それでも尚、未来に媚びる インタビュー

それでも尚、未来に媚びる インタビュー

それでも尚、未来に媚びる
メンバー(LtoR): 井地良太(Ba) / 344(Dr) オイケリョウタ(Gt&Vo) / ろく(Gt) / がーこ(Vo)
HP : http://sorekobi.com/
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それでも尚、未来に媚びるは2012年大阪で活動を開始したバーニングエモーショナルファイヤーロックバンド。自身を「最も無名で最強のライブバンド」と謳われ、心を揺さぶる歌詞、歌謡曲由来のがーこ(Vo)の力強い歌唱、それを支える楽器隊の縦横無尽でエモーショナルなプレイで、観る者の心を掴んで離さない存在だ。

そんな彼らだが、今年6月に新Baとして井地 良太を迎え、11月に新体制初となる新作『セミヌード』をリリースした。がーこ氏の言葉を借りるならば、「前作が「冷たい」イメージであるならば、本作は「暖かい」イメージ」との事。本作のリリースまでに様々な葛藤や苦労を乗り越えてきた彼らが放つ「暖かさ」。前作とは対になるテーマだけに、一体どの様に表現されるのだろうか。

今回、『セミヌード』に関する逸話や、改めてバンドの成り立ちや新体制を迎えた際の変化、これからの活動等について紐解くべく、がーこ氏、オイケリョウタ(Gt&Vo)氏に怒涛の1万字超えインタビューを行なった。

取材・文 / 宮久保仁貴   編集 / 松江佑太郎


 

このメディア初登場という事で、まずはバンドの成り立ちを教えて下さい。

がーこ : バンドの始まりは、単純に大学の同級生で一番仲良い友達がオイケだったんですよ。最初は各々別のバンドをやってたんですけど、卒業の手前ぐらいにお互いのバンドがポシャってしまって。最初は軽い気持ちで「一緒にバンドやろうや。」ぐらいの感じから始まりました。今やバンド中心の生活になってしまいましたけどね。

 

オイケリョウタ : 履歴書もずっと書いてて就職活動もしてたんですけど……気がついたらギター弾く事に火がついてました(笑)。

 

ちなみにお二人は今何歳になるのでしょうか?

 

オイケリョウタ : 今29歳の平成元年生まれです。

 

なるほど。ちなみに、お2人のご出身はどちらになりますか?

 

がーこ : 2人とも大阪で、大阪のちょっと上の方とちょっと南の方です。上品な方とちょっと治安悪い方。スラム街と代官山みたいな(笑)。

 

オイケリョウタ : そんなことないやろ(笑)。位置的には岸和田ほど南ではなく、真ん中よりちょい南ぐらいですね。

 

がーこ : 気性荒いところです。

 

オイケリョウタ : 2011年2人とも大学4回生で、その時にバンドを組む話が出て……動き出したのが2012年ですかね。

 

がーこ : 気付いたらもう5-6年経ってるね。

 

時が経つのは早いものですね!では、このバンド名の由来を教えて下さい。

 

オイケリョウタ : 大学の授業中、バンドやろうって話になった時、お互い前のバンドが英語の名前だったんですよ。当時、僕は凛として時雨とか東京事変が好きでライブ見に行ったりしてたので、「バンド名つけるなら日本語の名前が良いよな!」となったんです。「じゃあ、それでも尚、未来に媚びる?」「お、ええやん。」ってことで、特に何のメッセージ性もなく、僕がポロっと言ってそのまま使われました。

 

がーこ : 後付けで、楽曲の歌詞に使ってることが多かったりとか、字面が強めなんでインパクトあったりとか……後々「このバンド名で良かったな!」と思うことがやっと増えてきました。

 

オイケリョウタ : 僕がその時に張った伏線が今になって効いてきて……ちょっとずつ回収してる途中ですね。

 

がーこ : なんも考えてへんやろ(笑)。

 

-(笑)。そこから、今年6月に新Baとして井地良太さんの加入を発表されましたね。こちらの加入のきっかけを教えて下さい。

 

がーこ : 前任Baが失踪してしまった時が、前回のシングル『スーサイド』のリリースツアーの時だったんですよね。もうツアーも全部決まってしまっていて、ライブも1ケ月で20本とか詰まってて……これからどうしようかという時に、その時一番身近にいた後輩が井地だったんですね。もともと僕らがずっとかわいがっていたAMANDAっていうバンドを彼はやっていたんです。ただ、彼も自分のバンドを頑張って続けてたんですけど、なかなかメンバーに恵まれず思うように活動出来ていなかったっていうのがあって。今年の年始くらいにAMANDAが一旦活動を止めたのが同じ時期くらいで、そのタイミングで僕らからサポートしてくれへんかと申し込みました。

