SLOTHREAT インタビュー 後編

SLOTHREAT インタビュー 後編

SLOTHREAT(読み方 : スロースリート)
メンバー(LtoR) : 孝哉(Gt) / KAZ(Vo) / 瀬希(Ba) / 克哉(Gt)
HP : http://www.slothreat-official.com
Twitter : https://twitter.com/slothreat
Instagram : https://www.instagram.com/slothreat/

先日初の単独インタビュー前編を公開したSLOTHREAT。前回は彼らの結成・音楽遍歴を中心に紐解いたインタビューだが、今回後編は1st ミニアルバム『Allium』に関する逸話・ジャンルの「壁」、将来のビジョンに関して触れた内容となっている。

初の自主企画兼お披露目ライブ「Worlds Apart」開催も迫る中、改めて彼らは現在何を想うのか。前編と合わせて合計2万字超となった本インタビュー、必見である!

取材・文・編集 / 宮久保仁貴

関連 : SLOTHREAT インタビュー 前編
https://toppamedia.com/interview-2019-5-slothreat-prequel/


 

-さて、後半戦に行きましょうか。続いては『Allium』のリリースおめでとうございます!タイトル名のAlliumですが、語源はネギ属の総称ですよね? 何故、このタイトルを名付けられたのでしょうか?

 


【リリース情報】

▼作品タイトル
『Allium』

▼配信・発売日
現在、各種デジタルサービスにて配信中
2019/5/11〜会場限定でCD販売
CD : ¥2,000円(税込)

▼収録曲
1.心霧
2.蒼華
3.Mirage
4.Certainty
5.sin of pride
6.Scarlet
※CDverには、ボーナストラックとして、Track.2〜6のインストverが収録


 

KAZ : この花の花言葉が「深い悲しみ」と「正しい主張」で、僕なりのこの花言葉の解釈ではあるんですが、正しいと思った事や間違っていると感じたことを周囲に主張して、悲しい思いやそれさえも言えない状況になってしまった事が人としての感性や正義感がある方なら誰しも経験があるとおもうのですが、今回のミニアルバムはそれが所々テーマになっていたりしていて、間違っている事を間違っているといえない世の中へのアンチテーゼとしてAlliumを取り上げています。

 

-ありがとうございます。まずは、皆さん視点で本作の聴きどころを教えて下さい。ローチューニング等、近年のヘヴィミュージックの新潮流と、儚さを感じさせる叙情フレーズの対比に美しさを覚えました。また、根底にどこか90年代後半~00年代的なJ-POP/ヴィジュアル系要素も感じました。

 

KAZ : 克哉のサウンドが大好きなのでサウンド自体もそうですが、このヘヴィサウンドに対してほとんどシャウトではなくクリーンでアプローチしているところですね。

 

瀬希 : ベースの話なんですけど、結構面白いベースラインやフレーズがいろいろ入っていたりするので是非聴いてみてほしいです。

 

-ギタリスト由来の独特な部分がありますよね。

 

瀬希 :そこも聴いてもらえたら楽しめるんじゃないかなと思います。

 

-正直初めて拝聴させて頂いた際、最先端のローチューニングなのにJ-POP的な要素が調和していて……中々既存のアーティストでの例えが思い浮かばなかったです。

 

孝哉 : とにかくどの曲もそうなんですけど、現行のトレンドもしっかり押さえつつ、耳馴染みのいい普遍的なメロディが、人が聴いていて気持ち良いと思う音階を抑えている。その普遍的なクオリティを高度に保ちながら、へヴィな音楽のトレンドを押さえてます。それこそヘヴィな音楽を本当に好きな人が今回のアルバムを聴けば、僕らのやりたい方向性が、何が好きでこういうのやりたくて、と言わなくても聴くだけで分かると思います。聴きどころはこのバランス感覚というか、とにかくどの側面で見てもクオリティが高いというところですね。

