合同会社パブリブ代表 ハマザキカク インタビュー

合同会社パブリブ代表 ハマザキカク インタビュー

ハマザキ : 最初に聴いた音楽はヒップホップで、だけどインダストリアルとかメロコアっぽいのも聴いたし……。だけどやっぱり16歳ぐらいの時にはもうSUFFOCATIONに突入しちゃっていたし、IMMOLATION、INCANTATIONも聴いていて……かなり早い段階でブルータルデスメタルが直撃しちゃっていたんですよ。98か99年?くらいに、アメリカのブルータルデスメタルがピークに達したのを覚えています。それこそ、DYING FETUSとかINTERNAL BLEEDINGとか。90年台前半フロリダのタンパでデスメタルが流行し、90年台中期ニューヨークや中西部、00年台前後にテキサスとカリフォルニアを中心に、ブルータルデスメタルが流行っていましたね。特にカリフォルニアのDISGORGEとDEEDS OF FLESHは印象深かったです。ブラストビートが鳴りっぱなしで、変拍子でハイパーテクニカルで……!
2000年前後ぐらいにこういうこと言ってる人って日本ではあまり居なかったですね。グルービーデスメタルとかモダン、ニュースクールデスメタルみたいな言われ方をしていて。海外ではあんまりニュースクールとは言わなくて……今で言うテクニカルデスメタルとも違うんですよね、UNIQUE LEADER系としか言いようがなかったんですけど、DISGORGE、DEEDS OF FLESH 、DECREPIT BIRTHの3バンドが特に有名でしたし、自分もよく聴いていました。

その後、2005年ぐらいからインドネシアのブルータルデスメタルが急成長しちゃって、インドネシアのブルータルデスメタルが今では世界最強というのはほぼ世界共通認識になっていると思います。ただ日本ではまだそれが十分理解されていないのですが。たぶん現時点で、1番BPM速くて、リズムのテンポチェンジが複雑で、数値で測ると、現在でも最強レベルなのがインドネシアなんですよ。私個人としてもすごく好きですね。

あとはイタリアのPUTRIDITY辺りのテクニカルブルータルデスメタルや、トルコのDECAYING PURITYとかギリシャのBIRTH OF DEPRAVITYとか地中海諸国の速くてかつ変拍子やリズムチェンジを多用しているバンドも良いですね。ああいう形態が真にブルータリティを追究してると思うので。

ロシアとかで流行っているスラミングデスメタルとかはもっとのろくて、BPMも速くなくて、グルーヴ感重視じゃないですか。聴く分には結構好きではあるんですが、ブルータリティを追究するっていう意味ではちょっと脇道逸れちゃったって感じはありますね。常にデスメタルってブルータリティを追究する競争だと思ってるんで。

この界隈では年長者ですが、今でも若い方と同じレベルで最先端のものをウォッチングはしているつもりです。少なくとも日々そう努力してます。今はそういったデスメタルと並行して、再びドイツやロシア、ハンガリー等「非英語圏ヒップホップ」をかなり聴いています。むしろ時間的にはこちらの方が遥かに多い。子供の頃にMC HAMMERだとかを聴いてたってことがあるのかも原因かもしれません。あとテクノとかも結構好きで、20代の頃はブレイクコアもかなり聴いていました。それからペイガンフォークメタルも相当漁ってますね。こちらは興味本位なのですが、メロディが中毒になる事が多いです。

話を戻して、そんな2018年現在は、インドネシアとイタリアのシーンがブルータルデスメタルの最先端を進んでいると思います。

 

-先ほどお話の中で出てきましたが、インドネシアのデスメタルの中で最強だと思うバンドはどのバンドですか?

 

ハマザキ : GEROGOTってバンドと、INTRACRANIAL PARASITEっていうバンド。後者は国内は最近過去Amputated Veinからリリースされていました。特に最近ではBEJADとCRUELESTが凄まじかったです。

INTRACRANIAL PARASITE Bandcamp : https://intracranialparasite.bandcamp.com/

あとはカリフォルニアのINIQUITOUS DEEDSっていうバンドもオススメです。この辺のバンドが人間の肉体能力的に限界ギリギリを挑戦していて、新領域を開拓しつつあると思います。

でも弦楽器のテクニックっていう点でいうとDjentとかの方がすごかったりするでしょ。速度はブルデスとかの方が速いけど、ポリリズムだとかああいうのでいうとDjentの方がいろいろ試行錯誤してて、プロダクションもいいし、あの辺の評価は難しいですよね。

ただデスメタルは意識的に作曲しないと4拍子ばかりになってしまうのですよ。4/4の繰り返しだと、グラインドというかゴアグラインドというか、そうするとドラマーの速度に依存しちゃうから、作曲者が5・7・11拍子とかに決めちゃったほうが良いと思います。変拍子でポリリズムで……ただ、それを突き詰めるとMESHUGGAHみたいになっていく。そうするとどうしてもBPM150ぐらいになってしまう。エッシャーのだまし絵の音楽版みたいな感じですね。まあANIMALS AS LEADERSとか、ああいうのとかは若干良くも悪くもわざとらしさを感じますが、ブルータリティは感じさせません。目的が別の所になっていっているというか。だからBPM250以上とかでちゃんと変拍子やってるバンドが1番好きですね。でも変拍子だけで奇を衒う人たちはあんまり好きじゃないです(笑)。やっぱりブルータリティが一番自分にとっては大事です。

あとは、デスメタル界隈の人達はDTMを持ち込むの大嫌いじゃないですか。でもテクノロジーの力を使って、プロダクションをバキバキした方が絶対に音は良くなるんですよ。でもなんかローファイ趣味の人、ブラックメタルとかデスメタルにけっこういるけど、私はDTMすごく好きだから、ブレイクコアとかも好きだし。自分のバンドでもそういうところを目指してたから。
そういう点ではそういうことを理解してるデスコアの人たちに親近感湧くんですよ。

 

-過去ハマザキさんがやられていたバンドは何というバンドなのでしょうか?

 

ハマザキ : NOISMっていうバンドです。それを言いにくいのが、もっと有名な同名のダンスチームがいて、出版業界でもそっちの方に勘違いされることが多くなっちゃったから、あんまりネットとかでも言ってないんだけど、別にTOPPA!!だったらいいや。Apple Musicとかでも聴けるし。

NOISMはRelapse Recordsのコンピに何回か参加後、2008年にCRUCIAL BLASTっていう前衛的なレーベルがアメリカのメリーランドにあって、そこから『±』という作品をリリースしました。その時点でリスナーとしてヒップホップとかの比重が高くなったから、デスメタルもあんまり聴かなくなって、CD出したらいいやっていう気持ちになって、燃え尽きました。

その後、ブランクがありつつも、デスメタルが懐かしくなってきて、現在のようにデスメタル関連の書籍をリリースしていますね。リスナーとしての欲が湧いてきて、今でも若い子に負けないぐらい新譜ウォッチングしてるとは思いますけど、やっぱりRNR TOURSの脇田さんとか、Justice For Reasonのやんちさんとか本当にアンテナ張ってる人には敵わないなって感じですね。出版側で、良き理解者として、若い人たちをサポートする側に回らなきゃいけなくなったのかなと思います。

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