SLOTHREAT(読み方 :スロウスリート)
メンバー(LtoR) :孝哉(Gt) /瀬希(Ba) / KAZ(Vo) / SHINYA(Dr) / 克哉(Gt)
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過去、コンポーザーの克哉(Gt)を中心にTOPPA!!上でもフォーカスしてきたSLOTHREATが、2020年9月25日待望の1stフルアルバム『THEMIS』をリリースする。
新メンバーのSHINYA(ex.INCEPTION OF GENOCIDE)もRECに参加、また克哉の師匠でもあるЯyo(ex. girugamesh/Dr)が立ち上げた新レーベルWolves anchor DCからリリースされる本アルバム。本作に対して、人によっては「よくわからないけど、なんか凄い!」「これはここの要素を感じるよね。」「ヘヴィーだけどキャッチー」「キャッチーなのにヘヴィ」「モダンなのに古い良き要素を感じる」等様々な意見があるだろう。1を聞いたら10が出てくると言うべきか、楽曲の節々には彼らが培ってきた様々な音楽要素が滲み出てくる。それらをまた再圧縮し、全曲“SLOTHREAT”らしさを感じさせる楽曲が集合した。
そして、彼らがこれまでも主張してきた「正しさ」が更に強度を増し、克哉の言葉を借りるならば、「間違った音楽ばかり溢れてる世の中へ提示する正義」の1枚が完成。2020年、新たなフェーズの音楽が誕生した。
今回TOPPA!!編集部は、SLOTHREATに対して2回目のインタビューを実施。SHINYAの加入や『THEMIS』にまつわる逸話、活動1周年を経過した現在の手応え等を1万字以上のロングインタビューにて語ってもらった。
取材・文・編集 : 宮久保仁貴( https://twitter.com/hermanhalkemen )
関連 : SLOTHREAT インタビュー 前編
https://toppamedia.com/interview-2019-5-slothreat-prequel/
関連 : SLOTHREAT インタビュー 後編
https://toppamedia.com/interview-2019-5-slothreat-sequel/
関連 : EXTENSION vol.1 -克哉(SLOTHREAT/Misanthropist)の異分子のすゝめ 特別編/DIMLIM 烈(Gt)、セラ(Neko Hacker)対談
https://toppamedia.com/column-katsuya-ibunshi-no-susume-extension-vol1/
関連 : Яyo(Wolves anchor DC、ex. ギルガメッシュ/Dr)対談 / EXTENSION vol.2 -克哉(SLOTHREAT/Misanthropist)の異分子のすゝめ 特別編
https://toppamedia.com/column-katsuya-ibunshi-no-susume-extension-vol2/
関連 : キョウグ / kyogudrddd インタビュー
https://toppamedia.com/interview-kyogudrddd/
-前回インタビューから状況は変わり、サポートメンバーであったSHINYA(Dr/ex.INCEPTION OF GENOCIDE)さんが正式に加入されました。まずはサポート開始、そして加入の経緯を教えていただけますか? エクストリームミュージックの出自という所で、SLOTHREATの音楽性に合致する部分も多いように思います。
KAZ : 「蒼華」のMVの公開後しばらくして、SHINYAがTwitterの僕の個人アカウント宛てにDMで連絡をしてくれたのが、SLOTHREATとしては最初の出会いになりますね。
SHINYAとは、以前からも面識はあったのですが、以前のバンドのINCEPTION OF GENOCIDEに所属していた経緯もあり、シャウトオンリーのヘヴィミュージックを好むんじゃないかという印象が強かったので、DMで加入希望のメッセージを見た時、メロディーを主体として制作をしている自分達にとっては「本当に僕らでいいの?」って感じでちょっとビックリはしましたね(笑)。でも、克哉の作る曲はドラムもかなりテクニカルなフレーズが多く、故にグルーブ感を損なわず楽曲を表現してくれるドラマーはそういないだろうと思っていたので、SHINYAが正規で加入してくれれば、それが叶うんではないかと、その時から感じていました。