本来いろいろ混ざっている音楽って、ひとつひとつの要素の濃度が 薄まるじゃないですか。でも今作入っている曲も音楽的要素全ての純度が高いし、濃度が濃い。例えばMVでリリースした「蒼華」なんかは、一聴するとサラッと聴けちゃうんですよね。どのパートもそれぞれ邪魔をしていないしうまく絡み合ってる。だからパッと聴くとスルッと聴けちゃうんですけど、あの曲は異常性が高いと思ってます。ミニアルバム最後の曲の「Scarlet」に関してはブレイクダウンの部分を自分と克哉2人で作ったんですが、このタイプの曲のこの箇所にブレイクダウンが入るのは果たしてどうなんだろうとか思いましたがゴリ押しで入れた結果、メリハリもついてとても印象に残るパートになり、新鮮なバラードになりました。

聴いてくれる人それぞれバックボーンは違いますし趣味趣向、フィルターの細かさも当然違います。単純に重いバンドサウンド+ハイトーンのクリーンVoというもの以上の捉え方をされない可能性は勿論あると思いますし仕方のないことです。例えば最近は本当に多様化していて、色々な方が△△と○○コアの融合だったり、1つのシーンとしての大きなくくりを前置詞のように置いて次に○○コアやまたは別の何かを繋げて呼ぶような看板を掲げられたり、または世間にそういう風に形容されているケースがあると思いますし、自分たちも始まったばかりですからその枠の中の一つという見え方で並べられるのかもしれませんが、その中でも明らかな純度、深さをどうにか感じてもらいたいし、わかってもらいたい。それをわかってもらうのがまずこれから第一の目標です。

 

克哉 : いわゆるヘヴィ/ラウドミュージックって細分化してると思うんですけど、そういった部分で見ても本当に沢山の要素を網羅して昇華しています。ニューメタルからメタルコア、イージーコアの要素もあったりとか、叙情的なエッセンスもあったりして。まあなんというか、内包されている沢山の要素は聞けばわかるかなとは思います。

激しい音楽にそこまで造詣か深くない人が聞いたとして、そういった要素の一つ一つが理解できなかったとしても非常にキャッチーな作品なのできっと良さは伝わると思います。トレンドに擦り寄りたいとかではなく、本当に全てを追求した結果のアプローチです。さっき孝哉が言ってくれましたけど、どの側面で見ても甘さがないというか……。

 

孝哉 : 隙がない。

 

克哉 : 本当にそういう気持ちで作ってますね。個人的な意見なんですけど、どこもディスられたくないんですよ。どこの方面にも。以前にもそういう気持ちでMisanthropistの『Misanthropy EP』を作ったんです。あれはデスコアっぽいアプローチだったり、ニューメタルっぽいアプローチだったり、あとダークさとか、ビートダウンとかの部分でダウンテンポ系のアプローチもありつつ、ペンシルヴァニアメタルコアのようなプログレッシブメタルコア的なアプローチと、僕が得意としてる現行の激しい音楽にJ-ROCK的アプローチを混ぜたものでした。今作に関しては、それの昇華版になってますね。スクリームはないから少し別軸にはなるんですけど、Misanthropistとチューニングが完全に一緒なので、根本概念が同じな上で、別の世界線を表していて、なおかつブラッシュアップしてます。

とにかく言いたいのは、超クオリティが高いということですね。どの側面から突っ込まれてもクオリティが高い。それと何度も言っていますがバランス感覚。これがこれと同居して成立しているのか、という感じ。普段生きていて自分が他人より優れていると自分で思うことは特にないんですけど、強いて言えば、そういう音楽を作る上での接着剤の性能が良いのかなと思います。今作の曲はすべて僕が作っているんですけど、それが存分に現れた作品かなと。

対比というか、同居しなさそうなものが完璧に同居しています。フルクリーンヴォイスのバンドってオカマっぽい見られ方もするかもしれないんですけど、全然超ヘヴィでアグレッシブです。

 

孝哉 : 今回、作品通していろんな曲があるんですけど、克哉の作曲のみなので統一感がある。名刺代わりというか。

 

克哉 : 今回自分の曲だけで行こうとしたのは、あえてというところがあります。結構みんな曲書けるので。それはそのうちという感じで。

 

