JPU Records CEO Tom Smith インタビュー

JPU Records CEO Tom Smith インタビュー

JPU Records
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JPU Recordsはイギリス発の音楽レーベルだ。日本の優れたアーティストを日本からイギリス、ヨーロッパ、そして全世界に広めるべく、CEOのTom Smith氏によって設立された。メジャー・インディーズ・ジャンル問わず、数々の優れたアーティスト、Aldious、天月-あまつき-、ASIAN KUNG-FU GENERATION、BAND-MAID、ベッド・イン、Crystal Lake、でんぱ組.inc、DOLL$BOXX、藤田恵名、FLOW、the GazettE、LADYBABY、LOVEBITES、lyrical school、Mary’s Blood、妄想キャリブレーション、MUTANT MONSTER、虹のコンキスタドール、NoGoD、PassCode、POLYSICS、ROA、SCANDAL、SPYAIR、上坂すみれ等々……錚々たるメンツがその名を連ねている。

今回、JPU Recordsの発起人であり、現CEOでもあるイギリス在住のTom氏に対し、彼の生い立ちからJPU Recordsにまつわる逸話、彼自身の思想について紐解くべく、メールインタビューにて話を伺った。

文 / Tom Smith   翻訳・編集 / 宮久保 仁貴


 

-TOPPA!!初登場という事で、Tom様の自己紹介をお願い致します。

 

Tom : 自分はロンドン郊外の荒れた学校に通っていました。当時、ロックミュージックを好きである事はマイナーだった為、自分と友達はよく他の生徒から黒い服装・長髪・バンドマーチを着ている事でからかわれました。そんな訳で、自分たちの街のロックコミュニティーは密に繋がっていました。それこそ大きな家族の様で、ローカルバンドがロンドンの優れた会場でライブをしようものなら、皆で彼らをサポートしたいと思ってるくらいの親密さでしたね。

 

そこから、日本の音楽に触れたきっかけは何だったのでしょうか?

 

Tom : 当時、自分は新しい音楽を探すのが好きだったんですが、たまたまGLAYとX JAPANを見つけたんです。それこそYouTubeがまだ誕生していない時代でしたね。その時自分はゴシックミュージックに心酔していて、「これが日本のゴスか!」と驚きましたね。その後、GLAYの「彼女のモダン」のフルオーケストラverを聴き、非常に感銘を受けました。それからというもの、毎日GLAYを聴いて過ごすようになりました。そして、GLAYのCD・DVDを輸入すると共に、更に沢山の日本のバンドを聴く様になりました。

 

そんな出会いがあったんですね!その後、どのような進路を選ばれたのですか?

 

Tom : 高校を出た後、自分の家族は貧しかったので、進学せずに働き始めました。一番初めに働き出したのは映画・音楽レーベル兼ディストリビューターの会社でしたね。最初自分は経理部門にいたのですが、ある時たまたま音楽部署のスタッフ(彼は本当に長髪でしたね!)と話していて、彼がマーケティング部署のボスだと気がついたんです。その後、すぐに自分は彼のアシスタントとなり、彼は自分にレーベル運営のやり方と成功方法を教えてくれました。

2〜3年後、DVD市場が崩壊したと同時に、この会社は破産しました(※主な収益源がDVD事業だったので)。それと同時に、自分は全ての貯蓄を使って、初めて日本に行くことにしました。私は日本が大好きでしたし、英語教師になりたかったんです。しかし、それを行う為には大学の学位が必要だった為、大学に行く為の勉強を始めると共に、ライター業でお金を稼ぎ始めました。それと同じに、ロンドンに日本のアーティストが来た時、イギリスの音楽雑誌に彼らの記事を書き、インタビューを行いました。

 

初めてインタビューされた日本のアーティストはどなただったのでしょうか?

 

Tom : 初めてインタビューしたのはPOLYSICSで、こちらの反響はなかなか良いのものでした。その後、アンティック-珈琲店-についての記事を書いた所、非常に大きな反響がありまして。編集長に毎月日本の音楽について書くことを許可されました。そこから、約300本程のインタビューと毎月ニュースコラムを執筆しましたね。この経験から、イギリスの人々が日本の音楽に実際興味を持っている事を確信しました。

それと同時に、この様なファン層は普段どこにいるんだろう?とも思ったんです。それこそ、日本のバンドがツアーでイギリスに来ている時しか集まれないんじゃないか?と。なので、私は彼らがハングアウト出来る場所を作ろうと決心し、日本の音楽が流れるDJイベントを開催しました。ありがたいことに、毎回沢山の人が参加してくれましたね!そして、いくつかな有名なバンドも流しました……FACTや当時[Champagne]名義だった[Alexandros]、パスピエ、少年ナイフなどなど……そしてAdam AntやGlen Matlock(SEX PISTOLS/Ba)もこのイベントでパフォーマンスしてくれたんです!なぜなら彼らも日本に興味があったからですね。とても素晴らしかったです!