 

 

サポートを始める前後で、彼はもうバンドやめようと思っていたみたいで。その時は入ると思ってなかったはずなんですけど、ライブをこなしていくにつれて楽しいなと思ってくれたみたいで……!その時に一緒にスプリットツアーを回ったOutside dandyっていう友達のバンドに刺激を受けたらしいんですよね。そこから前向きな気持ちになって加入してくれたのかなと思っています。

 

よりバンドとしての結束力が高まったかと思いますが、井地さんが加入された事で、バンドとして感じた変化を教えて下さい。

 

がーこ : ライブが余計に強くなった気がするよな。

 

オイケリョウタ : 僕は普段上手でやっていて、前のベースとかはあまり上手に来ることが無かったんですけど……井地は縦横無尽に動きたがるんで、最初はよくぶつかってお互いこけてました(笑)。僕はもともと動くので、「今日ちゃんと避けてるのに誰とぶつかってんねん。」って思うことがよくあったんですけど。そこが噛み合ってきてからは、よりパフォーマンスというか、フィジカルが強くなりましたね。井地がよく「フィジカル」って言うんですよ(笑)。

 

がーこ : 一枚岩感が増したっていう自覚はありますね、バンドとしてもライブとしても。ただ、あいつ馬鹿なんで、IQは下がった可能性がありますね(笑)。

 

-(笑)。改めて、それ媚びの音楽性は良い意味で心を揺さぶるような泥臭さが感じられます。その音楽性の元を探るべく、皆さんが今まで聞かれてきた&ステージに立つ上で影響を受けた音楽ジャンルやアーティストを教えて下さい。

 

がーこ : 僕はジャンルどうこうよりは、もともと単純にバンドが好きで、バンドに憧れて音楽を始めたんで。好きなバンドはめちゃくちゃいるんですけど……突出してこれっていうのは……ただ、バンドメンバー共通の根底にあるのはTHE BACK HORNやMUCCであったり、その辺ですかね。僕は特に歌謡曲や演歌、歌いグセが強い音楽がもともと好きで、中島みゆきがいなかったら、THE BACK HORNを見なかったらこうはなってなかっただろうなと思います。影響受けた音楽は多いですけど、そのあたりは特に強いと思いますね。

 

オイケリョウタ : バンドも聴きますけど、趣味で聴く音楽としては結構ゆるい音楽が好きですね。クラムボン、EGO-WRAPPIN’、ハンバート ハンバート、大橋トリオ、ハナレグミさんとか。まあ今のバンドの音楽とは離れているところにあるんですけど。

昔から聴いている音楽だと、それこそ中学生でMONGOL800が流行って、ORANGE RANGEとかHYとか、「沖縄強くない?」という感じから、175Rとかロードオブメジャーとかそういう共通項があって……そこからいわゆるロキノン系と言われるような、大阪のRUSH BALLに出るようなバンドが好きになりました。当時からバンドで好きなのはやっぱりTHE BACK HORNと、サンボマスターですね。サンボマスターのおかげで生かされた中学生時代って感じだったので。

ギターとしてステージに立つ上でカッコいいなと思うのは、THE BACK HORNの菅波栄純さんですね。すごく面白い人なので、影響受けているかは分からないですけど、意識しているところはここ最近特にありますね。仲良くしてくださっているというのもあって。ライブを近くで見て、やっぱりすごいなと。

 

がーこ : 意外とちゃんとやってはるんだなって。

 

オイケリョウタ : 意外とちゃんとしてはるけど(笑)!頭おかしい弾き方、野生と理性の間みたいな菅波さんのプレイをギタリストとして意識してます。

 

歌謡や衝動性はそれ媚びの音楽性を語る上で避けて通れない要素ですよね!さて、この度は2nd Single『セミヌード』のリリースおめでとうございます!現体制での初作品になるかと思いますが、改めて今回のリリースのきっかけを教えて下さい。


【リリース情報】

【タイトル名】
『セミヌード』

【発売日】
発売中
※タワーレコード/ライブ会場限定発売

【価格】
926円(※税抜)

【収録曲】
1.ジパング
2.ディストラクション
3.まれびと


 

がーこ : もともと僕がリリースの構想を持っていて、1stと2ndミニアルバムを出したタイミングで、シングルを2枚出したいっていうのが頭の中にあったんです。『スーサイド』と『セミヌード』で、タイトルが「さしすせ」になってるんです。それは2ndミニアルバムを作った時に気付いたんですけど。このまま「すせ」までいけるなと思って。

 

オイケリョウタ : 最後は「ソーセージ」も使えるなって(笑)。

 

がーこ : (笑)。お客さんで気付いてる人とかもいるだろうし、そういう軌跡を出したかったので、『セミヌード』を出しました。

 

なるほど、では何故この「セミヌード」というキーワードを選ばれたのでしょうか?

