瀬名航 インタビュー

瀬名航 インタビュー

瀬名航(読み方 : せな わたる)
HP : http://www.senawataru.com/
Twitter : https://twitter.com/wataru_sena
YouTube : https://www.youtube.com/channel/UCG6ZjHSETmlhT4lQG6B4CEw
ニコニコ動画 : http://www.nicovideo.jp/user/26688082
SoundCloud : https://soundcloud.com/wataru_sena
BOOTH : https://senawataru.booth.pm/

瀬名航は静岡在住の作曲家・ボカロP。2012年よりVOCALOIDを用いた楽曲制作を始め、作曲家としてのキャリアをスタートした。ポップスやエレクトロ・チップチューン要素を持った彼の楽曲からは、人々の心を暖かくし、そして彩りを持たせるエモーショナルかつポップなメロディが耳に残る。

ジャンルを横断して活動している瀬名航は、VTuberときのそら「おかえり」、Virtual Diva AZKi「リアルメランコリー」、アイドルtipToe.の多数楽曲、声優小倉唯「Hopeful Days」等、様々なアーティストの楽曲を制作している。近年の新世代ボカロP・作曲家シーンの中でも、彼の名を耳にしたユーザーは多いのではないだろうか。

今回、瀬名氏に対し、音楽への原体験、楽曲制作のプロセス、昨年リリースしたvocal album『せなとうた』にまつわる逸話等を伺うべく、メールインタビュー形式にて話を聞いた。

文 / 瀬名航   編集 / 宮久保仁貴


 

まずはTOPPA!! 初登場ですので、瀬名さんの自己紹介をお願いします。

 

瀬名航 : 初めまして。作曲家・ボカロPの瀬名航と申します。幼少期はポケモン・ドラクエ・FFなどゲームばかりしている子でした。

 

ありがとうございます。瀬名さんの音楽の原体験はいつになるのでしょうか?

 

瀬名航 : 中二の時に友達がピアノを弾いている姿に憧れて、それをきっかけに積極的に音楽を聴いたり鍵盤を弾いたりするようになりました。ちょうど同じ頃にニコニコ動画に触れ始めて、ドナルドのMADなどを通じて東方やボカロ曲にハマった事を覚えています。中三では『けいおん!』にハマって、それをきっかけにギターにも興味を持ち始めました。

 

なるほど。ちなみに、今現在生業とされている作曲はどの様にスタートされたのでしょうか?

 

瀬名航 : 作曲については、初めは耳コピでフリーソフトDominoのピアノロール画面でポチポチ打ち込むところから始めて、着メロをいくつか作っていました。やっていく中で慣れてきて、「これなら、自分もボカロ曲作れるのでは……?」となり、DAWと初音ミクを購入しました。ちょうど高一の春ですね。

それからはひたすらボカロ曲をネットに投稿し続けてきて、少しずつ名前を知ってもらえるようになりました。現在はボカロ曲も投稿しつつ、歌い手さんやアイドル、VTuberなど様々な分野で楽曲制作をさせていただいています。

 

わかりました。おっしゃられた通り、今現在数々のジャンルを横断して瀬名さんは活動されていらっしゃいますが、その音楽的ルーツを教えていただけますか?

 

瀬名航 : 親の影響で80~90年代ポップスはよく車の中で聴いていたので、広瀬香美さんや森高千里さんは耳に染み付いてます。あとはゲーム音楽のすぎやまこういちさん、植松伸夫さん、浜渦正志さんなどもゲームプレイ中に相当聴いてきたと思います。

意識的に音楽を聴くようになってからは東京事変をよく聴いていて、今でも一番好きなバンドです。

作曲者として影響を受けた方もたくさんいらっしゃいますが、一番はMONACAの田中秀和さんです。アニソンを多く手掛けている作家さんですが、かなり癖のあるテクニックを巧みに使いながらポップスに落とし込むのが本当に上手い方で。この方の曲を聴いてから自分もaugコードを積極的に使うようになりました。

 

田中さん作曲『灼熱の卓球娘』OPの「灼熱スイッチ」のaugコードは特に有名ですよね!続いては、瀬名さんが普段自身の楽曲を制作される際、意識している事を教えて下さい。

 

瀬名航 : ボカロ曲では基本的に「好きにやろうかなー!」という意識でやっているのでこれというものは無いんですが、最近では必ず「アイデア」を一つ以上入れることを意識しています。

「浮遊」という曲では前半エレクトロニック・ヒップホップっぽい曲調から入り、後半エレキギターとともに爽やかなロックポップに切り替わるという展開にしています。もし誰かがこの曲に感動して誰かに紹介したくなった時に、「後半の盛り上がりが凄くてさ!」みたいになってくれたらいいなと思っていて、誰でも簡単に言語化できるアイデアを一つ以上仕込んでおけばSNSでもシェアされやすいのではという目論見があります(笑)。

細かいアレンジの話だと、「どうしてこの音色なのか、どうしてこのフレーズなのか、このトラックは必要なのか、必要ならどんな役割なのか……?」というような、一つ一つの事柄を全て説明出来るように作っていくことを意識しています。上手い人のアレンジは無駄が無く、全て説明出来てしまうので凄いです。

 

ある種、数学的な要素を感じます。また、瀬名さんはこれまでにtipToe.やときのそらさん、AZKiさん、小倉唯さん等、数々のアーティスト楽曲を制作されたかと思います。外部から依頼を受けての制作される際、意識される事を教えて下さい。

 

 

瀬名航 : まず大前提として、「自分が好きになれる」物を作る事があります。その上でアーティストさんの意向を汲んで、僕なりのフィルターを通してみて、「こんなのはどうですか?」と提案するような意識で曲を書いています。

一時期はあえて自分の色を出さずに、そのアーティストの良さを引き出すのがカッコイイと思っていて。敢えて自分の色を殺したこともあったのですが、イマイチしっくり来なくて。「ああ、やっぱり自分の場合は色を出した方が旨味が引き立つんだなー!」と思い、そこからは「自分ならこうしたい!」というアイデアだったりわがままだったりを出来るだけ大事にしていくことにしました。少なくとも、自分に依頼してくれる人は僕の個性や色を欲しているのだろうと思っています。

 

自身の色を出してこその創作活動ではありますよね!続いて、瀬名さんが楽曲制作を行われる上で、作詞・作曲のアイデアが湧くタイミングを教えて下さい。また、どのような組み立て方をされる事が多いですか?

 

瀬名航:最初はどんな曲調にするか頭の中で妄想します。いわゆるリファレンスをいくつか用意して、「この感じを自分色でやってみよう。」というところから始めます。そこで妄想がある程度固まってきたら、パソコンの前に座って「よし、作るぞ!」という気持ちで作り始めます。鍵盤を触りながらが多いです。コード進行を考えるのが好きなので最初はピアノかギターから作り始めます。メロはその次です。アレンジ脳になって進めていくと気が付いたら最初の妄想とは少し違ったものになったりして、結果的に自分色が出て良い塩梅になります。作詞はいつも編曲まで全部終わった後にやります。

 

なるほど。合わせて、楽曲制作において、多々どこまで装飾を足し引きするか等、所謂産みの苦しみを感じられる事もあるかと思います。こちらは普段どの様に対処されていらっしゃいますか?

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