松村上久郎(読み方 : まつむら かみくろう)
Twitter : https://twitter.com/M_Kamikuro
HP : https://uwa-aaa.com
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UCsHPU3d5yjMvsYDX9ypLKJQ
バンド・デシネとは主にヨーロッパ・フランス語圏での漫画の呼称のことである。絵のスタイルやコマ使いなどの違いはもちろんのこと、バンド・デシネは絵を重視した、絵本と漫画の合いの子のようなイメージである。
松村上久郎はそのバンド・デシネに影響を受けながら、バンド・デシネ作家兼VTuberとして活動する新時代のイラストレーターである。
繊細さと豪快さが同居するイラストは多くの人々を魅了し、バンド・デシネ作品としては『ニコの旅』シリーズを発刊。ワークショップ「万年筆で描いてみる!ごちゃっとめんこい世界の描き方」の講師や、『心にのこる絵の描き方』や『辛くならない絵の描き方』などの書籍を発行している。また、するなどその活動は多岐にわたる。また、松村上久郎オンリーイベント「じゃんぶるびー」~サマーエキシビション~の開催やイラスト展示・販売からライブペイントを行うなどイベント活動も活発だ。
最近ではVTuberデビューも果たし、お絵かき講座やお絵かき実況が話題を呼び、現在ではチャンネル登録者数10万人を突破。自身の持つ技術を広める活動にも勤しんでいる。
今回そんな松村上久郎にインタビューを敢行した。イラストレーターやバンド・デシネ作家、VTuber活動のことはもちろん。彼のマインドやルーツに迫った内容となっている。
文 / 松村上久郎 編集 / 滝田優樹(@takita_funky)
–まずはTOPPA!!初登場となりますので、松村上久郎さんの自己紹介をお願いします。
松村上久郎 :幼稚園のお遊戯の時間に、二人ペアでダンスをする時間がありました。一番古い記憶の1つです。私には「女の子とペアになりたい」という強烈な想いが当時からありました。しかし男の子と当たってしまったので、ムカついてその子の顔を思い切りグーで殴りました。絵の目覚めよりは性の目覚めの方が数倍早かった、そんな人間でございます。どうも松村上久郎、バンド・デシネ作家、バーチャルYouTuberです。
–ありがとうございます(笑)。では、続いて絵が仕事になったきっかけを教えてください。
松村上久郎 :苦し紛れに出してみた電子書籍がちょこちょこと売れ始めたことがきっかけです。というのも、当時の26歳の私は会社を辞めたいという気持ちがとにかく先行していたんです。決まった時間に会社に行きたくない。会議に出たくないし、電話にも出たくない。「絵を描く仕事がしたい」というよりは「会社に通いたくない」という想いの方が自分にとって強烈でした。また、自分が絵で結果を出すためにはフルタイムでそちらに時間を使うしかないだろうという気持ちも当然ありました。
そうした色々なことが重なって、せっかく入れてもらった親父の会社を私は3年足らずで飛び出してしまったんです。ちなみに当時の電子書籍の売上は月あたり1万円~2万円くらいで、YouTubeの登録者数は100人いないくらいだったと思います。今思えばあまりにも無謀なのですが、「実家の2階だけ貸してくれればあとは勝手になんとかする」と豪語した当時の私を信じてくれた両親のおかげで、なんとか登録者数10万人までは漕ぎ着けることができそうでひとまず安心しております。
–なるほど、仕事をやめたいが一心で始めたことだったんですね。そんな松村上久郎さんの作品を拝見させていただきました。「ロボットからうさぎさんまで」というコンセプトのもと、精巧な作りものとゆるりとしたキャラクターが同居するイラストが印象的でした。そこからはフィルム・ノワールやカートゥーンの世界観を感じたのですがそんな絵のルーツを教えて下さい。絵を描き始めるにあたり、影響を受けた方はいますか?
松村上久郎 :多くの作家さんと同様、誰か一人の影響だけを受けたわけではありません。しかし韓国の漫画家キム・ジョンギ氏のライブペイントを見て「人間にはここまでできるんだ!」と勇気づけられたことが、今の万年筆を中心に使った作画スタイルに直結していることは確かです。あとはバンド・デシネ制作をするにあたりフランスの漫画家ジャン=ジロー(ペンネームはメビウス)氏を始め、色々な方のバンド・デシネを中心に勉強させていただいています。
–海外が漫画家2名が挙げられたことで腑に落ちた部分があります。では、イラストレーターとして活動を行う中で、刺激・影響を受けた方はいますか?
松村上久郎 :影響といいますか、基本的には「線が生き生きしている」イラストを描く方が大好きです。モノを気持ちのいい線でとらえながらも「カタマリ」として同時に成立させる線です。平面的にではなく、あえていうなら「彫刻的に」絵を描いているような人たちの影響を多分ずーっと受けてきたと思います。
リアルという意味ではないです。単純にそういう絵が好きなんだと思います。実はそういう線は、イラストレーターという方たちよりもむしろアニメーターの方が出している印象があります。
–松村上久郎さんの絵からもそのような印象を受けます。また、イラストレーター以外にバンド・デシネ作家としても活動されております。バンド・デシネとは漫画という意味ですが、漫画ではなくバンド・デシネという呼称で活動されている意義がありましたら教えてください。
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