KOTONOHOUSE インタビュー

KOTONOHOUSE インタビュー

KOTONOHOUSE : 作曲を始めて間もないころ、Twitterの自己紹介欄に作曲家と書くのが気恥ずかしくて、何気なしに「え アタシ!?」と設定していたんです。そうしたら妙に周りからの反応が良くて、「サウンドロゴとして使えるんじゃないか!?」と思い至った次第です(笑)。

 

-Twitterがきっかけだったんですね。また、「Huh! Is Me?」におけるマッシュアップも非常に印象的でした。こちらを制作された際に意識したことを教えて下さい。

 

KOTONOHOUSE : Shawn Wasabiの「Marble Soda」やMadeonの「Pop Culture」のような、「いろいろな曲をマッシュアップ(もはやサンプリングといったほうが正しいのかもしれません)してオリジナル曲を作り上げる。」というのが、「日本人こそ得意そうなのに誰もやってないな~。」と思ったので、「第一人者になれればな~!」と思い至り、挑戦した次第です。自分の好きな曲をマッシュアップして新しいグルーヴが作れるのは刺激的で楽しかったです! ただ、超大変だったので、しばらくはマッシュアップで曲は作らないと思います(笑)。

 

凄まじい完成度に、個人的にも感銘を受けました……!さて、話は変わりまして、近年は専業クリエイター・アーティストとして活動に専念されているとお聞きしました。普段の1日のスケジュールはどのようなものなのでしょうか?

 

KOTONOHOUSE : 朝9時くらいに起きて、朝食を食べながらSoundCloudやSpotifyをディグります。一通り新しいリリースを確認し終えたらFL Studioを起動します。3曲くらい同時進行で作ってるので、1日あたり1つの曲につき1、2時間ずつくらい向き合ってます。1つの曲に根を詰め過ぎるとモチベが維持できないので、うまいことモチベーションを次の日に残しつつ曲作りをしています。1日の作業が一通り終わったら散歩をして、家に帰りご飯を作り風呂に入って寝ます。夜更かしはしないようにしています。健康第一!

 

規則正しい生活が活動の秘訣なんですね。また、普段の制作において使用されているツールはどのようなものなのでしょうか?

 

KOTONOHOUSE : FL Studio:音楽理論がからっきしの僕にはうってつけのDAWです。

Sylenth1:軽い!ちょうどいい感じの音!

SERUM:ちょっと重い!「これだ!」って感じの音!

Kontakt 5:生音!

Omnisphere 2:音作りが楽しい! 音も良い! 最高! でも重い!

 

なるほど、参考になります……!
続いては、KOTONOHOUSEさん自身の直近のリリースについて触れさせて下さい。先日はRANASOLさんをフィーチャリングアーティストとして迎えた「マリンスノー(feat. RANASOL)」、「スタートレイル(feat.RANASOL)」を発表されましたね。KOTONOHOUSE様視点で楽曲の聴きどころ・制作時に意識したテーマを教えて下さい。Future Bassを踏襲しつつも、いわゆる普遍的かつ上質なJ-POP要素が内包された、新世代サウンドを感じました。

 

 

KOTONOHOUSE : この2曲は連続的なストーリーでもあり、二項対立的な存在でもあるんです。「マリンスノー」では死から生へのストーリーを、「スタートレイル」では生から死へのストーリーを描いています。

また、サウンド的な話では、「マリンスノー」はクラブミュージックを軸にJ-POP的な要素を、「スタートレイル」はJ-POPをアプローチにクラブミュージック的な要素を、それぞれ足した作品となっています。この差異を感じ取っていただけたら幸いです。

 

-2曲を比較するとより楽しめる構造になっているんですね。また、RANASOLさんをフィーチャリングVoとして、アートワークに冥冥(Maymay)さんを迎えられた経緯を教えて下さい。

 

KOTONOHOUSE : RANASOLさんは、彼女の楽曲『コモンプレイス』を作編曲した時に個人的にすごく手応えがあって!そこからフィーチャリングをお願いしました。2曲とも情緒さと情熱さを兼ね備えたRANASOLさんのヴォーカルあってこそです。最高!

冥冥(Maymay)さんには昔、「Kawaii as Fuck!!(with.くいしんぼあかちゃん)」という曲のアートワークを描いていただいた時からの縁なんです。緻密な世界観をデフォルメ的に表現もできる冥冥さんに是非ともお願いしたい思いがあったので、アートワークが来た時に大声が出ました! 最高!

 

 

素晴らしい布陣が揃ったという事ですね。次に、本作の制作時の裏話を教えて下さい。本作を手がけられたとき、どの様な時にインスピレーションが湧いてきましたか?また、楽曲制作に関して、どの様なプロセスを取られることが多いですか?

 

KOTONOHOUSE : 去年の年の瀬に、僕が小さいころから実家で飼っていた、大事な相棒とも言える猫が亡くなって、その時に何かこの感情や気持ちを形に残したいな、という想いがあったのがきっかけです。2曲ともリリースを終えて、心の中の名状できないようなモヤモヤが軽くなった気がします。またどこかで会えたらいいな。

また、普段は、琴線に触れるような曲を見つけた時に、琴線に触れた要素を自分なりに分析して、「それをKOTONOHOUSEカラーで表現した時にどういった化学反応が生まれるだろう?」とか考えながら、パズルを組み上げていくように曲を作っています。

 

わかりました。また、合わせてお聞きできればと思います。制作に関して生みの苦しみが多々発生することもあるかと思いまが、こちらはどの様に対応されていらっしゃいますか?

 

KOTONOHOUSE : インプットとアウトプットのバランスだと思っていて、悩んだときは何も考えず外に飛び出して、美味しいご飯を食べたりお酒を飲んだり20キロくらい歩いたりします。するとびっくり!自分の中で答えが見つかります。

 

なるほど。本作を聴くリスナーに対して、どの様なタイミングで聴いてもらいたいと思いますか?

    Comments are closed, but trackbacks and pingbacks are open.