SLOTHREAT インタビュー 前編

SLOTHREAT インタビュー 前編

瀬希 : もともと僕はギタリストで、克哉と仲良かったんですけど、ある時「ベースで入らないか?」と言われました。まさか別の楽器で誘われると思ってなかったのでかなり悩んだんですけど、克哉の曲が好きだったのでOKした、という感じです。

 

克哉 : 彼は過去にNOCTURNAL BLOODLUSTのギターローディーをしてたんですよ。

僕とせっきー(瀬希)は同い年で、まだ10代の頃かな、2013年とかに出会って、そこから仲良くなりました。もともとは同じパートだったので一緒にバンドやる発想はなかったんです。彼がやるライブを僕が見に行ったりとか、彼も僕のCodeRebirthのライブ見に来てくれたりするぐらいで。

その後、SLOTHREATのメンバーを考える中、周りに技術のあるベーシストが居なさすぎたんですよね。何人かいたんですが結局変わりに変わってしまって。自分の求めるプレイアビリティをクリアしているのは誰か、と考えた時に、瀬希は左手がちゃんと動くのとリズム感にも長けていたので、ベースになってもいけると思ったんですよ。それでダメ元で、「ごめん、ベースどう?」と打診しました。

 

-なるほど。続いては、KAZさんはMisanthropistでの活動を通して、克哉さんとの関係を築かれたかと思います。初めての出会いはどのようなものだったのでしょうか?

 

KAZ : CodeRebithのDrの竜之介と同級生で、実は高校時代に一緒にバンドも3年くらいやっていたんです。Coderibirthが解散してからは全く連絡を取ってなかったんですが、いきなり連絡がありました。

 

克哉 : 怖いよね(笑)。「いきなりこいつ何?変な宗教かな?」みたいな(笑)。

 

KAZ : ライブの誘いか何かかな、と思いました(笑)。そうしたら、「克哉という奴がいて、Voを頼みたいと言っている。」と伝えられました。それがきっかけで、竜之介と克哉と僕とで1度飯を食べに行って。

 

克哉 : 俺がもともと、「Solace」っていう曲を2014年時点で作り終わっていたんですよ。その時はバンド活動もできてなかったんですけど、ヤバい曲ができたから、リリースはしたかったんですよ。でも作ったメロディのキーが高すぎて「誰が歌えるの?」となってしまって。女性しか歌えないと思ったんですが、女性に歌わせるのは違ったんで、男性でいないかな?と思ったんですけどいなかったんです。

それで、竜之介とはよく会っていたので、その曲を聴きながら、「これ誰なら歌えるんだろう?」とよく話していたんです。それである日竜之介が、「ヤバイ、KAZの今やってるバンド見つけちゃった!」と言い出して、「克哉これ聴いてよ! あいつSolace歌えるぞ!」ということでLAST CALIXを聴かされて、「SLEEPING WITH SIRENSのKellin Quinnみたいだ、ヤベエ!」と思って!全編英語詞の曲だったんですが、この人なら日本語詞もきっといい感じで歌えるなと思ったので、竜之介経由で紹介してもらいました。

 

 

-こう考えると実はすごく近いところにいたんですね。

 

克哉 : 意外とそうなんですよ。

 

KAZ : まさかバンドを一緒に組むとは思ってなかったね。

 

克哉 : 数奇な運命です。

 

-KAZさんにお聞きしますが、LAST CALIXが解散、今回SLOTHREATとして再び表舞台に立つにあたり、意識したことを教えて下さい。

 

 

KAZ : 前身バンドのLAST CALIXがSLEEPING WITH SIRENSやSAOSINなど、いわゆるポストハードコアといわれるジャンルで海外バンドからのインスピレーションを基調とした作曲をしていたので歌詞も英語詞が多かったんですよ。

ただ、SLOTHREAT結成時には、過去の経験を経て、自分にしかできないことを考えていた結果日本語詞をメインとして洋楽のようなバイブスを作り出せないかなと思ったんです。日本人だから日本語で歌いたいというのもあるんですけど(笑)。自分のヴォーカリストとしてのスタイル的に歌詞のパッションや繊細さとか、表現力を意識したくて、それを忠実に表現できるのは日本語しかないと感じました。やっぱり結構悩んだんですよ。克哉の曲は本当に素晴らしいですがその分クリーンボイスだけにするとなると難解な曲が多く、ヘヴィサウンドでブレイクダウンなどもあるのでシャウト入れたい部分も結構あったり…..でも俺がやりたいことはこれじゃないと。

