まちがいさがし(バンド) インタビュー

まちがいさがし(バンド) インタビュー

松崎:まさにその通りで、ネット上での音楽の発信が盛んになったからこそ今のまちがいさがしが活動できているんです。というのも、私だけ仕事の関係で他のメンバーとは離れているので必然的にYouTubeなどでのMVの公開などがメインの活動になっています。

 

和野:手軽にいろんな音楽に触れられることは便利だなと思う反面、CD自体が売れなくなっていることは寂しいですね。

 

今野:そうだね。アクセスしやすくなったことと同時に音楽が簡単に消費されていく感覚はあって、過激さやわかりやすい表現ばかりが取りざたされてしまう風潮は少し寂しく思います。でも、結局は真摯に音楽を作っていくことに尽きるかな、と思います。

 

佐々木:音楽を問わず、だれにでも窓があって、知らないだれかと、たよりなく繋がる感覚は好きです。

 

-音楽が消費されていくことには私も違和感をと不安な気持ちがありますね。皆さんのことをより深く知りたいため、趣味や特技ありましたらそちらも教えてください。

 

今野:趣味というほどではありませんが、自粛期間は家でAmazonのPrime Videoを観ることに没頭していました。『スティーブン・ユニバース』という海外アニメが素晴らしいので、皆さん観てください。

 

和野:趣味はバイクでおいしいものを食べに行ったりとか、ライブやフェス見に行ったりすること。あと最近は頑張って減らしていますが楽器の機材収集です。特技はこれといってないです。 

 

佐々木:実家の愛犬と過ごす時間が、癒しであり楽しみです。ほとんど引きこもっていた時期にやって来てくれて、毎日のように一緒だったのが、社会人になって、実家を出てからは、そう頻繁には会えなくなってしまったので…。

 

松崎:最近は料理をするのにハマっています。学生の時もずっと実家だったり、仕事を始めてからも寮に住んでいたりでほとんど料理をする機会がなかったんですが、最近引っ越してから色々作り始めてみたらすごく楽しくて、割と毎日自炊しています。

 

-ありがとうございます。では、ここからは10月にリリースを控えております1stアルバム『八畳間放蕩紀行』についてお聞きしたいと思います。 一足先に聴かせていただきましたが…最高でした。これまでCDのリリースも配信も行わずに活動されていた皆さんが今回そのどちらも解禁されたのはどういう経緯や心境の変化があったのですか? 

 


【リリース情報】

▼タイトル
『八畳間放蕩紀行』

▼発売日
2020/10/07(水)

▼価格
2,200円+税 / 品番:VBCD-0113 / JAN: 4526180536819 / レーベル:ULTRA-VYBE,INC.
購入(TOWER RECORDS) : https://tower.jp/item/5083104

▼収録曲
01. 月暮らしが治るまで
02. ラヴソングに騙されて
03. 八畳間放蕩紀行
04. 悪者はいてくれない
05. 夏に遠回りする
06. 風邪ひく幽霊
07. 生活はその日のために
08. 夜更かしはエンドロールのよう
09. 旅には出ないと誓ったくせに
10. 東京
11. 少しずつどうでもよくなる

▼まちがいさがし『八畳間放蕩紀行』リリース特設ページ
https://machigaisagashi-hachijouma.jimdosite.com/


 

佐々木:ありがとうございます。巡り合わせがあってのもので、大きな変化はありませんが、迷いながらも、そうと決めてからは、宙に浮いたように過ごしています。ただ、光栄にもお話しをいただいて、メンバーも本当に楽しみにしていて、気にかけてくださる方々にも、喜んでいただけるなら、この音楽が役立てるなら、それが意義になると思っています。

 

今野:どうしても活動形態的にバンドの動きがスローになってしまう傾向があって、なかなかそこに手を出せなかったんです。僕はこのバンドの音楽はもっと多くの人に聴いてもらえるなと思っていて、CDの発売や配信は機会があればぜひと思っていたので、今回ありがたいお話をいただいて、やっと一歩踏み出せたなって、感じです。

 

松崎:それぞれの仕事や生活もあり中々バンドらしい活動はできないなか、お声がけいただき、CDリリースにあたって様々な面でご配慮いただいたウルトラ・ヴァイヴさんにはとても感謝しています。

 

和野:4人でやってきた事を形に残したいなという思いはずっとありましたので、このような機会を頂けてとても嬉しいです。

 

-すごく個人的な感想にはなりますが、収録曲「生活はその日のために」の“このためだったんだよ いつかぜんぶそう思いたいのはただ 繋がっているんだよって ぼくがぜんぶいま信じたい”という歌詞を聴きながら、余計にこの作品のリリースが大きなものに感じました。

 

佐々木:たどり着いた感覚はないのですが、思いもよらなかったのは確かで、音楽を続けなければ、この景色も見られなかったと思えば、感慨深いものはあります。何もかも地続きと捉えるなら、あともさきもあるわけで、ひとつの区切りではありますが、今はそのままを受け止めて、落ち着いたころにまた、これからに目を向けたいです。

 

 

-1stアルバムのリリース前ではありますが、ぜひこれからも作品を積み重ねていってほしいです。そして『八畳間放蕩紀行』というタイトルも含めて今作のコンセプトなども皆さんからお聞きしたいです。

