E-Ⅱシリーズ / 株式会社ESP マーケティング開発室 菅田雄一氏 インタビュー

ESP GUITARS JAPAN
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ギター及びベースを志す人間にとって、必ず一度は目にした事がある楽器メーカー、ESP。本ラインESPを軸に、NavigatorやEDWARDS、GrassRoots等のブランド、そして数々の名アーティストのシグネイチャーモデルをリリースされている。いずれのブランドも知名度は勿論の事、そのスペックも折り紙つきであり、国内外問わず数多くのプレイヤーが愛機としてセレクトしている。

そして、今回ご紹介させて頂く「E-Ⅱ」シリーズもESPブランドの中の一つだ。元々ESP USAが開発をスタートした当ブランドだが、今ではここ日本でもラウド・メタルシーンを中心に、根強いファンベースを築いている。近年では、2016年に期間限定で発売されたBABYMETALとのコラボレーションモデルである「ARROW-7 BABYMETAL」で、ブランドの事を知ったユーザーも多いのではないだろうか。

今回、E-Ⅱのギアとしてのスペック詳細や、日本ローンチ時の逸話等を聞くべく、株式会社ESP マーケティング開発室所属の菅田雄一氏に対し、メールインタビューを実施した。

文 / 菅田 雄一 編集 / 宮久保 仁貴


 

-まず初めに菅田様の簡単な自己紹介、及び貴社内(ESP)内での業務内容をお教え下さい。

 

菅田 : はじめまして、株式会社ESPにて、マーケティング開発室に所属しております菅田と申します。元々自分はESPミュージカルアカデミーのギタークラフト科(※現ESPエンタテインメント東京 楽器技術科ギター製作コース)に通っておりました。その後、卒業と同時に同校講師となり、後進の指導に携わっておりました。その後、ご縁がありまして、ESPマーケティング開発室に異動となり、現在に至ります。主な業務内容は自社ウェブサイトの運営管理、弊社エンドースメントアーティストの使用する楽器のケア、新商品開発など多岐に渡ります。

 

-それでは、貴社がリリースされていらっしゃいます各ブランドのご紹介、そしてE-Ⅱブランドの歴史を教えて下さい。

 

菅田 : まず、弊社のブランド構成についてお話しさせてください。弊社には価格帯に分けられたブランドがいくつか存在しています。設立当初のブランドで、現在はトラディショナルモデルのみをリリースしているNavigatorと、会社名でもあり全ての核となっているESPがございます。そして、ハイコストパフォーマンスモデルのEDWARDS、エントリーモデルのGrassRootsとなります。ざっくりと50万円程から5万円程と、かなり幅の広い価格帯を網羅しています。他には海外市場を中心に展開しているLTD(※EDWARDSからGrassRootsまでのクラスと同等)があります。こちらは数機種のみ日本市場でも販売していますが、原則として海外市場のみで販売しています。

そして、E-Ⅱに関しては、まずはじめに立ち上がりからご紹介させて頂きます。触れ弊社内で多くのブランドがある中、海外ユーザーからESPとLTDとの間を埋めるブランドを求める声が多くあり、新しいブランドを立ち上げることになりました。それがE-IIシリーズになります。

その後、同シリーズはESP USAが主導して企画開発を行うブランドとして正式に動き出すことになり、2014年に正式に全世界で販売をスタートしています。日本の位置付けは、ESPオリジナルとEDWARDSの間のクラスになります。基本的にはESPの代表機種であるHORIZONやECなどを展開していますが、ESPにはない、E-IIのみの仕様で展開しているモデルも数多くあります。

 

-現在E-Ⅱシリーズは国内外問わずメタル/ラウド系ミュージックシーンを中心に、有名アーティストがエンドースを受けていたり、シグネイチャーモデルをリリースされていらっしゃいますね。いずれも素晴らしいアーティスト様が使用されていらっしゃいますが、こちらの基準はございますか?

 

菅田 : よく聞かれる質問なのですが、我々は特に基準を設けている訳ではありません。ただ、これまでの歴史の中で、特にUSAやEUではハードロックやヘヴィメタル、最近ではラウド系と呼ばれるエクストリームロックのアーティストに好まれて使用されてきた実績がございますので、ESP=メタルギターの印象が強いのかもしれません。それはデザインやカラーリング、そしてサウンドに顕著に現れていると思います。確かにメタル以外のジャンルでは少々使い辛いかもしれません(笑)。

 

-それでは、E-Ⅱシリーズのギター/ベースならではの特色/こだわりを教えて下さい。

 

菅田 : サウンドが優れているのは当たり前、大前提ですので、あえてそこに注力はしていません。つまり、サウンドが優れていない楽器は弊社のラインアップに存在していない、と言う事です。サウンド以外での重要なポイントとなると、ボディシェイプやヘッドシェイプを含めルックスがカッコいいかどうかでしょうか。やっぱり自分が弾いていてテンションのあがる楽器を使いたいと言いますか。

