一二三 インタビュー

一二三 インタビュー

一二三(読み方 :ヒフミ
Twitter : https://twitter.com/Hihumi_v
Instagram : http://instagram.com/hihumi_v
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCHG5yLvj57pnMNm6perFrZA/
ニコニコ動画:http://www.nicovideo.jp/mylist/55544190

ソリッドな質感なギターロックに三味線や琴などの和楽器を導入して爽快なる音楽を鳴らすのは、ボカロPである一二三。

2015年に投稿した「風の歌」よりボカロPとしてのキャリアをスタートした一二三は、初音ミクと音街ウナを巧みに使い分けながら生身の感情を楽曲に反映しながら楽曲を発表してきた。

その血の通った楽曲は多くの聴き手を魅了しながら、多くのアーティストたちをも魅了してきた。

ニコニコ動画にて自身初の殿堂入り果たした代表曲「猛独が襲う」は、まふまふや花譜といったネット発アーティストも歌ってみた動画をアップしており、その名を知る者も多いことだろう。

2019年にはアルバム『独りに花を添え』のリリース。最近では楽曲がカラオケ配信されたり、2.5DアーティストTHE BINARYへの楽曲提供・編曲も手掛けるなど、その活躍にさらなる拍車がかかる。

今回、そんな一二三に対してメールインタビューを行った。楽曲にまつわるあれこれからパーソナルなこと、これからの目標やボカロに対する思いなど語ってもらった。

/ 一二三  編集 : 滝田優樹(https://twitter.com/takita_funky


 

-まずはTOPPA!!初登場ですので、一二三さんの自己紹介をお願いします。

 

一二三 : こんにちは、一二三です。よろしくお願いします。サラリーマンしながら週末は曲作りに勤しんでいるボカロPです。初音ミク、音街ウナに協力してもらいながらロック曲を作っています。

幼少期はずっと絵を描いたり、お菓子の空き箱で工作したりする子でした。もともと何かを作ることが好きだったので、高校生になってからも曲を作ったり、趣味でブログや小説を書いたりしていました。

大学に入ってからはギターを始めたり、社会人になったらDTMとボカロで曲を作りだしたりと、ずっと創作活動と共に過ごしている人生って感じですね。

 

-ありがとうございます。社会人になってからDTMとボカロで曲を作りだしたとのことですが、ボカロPとして活動を始めたきっかけは何だったのですか?

 

一二三 : ボカロPの活動を始めたきっかけは、自分の作った曲を誰かに聴いてもらいたいと思ったことですね。

それまでは曲を作ったら自分で聴いて「ハイ、おしまい」って感じだったので、これを他人に聴かせたらどんな反応が返ってくるのか純粋に気になっていました。

音楽に興味を持って曲作りを始めたのも高校生のころだったんですが、当時はバイトが禁止されていてお金がなさ過ぎたのでPCが買えなかったんです。ボカロ使ってみたいなぁと思いつつもひたすら携帯のアプリで曲を作っていました。

大学生になったらバイトしてPCを買ったんですけど、ボカロからは一度離れちゃってました。

それから社会人になってすぐに曲を投稿したいと思うようになるのですが、自分の歌唱力がイマイチだったので悩んでいました。そこで突然ボカロのことを思い出して、気付いたら初音ミクを購入していました。

 

-なるほど曲作りを始めたのは高校生の時だったのですね。ボカロP活動を始めた当時はどんな音楽を聴いていたのですか?

 

一二三 : DECO*27さん、40mPさん、ハチさんですね。実家にいた頃、妹と一緒によく聴いていました。

 

-ありがとうございます。では、最近よく聴いている音楽やアーティストは何ですか?

 

一二三 : 最近はニコニコのランキング上位でよく見かけるボカロPたちの曲ばっかり聴いています。

あとなぜか今になって10-FEETやELLEGARDENをまた聴き返していたり、自分の作風と全然違うJamie BerryやCaravan Palaceを聴いてたりします。

 

-一二三さんの楽曲といえばギターロックと和要素との絶妙なハーモニー。侘び寂の効いた音楽が魅力だと思います。やはりこちらのボカロPやアーティストたちからの影響も大きいですか?