 

がーこ : 頭文字決めたら選択肢が限られるように思えるじゃないですか。でも僕の中では自由度高くて、使いたい単語の中が色々あって……その中にこの単語が元々あったんですよ。

あと、『セミヌード』というタイトルにしたかった理由は、どうしてもライブを大事にしたいので音源だけだと表現が足りない、音源はしょせんフルヌードではなくセミヌード、という意味合いがあります。それは別にマイナスな意味合いではなく、音源でできることはやるんですけど、ライブの方が更にさらけ出せるから、ということです。最初は反対されていたんですけど、結構僕は字面を大事にしているので。文字の見た目や形として面白かったんで、それでいいかなと。

 

オイケリョウタ : 最初聴いた時は反対したというか、「セミヌード?何で?」みたいな。理由を聞いたら、ああそうかと。セミヌードってインパクトあるから目には入るし、カタカナの感じでスーサイドの対にはなるので。いきなりセミヌードって聞いて驚きましたけど。

 

がーこ : 『スーサイド』を録った時点で『セミヌード』の構想が僕の中にはあったんですよ。さっき言いましたけど対になってるイメージで、ジャケットも近しいものがあって、色味としてはスーサイドは冷たいイメージ、セミヌードは暖かいイメージ。収録する曲も、既存の曲の中でこの曲はこっちに入れたいなって思ったのが『セミヌード』に入ってる「まれびと」だったりして。なので、冷たさと暖かさみたいな感じのイメージもあって、今回の収録曲を選びました。

 

そのような由来があったのですね!続いては、まずは皆さん視点での本作の聴きどころを教えて下さい。

 

がーこ : 作曲時点での印象は、一歩新しいところに行けたかなとは思っています。

 

オイケリョウタ : それが出てるのが「ディストラクション」と「まれびと」ですね。

「まれびと」に関しては、前の前のリリース、2ndミニアルバムの「昨日のこと」を作った時が起因していて。それまでは結構どろっとしたコード感で、マイナー調で、攻撃的な歌詞も多かったんですけど、「昨日のこと」はひらけた曲というか、メジャーよりで出来た曲で、それで僕ら自身の間口が広がったんです。その流れでライブやツアーがあって、お客さんであったり、対バンの仲間であったり、関係者の人たちだったりの暖かさで、徐々に僕ら自身も、いい意味で鋭利さを残しつつ暖かさも覚えたというか。その中でも踏み込んだのが「まれびと」で、曲を持ってきた時に弾き語りが良かったので、それを採用しようかと思いまして。「まれびと」はすんなり曲が出来たイメージですね。

 

がーこ : 僕ら難産バンドなんですよ。作り方もアナログだし、なかなか上手くいかないことも多いんですけど、この曲は例外でしたね。

 

オイケリョウタ : 「まれびと」は僕らの中ではすごくターニングポイントで、『スーサイド』のリリースの時に収録するか迷ったんですけど……最初から『セミヌード』と2枚出ることになってたので、『スーサイド』とはちょっとコンセプトが外れるから、次に入れたという感じです。

 

がーこ : ライブですでに聴いてるお客さんからは「早く入れてほしい。」っていう声もあったんですけど、少し焦らしました。

 

オイケリョウタ : その真逆で、僕ら自身が攻めることが出来た曲が「ディストラクション」かな。

 

対になる「ジパング」「ディストラクション」を書かれた際のバンドの状況・心境を教えて下さい。

 

がーこ : バンドの状態は最悪でした。もう解散するかもってぐらい酷くて、どうやっても上手くいかなかったんですよね。曲作りも進めながら、本当に不毛な話し合いを何回も重ねて。今は乗り越えられて、ものすごく調子良いんですけど、当時は最悪の状態でした。

