新宿LOFT 店長 柳沢英則 インタビュー

新宿LOFT 店長 柳沢英則 インタビュー

新宿LOFT 店長 柳沢英則   (読み方 : やなぎさわ ひでのり)
HP : http://www.loft-prj.co.jp/LOFT/
Twitter : https://twitter.com/shinjukuloft

東京ないし日本国内において、有数の歓楽街である新宿歌舞伎町。この街の中心に位置し、数々の名アーティストが出演、数々の歴史を刻んだ聖地的ライブハウスがある。それが、今回ご紹介する新宿LOFTだ。古くはTHE BLUE HEARTSやHi-Standard等のレジェンド級アーティストが出演、今現在もジャンル問わず、数多くのアーティストが出演している。スタンディングで500人も収容出来、数々の逸話を持つ新宿LOFT。アーティスト活動、特にバンド活動を志す者にとって、一種のターニングポイント・目標として捉えられる事が多く、音楽に携わる者であれば、その名を聞かない者はいないのではないだろうか。

今回、2018年夏より、新宿LOFTの新店長に就任した柳沢英則氏に対し、彼の自己紹介から音楽遍歴、LOFT PROJECT入社から現在に至るまでの軌跡、主催するイベント「歌舞伎町爆音祭」のあれこれ等を聞くべく、インタビューを実施した。

取材・文・編集・写真 / 宮久保 仁貴


 

-まずは、このメディア初登場ですので、柳沢様の自己紹介をお願い致します。

 

柳沢英則 : 新宿LOFTで店長を務めております柳沢と申します。自分は東京の北沢で生まれました。

 

-音楽に目覚めたのはいつぐらいの出来事だったのでしょうか?

 

柳沢英則 : 音楽への目覚めは……中学の時は、3つ上の兄が長渕剛やSION、THE BLUE HEARTSを聴いていて、その兄の影響で音楽が好きになりました。その後、高校では柔道部に入りました。

ヒップホップが好きな柔道部の友達がいて、その友達が新潟の合宿の時にBEASTIE BOYSの『Ill Communication』やSnoop Doggy Doggの『Doggystyle』のアルバムを持って来て聴いてたんですよ。当時、自分は洋楽を聴いた事がなかったから、「何でこいつ英語がわからない柔道部なのに、ラップ聴いてるのかな?」と思いましたけど、そこからラップにも興味は沸きました。

その後、『Growing Up』を出したタイミングのHi-STANDARDに出会ったんです。Hi-STANDARDの『ATTACK FROM THE FAR EAST』のVHSを擦り切れるほど、部屋の小さなテレビデオで見ていましたね。海外を機材車で旅するシーンや外人のバンドマン達と仲良くハグしているシーンがあって、それを見て「何かバンドって凄い楽しそうだな……!」と思い、自分でもバンドを組みました。

少し経ってNIRVANAやRED HOT CHILI PEPPERS、PEARL JAM、RADIOHEADも聴いてみたり、日本だとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT、THE YELLOW MONKEY、eastern youth、COWPERSなども聴いてみたり、KRAFTWERK、LED ZEPPELIN、DAVID BOWIE、THE POP GROUP、U2など……ジャンル問わず貪欲に音楽道を探求する日々を続けて、今に至ります。缶ビールを飲みながら公園で朝まで友達と音楽の話をしている日々でしたね。

 

-なるほど。バンド活動と並行して社会人も経験されたかと思うのですが、こちらは如何でしたか?

 

柳沢英則 : 学校卒業後も日本武道館を目指してバンド活動に明け暮れていたんですが、バンドでは全く食べていけないので、同時に仕事もしなくてはならなくて。最初に選んだ仕事が、今は無き渋谷屋根裏のブッキングだったんですよね。ただ、当時は自分も若く、一度音楽業界から足を洗い、警備員や蕎麦屋をしていたんですよ。その時代にもバンドをやりながら自主レーベルを作って、エモコアのオムニバスシリーズのCDを製作してました。流通会社と契約しに行ったり商工会議所までバーコードとかを取得しに行って全国リリースしたりしていました。

そこから数年が経ち、32歳の時に、こんだけ音楽漬けの生活をしているなら、もう音楽を死ぬまでの自分の仕事にしたいと思い、履歴書と便箋を綴り500人キャパの下北沢GARDENにブッキングとして入りました。それから当時、新宿LOFTの店長だった大塚さんと一緒に働いてみたいと思い、LOFT PROJECTの門戸を叩きました。それが大体2014年かな……最初はアルバイトから入って、遅番シフトを週5で入りながらLOFTで月3本くらい主催イベントをしてました。それで、志願してLOFTの社員にしてもらいました。しばらくして、下北沢SHELTERに配属になり、その後LOFTに転籍し、LOFT・SHELTERの2つの店を掛け持ちでブッキングしながらLOFTの副店長をやって、この夏に新宿LOFTの店長になりました。

 

-再び音楽業界に戻っていらっしゃったんですね!ちなみに、柳沢様が初めてLOFTで見たライブはどのアーティストのライブだったのでしょうか。

 

柳沢英則 : 2002年9月くらいにSHINERというアメリカのオルタナ系バンドの来日公演を見に行った日が最初でしたね。その日はborisやbloodthirsty butchers、Naht、京都のDig A Holeも出ていたりしていて……凄い良いイベントでした。

 

-今考えると、非常に強い面子ですね!続いては、新宿LOFTを一言で表すなら、どの様なライブハウスだとお考えですか?

