seeeeecun (読み方 :しーくん)
official Site: https://www.seeeeecun.com/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCth7Ai8KEXD8iQLDVXb4HUA
Twitter : https://twitter.com/seeeeecun
Instagram: https://www.instagram.com/seeeeecun/
Franz FerdinandやKasabianらを代表とする2000年代UKロックを取り入れたサウンドにボーカロイドを駆使したトリッキーなアプローチ、達観的かつ冷笑的な歌詞が特徴なシンガーソングライターseeeeecunは、元々は2014年よりボカロPしーくんとしてキャリアをスタート。
2017年に公開された「ローファイ・タイムズ」が10万再生を記録したことにより話題を呼び、それ以前に公開していた「テイクアウト・スーサイド」「ルサンチマン・クラブ」や、その後の「雲散霧消」等のオリジナル曲も10万再生を超え、人気ボカロPとしての地位を確立させた。同年、4月には初のアルバムとなる『ドリトル教授の処方箋』を、2017年12月には1stフルアルバム『BOYS SEE BOYS』をリリースしている。
最近では歌い手の宮下遊との新ユニット・Doctrine Doctrineを結成し、1stフルアルバム『Darlington』をリリース。インディーズオリコンチャート2位にランクインをしている。
そんなseeeeecunは、8月7日には初のセルフボーカルアルバム『Bohemian Bloom』をリリースする。「疑神暗鬼」、「ケモサビ」や、ボカロ曲「ローファイ・タイムズ」のセルフカバーなどに新曲9曲を追加。自らが歌うことにより、自身の音楽性をアップデートさせた印象を受ける今作はseeeeecun曰くかなり試行錯誤を重ねた作品だという。それゆえ、これまでの作品よりもDIY度は高く、感覚を研ぎ澄まされた作品となっている。
今回はそんなシンガーソングライターseeeeecunとして新たな幕開けとなる作品『Bohemian Bloom』のことはもちろん、気になる音楽的なルーツから5年を迎えた彼のこれまでとこれからの活動についてまで深く、そして幅広くお話を伺った。
文 / seeeeecun 編集 / 滝田優樹
-こんにちは。まずはTOPPA!!初登場ですので、seeeeecunさんの自己紹介をお願いします。
seeeeecun:よろしくお願いいたします! 出身は新潟県で、父と母の3人家族です。中学校から埼玉の全寮制の学校に通い始めたので、新潟よりは関東にいる方が長いことになります。
幼い頃は身体があんまり強くなくて、どちらかというと家でゲームしたりマンガを読んだりして過ごしているタイプでした。小学3年生から野球を始めたんですけど、運動音痴の塊みたいな人間だったのでド下手で(笑)。学生の頃って運動ができたり話が面白かったりする人の方がモテた時代だったので、自分はイケてない人間だったんですけど。
中学時代にクラスメイトの前で歌を歌ったら珍しく褒められて。音楽なら得意って言えるのかなと思い、思い切ってギターを始めたのが最初だったと思います。
-その時から作曲も始められたのですか?
