには明確な指標はありましたか?

 

知弥 : 実は、今回組み合わせ的にはどうでもよかったんですよ。「この組み合わせをこの日に!」みたいな感じじゃなくて……ただ漠然と良いと思ったバンドを集めたんですよ。勿論断られたバンドさんもいますけど、本当に俺がかっこいいとおもったバンドさんだけしか、このツアーではいないですね。

あと、これ思う事なんですけど……皆ツアーめっちゃやるじゃないですか?捻くれた言い方をすると、「よくそんなに誘いたいバンドがいるな……!」と思います。俺はこのツアーのバンドとあと3バンドくらいが呼べたら良いですね。例えば、ある特定のバンドを客寄せ的パンダ的にイベント作る事ってあるじゃないですか?あれは本当にダサいと思ってて。今回のツアーの趣旨は、イベント1日通して、「今日出てくれたバンドが全員俺の友達なんだぜ?」とお客さんにドヤ顔する事、それ以上それ以外の何物でもないです。

 

強力なユニティが生まれそうな日になりそうですね。それでは最後に、TOPPA!!読者に対してメッセージをどうぞ。

 

知弥 : ジャンル関係無しに、マジで自分が好きな音楽を見つけて聴いて欲しいと思います。さっきも言いましたけど、最近バンドマンもお客さんもdigり能力の低迷を感じますし……だから周りが良いと思ったものが良いという風潮になっていると思うんですよ。ただ、そういうバンド達よりも、もっと身近にめちゃくちゃ良いバンドは眠っていると思っていて。それこそ、俺達より若いけどカッコイイバンドも沢山いますし。そうやって、良い音楽に出会える瞬間が沢山あるはずなのに、自分達で潰している気がするんですよね。いっぱい探していっぱい聴いて、自分に正直でいて欲しいです。周りに何か言われたとか、そういった事はマジどうでもよくて……自分の感性と鳥肌に従って生きて欲しいです。

そして、俺は正直横浜の周りの友達のバンドの中で、売れる順番は正直誰でも良いと思っていて。皆売れることは間違いないんです、皆どこよりもカッコいいんで。何なら、その順番は俺達が最後でも良いんですよ。ただ、俺達は横浜で始めたバンドなら、横浜に帰って、横浜に恩返しが出来るバンドになりたいんです。そして、最近旭さん率いるTHE NINTH APOLLOの仲間入りをさせて頂いたんですけど、今後もTHE NINTH APOLLOのANTI-HERO的な……必要悪みたいな存在でDETOXは居たいですね。昔から所属していたバンドさんには申し訳ない部分はありますけど……伝統をぶち壊していきたいです。先輩達はまっすぐですけど、DETOXは横槍入れるタイプと言うか、普通じゃない事をやっても違和感無いじゃないですか。そういう意味で、DETOXにしか出来ない事がいっぱいあると思っていて。そういう面白い事に対して、アンテナビンビンに立たせて生きていたいです。

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