ビートまりお インタビュー

ビートまりお インタビュー

ビートまりお
YouTube : https://www.youtube.com/user/beatmario2007?sub_confirmation=1
Twitter : https://twitter.com/beatmario
COOL&CREATE HP : http://cool-create.cc/
COOL&CREATE BOOTH : https://cool-create.booth.pm/

昨今、バーチャルの身体を持ち、WEB上で活躍するユーザーが増えている。リアルな自分に則した身体であったり、あるいは自分の理想とする身体であったり、はたまた性別はリアルの自分とは違ったものであったりと、その形は様々だ。数々の在り方が受容される中、自身の理想の見た目で活動しつつ、リアルの自身の活動とクロスさせるハイブリッド型のユーザーが出現している事も見逃せない。

今回ご紹介するビートまりおも、バーチャルな身体を手に入れてハイブリッドな活動を見せている一人だと言えよう。元々東方Projectをベースにした同人音楽ジャンル「東方アレンジ」の第一人者的サークル「COOL&CREATE」の主宰者としても知られるビートまりお。東方アレンジの名曲「ナイト・オブ・ナイツ」、「最終鬼畜妹フランドール・S」、「Help me, ERINNNNNN!!」等を手がけ、「ビートまりお」という名を掲げて現在まで約22年間活動を続けている。本インタビュー文中にもある通り、仮に日本のインターネットの年表があるとしたら幾度となく彼の名が出てきていたに違いない。

そんなビートまりおは、2020年7月19日自身のYouTube Channelにて、新たなクリエイター活動の発表・お披露目を行った。それは何と彼自身がVTuberとして活動を行う事であると共に、そのモデルは彼の妻であるあまね(COOL&CREATE)という事、そしてそのデザインを旧来の友人でもあり漫画家・イラストレーターの伊東ライフが担当した事だった。

今回、TOPPA!!編集部はビートまりおに対し、彼がVTuber活動を開始した事へのインタビューを実施。VTuberを知り、自身の妻であるあまねをモチーフにVTuber活動を開始したきっかけ、活動に対する手応え、VTuberビートまりおとして挑戦した事等を1万字以上で伺った。

取材・文・編集 : 宮久保仁貴( https://twitter.com/hermanhalkemen )


 

-まずはTOPPA!!初登場となりますので、ビートまりおさんの自己紹介をお願いします。

 

ビートまりお : 俺の嫁が好きすぎて俺の嫁になった俺の嫁大好きVTuber、ビートまりおと申します(笑)。VTuberになる前は、「ナイト・オブ・ナイツ」、「最終鬼畜妹フランドール・S」、「Help me, ERINNNNNN!!」など、『東方Project』の音楽アレンジをしていました。オタクであれば1回ぐらいは聴いたことがあるのではなかろうかという曲を作っていた人間でございます。

 

 

-改めて、「ビートまりお」と「VTuber」、この2つのキーワードが共存してるのがすごいですよね、2020年に(笑)。

 

ビートまりお : 同じ人格として始めたいな、というのはやっぱりありましたね。

 

-今回は直近で始められたVTuber活動をメインに触れていければと思います。まずは、ビートまりおさん自身がVTuberを知った経緯を教えてください。また、それはいつ頃の出来事だったのでしょうか?

 

ビートまりお : VTuberという概念・存在自体を最初に知ったのは、やっぱりキズナアイちゃんがきっかけですね。「ふぁっきゅー!」って言ってる動画を見たのを覚えてます。確か、『バイオハザード7 レジデント イービル』の動画がニコニコ動画に切り抜きで転載されてて、それを見た時が一番最初にVTuberという存在を認識したタイミングでしたね。

最初は「こういうこと喋る子もいるんだ。」ぐらいに思ってて、その後は輝夜月ちゃんとか月ノ美兎ちゃんの動画とかをちょこちょこ見る感じになって、それが2017年12月とかそれぐらいですかね。インターネット上をVTuberという存在が賑わせ始めた時から見てましたね、遠くからですけど。

 

-所謂VTuber黎明期の時代ですね。

 

ビートまりお : なので、最初はいわゆる動画勢、事前に作った動画をアップするタイプの人たちを見ていて。生配信をするタイプのVTuberさんの動画を初めて見たのは、船長、つまり宝鐘マリンさんの動画ですね。2月ぐらいに、『東方スペルバブル』というゲームの案件の配信をやってまして、その時に知り合いから「東方に詳しいVTuberさんいるよ、おすすめだよ。」と教えてもらったのがきっかけでした。

 

-そこから、いざ実際に自身もVTuberとして活動しようと思ったきっかけを教えてください。

 