 

克哉 : あえてね(笑)。

 

KAZ : あえて。そこに関しては悩んだんですけど、それに至って、日本語詞をメインでやろうと思ったんです。

 

克哉 : 加えて、メロディのパンチ力と美しさね。ただ単にそれっぽいクリーンボイス入れてアプローチしましたってのでは無く、付け焼き刃ではないガチモンの歌メロとハイレベルな歌唱が入っているという事。

 

-わかりました。克哉さんにお聞きしますが、Misanthropistでの経験、数々のバンドプロデュースを経た上で、SLOTHREATを始めるにあたり意識したことを教えて下さい。

 

克哉 : どんな時もとにかくこれだけは念頭に置いているという点があって。ブレちゃいけない主軸っていうのは、唯一無二性というか、アヴァンギャルドさですね。

アヴァンギャルドといってもいろいろな意味があると思うんですが、この高次元なバランスで成り立っている音楽はないだろう、というものですね。断片的に見れば存在を理解できるものだとしても、それぞれで同居し得ないモノ同士がクロスオーバーしてるというか。例えばあのダウンチューニングの感じとか、楽曲のオケだけ聴くと歌が想像できないんですよ。そのオケにあの歌が乗るというアプローチ、そのクロスオーバーが僕の中でアヴァンギャルドだと思ってて。そういう意味でのアヴァンギャルド、唯一無二であるということを意識しています。

世の中にある近年の激しい音楽を基盤としたハイブリッドな音楽は、どうしても必ず何処かしらでクオリティのバランスが崩壊したりとか、付け焼き刃感がにじみ出てしまいがちなイメージですが、そういう粗は俺の作る音楽の中ではゼロにしようと考えています。

 

-と言いますと?

 

克哉 : この質問に実直にお答えさせていただくと、僕自身立場上、バンドの根幹まで触れられるわけじゃないですか。要はトラックもすべて把握し、アプローチもすべて紐解けるわけで。その上で本質を理解して、サウンドメイクだったりすべての工程をこなしていくんですけど。そうなると、「こういう所がすごいな、この人は。」とか思うし、そうして他人に触れれば触れるほど、自己分析が捗るんですよ。作業してる時も、他人に対してこうした方がいいんじゃないかと話しつつ、確実に自己分析の促進にもなっているというか。この5年間の経験があって、すごく自分を掘り下げることができたので。

何でしょうね、これはすごく真に迫る部分で、とにかく唯一無二という言葉に帰るんですけど、誰にでも自分にしかできない音楽があるというか、人それぞれ良さがあるのがやればやるほど分かります。バンドプロデュースってゴリ押しで自分の色に染めるのは逆に簡単な事なんですけど、その人にはその人の良さがあるので、各々の良さを理解して、その良さを最大限に活かしていくのがプロデュースの最も大事で難しい側面なんですよね。

そういう経験も踏まえて、自己プロデュースじゃないけど、僕はこういう部分が周りと比べて長けているとか、個性の大事さが分かって、ショーレースは個性を売る商売でしかないというところも改めて分かったのがそういう経験のおかげなので、そこが意識したところですね。

 

-私自身もTOPPA!!でインタビューをしている時に、他人の根幹が感じられることがありますね。

 

克哉 : これはどの職種でも同じだと思います。サラリーマンだろうが、ミュージシャンだろうが、画家だろうが、料理人だろうが誰だろうが。適材適所というか、人それぞれ輝く個性や誰にも負けないところが、人の数だけ、バンドの数だけあると思うし。無い物ねだりもあったりするかもしれないけど、自分に関してはそういうことはなくて、自分ができる最強のことをやろう、自分にとっての最強を貫こうと改めて思いました。

 

-インフルエンサーという言葉がもてはやされて久しいですが、真のインフルエンサーはこれらの要素を備えているように思います。さて、続いてはこの機会に改めて皆さんの音楽的ルーツを振り返らせて下さい。

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