歩く人 / Pedestrian インタビュー

歩く人 / Pedestrian インタビュー

歩く人 : 166とは中学高校と同級生でした。中学生の時、同じタイミングでギターを買うのですが僕はすぐ飽きて辞めてしまいました(笑)。僕が上京して離ればなれになるのですが、それでも連絡はずっと取りあっていて。彼は音楽の学校を出ていてギターを専攻していたのは知っていたので、いつか一緒にやりたいという気持ちはずっとどこかにありました。

実際の転機になったのは、2018年の冬ぐらいだと思います。確か、僕がどなたかのアーティストのライブを見た直後で、気持ちが高ぶっていた時に通話で「曲作ろう!」と誘ったのがきっかけです。もちろんOKだったので、2019年に入ってから一緒に曲を作り始めました。

 

そこから、非常にスピーディーな立ち上がりで本作が完成したのですね!続いては、歩く人さん視点でこの一枚を一言で表すなら、どの様な一枚だとお考えですか?今回はインストを根底とし、「歩く人」として発信しているエレクトロニカサウンドとは、また違った一面が垣間見えますが。

 

歩く人 : 「やりたかったことをとことん追求した」1枚だと思います。僕はずっとインストを作りたくて、かつそこに「絶対生音は外せない!」と思っていました。電子音はトレンドに大きく左右されますが、現存する楽器は有機的で音が古くならないのが強みだと思っていたからです。今回インスト、かつ生音にこだわった理由としては、「長く聴かれていたい」という思いが根底にあるのだと思います。166のおかげで生音を入れる事が出来るようになったので、インスト楽曲でのアルバム作成に踏み切れました。

 

わかりました。続いては、本作の聴きどころを歩く人さん視点で教えて下さい。一聴した際、穏やかな情景が脳裏に浮かぶ心地がしました。

 

歩く人 : これはボカロの楽曲も一緒なのですが、聴いた時に頭に景色が浮かぶように楽曲制作を進めてきました。例えば「Winter Lesson」という楽曲は、冬の朝方をイメージして作りました。もちろん音作りに対しても色々こだわった点はあるのですが、アルバム全体で聞き終わった時にいろいろな場所の風景が頭に浮かんでくれればこちらとしては幸せです。

 

 

また、本作にはご友人のSnail’s House(Ujico*)との合作「Tirol」、Yunosuke(雄之助)がリミックスを手がけた「siesta」が収録されていますね。こちらのコラボレーションのきっかけを教えて下さい。

 

歩く人 : 僕は曲の作り方が結構変で、ミックスの段階でいろいろなエフェクトをグループでかけるので処理がかなり複雑化しているんですよね。なので、僕の曲のステムを他の人がMIXしたら全く別物になると思います。ただTHE LIQUID RAYの曲はギターっていう確固たる主役がいるので、自然と構成はシンプルになって。そのおかげで合作が可能となりました。Snail’s Houseや雄之助とはずっと音楽の話を共にしてきた仲間ですし、インスト領域では彼らの方が先輩なので、二人にお願いしました。

 

合わせて、本作の制作時の裏話を教えて下さい。166さんとの共作で進められたかと思いますが、どの様な工程を取られましたか?

 

歩く人 : 制作の工程を話すと、まず166からギターのフレーズが大量に送られてきて、「いいね!」と感じたものを二人で詰めていくといった感じでした。そうして出来たフル尺のギターを僕が編曲しています。今回のアルバムはギターを主役にしたかったのでそういった工程をとっていますが、今後もどんどん変わっていくと思います。

基本的に毎日のように夜通話をしながら一緒に制作しているのですが、166が天性のおしゃべり人間なので制作時は彼がずっと喋っています。あと、最近はiPhone越しにビデオ通話しながら一緒に夜ご飯食べています(笑)。

 

正に二人三脚で勧められたのですね。また、本作の世界観を補完するのに、ジャケットやYouTube上で使用されているイラストも気になりました。

 

 

歩く人 : 音周りは二人で完結するのですが、YouTubeなどで活動する以上、絵や動画は曲と同じくらい重要なものだと考えていて。作品の雰囲気を更に良いものにしてくれる方に頼みました。僕は絵から曲が浮かぶタイプなので、今回AYUMI NIKAIDOさん、しらこさんといった方々の絵を見ながら曲を作っていて、そのまま絵をお借りしたり描いていただきました。

そういった意味ではその二人はもちろんですが、インスピレーションを貰っている絵師さん全体にサポートしてもらっていると言えるかもしれません。

 

なるほど。ここからは、近年の活動について触れさせて下さい。先日はシンガーソングライターましのみ「タイムリー」の編曲や、VTuberアイドルときのそら「ほしのふるにわ」の作詞作曲編曲等、数々のアーティストとのコラボレーションを行われましたよね。これらが決まった経緯、他者との共同作業で意識した事を教えて下さい。

 

歩く人 : 基本的にはレーベルからメールが届いて、一旦担当の方とお話ししてから作業に入っています。ましのみさんは同い年のシンガーソングライターなのですが、リリックに自分の世界観を持っていらっしゃって。それを壊さず、引き立たせるように編曲を心がけました。ときのそらさんの場合は、今まで彼女が歌っていなかったジャンルに挑戦しようと思い、作編曲は僕ですがギターは166に弾いてもらいました。

ずっと一人で作ってきた人間なので、意見の食い違いみたいなものは大なり小なり必ずあるんですけど……大抵それが今までの自分に無かった視点である事が多いので勉強になっています。僕も変な所が頑固だったりするので、曲げない部分は絶対曲げないんですが(笑)。

 

関連 : ましのみ インタビューhttps://toppamedia.com/interview-2019-2-mashinomi-singer-song-writer/

関連 : ときのそら インタビューhttps://toppamedia.com/interview-2019-3-tokinosora/

 

新たな気づきがあったのですね。続いては、これまで歩く人さんが活動してきた中で、一番楽しかったり、苦労した出来事を教えて下さい。

 

歩く人 : 序列をつけるのは難しいですが……一番楽しいと思う瞬間はやっぱりコミケなどで出店した時に、わざわざ遠くから来てくれた方々に感想や手紙をもらったりする時ですかね。いつも現実味のない数字を見ている感覚なので、それが具現化する瞬間はいつも嬉しいです。ただ、人と話すのはあんまり得意でないので、いつもそっけない態度を取っていないか心配になります(笑)。

苦労した出来事……なのか分からないですけど、去年のマジカルミライ2018でDJをさせてもらったんですが、それが人生で3回目くらいのDJでしかも1000人近い人の前での出演で。人生で一番緊張しました。今となって笑い話ですけど、本当に胃に穴が開くと思いました(笑)。結果的に成功したから良かったんですけど……この経験から、舞台に上がる人達は全員尊敬するようになりました。

 

それは誰しも緊張すると思います(汗)!ただ、ここからまた新たな気づきをなされたのですね。さて、「歩く人」として活動を始めてから、2年が経過しましたね。現在の心境を教えて下さい。

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