SHINYAも「最初はサポートで、活動方針やお互いの人間性、ドラマーとしての技術面など色々話したり試してから検討したい。」ということだったので、サポートで参加してもらう形となりましたね。徐々にライブなどを重ねていくうちに皆んなとも演奏のフィーリングなども合ってきて、ドラマーとしてもこんなに上手い人会ったことないって感じだったので、メンバー全員でも再度話し合い、すぐにでも正規加入して欲しいという結論に至りましたね。
孝哉 : 加入の経緯は今KAZが話してくれた通りなんですけど、サポートに至る経緯もちょっとあるんですよね。もともとはJulien(Graupel/Dr)がMVの撮影からバンドの立ち上げまで手伝ってくれていたんです。SHINYAがサポートでやってくれていたライヴも、当初の予定ではJulienが叩く予定だったんですけど、色々あって、Julienが叩けなくなってしまったんですよね。その前にSHINYAがKAZにDMを送っていたんですけど、Julienが叩けなくなった日に、新たにサポートしてくれる人を探すぐらいだったら、そうやって言ってくれている人に頼もうという話になりました。そこからも二人ともよく話し合って、SHINYAに入ってもらうことになった感じですね。
Julienは克哉のソロプロジェクトのMisanthropistでも一緒にサポートをしていて、気も合うし仲も良いし、SLOTHREATの立ち上げにも関わってくれて本当に感謝をしてます。そして、そこからSHINYAは今よりもさらに知名度も活動履歴もない状態の時に、特に知り合いが何人もいたという訳でもないこのバンドを知って、かっこいいと思い自ら入ってくれたのは、嬉しいですし感激という言葉しかないですね。
SHINYA : 二人が話してくれた通り、最初KAZにDMをしたっていう経緯がありまして。その時はこのバンドが始動したことも知らなかったんですけど、「蒼華」のMVがSNS上で流れてきて、新しい国内バンドかな?と思って見てみたら、あまりにも自分が好きすぎる音楽だったし、曲と歌に感動したんです。実はその時、INCEPTION OF GENOCIDEが終わってからは、もう音楽はやらないつもりだったんですけど、「もしこんな音楽をできる可能性があるならもう一度懸けてみたいな。」と思って、唯一面識のあったKAZにDMで連絡してみたという感じですね。
-そして加入へと繋がった、と。現在SLOTHREATでドラムを叩いている手応えは如何ですか?
SHINYA : 音楽的に合致する部分も確かにあったんですけど、自分からするとSLOTHREATという音楽は、今までやってきたものと全くマインドが違うという感覚です。今まではとにかく音を詰め込んでノリで何とかなってた感覚だったんですけど、曲自体が緻密に作り込まれていたので、よく考えて足し算と引き算を両方やらないといけないなとドラマー視点では思うし、非常にやり甲斐があって楽しいです。
-なるほど。そこから、以前克哉さんとЯyo(ex. girugamesh)さんとの対談で語られていた通り、Яyoさんがレーベルヘッドとなる新レーベル「Wolves anchor DC」から『THEMIS』がリリースとなります。以前も軽くお話いただきましたが、実際リリースに向けてレーベルが動き出した実感は皆さんにとっていかがですか?
関連 : Яyo(Wolves anchor DC、ex. ギルガメッシュ/Dr)対談 / EXTENSION vol.2 -克哉(SLOTHREAT/Misanthropist)の異分子のすゝめ 特別編
https://toppamedia.com/column-katsuya-ibunshi-no-susume-extension-vol2/
克哉 : やっぱり現場が少ない分、通常よりは感じられているところがあまり無いかもしれないです。でも、以前より活動に広がりが持てそうだな、というのは勿論肌で感じてます。
孝哉 : こういう状況なので、ライヴとかに関してはどう動くかレーベルとしてもバンドとしても難しいですけど、今後は今までの自分達だけでは中々できないような幅での活動ができそうではあって、本当にそこについては感謝してますね。純粋に、バンド活動って活動の幅を広げようと思うほど、色々なことが足枷になったりすると思うんですけど、その辺りが今後はもっとスムーズになっていくのではないかと。
僕らはこういうところに入ったのは初めてだし、こういう状況で活動すること自体が初めてなのでまだはっきりとは見えてないですけど、それも今後さらに見えていくのではないかなという感じですね。
SHINYA : そもそも僕自身が国内のヘヴィなバンドを聴くようになったきっかけのひとつがgirugameshだったので、そのЯyoさんが僕らのバンドのことをバックアップしてくれるのは、夢のような感じがあります。自分としてはそれでまだ実感が湧かないところはあるかもしれないです。
