まちがいさがし(バンド) インタビュー

まちがいさがし(バンド) インタビュー

まちがいさがし
メンバー(LtoR):和野(Ba) / 今野(Dr/Cho) / 佐々木(Vo/Gt/Pf) / 松崎(Gt)
HP : http://machigaisagashite.web.fc2.com/
Twitter : https://twitter.com/machigaich
YouTube : https://www.youtube.com/user/machigaisagashite
『八畳間放蕩紀行』特設サイト : https://machigaisagashi-hachijouma.jimdosite.com/

自ら”自己内省音楽 社会人4人組インターネットロックバンド”と自称する、まちがいさがし。

繊細で儚げな歌声とそれを彩るコーラスのようなサウンド、そして情景描写豊かな歌詞。

まちがいさがしの音楽は、生活の傍ら日々横たわるまちがいにまなざし向け、救ってくれるような、そんな慈愛に満ちた奏でを聴かせる。

高校の軽音楽学部で出会ったという4人は”閃光ライオット2011”出場をきっかけに活動をはじめ注目を浴びるが、その後一度活動を休止する。

2016年に再開したバンドはメンバーが社会人となり、あまり素性を明かさずに自主制作MVの投稿を主とした活動形態となる。

『夏に遠回りする』や『ラヴソングに騙されて』といった楽曲を次々とリリースし、最注目を浴びる彼らは2019年に初となるワンマンライブ”旅には出ないと誓ったくせに”を開催。

ネット上での活動をメインにしつつも、人気とともに徐々に表舞台へと活動領域を広げるまちがいさがしが今回、待望の1stフルアルバム『八畳間放蕩紀行』をリリースする。

今作についてメンバーが「1stアルバムにしてまちがいさがしの集大成となるアルバム」と語るようにまちがいさがしの歩みと成長、そして生活までもが刻まれた作品となっている。

今回はそんな、まちがいさがしにロングインタビューを敢行。まずは、まちがいさがしというバンドについて掘り下げるとともに10月7日にリリースされる『八畳間放蕩紀行』についてもメンバーそれぞれから詳しくお話を伺った。

/まちがいさがし  編集 : 滝田優樹(https://twitter.com/takita_funky


 

-まずはTOPPA!!初登場となりますので、それぞれの自己紹介をお願いします。

 

佐々木:佐々木と申します。詞と曲を書いて、歌っています。ギターとピアノも、少しだけ弾きます。

 

今野:Dr/Choの今野です。音楽と出会ったのは中学生のときで、そのタイミングで同じクラスだった佐々木くんから「バンドをやらないか?」と誘われてそこからずっとドラム一筋です。それまでただのクラスメイトという感じだったのですが、そこからこんな長い付き合いになるとは。今思うとかなり人生のターニングポイントでした。

 

和野:Baの和野です。中学校の時にギターを始めて、バンドをやっている佐々木くんと今野くんの所に後から加わってそこからの付き合いです。ギターは早々に挫折して高校からベースを弾き始めました。

 

松崎:Gtの松崎です。中学生の時に、文化祭でバンドをやるためにギターをはじめました。その後、高校の軽音楽部で3人と出会いましたが、当時は自分以外の3人がスリーピースバンドをやっていて、自分は別のバンドで活動していました。

 

-4人の出会いは高校の軽音楽部だったんですね。そんな皆さんがまちがいさがしを結成したきっかけは何だったんですか?

 

佐々木:3人が話してくれたとおり、みんなと出会ってからは4人とも高校、大学と同じ軽音楽部に入っていたので、それぞれ一緒に、あるいは別々にバンドを組む機会もありましたが、まちがいさがしとして活動を始めたのは、”閃光ライオット”という10代限定の音楽大会への参加がきっかけです。

 

今野:大きな大会で少しだけ結果が出たんですが、すぐに限界を感じて。だらだらと無理をして活動を続けるよりいったん休止しようと。そこから再開まで5年近くかかりました(笑)。

 

和野:しばらく休んで在学中にまた始めるのかな?と思ったんだけどそのまま大学卒業してたよね(笑)。

 

佐々木:みんなはそれぞれバンドを続けていたけれど、私は音楽そのものから逃げてしまって、いつの間にか、生活まで閉じ切ってしまって…こうしてまた、社会人になっても、離れても付き合ってくれる仲間がいて、一緒に音楽ができているありがたさは、心にとめておきたいと思っています。

 

-なるほど、休止を挟みつつ今に至っているんですね。ちなみに、まちがいさがしというバンド名の由来は何ですか?

