ARK STORM (読み方 : アーク・ストーム)
メンバー(LtoR) : 太田カツ(Gt) YUHKI(Key) Mark Boals(featuring Vo) Takuro Matsumoto(Ba) 長井”VAL”一郎(Dr)
HP : https://www.arkstorm.net/
太田カツ Twitter : https://twitter.com/katsuohtainfo
ジャパニーズ・ネオ・クラシカル・メタルシーンの雄、ARK STORM。長らくの沈黙を経て、彼らは再び復活の狼煙をあげた。
2017年12月、約13年ぶりの『Voyage of the Rage』のリリースを発表、そして2018年1月、第3期メンバー体制での活動を発表した。
今回の第3期体制は、日本のシュラプネル系ギタリストの中でも、類稀なるテクニックとメロディセンスを持つリーダーの太田カツ(Gt)を筆頭に、第1期体制からARK STORMを支えて来たYUHKI( Galneryus / ALHAMBRA )、近年GRANRODEOのライブサポート活動でも知られるジャパニーズ・メタルシーンの名ドラマー長井”VAL”一郎(325 Fire)、若干20代前半ながらも折り紙つきのテクニックを持つベーシストTakuro Matsumoto(325 Fire)と、実力派の4人が勢揃い。そしてゲスト・ヴォーカルとして、YNGWIE MALMSTEENやROYAL HUNT、RING OF FIRE等の活動で知られるMark Boalsを迎え、『Voyage of the Rage』は制作された。
今回TOPPA!!編集部は、『Voyage of the Rage』をリリースしたARK STORMに対し、改めてバンドの歴史や、今回の第3期メンバーでのスタートのきっかけ、本作の聴きどころ等、リーダーの太田カツ氏に向けてメールインタビューを実施した。
文 / ARK STORM 編集 / 宮久保 仁貴 写真 / ©Kenji Kiyama, Thais Boals
-TOPPA!!初登場という事で、改めてバンドの歴史を教えて下さい。
太田 : 1998年インディーズ時代に、当時良く関わりがあったマンドレイク・ルート・コーポレーションというレーベルから、私宛に「ソロアルバムを出さないか」という話を頂きました。翌年、1999年に『The Right Brain Revolution (ザ・ライト・ブレイン・レボリューション)』というソロアルバムを出しました。形式的にソロアルバムではあったのですが、これを機にバンド形態にしようという想いが強くなって行きました。このアルバムでサポートしてもらったのがYUHKI(Key)です。
その後、キングレコードより2002年に第1期メンバーのARK STORMとして、1stアルバム『No Boundaries (ノー・バウンダリーズ)』をリリースしました。翌年2003年、第2期の固定メンバーに、長井”VAL”一郎(Dr)、瀧田イサム(Ba)、YUHKI(Key),佐々井康雄(Vo)が加入し、2ndアルバムBeginning of the new Legend (ビギニング・オブ・ザ・ニュー・レジェンド)をリリースしました。この体制で、翌年2004年に3rdアルバム『The Everlasting Wheel(ジ・エバー・ラスティング・ホイール)』をリリースしました。2009年には、私自身のソロアルバム『Eternal And External (エターナル・アンド・エクスターナル) 』をリリースし、2012年にはアークストーム初のライブDVD 『HIGH VOLTAGE WARNING 2012 (ハイ・ボルテージ・ウォーニング)』をリリース、2013年にベストアルバム『THE ULTIMATE〜THE BEST OF ARKSTORM (ジ・アルディメット~ザ・ベスト・オブ・アークストーム)』をリリースしました。そして、2018年1月に第3期メンバーとしてTakuro Matsumoto(Ba) 長井”VAL”一郎(Dr) YUHKI(Key)が加入し、2月VOYAGE OF THE RAGE (ヴォヤージ・オブ・ザ・レイジ)を発売しました。
–バンド名の由来を教えて下さい。
太田 : ARKSTORM(アークストーム)の名前の由来は、ARK(アーク)は秘宝とか箱舟とかで、文字通りSTORM(ストーム)は嵐、そこで秘宝が嵐のようにやって来るみたいな意味合いを含めてつくりあげた名前(造語)なんです。
–今年2018年1月には第3期メンバーの発表がなされましたね。
(太田カツ(Gt) Takuro Matsumoto(Ba) 長井”VAL”一郎(Dr) YUHKI(Key))
今回第三期メンバーに至った経緯を教えて下さい。
太田 : 2013年に前任の佐々井康雄(Vo)がアークストームを脱退してから新しいヴォーカリストをオーデションしてきましたが、佐々井康雄を超えるほどの個性あるヴォーカリストはいませんでした。そんな中、一身上の事情がありまして、私自身が身動きが取れなくなってしまったんです。この状況でバンド活動を続けるのは厳しいと考え、表向きには発表していませんが、私以外のメンバーには一度脱退してもらったんです。
そして、諸々を経て2016年後半から、また私自身がまた少し活動できるようになってきたので、少しずつではありましたが曲を書いていたんです。そんな中、年明けすぐに、今回のMark Boals(Vo)との制作の話が進んでいきました。その時点では太田カツのソロアルバムにするつもりだったんですが、やはり私にはバンドで動きたい気持ちがありました。そして、アークストームとは別に活動している325Fireというバンドがありまして(※2017年の1月にVAL(Dr)さんと立ち上げたバンドです)、そのメンバーがTakuro (Ba)君とVAL(Dr)さんなんです。こちらのバンドが本格的に活動し始めたのは昨年の11月からですけどね。
Takuro君がアークストームに加入したのは昨年の12月ですね。325Fireで音を一緒にだしてみて、当然なんですがボトムがしっかり有るのが魅力ですね。彼はベースの役割りをよく理解していると思いますよ。彼との出会いですが、彼はドラムのVALさんの行きつけのスタジオの受付をやっていたんです。そのスタジオでOZZY OSBOURNEがBGMでかかっていました。VALさんが「OZZYなんて聞くの?」ってTakuro君に聞いたら、彼自身親父の影響でハードロックが好きな人間だという事が分かり、VALさんの紹介で325Fireに入りARKSTORMにも入る事にもなったわけです。
YUHKIには、昨年の1月に、私のソロアルバムを作るから参加してもらえないかという事で、VALさんと食事している時に直接電話しました。彼とは電話でのやり取りはこまめにしていましたが、再会したのは8月のドラム録りの時でしたね。子供みたいに興奮していましたね!