曲を作った時の心境だと、「ジパング」は、制作中にいろんなこと、台風や地震みたいな天災が多く起こっていたのと、それによっていなくなってしまった人へメッセージを送りたいなと思って書いた曲です。その時は前任Baの失踪も引きずっていて、しかもバンドの状況も良くなくて、SNSも避けたいなっていう気持ちがあったんです。バンドやってる、発信する側としては、そういうものもちゃんと使っていかなきゃいけないと思っていて、上手いこと駆使出来ればいいんですけど……僕はその時それが出来なかったんですよ。それをそのまま曲にしただけですね。

「ディストラクション」は、ざっくり言うと自分自身に向けた曲なんですよね。音楽以外に僕は何も頑張ってないので、自堕落な生活を送っていて、ギター、ファミコン、酒、スタジオ、ファミコンって感じで(笑)。ファミコンっていうのはスーパーファミコンのことなんですけど。

 

ちなみに好きなソフトは何なのでしょうか?

 

がーこ : ぬし釣りシリーズはずっとやっていて、あと『アラジン』や『ドンキーコング』シリーズですかね。後者はいつやってもやっぱり面白いです(笑)。

 

 

 

……話を戻すと、自分への喝じゃないですけど、やるやらないじゃなくてやれよ、という歌なんです。それを曲として人に向けて発信した時に、エールじゃないですけど力になればええなと思ってて。僕って結構歌詞に含みを持たせるのが好きなので、その時に関わってくれてる人が実はこの歌詞に出てくるんですよ。井地が加入したんでイジっていう単語も入ってますし、僕らHypocriteというファッションブランドにお世話になってるんですけど、直訳すると偽善者っていう意味なのでそれも歌詞に入れてますし、いつもライブ撮影してくれるカメラマンのココロ(エモトココロ)も歌詞に入れて、一番好きな酒の名前も歌詞に入れて。自分のために作ったような曲なんですけど、この曲で誰かのケツを叩ける曲になればいいなと。

ライブでやるとかなり武器になる曲になったと思うし、井地が入ったことで今まで出来なかったコーラスワークも可能になったので、そこは広がったと思うし。これ以上ライブ強なったらどうしようって心配してます(笑)。

 

そこから一転、「まれびと」は望郷・郷愁的なニュアンスを感じますが、こちらを書かれた際の心境を教えてください。

 

がーこ : これは、去年の夏から秋にかけての時期に書いた曲です。夏から秋に変わっていく曲ですね。

僕は懐古主義で、さっきも言いましたけどスーパーファミコンとか好きなんですよ。昭和が好きなんですけど、街並みもどんどん変わっていってしまうし。僕地元の街が好きなんですけど、商店街があって、もっと前は平屋とかが多くて、住宅も古い家ばっかりだったんですけど、最近マンションとかが乱立してきてて。そういう景色を見てる時に作った曲なんで、そう感じてもらえたら嬉しいですね。

 

でも、ライブでもう1年ぐらいやってる曲なんで、ライブでやるごとに意味合いが変わってきているんです。「暖かくなって」という歌い出しはもともと気温の話だったんですけど、みんなに向けて歌うごとに、みんなのおかげで僕の気持ちが暖かくなって、という風に曲の受け取り方が変わってきていて。いつのまにか全然歌詞と違って、みんなに向けた愛の歌ではないですけど、そういう「ありがとうね。」っていう、歌っていてほっこりするような曲になっていきましたね。

 

まさにライブバンドならではの進化だと思います……!続いては、先ほどのお話の中にも出てきましたが、本作の制作方式はスムーズに進みましたか?

 

がーこ : レコーディングは時間かかるタイプでして。歌録りは基本的に速いんですけど、要領が悪いんですよ。超絶テクニカルバンドではないので。そこらへんはみんなこだわり屋さんなんで時間はかかりますね。だから全然上手くいってないです。泣きながらやりました(笑)。

 

なるほど。ちなみに、曲のデモを作る時はPCで打ち込み派ですか、スタジオで試行錯誤をされる方ですか?