seeeeecun:基本はカバーばかりでオリジナル楽曲は作ってなくて、作っても遊びで書いた歌詞に適当にメロディをつけて即興で歌う、みたいな感じでした。社会人になってから、僕の従兄弟のため(叫べP)くんがボカロPをやっていると聞いて、当時ボカロも聴いていたのでDAWの使い方とかボカロの調整方法とか教わって、そこからボカロP、というか作詞作曲を本格的にはじめた次第です。
-なるほど。従兄弟のため(叫べP)さんの影響でボカロを聴いていたとおっしゃっておりましたのでお聞きします。seeeeecunさんの音楽はFranz FerdinandやKasabianらを代表とする2000年代UKロックを取り入れ、ボーカロイドを駆使したトリッキーなアプローチが魅力だと思います。そんなseeeeecunさんの音楽的なルーツを詳しくお聞かせください。
seeeeecun:実は小学校の時はV6しか聴いてませんでした(笑)。母と自分が長野博くんのファンだったので。
でも中学校に進学してから、周りが流行りの邦楽を聴いていて、その話題でコミュニケーションをとっていたので、自分は全然話についていけなかったんです。なので当時TSUTAYAのCDレンタルでオリコンチャートの上から順番にCDを借りていって、邦楽の有名どころを全部押さえていってからは音楽がもっと好きになっていきました。
それと同時に、学校の授業でQueenの「You’re My Best Friend」やらThe Beatlesの「Hello, Goodbye」を聴いて、「なんじゃこの良い曲は……洋楽も良いな……!」ってなってから、徐々に洋楽にハマっていきました。父親がちょうどQueenとThe BeatlesのCDを持っていたので「それ聴かせて」って勝手に借りて自分の部屋で延々と聴いていましたね。
-なるほど。
seeeeecun:大学に進学すると、“超UKロックオタク!”って感じの先輩に「お前はとりあえずこれ全部聴け!」って“UKロック名盤100選”みたいな雑誌を勧められてから、とにかくUKロックや00年代ガレージロックにドハマりしましたね。特にハマったのはThe Libertines、The Strokes、Blur、Radioheadで、この4バンドの音楽性にとにかく影響を受けてます。ちなみにKasabianはそんなに聴いたことないです(笑)。
-まさかV6の名前が出てくるとは思わなかったので驚きましたが、以降のバンド名を聞いて納得しました。では、現在気になっているアーティストやジャンルがあればそちらも教えてください。
seeeeecun:最近は逆にUSのポップスやR&Bに注目しています。元々は商業的なジャンルだという偏見からあんまり好きじゃなかったんですけど、Maroon5にハマってから、そのキャッチーさとハネるようなリズムに魅了されています。今の自分の楽曲はどちらかというとUSに影響されている部分も多いかも。北米という括りで言えばチャーリー・プース、ショーン・メンデス、トロイ・シヴァンが自分のツボです。あとはUKでも、80’sの名残が漂うThe 1975や、ここ最近ようやく聴き始めたインディーポップの中でYellow Daysなどに注目してます。
-地域、年代で語られているあたりさすがですね。続いて、歌詞についてもお聞かせください。seeeeecunさんの歌詞は達観的で、社会や周りの環境について冷笑的なように感じます。こちらのインスピレーションの源やルーツなどありましたらお聞かせください。
seeeeecun:達観しているかは分かりませんが(笑)。僕はイケてない学生だったのでクラスの中でもいじられキャラという立ち位置だったのと、勉強は多少できた方だったので優等生キャラという二面性を持ち合わせて過ごしていました。当然色んな不満が溜まるわけなんですけど、気が弱いので周りに「嫌だ。」、「こうしたい。」という本音は言えず。多感な性格なのか、世の中のニュースとか大人の事情とかを聞いても結構色々思うところがあったんですよね。
-ええ。
seeeeecun:でも、本音は心の底に閉まって、自分は優等生キャラを演じようと過ごしていたんです。大学は早稲田大学法学部に進学して、周りの同級生と同じように弁護士を目指して勉強していたので親から熱烈に応援されていました。法律の勉強はちっとも楽しくなくて全然身につかなかった結果、法科大学院の試験は全滅でした(笑)。親からは「もったいない」、「弁護士になっていたら」と言われたんですけど、たぶん本当は他にやりたいことがあったんだと気付いてからは、それを探しに就職しました。
それで先ほど説明した通り音楽を始めたら、これまで溜めてたものが湧き出てきて。眠っていた本音を剥き出しにしたのが自分の歌詞のルーツだと思います。なので、今までの曲の歌詞をよく読んでもらうと、学生の頃に舐めた苦渋とか色々詰まっているのが分かると思います。
-やはり歌詞にはseeeeecunさんの本音が詰まっていたのですね。話は変わりヨルシカ、神山羊などボカロP出身アーティストも注目をあびていて、音楽シーンでも“ボカロP”が今年のキーワードになりつつあります。こちらのシーンについて思うことはありますか?
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