SLOTHREAT(読み方 : スロースリート)
メンバー(LtoR) :孝哉(Gt) / KAZ(Vo) /瀬希(Ba) / 克哉(Gt)
HP : http://www.slothreat-official.com
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SLOTHREATは2019年3月に情報解禁、克哉(Gt/Misanthropist/ex.CodeRebirth)を中心に、克哉の実の双子の弟の孝哉(Gt/ex.Sailing Before The Wind)、瀬希(Ba)、KAZの4人組からなるハイブリッドロックバンド。
メンバー各々がこれまでにメタルコア・ポストハードコア・ヴィジュアル系等、数々のシーンを歩んできたSLOTHREATだが、先日デジタル配信が開始した『Allium』のサウンドは非常に良い意味で喩え難い。最先端のヘヴィサウンドを鳴らしつつも、儚さを感じさせる叙情サウンドも時折顔を覗かせる。また、サウンドの根底には90-00年代の古き良きJ-POPの匂いを感じさせる。そして、KAZによる日本語を軸に紡がれた詞は不思議な響きを楽曲にもたらしている。
克哉氏曰く、“SLOTHREATを結成する為に、メンバー探しに5年をかけた”との事。苦難の5年を経て、元号も平成から令和を迎えた中、満を時して新世代のハイブリッドロックバンドが登場した。
今回、SLOTHREAT全メンバーに対し、初の単独インタビューを実施した。合計で2万字超えとなった長編インタビュー、今回は前編としてSLOTHREATの結成経緯や彼らの音楽的ルーツ・Dig方法を紐解く内容となっている。
取材・文・編集 / 宮久保仁貴
関連 : SLOTHREAT インタビュー 後編
https://toppamedia.com/interview-2019-5-slothreat-sequel/
-まずはバンド名の由来を教えて下さい。造語ですよね?
克哉 : 造語です。
孝哉 : もともとKAZさんが持ってきた言葉が、「スロウスリート」だったんです。英語と別の国の言語が合わさったその言葉を、単純に読み方だけで英語に起こして、SLOTHとTHREATなんです。字面でそのまま当てて付けました、造語です。このバンドを始められるのが遅かったのでslowっていう響きがしっくりきて。KAZさんが言ってたのはslothだったんですけど。
克哉 : 「怠惰」ですね。皮肉も込めて。一部の人では有りますがバンド活動が出来ていない事をdisられたりした事も強く記憶に残っているので(笑)
孝哉 : その「脅威」っていう意味合いは、僕らはなかなか始められなかったんですけど、始めたら確実に周りを脅かすようなバンドになるのが見えていたからです。もちろん世の中の人がビビるかどうかは分からないというか、そんな小さな事ではないけど、さっき述べた通り驚異的なバンドになってもおかしくないと思ったのでこういう意味を持つ言葉が入ってるのがいいなと。
KAZ : THがたまたま重なっていたので、一緒にしちゃおうかという感じで(笑)。読み方は悩んだんですけど、「スロースリートの方がキャッチーじゃない?」ということでこうなりました。
-なるほど。克哉さんとしてはCodeRebirthが解散してから、そして孝哉さんとしてはSailing Before The Windを脱退してから約5年ぶりのバンド活動となりますね。満を持しての活動開始かと思いますが、現在の心境は如何ですか?
