clocknote. インタビュー

clocknote. インタビュー

 

clocknote.:先ほどまでDTMをはじめる経緯についてお話していたのですが、実はBALCOLONY.に就職した際、気持ち的にも時間的にも、デザイナーとしてやっていくことで精いっぱいになってしまって、4年間一切楽曲制作をしない時期があったんです。

でも2018年になって、バーチャルライバーグループ「にじさんじ」が出始めてから状況が一変して、もう狂ったようにオタクになってしまって……。会社に入ってからTwitterをやる頻度も激減してたんですが、そこからはもう毎日のように「にじさんじ」のことばかりツイートしてました。今ではもう当たり前な感じですが、当時ファンアートを本人に拾ってもらえる世界みたいなものがすごく新鮮で、羨ましいなと思ったんです。そこで、何かしたいな〜と思っていたときに、かの有名なiruさん作の「Moon!!」が投稿されて、「あ、これ自分にもできるのでは……?」みたいなことを思って、無謀にも初の歌モノに挑戦した、という感じです。4年もお休みしていたので、DAWのアップデートが必要だったり、プラグインが動かなかったり、そもそも初音ミクを持っていなかったから、これのために購入して勉強したりとか、とにかく色々大変だったんですけど、なんとかかたちになったのが2018年5月にニコニコに投稿されている仮歌版の「dream triangle」ですね。今聞くとミックスとか色々酷いですけど、粗削りでも完成した感じが、当時の熱量の賜物かなって気もします。

 

-まさか「にじさんじ」が作曲意欲を再燃させたとは。先日開催されたコミックマーケット96では、その「にじさんじ」イメージソングのインストゥルメンタルアレンジコンピレーション『livin’ colors』を頒布されておりましたが、こちらの経緯をお聞かせください。

 

 

clocknote.:「dream triangle」の本人歌唱をきっかけに、主に樋口楓さん周りですが、イメージソングを作る同志達と知りあう機会が出来まして、世代が近いこともあって、すぐに仲良くなりました。しばらくして、「ファンアート仲間と一緒にコミケに出たい」という気持ちが芽生えてきまして。そこで何を作るか悩んでいて、そこで仮歌CDを出すのも良いと思ったのですが、それは仲間内の別のサークルでやっていたんですよね。あと正直なところ、イメージソングって、みんな本人歌唱のものを聞きたいっていうのがあって。だから、作品として何か自分たちだけで出せるアドバンテージみたいなものを考えて、あえて歌モノではなく、文章作業中や配信のBGMなどでも使えそうなインストゥルメンタルアレンジアルバムというものを作ることにしました。また、ブックレットをアルバムの内容にあわせた画集にすることで、読みながら音楽を楽しんでもらえたら良いなと思っています。

 

-ありがとうございます。今後、挑戦してみたいジャンルや作曲をしたいアーティストがありましたら教えてください。

 

clocknote.:そもそも歌モノの制作自体が、「dream triangle」がはじめてでしたので、歌モノをちゃんと作れるようになることですね。今はイメージソング文化という素晴らしい場に恵まれているので、色々作ってみたいです。JK組ももちろんですが、樋口楓さんのイメージソングも実はストックがあるので、折りを見て完成させたいなと思っています。それと、イメージソングは完全にファン活動なのですが、お声掛けいただいて制作したものとして、11月12日リリースのAZKiさんの1st Album『without U』に「フロンティアローカス」という曲が収録されます。こちらはハムさんとの共同制作でして、とても良い経験になりました。音楽は本業ではないので、限られた時間の中でしかできないのですが、今後もこういった機会があれば嬉しいなと思います。

 

-今後も楽しみですね! 「にじさんじ」もそうですが、銀河アリスやホロスターズ、名取さなのロゴデザインを担当されていたり、VTuber達との関わりが強く、noteではVTuberについて書かれていますよね?実際にnoteの記事を読ませていただくとかなりの熱量を感じたのですが。clocknote.さんがVTuberにはまったきっかけを教えてください。

