マツケん(マツケン先生/松澤健)インタビュー

マツケん(マツケン先生/松澤健)インタビュー

マツケん : まず、DAWソフトはDigital Performerを使っています。使ってる人は多くはないですけどね。何故これにしたかというと、最初にDAWに手を出す時に、やっぱり好きなアーティストが使ってるものが気になって調べたんです。それで、今はたぶんその方も別のものを使ってると思うんですけど、当時は、僕が尊敬している田中宏和さんという元任天堂の作曲家の方が使ってたりとか、坂本龍一さんも一時期使っていたという情報を得たんですよね。また、僕の場合だと使うとしたら打ち込みが多くなるだろうということで調べたんですよ。すると、MIDIの打ち込みはDigital Performerは操作感が良いという情報があって、そこも総合して使い始めたというところですね。

Digital Performer 9  : https://h-resolution.com/product/digital-performer-9/

あと、音源としてはゲーム機の実機ですね。実機を制御して鳴らせるツールとかを使ったりしてます。あとは、Winampっていうプレイヤーがあって、プラグイン次第ではほとんどファミコンとそっくりの音が出るので、それを使ってますね。このやり方はMML(Music Macro Language)と言いまして、テキストで打ち込む方法、80年代頃のやり方がそんな感じで、ドレミファソラシをCDEFGABで打ち込むみたいな。そのMMLで打ち込んで、Winamp + NSFplugで鳴るような仕組みで打ち込みをすると、そのデータをそのままファミコン実機で鳴らすこともできるんですよね。なので、PC上のそういう環境で鳴らしつつ、しっかり仕上げたい作品に関してはそのデータをSDカードに入れて、鳴らすツールを経由してファミコン実機で鳴らす感じですね。私の「CONNECT」というオリジナル曲はこの方法で作りました。

Winamp : https://www.winamp.com/

また、ソフト音源ではKOMPLETEシリーズのKOMPLETE 8 ULTIMATEっていう総合ソフト音源ですね。あと、SUPER AUDIO CARTという昔のゲーム音楽的な音、ファミコンとかメガドライブみたいな音が出るソフト音源も使ったりしてます。ピアノ音源はIvory II American Concert Dというものが綺麗だし自然な音なので使ってます。

SUPER AUDIO CART  : https://sonicwire.com/product/A0982

Ivory II American Concert D : https://www.minet.jp/brand/synthogy/ivory-americand/

2018年にリリースしたCD『タケちゃん健ちゃん ごきげんWCD』も、以上のような環境で制作を行いました。


タケちゃん健ちゃん ごきげんWCD

 

ここでもまた、より音への忠実性を重視されているのですね。続きまして、マツケん様が創作・アレンジ活動を行われる際、アイディアが湧くタイミングを教えてください。

 

マツケん : 曲作りする時は”ぐっとくるポイント”っていうのをすごく大事にしていて、なるべくそれを入れるようにしてるんです。それが浮かんできてから、その前後を固めて曲を作り上げていくっていうやり方で進めていますね。

なので、そのぐっとくるポイントっていうのが頭の中に降ってくる瞬間を待つというか……捉える感じです。すぐにスマホでメモして、リストにしてためておいて、曲を作る時にはその中から持ってきて作ったりします。そういう作り方ではない時もありますけどね。

アイディアは日常のふとしたタイミングに思い浮かぶことが多くて。あと、個人的に秋葉原が好きなんですけど、秋葉原を散歩している時にイマジネーションが湧くことは多いかも。これはたまたまかもしれないですけどね。

 

なるほど。そういえば、マツケん様がWEB上で音楽活動を始められてから、早10年以上が経過しましたね。今までの活動の中で、印象深かった出来事を教えてください。

 

マツケん : まず、NES BANDはやっぱり大事で、結成から8年くらい経つんですけど、いまだに多くの方から好意的な感想をいただくのは本当に嬉しいです。

あと、動画を初めてアップしてから10年以上経っていて、動画投稿やライブ活動をやっている中で特に嬉しいのが、作曲家の方にコメントや感想をいただけた時です。その作曲家っていうのが、一緒にタケちゃん健ちゃんをやっている国本さんはもちろんのこと、実はすぎやまこういちさんにもネット上のとある企画で一度だけ私のドラクエ演奏を見ていただいたことがあるんです。

ある時、すぎやまさんが指揮をされたコンサート終わりに握手会をやられていたんですが、それがネット上で動画を見ていただいた1か月後ぐらいで、「あの時弾いた者です。」と言ったら「お、マツケン!?良かったよ!」と言っていただけたんです。それこそ6〜7歳の頃に楽譜を目で追ってた頃から大好きなすぎやまさんに自分の演奏を聴いて感想をいただけたなんて、天にも昇るような心地でした。これが2011年の話ですね。