-それは楽しみです……!また、歌唱に関して触れると、「Mirage」の一部でスクリームはありこそすれ、本作はほぼ全編クリーンボイスで歌われていますね。

 

KAZ : 歌の抑揚だったりエモい!と思うような表現にするためにクリーントーンに歪みを加えて歌ってみたりとか、日本語だけど洋楽っぽさをどうしても出したかったんです。メロディ自体にもシャウトがない分、メロだけで迫力や気持ちよさを感じるものを作らなければいけないと感じていたのでそこは苦労したところではありますね。

克哉の楽曲はサウンドだけ聴くと和風なメロディが乗るのが想像しにくいサウンドなので、そこにあえて日本語詞を入れるというのは新たな挑戦でした。

 

克哉 : それは確かに伝わった。「蒼華」のボーカルパートをエディットしている時に、例えば「汚れのない手を~」とか、TやWの子音の言い方が僕的には英語詞の時のそれらと近く感じて、一瞬惑わされますね。それが心地よくて、ニュアンスの付け方が英語で歌ってる時とも共通性があったりして、どっちも巧いのでこう両立させて歌い方できる人はなかなかいないんじゃないかと思って。今腑に落ちましたね。

 

KAZ : あとはひとつひとつの単語を意識しつつも、フォルマントを一瞬高い位置から歌ったりすることもその要素といえますね。「Mirage」もそうですが「Certainty」や「sin of pride」はそれがかなり大きく感じられる曲だと思います。

 

克哉 : 「Mirage」については、もともと 2015年にできていました。2015年の時点では、ガンガンスクリームを入れてる曲だったんです。それで、Bメロの少しIN FLAMESみたいなリフが来るところあるじゃないですか。あそこをあえてメロにして手前をスクリームにしたりとか、スクリームとクリーンが5分5分ぐらいだったんですよ。僕の中で絶対にスクリームは外せない要素でした。

本当はこの曲はボツにしようか悩んだんですけど、あえて使ったのは、2015年時点ではこの曲がバンドの最初のリードトラックの予定だったからなんです。ここからがSLOTHREATのアプローチの根幹にもつながるところなんですけど、やがてKAZさんがVoをやるということで、これをあえてKAZさんの歌だけでいったらどうなるのかということでやってもらったんです。そうしたら「全然ハマってるじゃん!」と全員興奮ました。フルクリーンヴォイス面白いじゃん、という発見ですね。それにこの曲は2015年時点のスクリームありの状態から基盤は全然変わってないですから。これは自分的に面白かったです。

 

孝哉 : 歌ができていたのは「蒼華」よりこっちの方が早いんですよね。この曲でKAZさんがクリーンだけでアプローチかまして、リードも100%クリーンだけでいいじゃん、という流れになりましたよね。KAZさんの歌声は至宝だと思います。

 

克哉 : 結構タフいブレイクダウンもあったりして。

 

KAZ : そこら辺は新しいよね。

 

克哉 : あれがあったからこそ「蒼華」のアプローチも出来たのかなと。

 

-確かに、ありそうでないなという感じですね。

 

孝哉 : やれそうでやれないというか。

 

克哉 : 今に始まった事ではなく、CodeRebirthの時からそれを意識していました。ありそうでない、これ嫌いなやつはいないでしょ、という感じで、自分の好きを全部入れるみたいな。これが僕の根幹なんですけど、好きな要素を全部ミックスさせる。孝哉も言ってるけど、絶対にどこの純度も下げずにそれをやる。

 

孝哉 : 本当にできそうでできない、やれそうでやれない。

 

克哉 : 何度でも強調しますが、いわゆる現行のヘヴィで激しい音楽に日本語詞メロディによるアプローチを混入させる際のコンプレックス、そういうのを全て潰したのがウチらだと思ってます。各側面のクオリティだったり成立度だったりのコンプレックスを全て潰したバンドです。

 

-合わせて、そんな本作を制作している際、感じていた事を教えて下さい。

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