兀突骨 インタビュー

兀突骨 (読み方 : ごつとつこつ)
メンバー(LtoR) : 円城寺慶一(Gt) 高畑治央(Ba/Vo) 秋田浩樹(Dr)
HP : http://jp.gotsutotsukotsu.com/
Twitter : https://twitter.com/GotsuMetal
Facebook : https://www.facebook.com/Gotsu-Totsu-Kotsu-%E5%85%80%E7%AA%81%E9%AA%A8-137420836295935/

日本のエクストリーム・メタルシーンを語る上で欠かせないバンドが、埼玉は川越に存在する。ex.DEFILEDの高畑治央により結成された兀突骨だ。「川越の残虐王」の名にふさわしく、デス・スラッシュメタルに特化した爆走&暴虐サウンドで、オーディエンスを音で蹂躙している彼ら。また、彼らの出で立ちもしかり、歴史をテーマにした日本語詞も特徴的で、3人の豪傑的武士が現世に蘇ったかの様な印象を受ける事間違い無しだ。

今回TOPPA!!編集部は、改めて彼らのバンド結成のきっかけや音楽的ルーツ、近年の海外ツアーの手応えなど、彼らの今昔を振り返るインタビューを実施した。

取材・文・編集 / 宮久保 仁貴 写真 / Mizuki Kawamata


 

TOPPA!!初登場ということで、改めまして、バンド結成の経緯、現在に到るまでの経歴を教えて下さい。

 

高畑 : 2000年4月に私主導で兀突骨を結成しました。
当時は4人組のメンバー編成で、実はVoがいたんですよ。
その後、諸々ありまして、Voが脱退し、自分がBa/Voスタイルの今の3ピース体制になりました。
メンバー変遷を経て、2014年の1月に秋田(Dr)が加入、円城寺が2014年6月に加入、この3人の不動の体制で活動しています。

 

バンドとしての音楽的ルーツ、各メンバーの音楽ルーツを教えて下さい。

 

高畑 : オリジナリティのあるメタルをやりたい想いがバンド結成のきっかけですね。結成当時はアジアンチックなサウンド流行っていた時期でもあり、そこの影響も受けつつ、兀突骨はスラッシュメタルに近づいていく形になりました。
また、以前のVoが脱退し、自分がVoとして歌うようになってから、デスヴォイスで歌うスタイルに変化を遂げました。
自分の音楽的ルーツを語ると、幼稚園の年少ぐらいからメタルを聴いて育ちました。

 

メタル歴が長いですね!

 

高畑 : まぁ、兄貴の影響なんですけども(笑)。
IRON MAIDEN、JUDAS PRIESTの正統派から始まりました。

そして、ベーシストとしてジャズやファンクも通りましたが、メタルが一番好きなんだなと今も昔も思います。

今の自分のプレイスタイルに影響を与えたのは、PRIMUSのLes Claypool(Ba)とファンクレジェンドのLarry Grahamですね。スラップに関しては、元SUICIDAL TENDENCIES、現METALLICAのRobert Trujillo、FAITH NO MOREのBilly Gouldですね。

 

兀突骨はおおまかにジャンル分けすると、スラッシュメタルやデスメタル、デスラッシュにカテゴリ分けされますね。ただ、テクニカルなフレーズだったり、ジャズやファンク色の強いスラップ等が他のバンドには無い点だと思います。
高畑さんのルーツを考えると、バンドの骨格となっている要素が感じられました。

 

円城寺 : 続いては、僕のルーツを語りますね。僕の母親がピアノの先生だったんですよ。その影響で小学校までピアノをやり始めたのが音楽活動を始めたきっかけですね。

そこから中学に入り、MEGADETHの影響でギターを買ってもらうんですが、それが間違ってアコースティックギターだったんですよ(笑)。そして、高校に入り、どんどんギターヒーローに憧れてギターの道を追求する様になりました。それこそ、Michael AngeloやMR.BIGのPaul Gilbert、当時ギネス記録で世界一速くギターを弾いた男Tiago Della Vegaですね。

 

 

BURNING IN HELLの元ギタリストですよね!DRAGONFORCEやCELLADORと共に、当時のメタルシーンで大きくフックアップされていましたね。

 

円城寺 : 確か、当時テレビ番組の「世界仰天ニュース」にも取り上げられていたかと思います。一緒にギターをやっていた友達は、彼のサウンドを聴いてただただ「凄い……!」と言っていたんですが、そこで自分は「このサウンドに勝ちたい……!」と思ったんですよ。そこから早弾きを練習するようになりました。
この想いが根底にあり、音楽の専門学校に進んで全てのジャンルを経験し、今では兀突骨との活動と両立して音楽講師としても活動しています。

 

よく円城寺さんの高速シュレッド動画がTwitterでバズっていますよね。1日に平均何時間ギターを弾かれるのでしょうか?

