猫曼珠-nekomanju- インタビュー

猫曼珠-nekomanju- インタビュー

猫曼珠-nekomanju-(読み方 : ねこまんじゅ)
HP : http://www.neko-manju.com/
Twitter : https://twitter.com/nekomanju_jp

猫曼珠-nekomanju-は2018年12月25日に“開花宣言”された新世代の超ミクスチャーロックバンド。メンバーはコータ(ex.快進のICHIGEKI/Vo)、Cazqui(ex.NOCTURNAL BLOODLUST/Gt)、シンゴスター(SEX MACHINEGUNS,ザ・メンテナンス/Ba)、FUMIYA(Galneryus,Unlucky Morpheus/Dr)と、歴戦の”ツワモノ”が集結。各メンバーは国内メタル・ハードコアシーンとの造詣が深く、過去、各々がLOUD PARKやVISUAL JAPAN SUMMIT、SCREAM OUT FEST等の大型音楽フェスに出演、海外(ヨーロッパ・アジア)ワンマンツアー開催やメジャーシーンにおける活動を経験している。

バンドのテーマとして、“一つの終焉から新たなる華を咲かせ、全てを色鮮やかな未来へと変えていく”事を掲げており、彼らが解禁と同時に公開した楽曲「ドグマティック開花」ではその片鱗を垣間見る事が出来る。圧倒的表現力/歌唱力に富んだコータが紡ぐ唯一無二の詞世界、メタル・ハードコア・シューゲイザー・ジャズ・エレクトロニカ等の様々なジャンルを昇華したCazquiによる“超ミクスチャー”的音楽性が融合。更に、シンゴスターとFUMIYAの確固たる技巧が、サウンドをよりソリッドなものへと仕上げていく。これまでに各々が経た圧倒的な技巧・轟音も感じられると同時に、不思議とどこか、懐かしさを覚える様なJ-ROCK的ニュアンスが脳裏に浮かび上がる。

今回、猫曼珠-nekomanju-始動のきっかけや、楽曲「ドグマティック開花」にまつわる逸話、J-ROCKを掲げる所以等を伺うべく、全メンバー参加にて、初の単独&衝撃の1万字超えインタビューを実施した。

取材・文 / 宮久保仁貴   編集 / 松江佑太郎


 

-まずは、猫曼珠-nekomanju-始動のきっかけを教えて下さい。発起人はどなたになるのでしょうか?また、各々が歴戦の強者ですが、この4人が揃った理由を教えて下さい。

 

Cazqui : 真面目に要約すると、近年「メタハピ」の制作などで認知度を上げているL&P Attractiveから、「このメンバーでセッションをしてみないか?」というお話をいただいたのがきっかけです。なので元はと言えば、イベントに絡めた単発企画のような形で猫曼珠-nekomanju-は始まったんですが、結果的に正式なバンドとなりました。楽器陣は初めから揃っていたのですが、フロントマンのみ、後から決まったんです。

メンバー・事務所内で協議のもと決めたのですが、当時あらゆる関係者に話を聞いた所、誰もがコータさんの名を挙げました。「彼は素晴らしいボーカリストだ。」と。

 

-コータさんとCazquiさんは元々面識があったのでしょうか?

 

Cazqui :  それまで面識は無くて。ただ、かつてコータさんがやっていた快進のICHIGEKIって、実際のライブを目の当たりにした人たちからの評価がものすごく高かったんです。むしろ音源より、MVより、何よりもライブの生演奏が圧倒的に良い“本物”という共通認識が、ミュージシャンの間にある印象で。自分の友達も昔から「快進のICHIGEKIはライブが本当にカッコよかった!」と言っていたので、当然存じ上げておりました。まさか一緒にやらせていただく事になるとは思っていなかったです。

 

シンゴスター : ただ、この話の前に一度、2015年に柏PALOOZAで、SEX MACHINEGUNS、NOCTURNAL BLOODLUST、快進のICHIGEKIでライブをやっていたんですよ。確か当日、NOCTURNAL BLOODLUSTは出番前に入って、終わったら所用ですぐ抜けてで、その時はそこまで絡めなかったんですけど。

 

コータ :  逆に、自分はFUMIYAさんと完全なる“はじめまして”でしたね。存在は知っていたんですけど。

 

-なるほど。実際、この4人で初めて出会い、そして猫曼珠-nekomanju-として繋がったのはいつになるのでしょうか?