 

がーこ : スタジオで試行錯誤ですね。僕がもともとDTM得意じゃないので。打ち込む作業も、ようやく最近は簡単な曲ならできるかなってぐらいで。現場にみんなでわざわざ集まって、どうしたいこうしたいと話して、Gtは弾いて伝えて、歌ってみて、ああでもないこうでもないっていうのを繰り返してます。1曲作るのに本当に時間がかかるバンドです。

最近はメンバー各々がパソコン使うようになってきたんですけど、作るやり方としては、みんなが集まってスタジオであーだこーだ言いながらその場その場でやるのが一番合ってると思ってますね。1人が決めてしまうと、やらされるっていう言い方はあれですけど、血が通った音楽だっていう気がしないっていうか、機械じみた感じがしてしまって、今のところはあんまり良い曲ができていないんですよね。打ち込む作業は曲が出来てから、データ保存用、練習用として使うぐらいですね。

 

オイケリョウタ : そっちの方が空気感が良くなりますね。

 

がーこ : 曲を作るために空気が悪くなることはありますけどね(笑)。

 

オイケリョウタ : そうそう。それでこの前は1回スタジオ中断して、お酒飲み始めて。

 

がーこ : 進まなすぎて、「一旦やめよう!」ってなりまして。その間もスタジオ練習中なんでお金はかかってるんですけど、諦めて1回飲もうと。20-30分ぐらい。

 

オイケリョウタ : 「どんな曲作りたい?」って話し合って。いろんなバンドを挙げて、「この曲のこの感じカッコいい!」みたいな。

 

がーこ : 高校生の会話やったね(笑)。

 

オイケリョウタ : 「ミドルテンポの曲が無いよね。」とか。最終的にカノン進行で作ってみようとか言い始めたら……めっちゃダサい曲できて(笑)。

 

がーこ : その日はそれで終わりました。めちゃくちゃダサい青春パンクみたいな曲(笑)。

 

オイケリョウタ : まあ、バンドの雰囲気は良くなりましたね。その後ウイニングイレブンやったもんね(笑)。

 

-(笑)。付随する話で、作詞作曲に関して、どのようなタイミングでアイデアが降りてくる事が多いですか?

 

がーこ : う〜ん、これに関しては降りてくることがまず無いんで、日頃から地道に考える頭を持って、気になる単語があったら持ち歩いてる電子辞書で調べてメモ取って……という繰り返しで歌詞は考えていくことが多いですね。ダサい単語がめちゃくちゃ好きで、「セミヌード」も気に入ってるんです。「ヌードは聞くけどセミヌードってあんまり聞かない、死語なんかな?」ってぐらいの単語やと思ってるんですけど、そういうダサいけどダサすぎもしない程度のいい塩梅を探しながらやってますね。

曲は、僕がギターめちゃくちゃ上手なわけでもないし、コード知ってるわけでもないので、時間作ってひたすらああでもないこうでもないって弾いて試行錯誤する感じですね。「これ変なコードだけどカッコいいな……!」というところから始めて、「この次はこの音がいけるな!」と、手探りでカスカスの雑巾絞って垂れた汁を集めるような感じです。

 

またまた。ちなみに、本作もそうですが、歌詞は自身の経験から来る物が多いですか?

 

がーこ : 多いですね。例えば、ファンタジーやフィクションみたいな歌詞は、思い入れが無さすぎて書けないんですよね。だから自分の身の回りに起こったこと、もしくはそれに基づいたことしか書けないので。刺激のない毎日を送ってたら一生何も書けないと思います。ライブハウスにいたら楽しいこといろいろあるので、音楽好きである限りは大丈夫かと思うんですけど。普段は本当に堕落した生活を送ってるので、いつかスーファミのこと歌うようになるかもしれないです(笑)。

 

-(笑)。続いては、本作の裏側を支えてくれた方々について教えて下さい。

 

オイケリョウタ : 大阪の梅田の方にあるスタジオ246っていうところを使ってるんですけど……。

 

がーこ : 入りもしないのにスタジオのロビーに溜まらせてもらって、平気で6時間とか居座るんで。スタッフさんもシフトの関係で変わって、夜勤の人終わって朝勤の人が来て。「おはようございます!」「お前らまだおんのか!」みたいな(笑)。

 

オイケリョウタ : 深夜2時から朝方まで入ることが多いので、その時間ってガラガラなんですよ。僕らしか入ってないんじゃないかっていう日もあるんで。だから、予約取らずにふらっと来て、じゃあ入ろっかっていう感じが多いんで、近所の飲み屋感覚です(笑)。それが多い時には週5-6とか。

 

がーこ : ついには俺、「ここで働きーや!」って言われたからね(笑)。それはちゃうやろ(笑)。

でも本当に、スタジオと店員さんには本当に感謝してもしきれないです。大目に見てもらってるところも多くて。片付けも遅いし、終了5分前に出ろって書いてあるのに全然スタジオ出ないし……すいません(笑)。

エンジニアさんは、2ndミニアルバムからのSTUDIO UMIっていう、神戸の長田にあるスタジオを使わせてもらっていて。やりやすいですね。畑田さんっていう人なんですけど、ちょっと優しすぎるんで、ガンガン時間押していきますね。僕ら割り切れないんで、やり切るまでやっちゃうので、結局時間足りないっていう状況に陥りがちなんですけど。甘えてしまってますね。

 

ある意味人間臭いエピソードだと思います(笑)。では、リスナーに対して、どのようなタイミングでこの一枚を聴いてもらいたいですか?