 

佐々木:収録曲のタイトル『八畳間放蕩紀行』を、そのまま引用しています。アルバム自体は、音楽上の意図を持たないので、そのタイトルを新しく付けようとしても、どうしても作為的になってしまうことから、楽曲のひとつをモチーフにあてようと思い至りました。生活にはさまざまな場面がありますが、この『八畳間放蕩紀行』は、足りない毎日のなかにあって、鬱屈と深刻なようでも、どこかで習慣に甘んじてしまうような、私にとって普遍的な内省を多く象徴していて、より主題のそばにある、雰囲気を持った楽曲のひとつと考えていて…。悩みましたが、このように名付けました。それから、聴いてくださる方々にとっては、とにかく楽しんでいただけるよう、選曲や曲順については、話し合って決めました。私はうまく選べなかったのですが、みんなの案は、聞いていて楽しかった。

 

-なるほど。他のメンバーはいかがですか?

 

松崎:曲順は正直余り悩まなくて、自分はこれしかないかなというのを皆に見せたらすんなり納得してくれたので、聴いてくれる皆さんも自然に通しで聴ける曲順になっているかなと思います。

 

今野:個人的にはアルバムとしてしっかり聴き通せる曲順にこだわりました。聴き終わったときに、何も変わっていないんだけど、何かすっきりとした心地でいれるかなと思っています。

 

和野:発表している全曲入れるというのも難しいので選曲もなかなか悩みましたね。収録できなかった曲たちも、もし次の機会があれば入れていきたいです。

 

-今作は曲順や選曲にこだわりがあるんですね。また今作は2016年に発表の「夏に遠回りする」や2018年発表の「ラヴソングに騙されて」といった楽曲から新曲までバンドの歴史も詰まったアルバムだと思います。その当時と今との違いはありましたか? 演奏スタイルや機材などの変化についてもお伺いしたいです。

 

佐々木:詞と曲は生活と隣り合わせですから、どうあれ、ひとつの線上にある感覚でしょうか。歌も、良くも悪くも相変わらずで…みんなは、けっこう変わった。

 

松崎:楽曲のバリエーションは広がっていると思います。特に「ラヴソングに騙されて」を発表したあたりからは色々新しいことを積極的に取り入れる姿勢がでてきました。機材面に関しては佐々木がテレキャスターからギブソンのセミアコに変えたタイミングで、自分も使いたいと思っていたテレキャスターをメインで使うようになりました(笑)。それまでは「ラヴソングに騙されて」のMVでも使用しているストラトをメインにしていました。

 

佐々木:それ、本当に今知った(笑)。

 

 

-(笑)。

 

和野:基本的にフレーズや音作りなど、各自お任せなのでその辺りは昔から変わらないですね。ベースに関しては唯一佐々木くんから指で弾いてほしいとの要望だけはもらっているのでそこは変わらず守ってます。機材に関しては私だけころころ変わるのでなかなか固定されません(笑)。

 

今野:活動再開当初は手探りの部分もあったと思うんですが、最近は活動スタイルも固まって、それが受け入れられたかなってほど聴いてくださる方の反応もあったので、ある程度自信をもって演奏できているなと思います。

 

-特に「月暮らしが治るまで」はスウィンギンなピアノが主軸となる楽曲です。変化というところでいうと、この楽曲が活動当初のまちがいさがしとの違いを一番感じる楽曲なのではないかと思います。こちらの楽曲はどのように作曲されたのですか?

 

佐々木:仰るとおり、初めてピアノを主軸に置いた楽曲で、慣れない鍵盤を叩きながら、打ち込みによる作曲となりました。「月暮らしが治るまで」には、ひとつの心象に対して、あえて遠回りするような、少し現実から離れた詩性を取り入れる着想があって。温かみのあるギターコードよりもむしろ、無機質で冷たいピアノフレーズが、当てはまると思いました。手探りの作曲にはなりましたが、これから音楽を作っていくうえで、新しい糸口を見つけたような感触もあって、印象に残っています。

 

 

-色んな試みもありつつ自身も手に入れた印象を受けます。また「東京」はアレンジを施して再録となっております。こちらの経緯や聴きどころを教えてください。より繊細なタッチとなり、特にアルペジオがキラキラとしております。

 

 

和野:コンテストに出すために初めてバンドでレコーディングをした曲になるのですが、社会人になり活動再開してからもずっと録り直したいなと思っていたので、今回のリリースにあたって実現できてよかったです。

 

松崎:皆もなんとなく「東京」は録り直したいと思っていたのと、新曲を増やすことも難しかったので、割とすんなり新録することが決まりました。原曲の良さを活かしてアレンジは最小限に抑えていますが、迫力は増しつつ繊細でタイトな素晴らしい仕上がりになったと思います。

 

佐々木:当時、「東京」をつくった私から、少し離れて歌う感覚はありましたが、遠いようでも、確かにまだそばにあるのも分かって、居心地はよかったです。

 

-今だから鳴らせる「東京」があるということですかね。恐縮ながら総括すると今作はナチュラルな触感と息遣いをまじまじと感じられる作品なのではないでしょうか。みなさんは今作をどのような人に聴いてもらいたいですか? もしくはどのように聴いてもらいたいですか?

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