Masahiro “Godspeed” Aoki 青木征洋 インタビュー

Masahiro “Godspeed” Aoki 青木征洋 インタビュー

青木 : レーベルと銘打つことによって僕や僕の仲間たちがギターを中心に扱っていることが記号化、明示出来てそれがギターレーベルとしてのブランドに繋がったことが大きいですね。「ViViXの作品ならどれを買ってもいい感じのギターが聴ける」と認知される所まで行ければ良いのですが。

 

苦労しているのは、うちにしか出来ないことを常に考え続けることでしょうか。根源に「度肝を抜きたい」「正気の沙汰で無いことをやりたい」みたいな欲求が常にあって、そのために何をすれば新しいか、驚かれるかを探すのが一番難儀します。その上で採算をある程度良いところに着地させるのもまたオーナーとしての責務であり楽しみであり苦しみですね。

 

話は変わりまして、最近青木様が触れたor聴いた中で感銘を受けた物or者を教えて下さい。

 

青木 : 凄まじく今更な話なのですがMichael Jacksonをこの年になって初めてまともに聴いてそのかっこよさに打ちのめされてます。Michaelと当時仕事をしていたエンジニアさんが先日来日してMichaelの活動やレコーディングの中身を紹介してくれるイベントがあり行ってみたのですが、そこで聴いた「Bad」が作編曲、歌唱、演奏、エンジニアリングいずれもパーフェクトでした。当時はPCM3348等もまだ使わずアナログレコーディングだったというところも含めて80年代は音楽の完成度に最も集中出来ていた時代だったんだろうなあと想像してしまいます。

アナログつながりで、昨年末Bernie Grundman Masteringの前田さんに聴かせて頂いたLee Ritenourの「ON THE LINE」のダイレクトカッティングのアナログレコードが本当に凄かったです。ダイレクトカッティングというのはすべての楽器の演奏、録音、ミキシング、カッティングがリアルタイムに行われる恐ろしくスリリングな制作手法なのですが、その分スタジオの緊張感、空気感が余すこと無く収録されていて、「ステレオ録音作品でここまでの臨場感を味わえるのか!」という驚きがありました。それと同時に、目指すべきゴール、基準が自分の中に生まれたという自信や使命感みたいなものもありました。

 

青木様が今まで活動されて来た中で、一番印象深かった出来事を教えて下さい。

 

G5 Projectの4thアルバム『G5 2013』がオリコンアルバムデイリーで8位を獲得したことでしょうか。僕は音楽を作っている瞬間も好きなのですが、その価値がリスナーに届いた瞬間の喜びが最も大きい人種なんだなと思います。

 

近年機材やインターネットの発達から、昔に比べてコンポーザーやアレンジャーが爆発的に増えたと思います。現在の作編曲シーンについて感じる事を教えて下さい。

 

青木 : 良くも悪くもツールへのアクセスが容易になった時代だなと感じます。良い面は、作編曲を始めることへの設備面のハードルが凄く下がったことで、誰でも割と容易にプロと同じ音が出る機材を入手出来るようになったと思います。ネガティブな面は、ツールと情報が氾濫したことで取捨選択の判断が難しくなっていったこと。

ツール、機材の研究は凄く楽しいし良いことなのですが、自分一人で研究が完結してしまうのは非常に危険だと思います。DTM、シーケンサー以前は良い音楽を生み出すために必ず誰かの手を借りなければならなかったので必然的に対人での情報交換がなされていたのですが、今はPCと自分の対話で終わっている人が多いと思います。PC完結が容易だからこそ、外に出て人と音楽を作ることに投資して自分自身をアップデートし続ける方が良いというのが僕の考えです。

あとはツールの発達と共にYouTubeやSNSという発表の場も発展したので音楽ジャンルを個人が定義出来るチャンスの時代になったと思います。無茶苦茶な打ち込みを人間が再現出来るように努力したことがDjentの流行の一因だと思っていますし、ichika君のようにSNSに最適化された音楽の見せ方が生まれてきているのも面白いと思います。

関連 : ichika インタビュー | TOPPA!!(トッパ・闇鍋的WEBメディア)
https://toppamedia.com/interview-ichika/

 

青木様の今後の展望を教えて下さい。

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