佐々木恵梨 (読み方 : ささきえり)
HP : http://erisasaki.net/
Twitter : https://twitter.com/eri_lattice
佐々木恵梨は東京で活動中の作詞・作曲家・バイオリニスト・ヒーラーソングライター。彼女の音楽的キャリアを紐解くと、京都のジャズ・ポストロック・ハードコアバンドLatticeのVo/ Vlnとして音楽活動をスタート、その後作詞・作曲家・バイオリニストとしても活動し、2015年にはテレビアニメ『プラスティック・メモリーズ』OPテーマ「Ring of Fortune」でソロシンガーとしてデビューを果たした。また、近年ではTVアニメ『ゆるキャン△』EDテーマ「ふゆびより」の作詞・作曲・歌を担当、この他プログレッシブメタル/カオティックハードコアバンドCYCLAMENの楽曲「Choices (ft.Eri Sasaki)」に客演等、幅広い活動を行なっている。
今回TOPPA!!編集部は、改めて佐々木女史の生い立ちから音楽的ルーツ、『ふゆびより』リリースにまつわる逸話、近年の活動等、良い意味で「ゆるい」スタンスの彼女の諸エピソードを聞いた。
取材・文 / 宮久保 仁貴 編集 / Chisato
-TOPPA!!初登場と言うことで、まずは佐々木さんが音楽を始めたきっかけを教えて下さい。
佐々木恵梨:音楽を始めたきっかけは3歳の時に始めたバイオリンですね。ちょうどその時期に周囲がエレクトーンとかを習い出した時があって、その時にうちの親も何か楽器を習わせたいと思ったみたいです。それで、親から「皆と一緒にエレクトーンやる?」みたいな感じのことを言われたんですけど、「みんなと一緒は嫌だからバイオリンがいい」って言ってバイオリンを習い始めました。最初はクラシックをやりつつ、高校の時まで続けていましたね。
-最初に音楽を聴き始めたきっかけはどのような感じでしたか?
佐々木恵梨:中1の時に近所にできたタワレコで、洋楽のCDを初めて試聴して、「かっこいい……!」ってなって……そこから色々な曲を試聴しに行くようになって買ったりとかしてましたね。
-ちなみに当時聴いていた洋楽とは何だったんでしょうか?
佐々木恵梨:その当時はAVRIL LAVIGNEの最初のアルバム『Let Go』が流行った時期だったんですけど、私もそれに倣って、AVRILやSTACIE ORRICOなどの歌姫系を聞いてました。ちなみに初めて聴いてはまった洋楽は、ラジオで流れていたMICHELLE BRANCHとSANTANAの「The Game Of Love」です。
-AVRILは当時めちゃくちゃ流行りましたよね!そんな中、歌に魅せられて佐々木さんは音楽を聴き始められた訳ですが、同時にバンド活動も行われたとお聞きしています。始められたきっかけを教えて頂けますでしょうか?
佐々木恵梨:その後高校に進学しまして、軽音部はなかったんですけど、文化祭の時だけバンドをやって良かったんです。その時に帰宅部の女の子たちとバンド組んで、コピバンとかやってたんですよ。
-どんなバンドのコピーをされてたんでしょうか?
佐々木恵梨:その時はLILLIXっていうカナダのガールズバンドですね。後は皆が知ってて盛り上がるだろうという事でMONGOL800とかポップな感じのYUIもコピーしていました。
-そこから進学で大学は京都に行かれたと思うんですけども、そこでもバンド活動されていらっしゃいましたよね?
佐々木恵梨:そうですね。大学に進学してEMBG(京大公認軽音サークル)というサークルがありまして、そこに入ってからは変拍子だとかポストロック的な音楽をやり出しました。
-京都でプログレッシブロックが出来る屈指の軽音楽サークルですよね!佐々木さんは大学に入ってからプログレッシブなもの等に触れられたということでしょうか?
佐々木恵梨:はい、そうです。その時まではポップスばかり聞いてたんですけど、入部してからは先輩方に「これを聞け!」とジャズとかポストロックとかハードコアとか、今まで聴いたことないジャンルの音楽をオススメされました(笑)。そんな訳で、このサークルでそういうジャンルのコピーをやったりする機会も多かったですね。
-Latticeもその当時に組まれたんですよね?
