Ailiph Doepa インタビュー

Ailiph Doepa インタビュー

アイガーゴイル : タイトルは、特に深い意味はないんですけど……。僕らは活動の上でプロジェクトを立てているんですよ。近い目標を立ててそれに向けて動くっていう、漫画でいうと○○編みたいな、そういうスパンで、それにちなんだ活動をするっていうことをここ2、3年でやっていて。最近だと去年の10月くらいから、Project Airっていうこの世に存在しない架空のシングルを発売するみたいなことをやっていて、それに収録されている3曲のPVを3連続で出すっていうことをやって、架空のシングルを引っ提げてAir Tourみたいなこともやったんです。本当はそのツアーもやらない予定だったんですけど、アイデアが上手くまとまらなくて、普通にやりました。それで結構みんなから、「Machu Picchuとか入ってるCDないんですか?」とか、「架空なんですか?普通に売ってくださいよ。」って言われて。

俺の中ではAir Tourからの『OXYGEN』っていう流れはできていたので、まあそこでは言わなかったんですけど、Airというプロジェクトを出オチにしないため、しっかり最後に回収するために『OXYGEN』というものを出して、完結させようかなと。だからこのタイトルはAirの延長線上です。こじつけてるだけなんで、酸素がどうのこうのとかはここでは述べないですけど。まあきれいな意味を付けるのであれば……酸素って無くてはならないものなので、そんな無くてはならないアルバムをどうぞ、聴かないと死んじゃうよ、耳から摂取しようね、みたいな(笑)。ある意味みんな酸素中毒だと思うので。中毒性という意味を孕んだメタファーです。

実際仕上がりとしても、耳もたれするぐらいにめまぐるしい作品になってると思うんですけど、最後まで聴いてからまた最初の「Machu Picchu」が始まったら、「あれ、何回でもいけちゃうな。」みたいな、こってりしてるけどあっさり聴けちゃうみたいな仕上がりにはしたつもりなんで、皆さん楽しみにしてください。

 

どこからどう切ってもドーパとしか言えない作品が出来上がりましたよね。皆さん視点での本作の聴きどころを教えて頂けますでしょうか?

 

パプリカ : 今回はドーパの新境地ですね。本当にジャンルレスで、とことん変態で、聴きやすいところは聴きやすくて……。ね、難しいね。本人ですら語るの難しいんで聴く方はヤバイと思いますよ(笑)。おすすめ曲は……全部名曲ですね。全部シングルカットされてもおかしくないんじゃないかってぐらいクオリティが高いです。どのジャンルが好きかで変わってくると思います。

 

アイガーゴイル : 俺が意識してるのは、人が立っているとして、丸いテーブルが俺らの音楽だとすると、ゲートがいっぱいあるんですよ。どこから入るか、みたいな。「Shimokitazawa」だったらJ-ROCKとか……急に話し変わりますけど、最近コミック系邦ロックみたいなの結構多いじゃないですか。あんまり名前とか出したくないんですけど、OOOOとかXXXXとか、曲中でふざけてなんぼみたいな……小学生でもかけそうな歌詞でひたすら繰り返すみたいな、ああいうのが大嫌いなんですよ。「Shimokitazawa」はネタで作った曲で、「あぁ……どうせディスられるんだろうな……。」と思ってたら、意外と評判良かったので、日本の民度はこんなもんかと(笑)。

 

 

それで、話戻りますけど「Shimokitazawa」から入る人もいれば、「Mars」っていう極端な別ベクトルの、シンフォニックでメロデスでド変態なのもあるし、海を感じるサンバビートな「Poseidon」とか、あとはオシャレでジャジーでブルージーでブロードウェイで気持ちが悪い「Lemon」とか……たくさんゲートを建てていって、どこから入るかはあなた次第っていう。

 

 

いろんなバンドがあるんですけど、大体推し曲ってみんな一緒なんですよ。だから、聴く人によって、その人の中での代表曲が違ったら面白いなって思っていて。あえてとっちらかして風呂敷を広げまくってて、Ailiph Doepaっていうバンドの輪郭はぼやけているんですけど、これは意図的にぼやけさせているんです。自分の好きなものは他の人と一緒じゃなくて、自分で選んでいいんじゃないと思いますね。

 

パプリカ : 知ってる限りこんなバンドいないですよ。

 

アイガーゴイル : 雑貨屋、音楽界のヴィレッジヴァンガードみたいな(笑)。みんなが同じものばっかり聴いててもしょうがないので。まあそういうのもありっちゃありですけど。ライヴでもお客さんを見てると……まあ人気度高い曲ってどうしてもあるんですけど、人によって自分の中のトップ3が違うなって見てて思います。1曲コアな曲やったりするとみんながポカーンってなってる中で、何人かワーッとなってたりして、お前はこれが好きなんだなみたいな、人によって違ったりするのが面白いと思います。どのバンドでもそういう現象はあるのかもしれないですけど、ウチらはそれがより顕著かなと。

