キバオブアキバ インタビュー

キバオブアキバ
メンバー(LtoR) : VAVA(Dr) / みつる(Ba) / さとし(Vo) / そなー(Gt) / やっくん(Gt)
HP : http://www.kibaofakiba.com/
Twitter : https://twitter.com/kibaofakiba_pj
Facebook : https://www.facebook.com/kibaofakiba.project/

2017年11月、キバオブアキバは新作「あげてけ!ぽじてぃ節」をリリースした。さとし(Vo)にフィーチャーした本作は、今までのメタルコアやラウド、ポスト・ハードコア、ギーク的な要素を踏襲しつつ、より”ぽじてぃぶ”でポップな要素を強調しつつ、振り切ったエクストリーム要素も随所に挟まれており、非常にバラエティに富んだ一枚となっている!

今回TOPPA!!編集部は、活動10周年を迎える彼らに対し、メンバーのやっくん(Gt)、みつる(Ba)、VAVA(Dr)氏に対し、改めて活動開始から現在に至るまでの経緯、新たにバンドが掲げたテーマ『ぽじてぃ節』の意味する所などの話を聞いた。

取材・文・編集 / 宮久保 仁貴 写真 / 飯本 貴子


 

-TOPPA!!初登場という事で、改めてバンドの歴史を教えて下さい。

 

みつる : 結成の経緯は僕と前任Voのふとしと、前任GtのもらとVAVA(Dr)で結成しましたね。自分達は元々立命館大学のメタルサークルNEW MUSIC 研究会のメンバーで結成されたバンドでして、結成当初はふとしともらがバンドをやるからという事で、メンバーを探してきてぬるっと始まりました。
最初は活動のビジョンもなく、半年に1度くらいのペースで行っていて、1年に1〜2曲新曲を出すゆったりペースの活動でした。曲のスタイルは今でこそ電子音がフィーチャーされていますが、当時はツインギターのメロディック・デスメタル・デスラッシュな音楽性でバンド活動を行なっていました。

 

VAVA : 電子音に関しては、ある時ふとしが、面白そうだからキーボード入れてみようと言ったのがきっかけですね。

 

みつる : シンセの入れ方も最初はポスト・ハードコアっぽい感じではなくて、北欧っぽい、シンフォニックメタル臭が強い感じでしたね。自分達のサウンドをライブでやるにあたって、今でこそ同期は鳴らしていますが、当時は全て人力で演奏を行なっていましたね。

 

その後、今は脱退してしまったんですが、あさい(Vo/Mani)が加入しました。彼自身ルックスが良いし、キャラが立っていたので、ツインボーカルスタイルもまた面白いんじゃないかという理由でしたね。

 

 

そして、数年活動し、僕らが関西から上京するにあたって、メンバーが諸々の事情で脱退などあり、自分とVAVAとふとししかいない状態で上京しました。上京後はヴォーカリストと、ギタリストを探さないといけなかったので幾度となくオーディションを行いました。特に、あさいの後任となると、彼以上にイケメンでのキャラ立ちをしたメンバーを探すのは、難しいなと思いました。そんな中、数々の方にお会いした中でフィーリングがあったメンバーがさとし(Vo)となります。その後、ギタリストも同様に探した結果、やっくん(Gt)とそなー(Gt)が加入し、現在の体制に至ります。

 

やっくん : みつるが言った通り僕はオーディションを経て加入したんですが、それ以前に活動していた別のバンドで京都でライブする機会がありまして、その時ふとしが偶然ライブを観てくれていたんですよ。その後、キバオブアキバが上京した当初は昔からの知り合いのthe Art of MankindのKenkawa(Gt)さんがサポートでギターを弾いていらっしゃていて。その後、Kenkawaさん経由で打ち上げをご一緒させてもらう機会等もあり、加入を考えるきっかけになりました。

 

 

-改めて、ユニークなバンド名の由来を教えて下さい。

 

みつる: 正確にはどれが正解なのかはわからないですけど……後付けで正解に近いものは、VAVAって昔からLAMB OF GODが好きなんですよ。そして、今も昔もVAVAはあまりのバカテク故に、ドラムバカみたいな感じでいじられキャラやったんですよ(笑)。そこから、「LAMB OF GODみたいに、「なんとかオブなんとか」にすれば、VAVA喜ぶんちゃう?」という所から、キバオブアキバという名前になりました。

 

VAVA : 初ライブ当日まで知らなかったです(笑)。

 

