蜂屋ななし インタビュー

蜂屋ななし インタビュー

蜂屋ななし(読み方 : はちやななし)
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一聴して、他要素を極めたトラックであるのにそこに鳴らされている音は互いを邪魔することのない音響的プロダクション。

蜂屋ななしが手がける楽曲はどれも情報量の多いものであるが、卓越した手捌きをもって有機的に音像を構築し、絶妙なバランスで響きあう。

大学受験時に経験した辛い気持ちを他の人にも共有させてやろうと思ったのをきっかけにボカロPの道を歩んだ蜂屋ななし。

しかし、それは誰よりも蜂屋自身が音楽の力を信じていたということに他ならない。

ONE OFF MIND」で初のニコニコ殿堂入りを果たし、sasakure.UKや煮ル果実といった人気ボカロPたちと共振を図りながらキャリアを積み重ねてきた。

最近ではめいちゃんやTHE BINARYといった次世代ネット発アーティストらにも楽曲提供も行い、残念ながら中止となってしまったが”ニコニコ超会議 2020”にも出演予定であった。

今回はそんな注目のボカロP、蜂屋ななしにインタビューを敢行。楽曲に対する思いや音楽的なルーツ、パーソナルな話など電話インタビューにて全方位的にお話を伺った。

取材・文・編集 : 滝田優樹( https://twitter.com/takita_funky


 

-まずはTOPPA!!初登場ですので、蜂屋ななしさんの自己紹介をお願いします。

 

蜂屋ななし:元々僕は独り立ちするまで、祖父母と一緒に暮らしていまして、ばあちゃん子でした。学生時代はもっぱら友達と遊んでいて、カラオケによく行っていましたね。軽音楽部にも入っていてギターも弾いたりはしたんですが、その頃はまだ作曲とかしてなくて。

好きな曲とかいっぱいはあったんですけど、すぐに新譜も覚えてしまい漠然と「新しい面白い音楽ないかなあ、何か足りないなあ」と思ってすごしていましたね。

 

-軽音部に入っていたことですが、それ以外にはどのように遊んでたりしてたんですか? 活発な方でしたか?

 

蜂屋ななし:そうですね。外でケイドロ(ドロケイ)やったり、中学生のころはモンスターハンターをやったりしていました。あとは北海道で住んでいたので、周りに自然が多くてよく川釣りとかをしていた!

 

-先ほど学生時代に「面白い音楽がないかなあ」と思っていたとおっしゃていましたが、そんな蜂屋ななしさんが音楽に興味を持ったきっかけやルーツはなんだったんですか?

 

蜂屋ななし: 小学校6年生の時にBUMP OF CHICKENの面白フラッシュが流行ったんですよ。それで「K」が使われていたのをきっかけにハマりまして。

その後「車輪の唄」を聴いて、「あ、ギター弾きたい!」ってなってアコギを買ったんです。そこからですね。音楽を始めたのは。

 

-私も同時期にBUMP直撃世代なので親近感が増しました。では、そこから実際にボカロPとして活動を始めたきっかけはどういったところだったんですか?

 

蜂屋ななし:大学受験に向けて必死に勉強して、特待が取れて海外の大学受かったんですが、入学の前に3ヶ月くらい入院してしまいまして。大学に行けなくなってしまったんです。そこで「なんで自分ばっかり…」と思ってしまって。

それまでの自分は音楽にプラスの力をもらってばっかりだったんですが、その時に音楽はその逆のこともできるよなと。マイナスの力を与えるというか。聴いてくれた誰かの1日を最悪にしてやろうとか、音楽のテロを起こしてやろう、みたいな(笑)。

100人が自分の曲を聴いてくれたら、100人全員がそういう気持ちになってくれたらいいなと。それで入院している際にPCを持っていけたので、わざと気持ち悪い音をいれて作った曲を初めてニコニコ動画に投稿しました。それがきっかけですね。

あとは、ちょうどその頃ににニューヨークで行われていた”MIKU EXPO”を目にして。僕が受かっていた大学がニューヨークだったこともあって、すごいなーという気持ちもあり、シナジーでもないですけど。結果的には悪い気持ちがひとつになって、行動になったというわけです。

 

-音楽は感情に引っ張られることもありますし、逆にそのくらい気持ちが共感を生んでそこから救われることもありそうですよね。

 

蜂屋ななし:本当に音楽に助けられて生きていたので、衝動でやっちゃいましたね。

 

-ただ、その結果蜂屋ななしが生まれたわけですもんね。では、ボカロP活動を始めた当初よりリスペクトしている方はいますか?

 

蜂屋ななし : 初めて聴いたボカロPさんの曲がハチさんの曲なんですよ。それがきっかけでボカロが好きになったので、ずっと尊敬しています。

当初のハチさんの曲には物語性があって、それが幼い頃の僕に刺さって。それこそBUMP OF CHICKENの「K」に繋がる感じがあって、その時に感じた気持ちと繋がるものがありました。

なので、ハチさんはその「K」の続きをやっている人だという印象ですね。

 

-ハチさんもBUMPから影響を受けたひとりですものね。では音楽以外にハマっていることや趣味がありましたら教えてください。

 

蜂屋ななし : ずっと切り花を家に置いているんですが、これが1週間ぐらいで枯れちゃうんですよ。

なので、今は元気になれたらなーと思って、黄色いハイビスカスを鉢植えに植えて育てています。日が当たる所に置いていたら綺麗に咲咲いたんですけど、凄いテンションがあがりました(笑)。

他にもダリアのような花も好きなんですけど、ハイビスカスに比べて育てるのが難しいですよね。

 

-華やかな花が好きなんですね。

 

蜂屋ななし :ドーンと、大きく咲いてくれたほうがいいかなと思いまして(笑)。

 

-確かにそうですね(笑)。特技はありますか?

 

蜂屋ななし:実は本当に得意なのは水泳なんですよ。小さい頃からずっと習っていたので、全部の級を取って選手コースにいるぐらいでした。

あとは、一人暮らしなので料理に凝っていて。掃除も好きですね(笑)。めちゃくちゃ細かい掃除と料理が得意です!

 

-まめな所が音楽性に現れている気がしますね。続いて近年感銘を受けた出来事・物・者を教えて下さい。

 

蜂屋ななし:今、コロナで大変ですけど家族に看護師がいて。だから心配になってしまって「生活費とか気にしなくていいから一回心配だから辞めたら?」とも言ったんですけど、「自分は看護師として責任感、使命感があるから辞められない」と言われて…。何というかその覚悟にすごく尊敬しましたね。

 

-医療従事者の方には本当に感謝しなくちゃいけないですよね。コロナの話があったので、お聞きしたいんですけ自粛期間中のおうち時間はどのようにすごされましたか?

 

蜂屋ななし:最近引越しをしまして。それの搬入でバタバタしていましたね。あと、知り合いの歌い手さんに教えてもらって、家に防音室を作ったりしてました。

 

-せわしなく過ごしていたんですね。その防音室完成しましたか?

 

蜂屋ななし:完成したんですよー、これがめちゃくちゃ良いんです。幸せです。かっこいいんですよー(笑)。

 

-見てみたいです(笑)。ここからはボカロPとしての活動についてお聞きします。蜂屋ななしさんはどのような時に曲のインスピレーションを得て、どのように作曲されているのでしょうか?

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