 

FUMIYA :  ちょうど1年くらい前ですかね、それぞれのバンドで出演したりの流れで、L&P Attractive主催の新年会があったんですよ。そこでさっきCazquiが言った通り、「このメンツでライブをやったら面白いんじゃないか?」っていう話になりました。

 

Cazqui : そこから、2018年の春頃に、コータさんがVoになる話が具体的に進んでいって。思えば、企画自体は結構昔からありましたね。親睦を深めているうちに、楽器陣の間で”今の自分が置かれている現状に対して働きかけたい”という意思が共通してきて。本気感というか。

のちにコータさんの歌が入った自分の楽曲を聴いた時、このバンドは続く、と確信しました。

 

-ありがとうございます。続いては、このユニークなバンド名をつけるに至ったきっかけを教えて下さい。特に、漢字とアルファベットの組み合わせが気になりました。

 

Cazqui : 本来、このメンツに期待されていそうな……気取った感じも含む(笑)候補を多数出した中から選ばれたものです。

短めが良かったというのは、メンバーの中にあるんじゃないですかね。簡潔さに憧れるというか。あと、長いものに巻かれるより、短い方がいいなというのは個人的にありました。シュールなバンド名ですが、テーマは結構重いかもですね。

 

-猫と曼珠沙華という異質なものが組み合わさっていますよね。

 

Cazqui : ある時、SNSで、飼っていた猫が死んじゃった飼い主さんがいて、猫の墓から彼岸花が咲いた、みたいなツイートが話題になってたんですね。それって、その飼い主さんが、彼岸花の花言葉を信じて前向きに生きられればそれで良い、単なる美談だと思うんですよね。別に、死んだ猫と咲いた彼岸花に因果関係があろうがなかろうが、どうでも良いだろうと。嘘だとしても、綺麗な話じゃないですか。

けれど、リプライ欄で、夢も希望もないことを言って草を生やしている人たちを見て、やな世界だなぁと。要は、何かが終わってしまったあとに、それでもう全て終わりです、それが世の摂理です、あなたも素直に認めましょうよ、みたいな淀んだ空気に対するガスマスクですね。

このバンド名が決まった後の話なんですけど、丁度去年の8月に、僕の飼ってた猫も死んじゃったんですよ。2017年~2018年は個人的に色々と失くす事が多かった期間なので、それにめげずじゃないですけど、何かが終わってしまったら、何かを失ってしまったら。また築き上げれば良い、新しい花を咲かせれば良い、っていう自己奮起の意味合いもあったり。根底にあるのは終焉からの再生ですかね。そもそも無から有、0を1にするというのがクリエイターの仕事ですから、自分がそれを認める時は廃業です。

あと、個人的な見え方なんですけど、彼岸花って遠目から見ると血しぶきなんですよ。けれど放送コードに堂々と乗せられるものなので、彼岸花が好きなんです。決して直接的でない、けれど歪で、美しいもの。

 

-強い意志を感じます。付随する話として、猫曼珠-nekomanju-解禁後、現在に至るまでの反響は如何でしたか?”ヘヴィ”という共通点がありこそすれ、各々が主戦場としているシーンには若干違いがある故に、様々な反応・解釈があった様に思いました。

 

Cazqui : 先日公開した「ドグマティック開花」Teaserなんかは、たった1分間の音像だけで自分のファンの方々から“Cazqui節全開”という反応をいただけた事、そういう自分のテイストがメンバーそれぞれのファンの方々に受け入れていただけたようで、とても光栄でした。

あ、「ぱっと見ネタみたいなメンツだけど、よく見たらネタじゃなかった。」的なリプライは個人的に面白かったです……同感なので(笑)。

 

一同 : (笑)。

 

FUMIYA : それぞれがちゃんとした母体を持ったメンバーが集まって活動しているので。そういう意味では、発表した全体的な感触としては、やってよかったのかなと。それこそ、「マジか?」とか「これで本当にやるんだ!」という意見が多かったかな、と。

 

-確かに賛否両論ありましたが、全体的に肯定的だと個人的にも感じました。ただ、シンゴスターさんとFUMIYAさんはそれぞれバンドを兼任している分、モチベーションを危惧される意見もあったかと思います。

 

シンゴスター : 僕はSEX MACHINEGUNSもやってるし、ザ・メンテナンスもやってるし、そして猫曼珠もスタートして。もしかして、「マシンガンズが止まっちゃうんじゃないか?」とか、「シンゴがこっちにシフトしちゃうんじゃないか?」とか思う人もいるとは思いますが、僕は猫曼珠-nekomanju-をやるからには、さらに他2つのバンドももっとやリます。ただ、「もっと猫曼珠-nekomanju-も来いよ!」と、そして猫曼珠-nekomanju-からハマったお客さんへは、「2バンドのライブもお前ら来いよ!」と言いたいですね(笑)。