みつる : 「アキバ」の由来は、アキバの意味は所謂オタクみたいなイメージというよりは、知識の象徴といった意味合いです。これも後付けですが(笑)。

 

-それでは、キバオブアキバ様は活動が多岐に渡る為、音楽的変遷も行われたかと思います。そんな中、現体制としての音楽的ルーツを教えて下さい。

 

やっくん : 以前までは「オタイリッシュデスポップ」を標榜していましたが、現在の体制になってからは「ぽじてぃ節」をテーマに活動して力を入れています。それこそ、音楽的にもそうなんですが、バンドカラー的にもメタルをベースに独自のポジティブさを表現しています。

 

みつる : 女性Voオンリーになったのも大きな点かな、と思います。さとしだからこそ出せるテイストを考えた際に、無駄にポジティブでバカっぽい所があったんですよ。それならこのポジティブさを全面に押し出そうと考えました。

 

やっくん : 良くも悪くも、彼女のIQ低めな所が「ぽじてぃ節」のテーマですね!

 

みつる : おつむの小さい感じで……(笑)。

 

-「ぽじてぃ節」にはそんな意味があったんですね(笑)!

 

VAVA : 「ぽじてぃ節」なのに、このバンドはさとし以外ポジティブな人がいないという……(笑)。

 

みつる : サウンドの話に戻りますと、音楽的には今作曲者が自分とやっくん、そなーと3人いるんですが、各々ルーツも違ったりしているので、ある意味バランスが取れているのかなと思います。僕らは特定のメタルバンド・ジャンルにしたいみたいな所という考えはなくて、そこは他のバンドよりもフレキシブルかもしれませんね。それこそ、ポップにも振り切れるし、エクストリームにも振り切れるし。

 

-そんな皆様の音楽的ルーツを教えて下さい。

 

やっくん : 中学生の時に楽器を始めるのとほぼ同時期にバンドを組みまして、最初はGt/Voで、BUMP OF CHICKENなどの邦楽ロックのコピーをやっていました。でも、他のイケてる層の人達人間も同じようにバンド活動を始めるような時期で、僕は根暗サイドなので(笑)、「彼らと同じ事をやっても勝てないな……。」と感じたんです。

そんな中、違うジャンルの音楽を聴き漁っている中でメタルにたどり着きました。メタルへの入り口はSONATA ARCTICAの『Silence』でしたね。様々な数々のバンドに触れてきましたが、その中でキバに近いアーティストだと、AUGUST BURNS REDやThe Air I Breathe辺りのテクニカルなメタルコアからの影響が強いです。今でもメタルコアがこの世界で一番好きなジャンルだし、ライブパフォーマンスとしても影響を受けていますね。

あとは、メタルコアから掘り下げる中でCOMEBACK KIDの1stアルバムに衝撃を受けたのをきっかけに、ハードコアにも傾倒しました。疾走感の中にもマイナー調のメロディが立っている音楽は一貫して好きです。

 

VAVA : 自分には兄がいるんですけども、彼が音楽が好きで、僕が中1の時に、METALLICAの『RIDE THE LGHTNING』のCDを貸してくれたんですよ、それがメタルへの入り口でしたね。その後僕はスラッシュメタルやデスメタルを聴き始めました。最初にドラムとしてメタルをコピーし始めたのは大学に入ってからで、大学の時によくコピーしていたのでPANTERA、CHILDREN OF BODOM、S.O.D、CALIBAN辺りですね。メタルドラマーとして個人的に影響を受けたのは、CRYPTOPSYのFlo Mounier(Dr)です。

あと、大学中退した後に、専門学校でジャズやフュージョンを学び、現在はドラム講師として仕事させてもらっているんですが、細かいフレーズに関してはこの2ジャンルからの影響が強いですね。

 

みつる : 自分も兄貴がいて、その影響から音楽聴き始めるようになりました。兄貴も当時音楽をやっていて、昔のCDを僕に沢山くれましたね。小学校高学年の時には、Carcassの『Heartwork』、MEGADETHの『Rust In Peace』、METALLICAの『Master of Puppets』などもらったのですが、当時の自分には刺さりませんでした。
ただ、中学になるとバンドブームが来て、周りでもギターを始める友達がいたんです。それに触発されて、改めて昔兄貴にもらったCDを聴き直すと、そのテクニカルさに衝撃を受けましたね。
当時はMyspaceやVictory Records、Century Mediaなどのレーベルのサイトに飛ぶと音楽が聴けたので、そこで当時の最新のメタルやスクリーモ、ポストハードコア等を聴いていました。