 

clocknote.:これは語り切れないくらい多方面から理由がありますね! 『冴えない彼女の育てかた』の話にちょっと戻りますが、あのパッケージって、作品世界にしか存在しないはずのキャラクター達のアイテムを、現実世界に降臨させたパッケージなんです。やっぱりああいうのって、オタクの夢というか、ちょっとでも作品世界に近づきたい、みたいな気持ちがあって、そういうものを叶えたいと思って作ったものなんですよね。エンタメの本質って、その瞬間どれだけ夢を見ているか、見させられているか、みたいなとこにあるのかなと思っている面もあるので、存在そのものが夢というか、ずっと夢を見ながら楽しむVTuberって、すごく面白いなと思ったんです。dream triangleの“dream”もそこからきています。

 

-そうなんですね。

 

clocknote.:あとはインターネットが大好きというのがありまして。そもそもなんですが、インターネットって、多くの人がハンドルネームを使って、自分の本名を隠して活動しているのが当たり前ですよね。で、人によっては自分のオリジナルのアイコンを持っていて、それで認知されていたりする。それってほぼVTuber的なものだと思いませんか? だから、VTuberが発生しはじめたとき、これは自分たちの世界の拡張のきっかけになると思ったんです。なので、アバター文化的なもののはじまりの象徴として見ている面も大きいですね。今、VTuberとして在ることは、まだ「特別」な領域の存在だと思っているんですけど、この在り方が、「特別」ではない、「日常」にまで浸透したとき、アバター文化が一般化するきっかけの一つになると思っています。

 

-なるほど。note でも触れられていたのでお聞きしますが、clocknote.さんが考えるVTuberとは何ですか?

 

clocknote.:純粋に、今感じていることとしては、VTuberそのものをタレントと呼ぶことも正解ではあるのですが、本質は「カルチャー」とか「コミュニティ」にあると考えています。ARとかVRの技術は海外の方がもっと進んでいるのですが、日本がすごいのは、その楽しみ方を産み出す能力とか空気感にあると思っていて。VTuberって、例えるなら、インターネットを使って大規模なおままごとをやっているような感じだと思うし、ライブなんかは、電子的な着ぐるみショーみたいな感じだと思うんです。これっていわゆる「ごっこ遊び」で、参加する人達がどれだけ「ごっこ」を信じられるかによって、楽しめる度合いが変わってきますよね。それをするための、「カルチャー」とか「コミュニティ」こそが日本を中心に起こっているVTuberという現象なんじゃないかなと思っています。なので、どんどん楽しい「ごっこ遊び」を発明していくことがエンターテイメントとしての界隈の未来を作っていくになるだろうし、遊び方を広く伝えていくことが、VTuberを広く知ってもらうために大事なことなのかなと考えています。

 

-「ごっこ遊び」という呼び方はしっくりきますね。clocknote.さんには時音カルというアバターがありますがこちらの制作された経緯とその活動について教えてください。

 

clocknote.:みんながアバターで遊ぶ社会、みたいなものはいずれ来るものだとは思うのですが、そのときに自分の見た目が決まっている状態だと良いなと思っていました。実際に制作に踏み切ったのは、りむとまき channelから発生したバ美肉ムーブメントがきっかけですね。結局すぐには出来なかったのですが、今年5月に行われた「バーチャルリアルT」というイベントへの参加を目標に、Live2Dモデルが完成しました。時音カルは、VTuberっぽいものにもなれるし、イベントに出たりもできるし、もしかしたらグッズにするかもしれないし、とにかく自分がアバター・キャラクターが必要になったら何にでも使えるように作っているので、遊べる幅を広げるために使っていきたいです。

キャラクターデザインは、私の初の商業仕事である「竹画廊画集2010-2011」が発行された際に竹さんに描いていただいた私の姿(?)がモチーフになっていて、それを妻であるica (@ica_shishi) に人型にリデザインしてもらった姿が時音カルです。とにかく自分の好みを詰め込んだ見た目にしてもらったので、本当に好きなんですよね……。竹さんにいただいた時音カルのイラストをずっとiPhoneの壁紙にしていて、毎日それに勇気づけられているので、今のところ最も活動頻度が高い場面は私のiPhoneの壁紙です。

 

 

-YouTubeチャンネルも開設されておりますが、今後はこちらでの活動もあるのでしょうか?

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