僕はSEX MACHINEGUNSに10年もいるんですけど、なんだかんだいっていろいろなことがあって楽しいし、支えてもらっている人達の人生に一役買っているわけです。落ち込んだりしてる時に聴くと元気になるでしょ!みたいな。だからやり続けていきます。もちろんそれをまた、猫曼珠-nekomanju-でも表現したいですね。「私が20代の頃、猫曼珠-nekomanju-っていうバンドがいてさ、最高なんだよね、今はもうチケット取れないけど。」ぐらいの。その人が話していて、嬉しくなるようなバンドになりたいです。どれも真剣にやっていきます。

 

FUMIYA : 僕はTwitterとかで自分の思ってることを言うタイプの人なので、もしかしたらそこで分かってくれている人の方が多いかもしれないですね。まず、やりたいことは全部やるタイプの人間なので、一つに囚われたくないんですよね。人生長くて、どこでどんな人がいるかわからないし、世界中のどんなミュージシャンでも1回は音を合わせてみたいぐらいの感じで。

変な話、違う人と音を出して、それで起きる反応にしか興味がないぐらいで……言葉は悪いかもしれないですけど、基本的に自分がプレイする根底として、あくまでお客さんの為じゃないんですよね。僕がやりたい音を出してる事自体を見てもらって、それで喜んでくれたり、共感してくれれば良いな、というスタンスでやってるので。それはいろんな所で名言しているので、今回もそれと同じです。そこからすれば至極当然の流れなので、やりたいと思えている以上は猫曼珠-nekomanju-もそうだし、どのバンドでもやります。安心して見ててください。

 

-前向きな意志をお聞き出来て安心しました。また、バンド解禁と同時に楽曲「ドグマティック開花」が公開されましたね。本楽曲は、歌詞面においてコータさんが培われてきた日本語詞メインのポジティブなリリック、メロディ面においてCazquiさんが培われてきたブルータリティと美しい旋律、諸々が調和した楽曲に感じました。本楽曲を制作していた際の心境を教えて下さい。


【リリース情報】

『ドグマティック開花』
※2019年2月2日渋谷STREAM HALL~4月17日渋谷O-WESTにて限定発売
※完全500枚限定生産

■収録曲
1.猫詠み
2.ドグマティック開花


Cazqui : コータさんがVoになる事が決まった時、コータさんが今までに歌われてきた曲や歌詞をくまなくチェックしたんです。当然コンポーザーとして彼の魅力をより深く知るためであったり、実用音域であったりとか、生かすべきところを参考にするために聴いていたんですけど……次第に”早くこの人のための曲を書きたい、自分の曲に入ったコータさんの声が聴きたい”という気持ちが強まってきて。理想のイメージがどんどん湧いてきて、それが「ドグマティック開花」になりました。

ただ、いざコータさんにデータを投げる前に、一度考えました。経験上、この初のデモ出しから仮歌が入るまでの流れだけで、今後彼とうまくやっていけるかどうか全て分かるといっても過言ではないんです。っていうか、事務所の人にも宅録のデモ段階だというのが驚かれるほど緻密に作り込んだデータだったので、この全身全霊のオケで彼に歌ってもらって、良いものにならなければ、俺はもう音楽からは距離を置くべきなのかも、だとか。様々な感情を抱きながら、データを送りました。

その当時、他に色々抱えていた事もあって。自分の理想の音楽はもう出来ないかもしれない、と思っていたんですよね。コータさんから歌データが届いた時、聴くのが怖くてなかなか開けなかったんです。覚悟を終えて、ようやく再生ボタンを押しました。

その歌詞、メロディ、全てが完璧でした。思わず泣いちゃったんです。そこからCDになるまで、何一つボーカルアレンジは変わってないです。いや、変えちゃいけないと思った。もう一度、理想の音楽を追いかける事を許された感覚がありました。テーマはバンド名そのもの、終焉からの再生ですね。あるいは人生の再起だとか、再誕です。

 

-チューニングがかなりヘヴィではありつつも、メロディの美しさ・キャッチーさに良い意味で調和していますよね。ある種、他の追随を許さない不思議なサウンドだと思いました。反面、コータさんが歌詞を書かれた時、どういうイメージを持って進められたのでしょうか?

Comments are closed, but trackbacks and pingbacks are open.