そして、高校でいざ皆でバンドやろうとなったんですが、メタルを一緒にやってくれるメンバーもいなかったので、当時周りで流行っていたJanne Da ArcやLArc-en-Cielなどのコピーをやっていました。
それと並行してグラインドやデスメタルなどのDIGを続けていましたね。その後、メタルサークルに入り、幅広くというよりは、根深くエクストリームな音楽を聴くようになり、現在に至るといった感じです。
ベーシストとしては、LArc-en-Cielのtetsuya(Ba)氏からの影響が強いですね。

 

-昨年11月は『あげてけ!ぽじてぃ節』をリリースされましたね。
こちらの聴きどころをメンバー視点で教えて下さい。

 

 

VAVA : ドラムの観点で言うと、このバンドを始めてからずっとそうなんですけど、ドラムをつける際に、よりドラマーとして高みを目指せるように常に自分の限界よりちょっと難しいフレーズを叩いているんですよ。そういった意味で、現時点のキバオブアキバの曲達の中で、本作の曲達のドラムが一番今までで難しいと思います。

 

-VAVAさんの良い意味でドMな所が垣間見れますね(笑)。

 

やっくん : 『あげてけ!ぽじてぃ節』からは正直何をやってもどこのシーンでも戦えるなと思っています。一般的なポジティブという言葉の枠に良い意味ではまらない”ぽじてぃぶ”なさとし独自のイメージと、『バカモダンEP』から続く大正のモダン的なテイストを更に突き詰めたのは本作だと思っています。

今回僕が作曲した中ですと、まずTrack.3の「餅ベーションUPジャパン」は、ふとしが抜けると決まって、メンバー内で今後どうするかとなった時に最初に原型が出来た曲なんです。この時、今までのオタイリッシュデスポップのイメージから少なからず転換して、表現は良くないですがきっと何やっても叩かれるだろうなと(笑)。ならば、この際マイナスイメージのタイミングだからこそ、”ぽじてぃぶ”に、前に進める曲を作ろうと決心しました。サビでは唐突にメロディック・スピードメタル的な、今までのキバオブアキバでは取り入れなかった要素があったり、ジャンル的な縛りはなくて…高く昇っていくような、そんな新しい気持ちを表現するために作った曲ですね。

 

 

みつる : それこそメタル版「みんなのうた」って感じ。NHKで流れるメタルバンド、歌詞は歌詞で一見中身のなさそうな感じで良い意味で敷居が低く、でもプレイを聴いてもらえるとすごくテクニカルで、そんなギャップのある所が、本作は凄く色濃く出ているな、と思います。いわゆるライブキッズ層だけでは無く、割と幅広い年齢層、小さい子(所謂ティーンエイジャーより更に下)からご年配の方も口ずさんで頂けたらな、と思います。意味わからんけど口ずさめる様な、パワーワードが今回は多いんですよ。そういった意味では本作は全年齢対象作品ですね。

 

やっくん : それこそ、Track.5「おやかたさまランナー」も、曲だけ聴くとアニソン/アイドルソングの要素に振り切っていますし。正直当初はボツになる覚悟で出してみたんですが(笑)

 

みつる : 自分が書いたTrack.6「SHINKIBAレボリューション」も皆が書いてきた曲とは違ったテイストやからね。作曲者各々の特性が出ている1枚になりましたね。

 

 

やっくん : 「新しいキバオブアキバはこういう事も出来ます!」といった感じで、名刺がわりの1枚でもありますね。

 

-本作はどちらでRECされたのでしょうか?ミックス・マスタリングはどなたが担当されましたか?

 

みつる : RECは歌以外、各々宅録で完結させて、ミックス・マスタリングに関しては元々レーベルメイトだったex.ARTEMAのMEGさんにお願いしました。今まで彼自身がメロディのある音楽を作っているので、歌をキワ立たせつつ、バンドサウンドもちゃんと見てくれる点も大きかったですね。元々ARTEMA自体がそういう音楽性でしたし。今までの作品の中で一番出音が良いですね!

 

 

やっくん : すごくまとまりが良いと思います。
自分自身も昔よくARTEMAのライブに足を運んでいたので、今回ご一緒させて頂けて光栄でした。

 

-本作のアートワークはどなたが担当されたのでしょうか?