 

それでは、JPU Records誕生のきっかけを教えて下さい。

 

Tom : ある日、日本の政府からフランスはカンヌで行われる音楽見本市MIDEMについての調査依頼を受けたんです。その時私は日本の行政の方も海外市場への進出方法を知りたいのかな、と思いましたね。調査の一環で、様々なディストリビューターに会ってお話させて頂いたんですが、そこで彼らから「君はレーベルを作るべきだ!そしたら、うちが流通を行うからさ!」と言われまして。これがJPU Records始まりのきっかけでしたね。さて……本題に入るまで、少し長めの回答になってしまいましたかね(笑)?

 

-JPU Recordsで一番初めにリリースしたのはどのアーティストですか?

 

Tom : 驚くべき事に、JPU Recordsで一番初めにリリースしたアーティストは、個人的にも大好きなthe GazettEでした。何とも信じられない事でしたが、元々ライターとしての私の活動を、the GazettEのレーベルスタッフが知っていてくれたみたいで、そこからこのリリースを任せてくれたんです。本当にラッキーでしたね!変な話the GazettEと契約する事は私の最終目標だったので、まるで今後の目標が無くなったかの様な気持ちでした。勿論、the GazettEに限らず、その後どんどん素晴らしいアーティスト達と契約しましたよ!

 

一番初めがthe GazettEはビッグですね!改めまして、今やJPU recordsからリリースされている日本のアーティストのジャンルは多岐に渡りますね!このレーベルのオーナーであるTom様の音楽的ルーツを教えて下さい。

 

Tom : ざっくり言えば、私はロックとメタルとエレクトロニックな音楽が好きですね!私は過去、バンドを組んでいたんですが、どのメンバーもMETALLICAと SLAYERが大好きだったんです。そんな中、私はAT THE DRIVE-IN、DEFTONES、PRODIGY、IDLEWILD、FEEDER、ASHが好きでしたね。ギターはASHのTim Wheeler(Gt/Vo)に憧れて、フライングVを買う程でした。その後、GLAYのHISASHI(Gt)が似ているフライングVを所持している事を知り、思わず嬉しくなっちゃいましたね(笑)。

 

 

私は過去、Timと空港で一度会った事があるんです……たまたま朝食を食べている彼と同じテーブルでして。驚くと共に焦っちゃいました。出発する前に、彼に恐る恐る声を掛けたんです。「Ashは最高のバンドですね!「Lose Control」をきっかけに、私はロックミュージックに心酔し始めたんです!」と。私の去り際、Timは「ありがとう!正にその通りだよ!」と返してくれて……あの時は本当に嬉しかったですね。普段私はシャイな人間であまり人とも話さないんですが、あの時は意を決して話しかけました。あんなチャンス二度と無いでしょうね!

 

-“JPU”とはどのような意味を持つのでしょうか?

 

Tom : JPUの意味は……秘密です。この意味を公に話した事が今まで無いんですよ。ただ、JPUのファンは独自の解釈をしてくれている様に思います。”彼らがどの様に解釈してくれているか”、これを考えるのは楽しいですね!似たような話をすると、過去KORNのインタビュー記事を読んだ事がありまして。その中で、「KORNってどういう意味ですか?」という質問事項があったんです。ただ、これはナンセンスなんですよ。彼らが作り出す音楽、そして彼らが行う挙動全てがKORNなんだと思いましたね。JPUも同様に、空白で、ある種意味が無いキーワードなんです。その様な形で解釈してもらえれば、と思います。

 

-JPU Recordsからリリースされるアーティストの基準はありますか?

 

Tom : 音楽はスペシャルで、かつ興奮する様な物でなければならないと私は考えています。JPU Recordsに所属しているアーティストは皆、エキサイティングで素晴らしく、独自の音楽を貫き通しています。あと、一文で海外のファンにアピールできるアーティストを選んでいます。例えば、Aldiousなら「パワーメタル・プリンセス」ってね! 言葉でアーティストを紹介する事は本当に重要です。もちろん、どのアーティストもテキストの1行で説明するよりはるかに複雑な要素を持っていますが、人々の関心を引く為に、キャッチコピーを作成する事は重要だと思いますね。

 

どのようにして日本のアーティストの情報を収集しているのですか?