 

がーこ : 家で静かに向き合って欲しいですね。一字一句どころか、ギターのノイズや息遣いも聴き逃さず。音のパン振りとかもめっちゃ気持ち良く出来あがったんで。だから、中途半端にスマホとかではなく、CDをちゃんとコンポに入れて聴いて欲しい、もしくはヘッドフォン付けてですかね。スマホは便利だけど、家で歌詞カード読みながらじっくり聴いてもらえたら一番嬉しいですね。

 

オイケリョウタ : ライナーノーツに手汗残って、最終的にプリントへにゃへにゃになるくらいね(笑)。

 

がーこ : それくらい見て欲しいな。

 

オイケリョウタ : 僕は逆に最初はじっくり聴いてもらって、最終的には生活に馴染んだらくれたらな、と。例えば付き合いたての恋人に「このバンド知ってる?」「変な名前のバンドやな。」って聴かせて、1-2年後とかに車とかで、「あの時のやつやん。」みたいな。あと、高1の子が買ってくれたら卒業間際とかに、「高1の時あんま友達おらんかったけど……。」って思い出してくれたりとか、僕は音楽は生活に馴染んでくれたら嬉しいなと思ってます。

 

それだけの感情が、この1枚に詰まっていると思います。お話は変わりますが、直近の活動の中で、印象深かった出来事を教えて下さい。

 

がーこ : バトルロワイヤルツアーと前回の『スーサイド』の時のツアーが1ヶ月で20本っていう過酷なツアーだったんですよ。ちょいちょいばらけたところはあったんですけど、ほぼ全部Outside dandyっていう友達のバンドと一緒にスプリットツアーしまして。これはすごく心の支えになったし、刺激にもなりました。もしダンディがおらんかったら、「ディストラクション」は絶対出来てないと思ってるし、たぶん井地も加入してないだろうし。ほんまにあのツアーは中身の濃い、実のあるものになったなと。やってよかったとすごく思います。

 

 

オイケリョウタ : 合流して、そこから3連チャンぐらい一緒だったんで、初日やし軽い感じで飲みに行こうと思ったんですけど……気が付いたら朝方6時くらいになってて(笑)。

 

がーこ : めちゃくちゃ酒飲んでたね(笑)。「初日からヤバない?」っていう。

 

オイケリョウタ : あと数時間したら出発しなきゃって時間で。次の日も、昨日はあれだったし今日は軽くしようかってパッと時計見たら5時で(笑)。毎日そうでしたね。

 

がーこ : よう生きてたな(笑)。

 

オイケリョウタ : ライブ以外もバトルロワイヤルでした(笑)。

 

がーこ : でもあれはほんまにいいツアーでしたね。それがあったから、ツアーファイナルも、前日ライブがあったのにも関わらず、ダンディに急遽ゲストとして出てもらって。東京で初めてソールドアウトしたのが自分らの自信になりましたね。次のステップにようやく行けるなって。

 

僕らほんまに賢くないんで、地盤固めないと次のステップに行くっていうのが出来ないんですよ。例えばぽっと出で1曲売れて、すぐに消えていくバンドも見ますけど、そうじゃなくて、今も全然まだまだですけど、地道に一人ずつお客さん増やしていくぐらいの感じで活動しているので。背伸びせずに等身大で上に登っていけたらなと思ってるので、このソールドアウトは嬉しかったですね。

 

オイケリョウタ: 僕ら、レベル上げしてからボスに挑むタイプなんで(笑)。意外と真面目。草むら何往復もして、みたいな。はぐれメタルはなかなかでてこないからね。

 

がーこ : スライム5万匹くらい倒したんじゃない?