そして、カラーリングも重要です。先の質問でも出てきた音楽性のアーティストが多く使用していますので、どうしてもソリッドで暗いブラック系のカラーが多くなります。ここ最近はサテン系(艶消し)の塗装が好まれています。他にはいわゆるフレイムやキルテッドメイプルなどの杢目が出ている木材をトップに使用しているモデルに関しては、杢目が際立つカラーリングになるのですが、こちらも豪華なルックスで人気は高いですね。

サウンドの核となるピックアップに関しても出力が高めのモデルを搭載している機種が多く、パッシブタイプではSeymour DuncanのSentinentやNazgulなど、多弦に焦点を当てて開発されたものや、モダンヘヴィネス系に愛用者が多いBare Knuckle、アクティブタイプでは定番のEMGや、最近登場したFishmanのFluenceなどを採用しています。

 

-話は変わりまして、昨今の音楽シーンで勢いのあるアーティストや、今後の楽器シーンの流行 / 近年のギター/ベースキッズシーンについて思う所をお教え下さい。

 

菅田 : 正直、ギターやベースがいるバンドスタイルでずば抜けて突出しているアーティストはいないと思いますね。バンド単位で見た時にはものすごい人気なのですけど、プレイヤー単位で見た時に弱いですよね。それこそ憧れてギターやベースを始めようと思えるアーティストがいないというか。ゼロではないと思いますが、目に見えてこう、盛り上がってる感じは個人的に受けないです。いわゆるヒーロー的な位置にいるやミュージシャンがいないんだろうと。やっぱり楽器を始めるきっかけは「あの人みたいに弾いてみたい」っていう憧れだと思うんです。

そして、若年層の絶対的な人口減少も感じます。今は面白いものが周りにたくさんありますからね、その中でギターやベースってなかなか選択肢に入ってこないと思うんです。「難しそう」と言う声をよく聞くのですが、スポーツにしてもゲームにしても初めては何でも難しいと思うんです。その中で、面白い、楽しいことを見つけて行く事で楽器に興味も湧いてくるだろうし、上達していけるのではないでしょうか。是非、ギターやベースにも挑戦して欲しいです。やっぱり好きな曲を弾けるようになると楽しいですよ!

 

-それでは、今までのE-Ⅱシリーズのプロモーション活動の軌跡をお教え下さい。
また、日本ローンチから現在に至るまでの中で、一番印象深かった出来事をお教え下さい。

 

菅田 : 2014年の発売と同時に多くの弊社エンドースメントアーティストに使って頂き、プロモーションにご協力頂きました。実際にアーティストが使用している姿を見るのは、かなりの説得力がありますよね。「プロが使えるレベルの楽器なんですよ!」と、わざわざ説明しなくても立証されていますから。おかげで楽器自体の認知度も相当上がりました。発売当初の実売も好調で、よいスタートが切れたと思います。

2016年に期間限定で発売したBABYMETALとのコラボレーションモデルである「ARROW-7 BABYMETAL」は、7弦ギターにも関わらず爆発的なヒットを記録しました。もちろん、BABYMETALの人気の高さがあっての事ですが、楽器自体のクオリティもユーザーが納得できるものだったのではないかと自負しています。そして、E-II全体で言えば、4年経った現在でもコンスタントに売れています。

 


※現在は受注終了。

 

-今年の貴社の抱負を教えて下さい。

 

菅田 : E-IIに関して言えば、毎年1月にアメリカで開催されているNAMMショーで新製品を発表していますが、今年発表したモデルも早々にご好評を頂いております。やはりロックに特化したモデルにはなってしまっておりますが、もっと他のジャンルの方にも使って頂きたいです。日本国内には6月頃より徐々に出回ってくると思いますので、店頭で見かけた際は是非お試しいただければと思います。必ず満足できるものと確信しております。

 

ESP GUITARS JAPAN E-Ⅱ 2018 NEW LINEUP : http://espguitars.co.jp/productinfo/6854/

 

また、近年では日本国内やアジア限定で発売しているモデルも少なからずございますので、常にホームページなどをチェックしていてくださいね。

 

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-この度はお忙しい中、ご回答頂きまして誠にありがとうございました!それでは最後に、音楽業界ひいては楽器業界で働きたいと考えている方へのメッセージをどうぞ。

 

菅田 : 音楽業界自体は幅広いですが、楽器業界は思った以上に小さいこじんまりとした業界です。その中でも大きく分けて、製造(楽器を作る)、卸(完成した楽器を小売店に卸す)、販売(お客様に販売する)とあるのですが、弊社ではすべての業種を行っています。これらの業種のうち、どの仕事に就きたいのか、明確に目標があった方が良いかもしれませんね。とは言え、製造に関してはある程度の知識や能力がある方を採用する傾向にあり、その為にクラフトスクールに入学して勉強するのも一つの方法です。卸や販売に関してはアルバイトから始めることも可能ですから、興味のある方は是非働いてみてください。

とにかく、「自分が業界をひっくり返してやる!」ぐらいの気持ちがある、タフな方をお待ちしてます。我々もその位の気持ちで日々取り組んでいますので。