 

柳沢英則 :う〜ん、これはやっぱり、カッコいいライブハウス。純粋にこれに限りますね。これは、いつの時代も変わらずそうだと思います。

 

-間違い無いですね!LOFTは日々出演しているアーティスト達も非常にカッコいい方が多いですが、その反面、LOFT主催または制作に大きく携わっている数々の名イベントがあると思います。それこそ、柳沢様のイベントである歌舞伎町爆音祭がありますが、このイベントの立ち上げのきっかけを教えて下さい。

 

柳沢英則 :歌舞伎町爆音祭に関しては、自分が下北沢GARDENにいた頃から開催していたイベントで、当時は北沢爆音祭という名前で開催していました。第一回目はOLEDICKFOGGYやBREAKfASTなどのハードコアバンドに出てもらっていましたね。直近のイベントだと、SMORGASとAA=やBACK DROP BOMBとROSのツーマンであったり、今年の頭にはMINOR LEAGUEやWRENCHやヒップホップではDOTAMAやラッパ我リヤに出てもらいジャンル混合のフェス形式でも行ったりしました。

 

話を戻すと、元々このイベントは下北沢で始めたものだったんですが、ブッキングを考えるより、まず痛烈なキャッチコピーのあるイベントを組みたくて。「ラウドにいこうぜ!」と自分の頭の中のキーワードが出てきてネットで検索したら、どこにもそんな言葉がなくて「じゃあ、このキャッチコピーでやりたいな……!」と思い、LOFTに移動してからも、この名前でやっています。Marchosias VampのFAKEという曲のFAKEでいこうぜ!みたいで、「なんか……良いなぁ!」と思ったんです。

 

-脈々とご自身のイベントが継続している事は素晴らしいですね!続きまして、ライブハウスで仕事をされる中で、嬉しかった出来事を教えて下さい。

 

柳沢英則 : 一番嬉しい事は、やはりお客さんにその日一日を楽しんでもらえる事ですね。お酒を飲んで、楽しく、わーっと盛り上がるのはどの大きさの会場であろうと変わらないと思うので。お客さんから凄いエネルギーを感じますよ!そして、アーティストと一緒にライブを楽しんでもらえる事が嬉しいですね。自分のイベントも持ち込みイベントもそうですけど、一緒にお酒を飲んで、いろんな人の話を聞くのが楽しいんですよ。それは幸せな事だと思います。

その反面、苦労した事は……自分はGARDENやLOFTと500人キャパのライブハウスのブッキングを担当してきたんですけど……働き始めた頃は音楽関係の繋がりが少なくて、ブッキングが本当に大変でしたね。悔し泣きもしたし、何をやってもうまくいかなくて焦っていた日々もありました。ただ、この仕事が好きで続けて来たので、人やバンドとの繋がりは、年数を重ねると自然に増えていきましたね。

 

-正に天職となった訳ですね!さて、新宿LOFTは新宿、ひいては東京有数の歓楽街である歌舞伎町の中心地にありますね。この地でライブハウスを運営する上で、日々感じている事をお教え下さい。

 

柳沢英則 : 今現在、CONNECT 歌舞伎町のようなイベントのおかげで、歌舞伎町近辺のライブハウスシーンが形成されて来ていると思うんですよ。それこそ、昔の歌舞伎町は怖かったり、ダーティーなイメージがありましたけど、近年そのイメージが変わって来て、新宿歌舞伎町ライブハウススタイルが出来ている様に思います。歌舞伎町の他のライブハウスとの横の繋がりも強いし、他の店舗のスタッフと飲みに行ったりもしてますよ!

 

-確かに、近年LOFTもそうですが、各店舗が歌舞伎町のライブハウスだからと言って、足を運びづらいイメージは減って来ている様に感じます。続いては、柳沢様が店長になられてから、気づいた点を教えて下さい。

 

柳沢英則 : 店長になってバタバタしながら、早3ヶ月経ちまして。店の全体を見るという意味では、元々LOFTの副店長やっていたので、あまり変わらないのかなと思っていたのですが……いざやってみると、それが違うな!と思いましたね。全スタッフの管理もあるし、副店長の頃に比べて細かな業務や運営全体の事を考えなければならないので、大変ではあります。前任の大塚さんを改めてリスペクトしましたよ!良くあれだけ毎日飲んでて、これが出来てたなぁと(笑)まぁ、毎日飲んでるのは私もそうですけど(笑)。不安になる時もあるけど本当に充実している毎日でやり甲斐のある仕事ですね。

 