佐々木恵梨:よくご存知ですね(笑)!Latticeについて触れると、今までのバンドって、歌モノだったらボーカルとそれ以外、みたいな風潮が多い気がしてるんです。でも、Latticeはボーカルも楽器も全て平等に聴けて、楽器がちゃんと仕事をしていることが分かる音楽にしようと考えていました。そして、あまり人のやっていないことをしようっていうところも考えていましたね。それぞれの得意分野を組み合わせて、バンドをしたらどうなるかっていうところもありました。
それというのも、Latticeのメンバーって全員好きな音楽ジャンルがバラバラなんですよね。当時の私は洋楽のR&B、ポップスとかが大好き。ドラムの人はハードコアとジャズが好き。2人いる鍵盤のうちの1人目はクラシック上がりで、ポップスもジャズも聴く人で、2人目はポストロックも大好きみたいな人。そして、ベースはブルースが好き……みたいな。ルーツがバラバラなメンバーだからこそ、という部分もあったと思います。
Lattice SoundCloud : https://soundcloud.com/lattice-1
-Latticeは不思議なバンドでしたよね。ジャズやポストロックやハードコアやら、シーンの垣根を超えて活動されていたので凄く印象に残っています。
それでは、その後大学を卒業をしてから今にいたるまでの経緯も教えて下さい。
佐々木恵梨:大学の4年の時に音楽をやりたいと思って休学してたんですよ。当時同級生はみんな就職活動をしていたんですけど、私は「自分が就職できるわけがない!」と思って音楽の道を選びました。その休学した1年間で曲作りを学んで、5年生で卒業しました。
休学していた頃の最後の方はオーディションとかを受けていて、その時期に今所属している作家事務所のSMP(※Sony Music Publishing)に出会いました。この時期に裏方と言うのか、楽曲提供とかの仕事もあるんだっていうことを初めて知りましたね。卒業してから半年か1年くらい、そのまま京都で作詞とか作曲提供の仕事をリモートでしていましたね。
-上京はどのタイミングでされたんでしょうか?
佐々木恵梨:今となっては所属していますが、当時MAGES.の5pb.Recordsでリリースされるゲームの曲を書く機会がありまして、そのときに十何曲書いたんです。そのお仕事で引っ越しできるお金が入ったので、そのタイミングで「やるなら今だ!」と思い、上京しました。もう東京に来て4年ぐらいかな……!
–現在生業とされている裏方にあたるお仕事もやりつつ、歌手活動を始めるに至った経緯を教えて下さい。
佐々木恵梨:先ほどのゲーム楽曲を作っていた時、作詞作曲以外のコーラスや仮歌も私が担当していたんです。そういうところで、関係者の方から、「歌える人なんだ!」っていう認識を持って頂いたみたいなんです。それがきっかけで、2015年のテレビアニメ『プラスティック・メモリーズ』のOP曲のオーディションを「ぜひ受けて下さい!」って声かけてもらいまして。そしてオーディションを受けた結果、主題歌「Ring of Fortune」を歌うことになりました。
-何がきっかけになるかわからないものですね!それでは、作詞作曲から歌手活動までこなす佐々木さんがシンガーとして影響を受けた方をまずは教えて下さい。
佐々木恵梨: う〜ん、本当にただ好きでファンな音楽と、仕事で影響受けてる音楽ってやっぱり違うので難しいんですけど……(笑)。
ただ、シンガーとして世界で一番誰が好きかって聞かれたら、Willemijn Verkaik さんです。私はミュージカルも大好きで、よく観たりするんですが、彼女は『Wicked』というミュージカルのエルファバ役の人なんです。彼女はオランダ人なんですが、初めてドイツ語公演の初演をやって、その後母国でオランダ語の公演をやって、さらにブロードウェイでもその役をやるという……語学堪能ですよね(笑)。
私はその人の歌が大好きで、最近2回来日されたんですけど、どっちも観に行って、出待ちしてサイン貰うくらい好きです。日本だとSalyuさんが好きで、ライブも結構行きました。
-それでは、裏方目線で影響を受けた音楽は具体的にありますか?
佐々木恵梨:一番影響受けているのは、やっぱり洋楽のポップスなのかな〜、と。所謂J-POPはコード進行が職人技みたいになっていて、数学的というかサビで転調するようなテクニカルな感じなので、作るのが難しくて。
私はもっと感覚的でアナログだから、4つのコードのループでAメロからサビまで作れるんですよね。それが洋楽のポップスとかに近いのかなって思ってて。
作曲で影響を受けた人は……これも難しいですね。誰やろか(笑)?本当に色んなジャンルの音楽を聴き漁ってきたので、それぞれのジャンルに影響受けてると思います。
-個々からの影響ではなく、トータルで影響を受けているということなんですね。
佐々木恵梨:そうなりますね。私のルーツがポップスなので、キャッチーで耳に残るものじゃないと、そもそも私が覚えられないから……(笑)。
だからこそ、そういうものを作ってると思います(笑)!
-それでは、活動の事に話を戻しまして、2018年1月~3月に放送された、アニメ『ゆるキャン△』のEDテーマ、兼3rd Single『ふゆびより』の裏話などあれば教えて頂けますでしょうか。
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