 

-(笑)。続いては、最近皆さんが触れた中で、感銘を受けたアーティストや物事等教えて下さい。

 

がーこ : 新潟の風景ですね。さっきも言いましたけど昭和が好きで、町が好きとか商店街が好きとかあるんですけど、新潟の土地全てが好きなんですよ。風景であったり、街並み1つ、道路1本であったり。市内はそうでもないけどすごい田舎なんで、ちょっと離れるとすぐ山道や田んぼ、川や桟橋が出てきて。今の時期は秋晴れで空がすごく高く見えるので、そこに飛行機雲がかかってるだけでも泣きそうになるんですよ。やっぱり新潟の風景はグッときますね。行くだけで刺激になるというか、人も暖かいし、たぶん一生好きなんやろなと。

ツアーの日程も、贔屓みたいになるんですけど、新潟行きたすぎて、前回のバトルロワイヤルツアーは、4日間ぐらい新潟おったし。1ケ月間の内4日間もいた。ツアーバンドとしてバカじゃないかっていう(笑)。

 

オイケリョウタ : 2日前も3日間いましたけどね(笑)。僕はアーティストで、すごく近いところなんですけど、大阪のLONEが最近出した、「終のゆりかご」っていう曲が、全てにおいて僕のドツボな曲だったんですよ。メロディにしろ歌詞にしろギターにしろ。あれはここ数年で、メジャーとかインディーとか関係なく、めっちゃグッとくる曲でした。

あとポピュラーミュージックも好きなんですけど、最近Aimerにめっちゃハマってます。

 

がーこ : Aimerいいな。

 

オイケリョウタ : デビュー当初から聴いてはいたんですけど追いかけてはなくて、最近改めてアルバム全部聴いてみたらめっちゃ良かったです。

 

がーこ : てか、お前がAimer聴いてんのおもろいな。Aimerがかわいそう(笑)。

 

オイケリョウタ : ウソやん!?デビュー当初から……「六等星の夜」から聴いてんのに……。

 

がーこ : 知らんけど(笑)。

でも、今出たLONEであったり、ホロや、あとガナリヤ、サイレントニクスは同世代で大阪を担っていく4強だと思ってるんで。多分一生仲良いと思いますね。それで一生やりあってると思います。この4バンドが一緒にちゃんと売れて、ちゃんとデカいところでやれるようになったらとは常々思ってるんで、ここの他3バンドに関しては、身近やけど常に刺激もらってます。

 

 

オイケリョウタ : 安心感あるんですけど、ぬるい安心感ではなくて、ちゃんとモチベ持っていけるっていう。

 

がーこ : 今日俺ら良いライブ出来るわっていう確信に変わるやろ。

 

オイケリョウタ : リポビタンDとレッドブルとモンスターエナジーが用意されてて、とりあえずこれ飲んだら大丈夫、という気持ちになる3バンドですかね(笑)。

 

確かにこの4バンドが揃った際の安心感は強いですね!そんな普段活動されている大阪の音楽シーンと他の地方のシーンを比べた際に、感じる事を教えて下さい。

 

がーこ : 昔からなんですけど、ライブしないとバンドが不健康になっていくんですよ。だからライブ本数が多いんですけど。大阪は昔から長くやってる分、お客さんとかに、「それ媚びはいつでも会えるしいいや。」って思われるのは嫌やったんで、最近は勿体ぶるわけじゃないんですけど、大阪でライブするなら他の県行こうかと思うことが増えました。でも大阪のシーンは昔から変わらず一番カッコいいと思ってるんで、地元が盛り上がってるのは嬉しいことですね。

県外はその土地の色が強いので、その色が強いほど好きなことが多いですかね。人が入る入らんとか、人口的な話もあるかもしれないんですけど、どうしてもやっぱり癖が強いところを選びがちではありますね。上手く活動できてないかもしれないけど。

 

オイケリョウタ : 初めての時とか、「ここにライブハウスある?」っていう所とか選ぶよな。

 

がーこ :でもそういう所の方が好きになりがちなんですよね。地方のシーンまでは良くわからないんですけど、地方に行けば行くほど人柄でやっているライブハウスが多いんで、商売目的よりは気持ちで続けている人たちに惹かれる節はありますね。逆にそういうところを僕らが盛り上げられる存在になりたいなとは常々思ってます。

 

オイケリョウタ : ライブするのも見るのも結局は人なんで。

 

がーこ : ライブハウスありきやし。

 

オイケリョウタ : 有名なだけとか、人気なアーティストが出るとか、同じインディーズ界隈がよく使ってるとか、そういうことだけで出ようという風には僕たちはあんまりならないですね。ただ、実際行ってみて、「みんなが出る理由これか!」って分かる時もありますけど。

 