あとは、『ファイナルファンタジー』シリーズで有名な植松伸夫さんとお話しする機会があった際、NES BANDの演奏動画を見ていただいたことがあったようで、感想をいただけたことがありました。田中宏和さんとも同じイベントで共演して、我々の演奏を聴いていただけるようなことがあったりして、「良かったよ!」と言っていただけたり。その時は田中さんの楽曲も演奏したんです。

あと、最近だとサガシリーズなどの伊藤賢治さんですね。2017年にあった福岡でのゲーム音楽イベントに出演した時にお会いしてNES BANDのステージも一部ご覧いただき、その時に「『なんだこいつらすげー!』と思いましたよ!」という感想をいただきました。

その他、電車の発車メロディについても、塩塚博さんというJRなどの曲を作っている方と動画投稿活動を経てお会いする機会がありました。しかも、塩塚さんの出された著書の座談会にホリプロの南田裕介さんと一緒に参加してそれが本に収録されたり、塩塚さんのCDアルバム『テツノポップ』に演奏で参加したり、一緒に駅メロの講演活動をやらせていただいたり……。

以上のように、自分から見れば一方的に好きだったものの作家さんご本人と、まさかお話したりご一緒に活動したりする機会ができるとは思ってもいませんでした。このように、作曲家ご本人と何らかの繋がりができること、お言葉を頂けることは一番嬉しいですね。

 

音楽家冥利に尽きますね!また、この他にも、近年はTV露出などもあったかと思います。

 

マツケん : 最近のTV出演に関してだと、2017年5月に『マツコの知らない世界』での『駅メロの世界』というコーナーに出させていただいたんです。まず結果として、出演できたことだけでもとても嬉しかったのですが、さすがに有名番組だけあって、『鉄のバイエル』という私が耳コピして出した楽譜集が放送後にAmazonの本総合ランキングで1位になったんですよ。楽譜カテゴリとかではなく本全体でという喜びから、その場でスクリーンショットを撮りました(笑)。


鉄のバイエル―鉄道発車メロディ楽譜集 JR東日本編

その放送後、TBSの『王様のブランチ』っていう番組がありまして、この番組内でのその1週間のTBS全体での瞬間視聴率ランキングコーナーで、私が出ているとあるシーンがその週の4位に入ったりして、これもめちゃくちゃ嬉しかったです。これきっかけで、鉄道博物館から「駅メロの話で出演してください!」とお声掛けを頂いたりとか、結果的にまた世界が広がったというのがありますね。ちなみに収録時はかなり緊張してました(笑)。

 

マスの力を感じますね!また、先述の通り、マツケん様はWEB上でのバズも複数引き起こされたかと思います。

 

マツケん : 最近ですと『すぎやまこういち氏楽曲っぽい要素集』ですね。Twitterの動画はアップロードするのに140秒が上限なので、その制約の中で作ってみようというコンセプトで作成しました。すぎやまさんは私の一番好きな作曲家で小1の頃から聴いていたわけで、「この曲……すぎやまさんっぽいな?」という要素があったりすると頭の片隅に入れていたんですよ。「この曲のこの要素は、他の曲でも使われているな!」とか。そういう要素を改めてメモして、いつか動画でまとめて出すことを考えていて。

具体的に着手し始めたのは動画投稿の半年前くらいで、すぎやまさんっぽい要素とそれが使われてる曲に気づいたらEvernoteにメモをまとめる、というのを半年くらいやって、投稿する1~2週間前から音源と動画制作に着手しました。一番工夫したのが、特定の曲に似ないようにすることですね。そこを工夫しつつ、いくつもの要素をごった煮的に入れて、楽譜を目で追いやすいようにしました。

ツイートしてから10日ぐらいで、11万いいね、4万8000リツイートぐらいになりました。Twitterへの動画はこれまでにも上げていて、1万いいねを超えたことは何回かあったんですけど、今回ほどのは初めてでしたね。

 

個人的にも、普段音楽クラスタに属していない方が話題にしていて、その広がりの大きさを感じました。ちなみに、何故こちらの動画を作成しようと思われたのでしょうか。

 

マツケん : 根底としては、僕は普段から良いと思ったものを何故そう感じたのか、心に響いたのかを考察することが好きなんです。ああいう動画を作るモチベーションはこの点からきていますね。それを分かってくれる人がいるかどうか問いかけるというか。共鳴してくれる人がいれば嬉しいんです。

そして、普段から良いと思ったポイントを大事にして、それをまとめて発信することが好きで。それだけでも自己満足できるんですけど、合わせて反応してくれる人がいればこんなに嬉しいことはないですね。これは私の活動全般にも言えるかもしれないです。

 

まさにマツケん様こそ、真のインフルエンサーだと思います!さて、お話は変わりますが、最近マツケん様が見た物の中で、感銘を受けた物事や方を教えてください。

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