-ありがとうございます。続いては、近年LOFT内もそうですが、ライブハウス単位でのフェス形式イベントや、複数ライブハウスを活用したサーキットイベントが増えてきていると思います。こちらに関して思う事をお教え下さい。

 

柳沢英則 : これは、すごく良い事だと思っています。例えば、他のエリアだと代々木などでも、こういったサーキットが盛んですよね。皆で何かを起こそうとしていて。そして、それはライブハウスの人だけでなく、色々な人も巻き込めたら最高だと思うんですよ。それこそ、CONNECT歌舞伎町しかり、TOKYO CALLINGや見放題とか。街を一つ盛り上げる要素として、これらのイベントが増えている事は、改めて私は、すごく良い事だと思っています。

 

-今後、良い形でライブハウスにも街にも還元されると良いですよね!続きまして、柳沢様が考える「持っている」「売れる」アーティストの基準を教えて下さい。

 

柳沢英則 : これは中々難しい質問ですね (笑)。「これは……絶対売れる!」というの正直、自分には、分からない時もあるけど、「良いバンドだな……!」というのは感じるバンドはいますね。ただライブだけみて良いと判断出来るバンドは最近は、中々いないですけど、例えば、若いバンドと打ち上げで彼らの相談に乗ったりすると、音楽に対する真っ直ぐな姿勢が見えたりしてきて……こういう時にそのバンドの良さというか人間らしさが垣間見える気はします。本題の「売れるアーティスト」については、こちらは本当に難しいですね (笑)。

 

-打ち上げのタイミングが、一番素の姿を見れるのかもしれませんね。ちなみに、今までお会いになられた業界人の方で、リスペクトしていらっしゃる方はいらっしゃいますか?

 

柳沢英則 : これはもう沢山いるんですが……やっぱり毎日、一緒にいる働いているLOFTのスタッフたちの仕事ぶりからは多く学ばせて頂いています。彼らが持っているスタイル、働く上で貫いている考え……それはブッキングだけじゃなく、PAや照明……職務や年齢、関わらず、同じ職場で働いているスタッフにリスペクト覚えますね。うちのハードコアバンドを組んでるアルバイトスタッフのお客様に対しての気配りとか見るといいなぁと思うし、音楽やライブハウスの熱い話をPAやアルバイトも交えて毎夜していますね。うちはバイヴスがやばいスタッフが揃っていますね。

 

-だからこそ、LOFTは聖地なのでしょうね。では、今後の音楽シーンや業界について、柳沢様が思う所をお教え下さい。

 

柳沢英則 : 個人的な意見ですけど、SpotifyやApple Musicが支流になっていきCDはさらに売れなくなっていくんじゃないかと思いますね。アナログレコードなどは、コレクター要素もあるので、もっと身近になりそうな気がします。ライブハウス産業は、ずっとあり続けると思います。やっぱり、ライブはその場でしか感じ得ないモノがあると思っているので。現場の感動は人にライブだとダイレクトに伝わりやすいですね。

 

-現場の感動は何物にも代え難いですよね!続いては、新宿LOFTとしての今後の目標をお教え下さい。

 

柳沢英則 : LOFTが日本一のライブハウスだと思っているので、今まで以上にいろんな人に知ってほしいし、一般層まで知ってもらえる様、さらに努力を続けます。まぁ、一番といっても色々な定義があるとは思うんですが……例えば、LOFTにお客さんが来たら、「スタッフの対応、めっちゃ良いじゃん!」とか。がまずは大事だと思うので、スタッフも自分を含めて、さらに人とのコミニケーション能力を、伸ばしていきたいです。

 

-最後に、音楽業界で働いてみたい方へのメッセージをどうぞ。

 

柳沢 : 自分も最初は何も知らない状態でこの業界に入って来ました。大変な事もたくさんあります。そして、自分が好きな世界だからこそ、結局やるかやらないかは自分次第な業界でもあります。でも、自分がやりたくて、入ってきたわけだし、誰に頼まれた事でもないので、芯をしっかり持って一生懸命に働いていれば、見てくれる人や共感してくれる人は沢山いると思っています。大変な事が多い業界なので、途中で挫折しちゃう人も沢山いますけど、やりがいはある業界なので、エナジー溢れる若者達と一緒に仕事してみたいですね。

 


【新宿LOFT アルバイト募集】

■給与
時給 1,000 ~ 1,250円

■雇用形態
アルバイト・パート

■業務内容
ライブハウス運営に関する全般業務

■応募資格
未経験・初心者歓迎 / 年齢:30歳まで / 勤務日数週4以上

■勤務地詳細
新宿区歌舞伎町1-12-9タテハナビルB2

■勤務時間
公演により出勤時間が異なります。 夜勤有り。

■応募方法
郵送にてご応募ください。

※必要書類

・履歴書(写真貼付) / 以下を明記してください。

※就業開始可能日

※連絡先PCメールアドレス / 日中連絡の取れる電話番号

・職務経歴書(書式自由) / 志望動機、自己PRを明記してください。

■郵送応募 宛先
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-12-9 タテハナビルB2 新宿LOFT アルバイト採用係

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