まあこの国においては「Shimokitazawa」が良いのかな(笑)。本当はアルバムに入れる予定じゃなかったんですけど、ファンサービスで入れることにしました。俺も最初は全然好きじゃなかったんですけど……養子をとったら他人の子供でもかわいく思えてきちゃった現象で、やってるうちに愛着湧いてきちゃいました(笑)。元はボーナストラックだったんですけど、ちゃんと本編に昇格させてあげました。何かと人騒がせな曲だと思いますね、我ながら。

自分のおすすめ曲は「Lemon」です。過去最強に気に入ってるので。スーパーかっけえな、誰だこの曲作ったの、俺じゃん、みたいな(笑)。最高にキャッチーで最高にイカれてる、無限ループで愉悦に浸れる曲です。今までは「Clean Gas」っていう曲が不動だったんですけどそれをはるかに超えてきて、まだまだ俺のポテンシャルは底を知らないなと。まあリスナーの人は好きじゃないかもしれないんですけど(笑)。大体俺の好きな曲はみんな嫌いなんで。意外とどのバンドに話聞いてもそういうもんですしね。一番人気のある曲好きかって聞くと俺は一番嫌いだって言う人案外いますよ。あなたの知ってるあのバンドもね、みんなイヤイヤやってるかもしれませんよ!

 

-()。ちなみに本作はギッシリ14曲が収録されていますが、制作進行はスムーズに進んだのでしょうか?

 

アイガーゴイル : 今回は2016年に出した『MARS』からの曲もバンバン入れてるので、レコーディング自体は大変じゃなくて。『MARS』と、その次に出した『BONUS』に入ってる曲と、今回の『Air』もCDこそ出さなかったですけど音源はもう録ってありまして。蓄積されてきた音源があって、それを8曲入れてプラス新規曲を6曲入れたので、人によっては「既発曲ばっか入れやがって!ほとんどPVで見れる曲じゃねえか!」って思うかもしれませんけど、そういう人たちにとってはある種、6曲未知の曲が入ってるミニアルバムぐらいの雰囲気ですよね。別にそれでもよくて、俺はPVが出てるに越したことはないなって思うタイプの人間なんで。とりあえず今の僕らに出せるマックスボリュームのアルバムを出そうと思ってとりあえず全部ブチ込んで、前の曲を知っている人は新しい6曲を楽しんでもらって、知らない人は14曲のフルボリュームを楽しんでもらえればいいなと。

スタジオは、昔からやってもらってる個人経営のthe hell valley STUDIOっていうところですね。新宿の某スタジオと名前が一文字違いの怪しいスタジオです(笑)。

 

なるほど。ちなみに、本作からはたくさんのMVが事前公開されていらっしゃいますが、中でも「Machu Picchu」は今までのセルフ方式とは違って、外部の制作によるものですよね。

 

 

アイガーゴイル : バンド史上一番大掛かりな撮影でしたね。お金ももちろんかかりましたし。今まではB級の、映画で言えば『死霊のはらわた』とか「シャークネード」みたいな、ショボイなりに頑張ったPVしか出してなかったんですけど、「Machu Picchu」でしっかりお金が出て、カメラマンの人数も、今まで1カメとかで撮ってたのが6カメぐらいに狙われて。こっちも気合入れて、何回も何回も何回も白スタでやってて、「こんなん死んじゃうよー、もうやめてー!」みたいになりながら、長い時間かけてああでもないこうでもないと編集してもらって。今までは脚本を大体俺が作ってたんですけど、今回は撮る側の人がいろいろ考えてくれて、お金かけるとやってくれるんだなっていう、そこに一番びっくりしました。CGもいっぱい使ってもらって。

最近はどのバンドもPVのクオリティが高いので、いままではイベントとかのダイジェストで、俺らのPVがバーンって出た時に、いっつも俺らだけしょぼくて、「Machu Picchu」が出たことによってやっと映像と音で勝負出来るようになったので、バンドとしてのランクが上がったなと。ただ「Machu Picchu」って言いたいだけだったんですけど(笑)。まあターニングポイントにはなったかなと。これのおかげでDEAD POP FESTiVALに出られたといっても過言ではない……ような気もしなくもない。たぶんきっとそういうことなんだろうなと。SiMのMAH(Vo)さんも、「3年間応募してきてたけど……今年はようやく出してやるか!」と言っていたので。「Machu Picchu」のクオリティ高いPVを出せたことによって認めてもらえたのかなと。そろそろ世に出しても恥ずかしくないんじゃないかみたいな。そういう、ある意味名刺代わりのPVになりました。おまけにあれだけインパクトもあれば一線を画せるかなと。

 

ありがとうございます。話を広げますと、直近でDEAD POP FESTiVAL 2018に出演されましたよね。あの日の手応えは如何でしたか?

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