孝哉 : 僕も前のバンドにいた時、克哉とバンドをやる前から、克哉経由でЯyoさんやNiiさんにはすごく良くしていただいていて。girugamesh自体も高校生の時から好きだったので、そういう方に内部にいてもらえるのは、自分的にも安心感や感謝の気持ちが常にありますね。
-良き巡り合わせがあったのですね。引き続き、アルバムの話をしましょう。タイトル『THEMIS』をつけたきっかけを教えてください。ギリシャ神話でいうところの秩序や正義の女神を指すかと思われます。
克哉 : 僕がつけたんですけど、名前の通りだったりはします。あとから気づいたんですけど、『Allium』の時とテーマがかなり近いんですよね。前回は花言葉で「正しい主張」とかの意味があったんですけど、今回のメインテーマは、ニュアンス的には、これが全てだと言わんばかりの僕らにとっての音楽に対する信念の提示を最高に強く表現しているんです。
テーマを更に掘り下げる上で本音というか、少し語弊が産まれそうな言い方をここからさせて頂きますが、「音楽は芸術なので善悪どうこうじゃない」という考え方はあると思うんですけど、僕自身は善し悪しをきっぱり白黒つけたいタイプだったりします。そこで「僕らの音楽こそ正義であり正しい」というような主張を、間違った音楽ばかり溢れてる世の中へ提示する、という気持ちは常にあって。尖り気ある言い方に聞こえるかもしれませんが敢えてそう言います。
そういった気持ちも含め何もかも自分の音楽にすべてを注いでいるので、それを綺麗に纏めて象徴するタイトルかなと思います。
だから文字通り秩序・正義というか、このアルバムによって世界を変えてやるという思いでつけてます。
孝哉 : 色々なタイトル案があって、メンバー全員が考えてひねって出しても結局、大体どれもテーマ的には「正義」とか「最高」とか、そういう俺らの中で一番良い、すごいという意味合いのタイトルをつけたいということになり、最初に克哉が言っていたタイトルが一番しっくりきたのでこうなりました。
『Allium』もそうですけど、今後何を出すにしてもあまりテーマは変わらなくて、このバンドはそういうスタンスでこれからもやっていくと思っているので。前作の時点でも思ったんですけど、今の自分たちの状況というか、まあ活動期間もまだ長くはないですけどこれだけすごい作品を出しているのに、これでも世間にスルーされるんだとか、こんなにこだわって作られた音楽を聴いても「〇〇に似てるね。」とか「〇〇っぽいよね。」みたいに、本質的にも明らかに全く違うものと並べられて語られてしまったりだとか。自分はエゴサーチとか全然しないんですけど、周りの人から会話で出てきたりするわけじゃないですか。勿論全員がそうではないんですが「あの曲のあそこが~。」とか感想を頂いたりしても、「いや、全然そうじゃないじゃん。」とか思ったりすることは自分でもよくあるんですよね。
今回のアルバムも、ここまでの作品なら誰も何も言えないだろうという気持ちがやはりメンバーみんなあるんです。世間からも内部からも外部からも何も言わせたくないという気持ち、「黙って聴け!」くらいの気持ちがあるので。語弊を生み出したくないので言っておくと感想を頂けるのは嬉しいですし、これも勿論本当に全ての方面に対してそう思っているというわけではないですが、結果的にタイトルの意味合いも引き続きこのような感じになりました。
-早速本作を一聴したのですが、これまで各メンバーが培われてきた数々の新旧のヘヴィミュージック・テクニカルなアプローチを感じつつ、更に歌・メロディのメリハリが出てきたように思います。「1を聞いたら10が出てきた。」的な。ありそうで無い、これからのスタンダードになりうるであろうハイブリッド・DiverCore的要素を感じました。
皆さん視点で本作の聴きどころを語ってください。陰から陽の要素を駆け抜ける、物語的印象も感じました。
【リリース情報】
■SLOTHREAT 1st FULL ALBUM 『THEMIS』
2020年9月25日発売
※9月25日より各ストリーミングサービスでも配信開始。
※THEMIS (Instrumental Edition)の配信リリースはございません。
【収録曲】
01.現人
02.ILLUMINATE
03.Deceive & Leave
04.Face It
05.明滅する記憶の代償
06.氷面鏡
07.軀謳
08.Daybreak
09.What are we for?
10.LIVE FREELY
<CD (SLOTHREAT公式通販限定)>
・THEMIS (2CD) ¥3,500(税込)
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