佐田鳩子 インタビュー

佐田鳩子 インタビュー

佐田鳩子(読み方 : さた はとこ)
HP : http://satahatoco.com/
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Instagram : https://www.instagram.com/satahatoco/
Tumblr : http://satahatoco.tumblr.com/

佐田鳩子は1992年生まれ、 2014年より透明水彩をメインスタイルとして活動している東京出身のイラストレーター。緻密な書き込みから生み出される繊細で優艶、耽美な「佐田女子」は人々の心に大きく揺さぶる事間違い無しだ。極致を極めた美が、そこにはある。

近年は各種展示会への参加や、『ILLUSTRATION 2018』への掲載、タツノコプロの記念展示「四国まるごと美術館」への参加、城咲ロンドン女史との二人展「少女ノ蹊」開催等、活動の幅を広げて活動している佐田女史。

今回、佐田女史に対し、彼女の生い立ちから作風に関するあれこれ、近年の活動や作家としての姿勢等を伺うべく、メールインタビューにて初の単独インタビューを試みた。

文 / 佐田鳩子 編集 / 宮久保仁貴


 

-まずは、佐田様の自己紹介をお願い致します。

 

佐田鳩子 : はじめまして、イラストレーターの佐田鳩子と申します。最近やっとイラストレーターと名乗ることに抵抗がなくなりました。

平成一桁生まれで、幼少期はよく父の仕事関係の人が家に遊びに来ていたからか「ちいさいのにちゃんとしてる子」という感じでした。小中高もただの「ちょっとオタクな子」という感じだったのですが……元々ファンアートなどを描いていて、そのつながりで知り合った樋口アトさんという作家さんに、自身がキュレーターを務める展示に誘っていただきました。それが作家デビューです。

その後、大阪にあった展現舎というギャラリーを紹介していただき、そこから作家活動をはじめ、今に至ります。人生何があるかわかりませんね。

 

-ありがとうございます。さて、佐田様の画風は非常に繊細、かつ耽美な要素を兼ね備えた人物画が特徴的ですよね!そんな佐田様の絵のルーツや目覚めを教えて頂けますでしょうか。

 

佐田鳩子 : 高畠華宵さんと山口貴由さんの作品だと思います。そして、耽美な美少女・美少年が好きになったのもこのお二人の影響だと思います。お二方とも、描かれる人物の身体の流れ方がとても綺麗なのです。

作家としての画風のルーツはそこにあると思うのですが、少女時代はちゃおっ子りぼんっ子で育ってきまして。00年代くらいの少女漫画の模写を友達との交換ノートに描いたりしていました。その頃から、イラストを描くのはもともと好きだったみたいですね。耽美が好きであったり、キラキラした少女漫画も好きなので、私が描く半開き気味のツンとした目や、フリルをふんだんに使った衣装などにそういった要素が現れていると思います。

 

-なるほど。そこから、今現在の作風に至った経緯を教えて下さい。

 

佐田鳩子 : 最初は少年誌の作品のファンアートが主だったのですが、その頃から耽美系の画風でした。元々細かい作業が好きなので、描いていく内につれて。自然とリアル目なタッチになったんだと思います。

あとは、理想の少女・少年についてイメージがどんどん膨らむにつれて、肖像画や卒業アルバムの写真のような作品が増えていきました。瞳や髪を書き込もうとするとどうしても上半身がメインになりますので……!

 

-そのような経緯があったのですね。ちなみに、いずれの作品も非常に緻密な描き込みがなされていますが、制作を進められる際、どのような時にインスピレーションが湧く事が多いですか?

 

佐田鳩子 : 街や雑誌でかわいい子を見かけた時や、植物が顔に見えた時でしょうか。「このバランス……かわいい!」と思ったら無性に描きたくなります。あとはぼんやりしている時に……ふと描いてみたい髪型が思い浮かぶことがあります。なんとなく浮かんだ言葉をメモしておいて、それを見返しながら考える事もあります。

 

-付随する話として、普段の制作の際、注力している事を教えて下さい

 

佐田鳩子 : 人物をメインに描いているので瞳や唇など、自分の思う「魅力的な子に重要なパーツ」には特に力が入りますね。美しい少女・少年を描こうと思ったら逆に気を抜ける部分が一つもありません。気を抜いたらもうそれは美少女美少年じゃないので(笑)!それから、描く時には必ず、「次制作する時に、どこを変えてみようか?」という事を考えるようにしています。

同じような構図ばっかり描いてる!と思われがちかもしれないんですけど、これでもちょっとずつ進化しているんですよ。スロットみたいに、「これだ!決まり!」っていうパーツと、「変えてみようかな?」っていうパーツをランダムに組み替えて。それを繰り返しているうちに、「こうやってみたら……こうやってみたら……!」と、どんどん描くのが楽しくなるし、何より上達する……と思っています。

あと、これが一番大事だと思っているのですが、「自分の絵最高!カワイイ!ドンドンパフパフ!」という気持ちで制作する事ですね。実際最高なんですけど、謙遜でも「下手です~。」とか「落書きです~。」とか言いたくないな、と思っていまして。それが絵で仕事している人の責任だと思っていますし、「最高~!」って言いながら描くと、作品への愛着が湧いてくるんです。

 

-創作において、自信を持つ事は一番ですよね!ちなみに、普段制作にはどの様なツールを使われているのでしょうか?

 

佐田鳩子 : 元々は透明水彩が主でしたが、今年の9月頃からCLIPSTUDIOを使い始めました。元々ひどい機械音痴なので苦労しています(汗)。でも、子供の頃の悔しい思い出のこともありますし、なんとしてもモノにしたいですね。原画の魅力をこの数年でしっかり覚えてしまったので、水彩での制作もしつつ、時にはデジタル、みたいな器用な作家になるのが目標です。

 

-ありがとうございます。続きまして、近年は各種展示会への参加等、精力的に対外活動をされていらっしゃいますよね。こちらの活動に関して、印象深かった事を教えて下さい。

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