 

みつる : THINGS.兼Vision Of Fatimaのタカスケ(Ba)ですね。最初は歌謡曲のジャケットみたいにシンプルな背景で行こうと考えていたんですよ。

加藤タカスケ Twitter : https://twitter.com/taka_6_vof

 

VAVA : 和田アキ子みたいにね(笑)。

 

みつる : ただ、実際そうしてみると、もう少し華やかにしたいという意欲が出てきました。縁起物のツルや少女椿みたいなテイストを足してもらったり……ちょっとレトロなイメージですね。

 

やっくん : 結構時間がかかりましたよね。その分ただ、僕ららしさを全面に押し出せたんじゃないかと。

 

-近年の活動の中で印象深かった出来事を教えて下さい。

 

みつる : 結構前の話にはなるんですが、FLOWの「JOY THE WORLD」と「BURN」という曲のアレンジ参加させて頂いた事ですね。前者はアルバム『#10』の曲、後者はゲーム『テイルズ オブ ベルセリア』の主題歌にもなったりしました。

 

 

過去の鈴木このみさんやBABYMETALとのコラボもそうなんですけど、自分達は他のバンドと比べて、コラボしやすいのか企画力やアイデアがあるのか、謎の引きがあるなと感じています。
結果それで知ってくださったお客さんもいらっしゃいましたね。

 

やっくん : 恐らく世間のイメージよりはフットワーク軽いバンドなので(笑)、このインタビューを御覧の関係者の皆様、良いお話お待ちしています!

 

-話は脱線しまして、最近聴いた中でかっこいいと感じたアーティストを教えて下さい。

 

やっくん : ダントツでTHE CROWNの新譜ですね!今までの作品と比べてチューニングが下がったことで、サウンドにハードコア感もありつつ終始爆走していて。何より「Cobra Speed Venom」というタイトルが最高!この三単語にメタルの全てが詰まってますね。

 

 

VAVA : 僕はドラムバカなので、今も昔もドラマーの動画見る事がマイブームです。ex.THE WORD ALIVEのLuke Hollandのプレイ動画や、最近はゴスペルチョッパーで有名なChris Colemanのプレイ動画をチェックしています。ドラマーならば、誰しもゴスペルチョッパーを体得するのは夢だと思います。

 

 

みつる : 最近はCD聴いていると、誰しもが音も良いし、その反面差別化を図る事が難しいので、音源だけでハマることが中々無いんですよ。そういった意味では、ライブを見て良し悪しを決める事が多いです。
最近ピアノドラムベースのジャズトリオのGO GO PENGUINのライブを観、音源だけ聴くと、電子音ぽい音とか色々入っているんですが、ライブは同期入れずに全て3人で人力でやっているんですよ。

 

 

-良い意味でのマンパワーですね!

 

みつる : そうなんですよ。一聴すると人力でライブを完結させることが難しそうなのに様々な奏法や創意工夫でほぼ完璧に音源を再現しているのが本当に素晴らしいと思いました。

 

-今年で結成から10周年を迎えられますね。
今年の抱負を教えて下さい。

 

みつる : とりあえずは未だに以前のイメージを語られることが多いの上で、今のキバオブアキバをいろんな人に知ってもらいたいですね。一回一回にパンチのある活動をしていきたいです。

 

やっくん : 現状で主にライブをやらせてもらっているシーンもそうだし、他のシーンの方にも見てもらいたいです。10周年だから特別な意気込みというよりは、ゼロからのスタートといった心境ですね。「これまでもこれからもキバオブアキバやぞ!」と。

 

-今後の予定をお教え下さい。

 

みつる :とりあえずは企画もやりたいですね。
先日開催した「超弩級上昇志向」の様に、シーンにとらわれず、普段対バンしないようなバンドも一緒にやれたらと思います。新曲も今目下制作中なので、楽しみにお待ち頂けたらと思います!

 

また、それと並行して、5月は福島は郡山でTHREE LIGHTS DOWN KINGSの「FiVE XTENDER」ツアー、渋谷でEarthists.主催の「Tragic Hero Records Tour」公演があります。是非気になった方は遊びに来てください!

 

 

-最後にTOPPA!!読者へのメッセージをどうぞ。

 

一同 : 僕たち自身、ジャンルやシーンにこだわりなく活動しているので、それをブレと感じずに、また何か面白いことをやっているなと見ていただけると嬉しいです。今までと変わらず気合い入れてマイペースにやっていくんで、これからもよろしくお願いします!