 

佐々木:”まちがいさがし”は、私がつくる音楽の根底にある主題を表現しています。音楽を通して、自分自身をかえりみる。内面と向き合うことで、どういう意味にしたいのか。考えるたびに未だ明確な回答もないのですが、その当時曲を書きながら、そうした心象を深く掘り下げたとき、ふと”まちがいさがし”という言葉が腑に落ちたんです。私のなかでは、この字面の奥から、詩情を喚起される感覚があって、生活の途中、音楽を続けるうえでも、切り離せないものになっています。

 

-そうですね。とても想像力が掻き立てられます。Twitterのトップでは自らを自己内省音楽 社会人4人組インターネットロックバンドと自称しております。あまり素性を明かさず、表に出ないスタイルでの活動となっておりますが、もし可能でしたら、そちらの理由や活動理念などありましたら教えてください。

 

佐々木:それぞれ、社会人としての立場や責任もあり、何より生活があるので、活動も趣味の範囲で行っています。理念に価するものはありませんが、目に見えるわかりやすさはなくとも、どういうかたちであれ音楽が出来れば、と考えています。

 

-4人が音楽をやるうえでの最善の方法がこれだということですね、まちがいさがしの音楽は情景描写の鮮やかとその歌詞と親密度の高い繊細なサウンドが魅力だと感じました。そんな皆さんの音楽的ルーツが気になります。インディー・ポップやインディー・ロック、ネオアコ界隈の音楽の教養があるように感じます。

 

和野: ルーツを挙げるのであればASIAN KUNG-FU GENERATIONです。あとは邦楽のメロコアやインスト、ポストロック系のバンドはよく聴いています。洋楽はあまり詳しくないです。

 

今野:僕も学生のころによく聴いていたのはアジカンやくるりを中心としたバンドでしたので、その世代の邦楽ロックに影響を受けています。

 

佐々木:あまり音楽に傾倒する人間ではなかったので…具体的なルーツは思いつきませんが、広く邦楽やポップスのような、耳に残る身近な音楽の中を過ごしてきたので、その影響は受けていると思います。

 

松崎:意外かもしれませんが、高校のときは3人とは別のバンドでメタルばかりやっていました(笑)。大学に入ってから邦楽ロック含め幅広く聴くようになりました。就職が決まって、まちがいさがしを再開するくらいの時期にシティ・ポップがすごく注目されていて自分もかなりハマっていたので、ジャンルは違うんですがそのあたりはまちがいさがしに多少なりとも反映されていると感じます。

 

-ありがとうございます。メタルは意外でした(笑)。最近はどんな音楽を聴いていますか? 注目しているアーティストなどおりましたら教えてください。

 

和野:最近は普段聴いていないようなジャンルも聴きたいなと思いサブスクの音楽アプリでランダムに曲を流していることが多いですかね。特定のアーティストさんを挙げるとösterreich、Cö shu Nie、Aimerあたりは聴く頻度が高いかなと思います。

 

今野:最近は、ずっと真夜中でいいのにですね。確かなプロの表現や意図が感じられて参考になります。

 

松崎:本当に最近なんですが、9月に出た早見沙織さんのEP『GARDEN』をよく聴いています。楽曲はどことなくレトロな雰囲気な曲が多く、歌声も素敵なので是非聴いてみてほしいです。

 

-皆さん結構幅広く聴かれているんですね。また音楽以外で感銘を受けたことやバンドのルーツとなる物やことがありましたらお聞かせください。

 

和野:個人的にはアニメやゲームなんかには影響を受けてます。楽器を始めたきっかけもゲームセンターにあったギターやドラムのゲームなので(笑)。最近はどちらもそんなにできてないですが…。

 

今野:バンドのルーツと言えるかはわかりませんが、やっぱり高校に入学して4人とも同じ軽音楽部の一員として一緒に青春時代を過ごしたことは、今のバンド活動を続ける上での礎になっていると思います。

 

松崎:強いて言えば自分たちの世代はネットに受けた影響が大きいと思います。特にYouTubeやニコニコ動画などの動画サイトの興隆はずっと見てきていたので、まちがいさがしを再開して、メインの活動の場をYouTubeにしたことが自分たちのなかですんなり受け入れられたのもそういった背景があるからだと思っています。

 

-おっっしゃる通り、これまでのまちがいさがしの活動もネット上によるものが大きかったかと思います。近年ネット音楽シーンを中心に音楽の表現方法や楽しみ方が大きく変わっていっております。

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