ビートまりお : 伊東ライフがキッカケですね。彼とは実は20年来ぐらい、正確には22年前からの付き合いがあるんです。当時、俺が運営していたホームページがありまして、その掲示板によく書き込みをしてくれたのが若き日の伊東ライフ君だったんですね。若き日のビートまりおとそうして出会い、そこからの付き合いだったんですけど、お互い同人サークルをやってたりいろいろ経た後で、伊東ライフがVTuberになって活動してるのを見ていて、そんな道もあり得るんだと思ったのがまず1つ。伊東ライフの活動を見て、おじさんのままVTuberやっていいんだと思った記憶があります(笑)。

あとは単純に、船長の配信を見ているうちにどんどんVTuberにハマっていきましたね。

 

関連 : 伊東ライフ インタビュー
https://toppamedia.com/interview-2020-3-itolife/

 

-そのような繋がりがあったのですね!また、伊東ライフさんの場合だと、ボイスチェンジャーなどは使っていませんからね。最近はそういう方も増えているような印象があります。

 

ビートまりお : アバターとしてなのか扱いがよく分からないんですけども(笑)。可能性として、VTuberってなんでも受け入れてくれるんだってその時に思いましたね。

やっぱり初期は、外から見た感じですけど、ロールプレイがされていた気がして、それがだんだんと自分の素を出していくのもありな感じになっていって、果てはおじさんのまま可愛くなっていいんだと(笑)。思っていたより自由な界隈なんだな、インターネット上にさらに自由に楽しくやれる場所が増えたんだなと思いました。

 

-ちなみに、ビートまりおさんのVTuberデザインはご自身の奥様であるあまねさんがモチーフとなっており、またママ(イラストレーター)として伊東ライフさんがデザインを担当されていらっしゃいます。こちらのデザインモチーフのきっかけ、また伊東ライフさんに依頼された経緯を教えてください。実際いつから構想を進められていたのでしょうか?

 

ビートまりお : 自分と妻であるあまねさんはずっと一緒に音楽活動やライヴとかをしていたんですけど、今年の2月に第一子がふたりの間に誕生したんですよね。そうなると必然的に育休に入るわけじゃないですか。そうなった時に、ここから先ずっと自分ひとりでの活動になるのか、どこかで戻ってくるにせよそれまでは少なくともひとりだといろいろ考えた時に、「COOL&CREATEというサークルのあまね」を忘れてほしくない、という気持ちがあったんです。

もともとライヴ活動とかをしていた時に、ビートまりお自身やあまねをキャラクター化したイラストがあって、いろいろグッズが出たりとかCDジャケットになったりしていたんですよね。そのイラストを何度か伊東ライフに描いてもらったことがあって、あまねというキャラクターのデザインはもともとあったので、そこで彼にお願いしたのが経緯です。それと、単純に絶対面白いなと思ったからですね。COOL&CREATEの文脈の先にも「デザインは伊東ライフ」というのがあったので。「姿が俺の嫁、ママは伊東ライフ」って、ワケ分からなくて強そうだなと(笑)。

 

 

-文脈もありつつパワーワードが出てきてすごいですね(笑)。

 

ビートまりお : 今までやってきたことを組み合わせたら、たまたまパワーワードがハンパないことになったなと(笑)。ここで見ず知らずの新しいキャラクターになるよりも、嫁のこと好きだったので、嫁になった方が楽しいだろと。そういういろいろな組み合わせでしたね。

 

-制作はいつ頃からだったのでしょうか?

 

ビートまりお : 今年の3月くらいからだったと思います。子供が生まれたのが2月4日だったので。船長の配信を初めて見たのも確か2月中旬ぐらいで、伊東ライフに相談したのもそれぐらいだったはず。細かい時系列はよく覚えてないんですけどその辺りで、こうしたらこうなって面白いかもと思った記憶がありますね。

 

-とんとん拍子でデビューまで進んで、何があるのか世の中分からないですね。

 

ビートまりお : 本当はもう少し早めにデビューの予定だったんですけど、謎の感染症によりスケジュールがずれたりして。あと、今年はオリンピックをやるはずだったので8月のコミックマーケットが無いということになっていたので、新しいことをやるんだったら今年だなと思ってました。今までは冬コミ・夏コミに向けて作品を作って、春と秋に博麗神社例大祭というイベントもあって、というスパンでやってたんですけど、8月に何もないので、何をしようかなと考えたのもきっかけの1つですね。

 

-この期間で新しい事、その一環でVTuber活動を始める人も多くなりましたよね。

 

ビートまりお : 家で楽しめるコンテンツとなるとそういうものが多くなりますよね。

 

-続きましては、Live2Dモデルのこだわりを教えてください。数々のVTuberのLive2Dモデルを手がけてきた焔機パイロさんが担当されましたが。

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