がーこ : おこがましいんですけど、謎の使命感に駆られがちなんですよ。「このライブハウス俺らが守らなアカン!」って勝手に思うこと多いんで。気持ちでやっているライブハウスは全部何とかして盛り上げたいですね。そのためにも売れたいです。「それ媚びのおかげで今日盛り上がったわ、また来てな。」みたいなことを言われたいですね。

 

だからこそ、それ媚びが皆に愛されているのかもしれませんね。続いては、バンドとしての今後の目標を教えて下さい。

 

がーこ : 夏フェスには出たいけど……。僕らずっと前から言ってるんですけど、キャンピングカー欲しいんですよ、機材車として。人生ゲームとかしながらツアー回りたい(笑)。

 

オイケリョウタ : めっちゃ良いな。鍋パしながら。SAで「タコパする?」みたいな。

 

がーこ : そんなバカみたいな夢しかないんですけど(笑)。

 

オイケリョウタ : 現実的な目標としては、目先のファイナルのソールドアウト。大阪でももう1つキャパ上げて、来年の今頃はそこでイベントやってソールドさせて……!

 

 

がーこ : 1月のファイナルはFANDANGOなんで、やるしかないと思ってます。FANDANGOにした理由も営業終わってしまうからなので、というか移転するんですけど、今のFANDANGOが無くなるって決まった時に、これもまた謎の使命感に駆られて「出なあかんわ!」ってなってしまって。そこは確実にソールドアウトして、大阪JANUSもいきたいなと。

でも、この間JANUSに知り合いのバンドのイベントで出させてもらったんですけど、「これはいけるな……!」と直感的に思ったんですよね。なので、このまま順当にバンドが健康で進んでいければ絶対に来年夏頃には埋められると思ってるんで、そこはチャレンジしたいです。東京は……今回もそうですし、いつになっても新代田のFEVERが良いですね。

 

オイケリョウタ : あんまり東京の土地は分かってないんですが、渋谷とか新宿とかはライブハウスいっぱいあるけど、あのあたりって独立国家みたいなイメージがあって。

 

がーこ : 街が嫌いだもんな(笑)。

 

オイケリョウタ : 東京はライブハウス以外あんまり好きなところが無いので。街並みとかがあんまり好きになれないんですよね。でもFEVERは工業道路みたいな感じとか、そこに1個の要塞として建ってるような感じとか。

 

がーこ : まあラーメン二郎近いし(笑)。僕一番好きな二郎があそこなんですよ。たぶん日本一駅近なライブハウスだと思ってるんで。階段出てすぐ。

 

オイケリョウタ : 俺やったら2歩半やな。

 

がーこ : 2歩半で行けるんで(笑)。たぶん来やすいかなとは思います。

 

今回は終始夢のある話をありがとうございました!最後に、TOPPA!!読者に対してメッセージをどうぞ。

 

がーこ : 僕らのこと知らん人は、今度のツアー「ラブイズオーバーツアー2018」に関して、「ラブイズオーバーって何のことやねん?」って思ってるかもしれないんですけど、英単語の意味を履き違えて使ってただけなんです。「ラブイズオーバー」って本当は「愛は終わった」って意味なんですけど、でもラブがオーバーするって、絶対これ「愛が溢れて超ヤバイ」の意味やと思うじゃないですか?英語苦手なんでそれでずっと使ってたんですよ(笑)。ほんならその意味で通るぐらいになってしまってるんで……その意味が分からん人たちは本物のラブイズオーバーを感じに来て欲しいですね!全国各地回るんで、ツアーに1箇所でも足を運んでもらえたら、僕らのライブの強さは絶対分かってもらえると思うので。そして、ソールドアウトを目指してるファイナルシリーズも来てもらえると嬉しいです。

メンツも固まり始めていて、そことやるんやっていう意外性もあって、しかも間違いないバンドなんで、楽しみにしててほしいですね。またライブハウスで会いましょう。

 

オイケリョウタ : そうですね……大体一緒です!

 

がーこ : 最後投げたな(笑)。

 

オイケリョウタ : (笑)。でも、土地柄的にライブハウスには行けない人も、何かのきっかけでCDを手に取ってくれたら、友達に借りたとかでもいいと思うんですけど、それでいいです。

さっきも言ったんですけど、僕らだけじゃ結局ライブは作れないので、僕らのこと気になったぐらいのことでもいいので、皆さんと一緒にライブを作って、とにかく応援してくれてる人と僕らとで、物語じゃないですけど、そういう風に進めていければなと思います。ぜひ、よろしくお願いします。

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