 

Tom : 私がDJイベントを行っていた時、お客さんが私にかけてほしい曲を紹介してくれたので、新しく、かつエキサイティングなアーティストの情報を得る事が簡単に出来たんですよ。現在は、JPU RecordsのファンがJPUとして契約すべきアーティストを教えてくれますね。また、私自身数多くのライブを観に、日本に行く事もありまして。特に渋谷近辺のTHE GAMEやCYCLONE、Milkywayはよく行きまして、様々なジャンルのアーティストのライブを観ます。そこで、将来ビッグになるバンドを探していますね。この他、ありきたりな回答をすると、レーベルに沢山のデモが送られてくるので、その音源もチェック・判断して、将来リリースすべきアーティストを決めています。

 

レーベルを運営してみて、難しかった点を教えて下さい。

 

Tom : レーベルを始めた頃はお金が無かったんですよ。the GazettEと契約する為に、JPUの準備金を全て投資したんです。予想していたよりもレーベル運営はコストがかかる事、そして最初の2〜3年は定期的なレーベル活動が難しい事も実感しましたね。

基本的に売り上げは4ヶ月後で無いと入ってこない為、その間の物事を回す事は本当に大変な事です。設立から4年目になるまではなかなか経営が安定しなかったですが、お金の貸し借りは基本的に行わずに運営しました。JPUはゆっくりながらも確実に成長していると思います。

 

-Tom様が今まで働いた中で、一番印象深かった出来事を教えて下さい。

 

Tom : JPUを始める前に、日本の東方区大震災・津波被害に向けて、チャリティーイベントを行ったんです。私は日本人では無いですし、人によっては奇妙な行いに見えたでしょうね。実際、日本と沢山仕事をしているビジネスマンが私に日本の人が怒るような事をしないでくれ!とも言われました。それに対して、私は行動を止めず、自分の思った通りに行動を続けました。その後、日本出身ロンドン在住の6つの日本のバンドがイベントで演奏し、同時にイギリスの伝説的シンガーAdam Ant、ラジオとTVのパーソナリティMCであるLain Leeが出演してくれました。イベントは盛況に終わり、沢山の方々がサポートし、募金が集まりました。Adamは、彼が今まで出演した中でも最も正直なチャリティーイベントだったと言ってくれましたね。その後、集まった募金を慈善団体に送りました。

 

-Tom様が最近触れた中で感銘を受けたアーティストを教えて下さい。

 

Tom : ROSですね!!!!彼らのサウンド・スタイルがお気に入りなんです。そして、JPU所属のPassCodeですね!彼女たちもまた、アルバムを作成中なんですが、これはとてもエキサイティングで、リリースが待ちきれないです!絶対皆気にいると思います。

 

 

未来の音楽業界とアーティストの将来はどうなるとお考えですか?

 

Tom : 正直誰にもわからないと思います。人々は私にCDは終わったとよく言います。ただ、今年私は今までよりも多くのCDをリリースしています。実際、JPUからリリースしたアーティストが新たにJPUから新作をリリースした際、以前よりも更に高い売り上げを叩き出しています。CDが終わったなんて……これはナンセンスですね。ますます多くの人々がJPUアーティストのCDを購入しています。

 

-JPU recordsの将来の目標を教えて下さい。

 

Tom : 前進・拡大し続け、エキサイティングな音楽をリリースし続ける。これに尽きますね。

 

この度はご回答頂きまして誠にありがとうございました!最後に、音楽業界を目指す読者に対してメッセージをどうぞ。

 

Tom : 私は元々音楽業界で働くつもりは無かったんです。たまたま、様々な場所で経験した事が起因して、今こうして働いています。ただ、重要な事として言えるのは、何らかのスキルや知識を持つ事は重要です。私に取って、ディストリビューターと一緒に仕事をしたいと思ったのは、私のクラブイベントはソーシャルメディアにおいて、大勢の人々が興味を示していたからです。彼らは私が既にオーディエンスを準備していた事を知っていましたからね。 また、JPUには沢山の応募履歴書が届くのですが、実際に能力を持った方、私が思うような方からの応募はまれです。音楽ファンといった点では十分だと思う方もいますが、それではいけないのです。

貴方が日本の音楽のファンであり、かつそれが貴方の情熱であるならば、それを具体的に証明して欲しいのです。より多くの人々に興味を持たせる為に何をしましたか?より多くの人々に興味を持たせるために何をしましたか?あなたは自己意欲を持たなければならず、必要な知識やスキルが必要です。楽しめない事も沢山行わなければなりません。昔、私は数多くの寒い夜をロンドンのストリートでクラブイベントのフライヤーを配る事に専念していました。当時は人と話す事もそんなに得意では無かったし、いつも終電で家に帰っていましたが、この行為がクラブイベントの成長に必要だと思っていたんです。

その結果、事は大きくなり、私はJPU recordsを立ち上げる事が出来ました。時には音楽ファンがJPUのイベントを手伝ってくれましたが、彼らは自分の得意の範疇から抜け出せず、新しいファン層へ接する事はありませんでした。レーベルの為に働いてくれたように見えますが、これではダメなのです。

 

私からのアドバイスは、自分の意思を持ち、物事を行い、そしてそれらを続ける事です。「私は音楽業界で働きたいです!」と言うだけではなく、何かを行い、役に立つスキルと知識を得ましょう。それを継続すると、ますます強固な物になり、ますます使えるスキルとなります。そして、貴方はいろんな方と出会う事になるでしょう。貴方が積極的に活動し、良い評判を保てば、きっと良い出来事が起こります。

 

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