 

 

円城寺: 教える時間を含めれば、最低7時間以上はギターを弾いていますね。

 

秋田 : 自分もジョージさんと同じく、親がピアノの先生でして、小学校の時にピアノを習い始めたのが音楽に触れたきっかけですね。ドラム自体は小学2年生から叩き始めました。

HR/HMの入りは、クラシックなハードロックDEEP PURPLE、BON JOVIから始まりまして、中学生の時には、よりハードロックからへヴィメタルへと方向性が寄って行きました。

プレイヤーとしては、元SlipknotのJoey Jordisonに影響を受けました。
ただ、こういったエクストリームなドラムをプレイするようになったのは、実は結構遅くからなんですよ。兀突骨に入り、高畑さんが「もっと練習しろ!」と言うもんですから(笑)。

 

高畑 : 言うならば、高畑ヨットスクールですね!

 

それちょっとマズいやつですよ(笑)!

 

一同 : (笑)。

 

ところで、昨年は2016年にリリースされた4thアルバム『兵ドモガ夢ノ跡』のリリースツアーで、各所を回られたかと思います。思い出深い土地はありますか?

 

高畑 : カトマンズですね!

 

カトマンズ……確かネパールの都市ですよね?

 

 

高畑 : ネパールとインドを回りましたね。
実際現地に行くまで、これらの国にメタルが本当にあるのか……?!と懐疑的だったんですが、本当にありましたね。メタルシーンもあるし、メタルのイベントもきちんとありました。
向こうはまだまだ発展途上国でもあるので、最初に泊まったホテルでは虫が出たりと大変でした。ただ、シーンが若いだけあって、オーディエンスの盛り上がりが凄かったですね。
とにかく国が変われば、人も違う事を実感しました。忘れられないツアーになりましたね。

 

現地で忘れられないバンドはいらっしゃいましたか?

 

円城寺: ネパールだと、テクニカル・デスメタルバンドのASPHYXIATEですね。2017年8~9月の僕達のツアーに一緒に帯同してくれました。初めて彼らを観た時、「ネパールにもテクニカル・デスメタルバンドがいるんだな……!」と感銘を受けました。

 

 

東南アジアのデスメタルシーンが盛んなのは存じ上げていましたが、個人的にもネパールのデス・メタルバンドの存在を初めて知りました!

 

高畑 : ここ10年くらいでアジア圏のデス・メタルシーンは急激に盛り上がりましたよね。
自分が以前所属していたDEFILEDで2008年にインドネシアツアーを行いましたけど、その頃から盛り上がりを感じましたね。その当時からアジアメタルというジャンルが確立されていた感はありましたね。
インドネシア産デス・メタルは世界中でもファンが多いし、来日するバンドも多く、シーンが成熟しつつありますね。

 

このインド・ネパールツアーの前に、同年2017年には中国ツアーを敢行されましたね。
このツアーを決めたきっかけを教えて下さい。

 

 

高畑 : 今、中国は高度経済成長期を迎えていると思うんですが、ある日、中国のプロモーターから兀突骨にバブリーなお誘いがありまして。自分達のリリースとも重なっていて、丁度良いタイミングだと思い、その話に飛びついたのがきっかけですね。
実際、向こうの人口は日本の何十倍もある訳で、ライブにも日本の動員を遥かに上回るオーディエンスが会場に詰め掛けていました。

 

印象深かった都市はありますか?

 

円城寺: 僕は西安ですね!中国内の観光地なんですけど、食事が一番美味しかったですね。
あと、深圳も同じく観光地なんですが、こちらは気候が暖かくて最高でしたね!

 

高畑 : 重慶は噂通りに美人が多かったです。
このインタビューを見ているTOPPA!!読者の方は、是非インターネットで「重慶 美女」で検索してみて下さい。

 

一同 : (笑)。

 

まるで高畑さんが古代中国の豪傑の様に見えてきましたよ(笑)!それこそ三国志の関羽の様に。

 

高畑 : 現地でも結構言われましたね(笑)。あと、「関羽なのか兀突骨なのかどっちなんだよ?」とか(笑)。
そして、三国志風に言うならば、蜀の成都にも行きまして、諸葛亮孔明が祀られている「武候祠」という神社にも行ったんですよ。
約1800年ぶりに孔明と対峙しましたね(笑)。

 

一同 : (笑)。

 

円城寺: 生まれ変わりですね(笑)。

 

現地のライブ環境は如何でしたか?