–今回、約13年ぶりのニューアルバム『VOYAGE OF THE RAGE』のリリースおめでとうございます!本作の聴きどころを教えて下さい。
太田 : バリエーションに富んだ曲が収録されているので、全曲聴いてほしいですね!ヘヴィーなナンバーや軽快なナンバー、泣けるバラード、ブルージーで明るい曲、その他にも色々な曲が入っているアルバムです。今回ヴォーカルを、ドラム、ギター、キーボードでオールドスタイルではありますが流動的に絡めて作ったつもりです。私なりに聴いていて気持ち悪い部分はほぼ無いです。それだけに1曲目から10曲目まで通して聴けると思います。是非1曲目から10曲目まで曲順通り聴いていただきたいです。
–本作はYNGWIE MALMSTEENやROYAL HUNT、RING OF FIRE等の活動で知られるMark Boals(Vo)がゲストとして参加されていますね。こちらの経緯を教えて下さい。
太田 : 昨年の1月に、私が夜に酒を飲んだ勢いで知人にメールを送ったんです。「誰か外人で良いヴォーカル知り合いいないか?」ってね。するとすぐに知人からメールが帰ってきて、「Mark BoalsとJoe Lynn Turnerだったら連絡付きますよ。」って言うので、マーク・ボールズに向けてメールを送ってもらったんです。そうしたら次の日返信があり、「今までの曲を聞かせてもらえないか」という事で、ARK STORMの数曲のデータを送りました。その結果……答えはOKでした!後で考えたら恐れ多いことをしてしまった……と思いましたが(笑)。ただ、了承して頂いたからには、やるしかないなと思い、今まであった曲をMark Boals用にアレンジしたり、当然Mark Boals用に曲も作り、そして本作『VOYAGE OF THE RAGE』の制作が加速していきました。
-本作はどちらでRECされたのでしょうか?ミックス・マスタリングはどなたが担当されましたか?
太田 : ドラムはStudio ALIENA (スタジオ・エリアーナ) という場所で録りました。アンビエンスがきれいに録れる素晴らしいスタジオです。
Studio ALIENA URL : http://www.alienrecords.net/studio/
キーボードは自宅でライン録りです。ギターは自家製の特殊なサイレントスピーカーでマーシャルを鳴らして録りました。歌はMark Boalsに曲のパート毎のWAVデータを送り、データでやり取りしました。ミックスとマスタリングは、キングレコードの担当の方が行いました。
–話は脱線しまして、最近触れた中で感銘を受けたアーティストを教えて下さい。
太田 : やはりMark Boalsですね。今回のアルバムに入っている曲で、最初にマーク・ボールズから送られてきたTrack.2「Ablaze」を聴いた時の感動は忘れられませんね。衝撃的でした!単体の歌だけを聞くと物凄くドライブがかかっていて声に倍音成分がかかっているのに、楽曲に混ざると滑らかで艶のある歌声に聞こえるのが本当に不思議でした。
–昨今のメタルシーンの在り方について感じるところを教えて下さい。
太田 :メタルに限らず最近、音楽が機械化していることに違和感を感じています。ヘヴィ・メタルでもハードロックでも良い音楽は沢山有ると思います。私が大好きなGARY MOOREやその他にもね。ただ最近メタルそのものが曲芸化していっている気がしますね。高速スイープが速くて凄いんだけど印象に残らないとか……70年代の音楽には凄く情景が見えてた気がします。例えば、DEEP PURPLEの「Highway Star」の早弾きの部分なんかは、高速道路で周りの車を抜いていってく情景が浮かぶんですよね!あれがいいんだよなー……いや~本当にね、「生々しさよ、よみがえれ!そしてパソコンに負けないで!」と言いたいです。これだけスマホが普及すれば頭の中は情報に溢れるでしょう。画像や言葉の洗脳に侵され音を聴く能力も下がってくるでしょうし。みんな本当に音を聴いてるのかな.……そんなことを少しだけ今のメタルシーンに言いたいところは……あるかもですね(笑)。
–今年で結成から17周年を迎えられますね。
今年の抱負を教えて下さい。
太田 : 結成20年に向けて1年に1枚のアルバムを出せていけたら最高です。そしてやはりライブを実現したいですね!メンバー個々での活動も忙しく、ライブはこの時点では決まっていませんが、何とかMark Boalsを日本に呼んでライブをやりたいですね!
-TOPPA!!読者へのメッセージをどうぞ。
みなさま!このインタビューをお読み頂きありがとうございます。
これからもARK STORMをよろしくお願い致します。
そして是非アルバムを買って聴いてみてください!
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