 

一二三 : 最初は40mPさんのようなさわやかポップスを作っていこうと思っていたんですが、思いつくメロディがどうも暗いロックって感じだったのでジャンルをロックに絞ることにしたんです。

あと和楽器の音色が好きだったので、くどくならない程度に楽曲に混ぜちゃえって感じで編曲したら最終的に今の作風へと落ち着きました。

 

-そのような過程を経て今の音楽性になったんですね。最初は”さわやかポップスを作っていこうと思った”という発言があったのでお聞きしたいのですが、Twitterアカウントの紹介文で“清楚ロック”と記載されているのはどのような意図があってなんですか?

 

一二三 : お行儀良く尖りたい、綺麗な言葉で汚い感情を表現したい、という作風を一貫したいからです。

 

-思わず今唸ってしまいました(笑)。また一二三さんは初音ミクと音街ウナを使用しておりますが、こちらの経緯についてや楽曲によって使い分けている理由もありましたらお願いいたします。

 

一二三 : ”ボーカロイドといえば初音ミク!”ってことで一番最初に初音ミクを買いました。単純。

それからどんどん曲を投稿していくうちに他のボーカロイドも使ってみたいなと思ったんですが、そこでなぜか「元気キャラを売りにしているボーカロイドにあえて暗い歌詞を歌わせよう」と考えるようになりました。その結果犠牲者となったのが音街ウナだった、というわけです(笑)。

僕のミクウナは基本的に交代制なんですが、最終的には曲の雰囲気に合っているかどうかを重視しながら使い分けています。

 

-音街ウナを使用したきっかけが意外でした。先日はTwitterにて「3~5分程度の制限時間内で聞き手の心を掴まなきゃいけないから音楽って大変だなぁ」という発言もありました。楽曲制作で意識されていることは何ですか?

 

一二三 : 楽曲を通じて伝えたいことが伝わるように、歌詞の言葉選びを一番大切にしています。

 

-”綺麗な言葉で汚い感情を表現したい”というところですね。はまっていることや趣味、特技がありましたら教えてください。

 

一二三 : 最近ハマっていることは朝活ですね。ずっと夜型人間だったんですけど頑張って直しました。早起きして曲を作ったり、読書したりしています。

 

-生活リズムを変えると音楽での表現もまた変わってきそうですね。音楽以外で近年感銘を受けた出来事・物・者も気になります。

 

一二三 : 最近『テルマエ・ロマエ』の原作者ヤマザキマリさんが書かれた書籍を読んで、その壮絶な人生に驚きました。

彼女は芸術を学ぶためにイタリアへ留学したんですけど、絵だけでは稼ぐことができないためいろいろな仕事を掛け持ちながら勉強していきます。

恋人とモメたり多額の借金に苦しめられたりしていく中で、彼女が語る人生観や仕事観にとても共感しました。

 

-そんな波乱万丈な裏側があったとは…。ちなみに自粛期間中のおうち時間はどのようにすごされましたか?

 

一二三 : テレワークでお仕事してたり曲を作ったり、という生活をしていました。運動不足がヤバいです。

 

-わかります。最近は暑くなってきたのでさらに家から出たくないですよね。ここからはボカロPとしての活動についてお聞きします。一二三さんはどのような時に曲のインスピレーションを得て、どのように作曲されているのでしょうか?

 

一二三 : 音楽とは全く関係ない考え事をしているときですね。人間関係のことや社会のことだったり。その気持ちや主張を曲にしたいなと思ったら、そこからギターを弾きながら紙に歌詞を書いていく流れで作詞作曲を行います。

頭の中で曲のイメージが充分に固まってきたら、PCを立ち上げてCubaseという音楽ソフトを使って形にしていきます。

 

-その時々の感情を具現化していっているんですね。先日は新曲「毒々/音街ウナ」を発表されました。エモーショナルなギターに呼応するように音街ウナのヴォーカルも高まり、爽快な響きとなっています。こちらの楽曲のテーマや聴きどころを教えてください。

 

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