克哉 : なんでしょうね……。バンドって始めるのは簡単なんですよ。メンバー見つけて結成すればいいだけなので。でも、寄せ集めのバンドには絶対にしたくなかったんです。僕はここまで来るのに5年かかりましたけど、こうしてメンバー互いに理想的な布陣でバンドを始められたので。
ただ、元々は常に始めようとしていてバンドでリリースするつもりの楽曲もいくつもありましたし 。その中の一つが『Allium』に収録されているMirage)で。かつ、その中で確定していたボーカリストもKAZの前に2人いた上に、ドラマーもいたのですがそれぞれ各々の事情でバンドが出来なくなったり、消え去ったり、5年間メンバーが集まらずめちゃくちゃ本当にキツかったんですが、とにかく良かったのかな、と。
KAZ : いろいろタイミングもあったし。
克哉 : 自分と周囲を含めて、いろいろな光景を見てきたので……。どれだけ自分が納得いくメンバーと一緒に全員が納得の行く音楽を出来るかという点に頭を抱えて5年間費やして、ようやく結成できたバンドなので、ものすごく納得を感じてます。この5年間の苦悩が報われた気持ちです。
-確かに皆が同じ方向を向いたメンバーでないと、最終的に瓦解する気はします。
孝哉 : 僕も本当にこの5年の間、そもそもバンドをやるっていうことにすら疑問を持ち始めた時もあったほど長かったです。バンド以外の生き方もあるでしょ?と思いながらも、結局は最終的に音楽やらないと、やり残したことが多すぎて納得いかなくて。
でも、その5年の間にもいろんな人たちが出てきては消えてを繰り返して、その中で視野は広がったというか。音楽以外のことも考える時間があって、でもそれが最終的に音楽に向かったし、良い流れが出来ました。
今は単純に嬉しいですね。ずっと身を潜めていたわけなので。前のSailing Before The Wind(以下、SBTW)から5年も経っていますが、自分の中では初めてやったSBTWも今やってるSLOTHREATもどっちも最高で、本当に好きな人とやれて嬉しいですね。
-また、相方として孝哉さんを迎えられた経緯を教えて下さい。克哉さん同様優れたギタリストであり、かつ双子の弟でもありますよね。
克哉 : これはすごくフラットな話なんです。もともとSBTWで孝哉がギターを弾いてて、僕は当時別のバンド(CodeRebirth)をやっていたんですが、ある日僕のバンドは解散し、無論新しくバンドを結成したいと。その時に、僕は絶対ツインギターにしたかったんですよ。もともとこいつとやる発想はなかったんですけど、探しても僕の作ったギターフレーズを納得いく領域で弾ける人間が全然見つからないし、絶対に同世代がよかったということもあったし、音楽の方向性というか趣味・音楽性とか、そのすべての条件を満たす人間を探してたんです。だけど居るはずもなくて、結果的にたまたま孝哉が居たという感じです。
彼もSBTWの時に自分のあり方をすごく悩んでいるところに直面してたので、自分にとっての音楽活動に悩んでいた時期だったのもありました。言ってしまえば家が一緒だしそこでよく話すこともあったので、僕から「新しくやるバンドで一緒にやらないか?」という話を持ちかけたことがスタートです。
でも、こいつはSBTWの活動をしながら悩んでいて、結果的にタイミングが来て合流した感じです。
孝哉 : まずSBTWを抜けた時の経緯から少し話します。そもそもSBTWは大好きだったし、好きなだけだったら食らいつきながら続けるだけでいいじゃないですか。でも、克哉が音楽を作れない幼少期から知っていて、その成長過程の中で作曲がどんどんできるようになるわけじゃないですか。それも異常なレベルで。この克哉の音楽を世の中の人が知らないのはおかしいと思うようになってきて、それを手伝える人が周りにいないのも良くないと感じて、結局家族なので、そこを助けたいと思ったのがまずひとつのきっかけですね。
とにかく何回も言うことになるかもしれないけど、Bitoku(Sailing Before The Wind/Ba)さんのことはすごく尊敬しています。SBTWに入れてもらったのは僕が高校3年の時だったんですけど、Bitokuさんの曲に合わせて当時最先端だったステージングなどもガンガン取り入れながら初めてライブをするところまでみんなで頑張って持っていって、いろいろあったけど辞める時もやっぱりこのバンド好きだなと思って辞めているんですよね。克哉と一緒にやることになって、その時も悩んだんですけど、思考回路が似ているので、一緒にやるのが自分のこれからにとっても、克哉にとってもいいかなと思いました。
克哉 : 余談なんですけど、実はSBTWへの加入は僕が勧めたんですよ。
2011年ぐらいの僕が高校生の時、CodeRebirthをやる前に、バンドがやりたくてメンバー募集を探していて。それでどこか良いバンドないかなと思って検索してたら、SBTWが出てきて、Gt募集してんじゃんってなって。僕は当時ベーシストとして生きていくつもりで音楽をやっていたので僕が入ることはないなと思ったんです。でも曲を聴いてみたらヤバすぎて、速攻で孝哉に教えました。孝哉がバンドやりたがってたので。「ヤバいバンドがいるぞ!」って孝哉に教えたら「ヤベー!」って言って、すぐに連絡してました(笑)。それで紆余曲折あって加入が決定したんですよね。
孝哉 : 自分が音楽やる上でのきっかけを克哉が握っていたのは間違いないですねMisanthropistとかサポートしているのも、瀬希とかもそうだけど、バンドをやるための流れの中のひとつではあります。サポートをやっている中でも、バンドを本格的にやるのに、現実味を帯びるというか、その上でかなり自然な流れだったと思います。
-ありがとうございます。また、瀬希さんはSLOTHREATが初のバンド活動だとお聞きしました。どのような経緯で加入を決めたのでしょうか?
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