 

高畑 : ほぼ日本と変わりませんでしたね。

 

円城寺: 場所によっては、日本の会場よりも設備が整っている会場もありました。オンタイムだし、インタイム。非常にしっかりしていましたね。

 

現地のメタルの流行を教えて下さい。

 

高畑 : 中国ではオールドスクールなスラッシュメタルが流行っていましたね。
向こうのメタルヘッズはインターネットで日本のバンドの事を沢山調べていましたね。詳しい人も多い印象を受けました。

 

印象深いバンドはいらっしゃいましたか?

 

円城寺: あのバンドしかいないでしょう(笑)。

 

高畑 : TUMOUR BOYですね。メンバーの年齢が10代後半~20代前半の若いバンドなんですが、バンドサウンドは80年代直系のスラッシュメタルを演奏しているんですよ。Gジャンにパッチを沢山つけて、スリムジーンズにハイカットを履いていて……タイムスリップしたのかと思いました(笑)。

 

 

先日2018年2月3日CYCLONEにてTyrant of Maryと2マンライブを開催されましたね。
こちらの手応えは如何でしたか?

 

 

高畑 : 無事当日は大入りでしたし、何より長時間のセットを組めて兀突骨の初期曲をプレイ出来たので、お客さんにも喜んでもらえましたね。

 

TYRANT OF MARYも10年選手と活動歴が長いバンドですが、そもそも知り合ったきっかけは雷斗(Gt)君のお兄さんで、レコーディングエンジニアのイナリリュウヒ君( Void)))Lab URL : https://www.voidlabstudio.com/)と自分が専門学校時代の同級生なんですよ。
昔、「弟が上京してくるんだ~!」とは聞いていたんですが、自分が初めて雷斗君に会ったのは彼が18歳の時でした。
当時はフレッシュな子だったんですが、10年経って完全に身も心もスラッシュ・メタルに染まってしまいましたね(笑)。

 

 

それでは、最近聴いた中で「良いな……!」と感じたアーティストを教えて下さい。

 

秋田 : 最近ベスト盤をリリースしたEGOISTですね。あのファンタジーな曲作り・世界観に驚かされました。

 

 

円城寺: ARCHSPIRE(CAN)ですね!
OBSCURAの日本公演に、彼らはサポートアクトで来日するんですよ!

 

 

Serenity In MurderのFreddy(Gt)氏もオススメされていた、あのARCHSPIREですか?

 

円城寺: そうです!とにかく、ヤベェんですよ!
僕も彼らの曲をコピーしたからこそわかったんですけど……「速ッ!難ッ!」的な感じでしたね(笑)。
よく音源とライブの演奏が乖離してしまっているテクニカルなバンドって多いじゃないですか。彼らはライブも完璧なので、是非チェックすべきバンドですね。非の打ち所が無いです。

 

海外のオーディエンスと日本のオーディエンスの違いについて感じた事を教えて下さい。

 

高畑 : アジアでは、サウンドが激しければ激しい程、良い風潮は感じましたね。
その点、日本やイギリスは固唾を飲んでプレイを見守るオーディエンスが多かったですね。
イギリスは見た目がまるでLED ZEPPELINのJimmy page(Gt)のような、年季の入ったお客さんもライブハウスでしっかり見てくれる。
ただ、どちらのオーディエンスも自分達の音楽に真面目に向き合ってくれています。
それに応えるべく、より良い演奏が出来ればと思い、毎回ステージに立っています。

 

昨年1年を振り返るとどんな年でしたか?また、今年の抱負を教えて下さい。

 

高畑 : 去年は『兵ドモガ夢ノ跡』のツアーがあったので、非常に忙しい年でしたね。
でも、充実していて、ミュージシャン冥利に尽きる非常に良い1年でした。
今年の抱負に関しては、まずやらなければいけない事は5枚目のアルバムをリリースし、再びツアーに出る事ですね。やっている事は変わらないですけど、リリースとツアーを重ねる度、バンドを取り巻く環境は良くなっているので、この勢いを保ったまま、邁進したいと考えています。
現在制作作業も進めておりまして……頑張って夏にはリリースします!

 

これからシーンを担うバンドマンへのメッセージをどうぞ。

 

高畑 : よく若手バンドから「演奏が上手くなるにはどうすれば良いですか?」とか、「レーベルからリリースしてもらうにはどうすれば良いですか?」とか質問されるんですが、とにかくメタルなんて行動あるのみ、やったもん勝ちだと思います。
自分から言える事は、「とにかくライブをヤりまくれ!」
メンバー集めて、曲作って、ライブの3点セットはいつになっても変わらないと思います。
そして、このシーンで若いバンドには暴れて欲しいですね。
いつか一緒にやりましょうよ、その時を楽しみにしています。