岡田早由 インタビュー

岡田早由 インタビュー

 

岡田早由(読み方 : おかださゆき)
Twitter : https://twitter.com/MetalSayuki
Facebook : https://www.facebook.com/sayuki.okada.50
Dekalog11 : http://dekalog11.com/

近年、『世界過激音楽』シリーズと題し、数多くのサブジャンルに特化した音楽書籍を出版している合同会社パブリブ。そのいずれもが非常に読み応えのある名書籍ばかりだが、今回ご紹介する岡田早由女史が執筆された『東欧ブラックメタルガイドブック』も外せない。書籍内容としては、彼女が在住しているポーランドを第一章に、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーで活動する現地のブラックメタルバンドの詳細なバイオグラフィーやインタビューが掲載されているマスターピースだ。また、執筆者である岡田女史はブラックメタルへの想いから、実際に本場のブラックメタルを体感すべく、ポーランドに移り住んだ熱意の持ち主であり、実際に現場を見ている彼女から溢れ出た言葉は、一文字一文字に重みが篭っている。

今回、そんな岡田女史に対し、彼女の生い立ちや音楽的ルーツ、執筆活動において印象深かった事、実際の東欧ブラックメタルシーンの動向等を聞くべく、メールインタビューを試みた。

文章 / 岡田早由 編集 / 宮久保 仁貴


 

-TOPPA!!初登場という事で、岡田様の生い立ちから、現在に至るまでの経歴を教えて下さい。

 

岡田早由 : 生まれは関東の田舎町で、音楽に興味を持つようになったのは小学校高学年あたりでした。高校生の頃に、週末は電車で2時間ほどかけて都内に出てCDショップをまわるようになり、偶然ジャケ買いしたアルバムでメタルにハマりました。

 

-ちなみに、一番初めに購入されたアルバムは何だったのでしょうか?

 

岡田早由 : メタル系で一番最初に購入したアルバムは、Mercyful Fateの『Time』でした。当時このバンドの存在は知らなかったのですが、ジャケットのカバーアートに惹かれジャケ買いをしたんです。そして、曲も非常に気に入って、そこから他の作品も集めるようになりました。大学時代、プログレッシブ・ロックやパンク、70~80年代の邦楽ロックなどにもハマっていたのですが、大学を卒業し音楽関係の仕事をしているうちに結局またブラックメタルに戻ってきました。

 

-そんな岡田様が一番初めに音楽を聴くようになったきっかけを教えて下さい。

 

岡田早由 : 一番最初に音楽に目覚めたのは、小学校6年生の頃です。偶然本屋さんで見かけた雑誌の表紙を飾っていたDIR EN GREYがきっかけです。当時の彼らは完全にヴィジュアル系スタイルで、その不気味な見た目に惹かれて、隣町のCDショップまで『FILTH』というシングルを買いに行きました。これが生まれて初めて自分で購入した思い出深いCDです。余談なんですけど、その時に1円だけ足りなくて、目の前に欲しいCDがあるのに買えずもどかしく、ゲームセンターに小銭が落ちてないか探しに行った思い出があります(笑)

 

-DIR EN GREYの初期楽曲ですよね!現在もそうですが、当時から彼らは良い意味で異彩を放っていましたよね。それでは、更に岡田様の音楽的ルーツをお教え願えますか?

 

岡田早由 : 音楽に目覚めた当時、我が家にはまだインターネットが無かったので、DIR EN GREYとの出会い以降、雑誌を頼りに他のバンドの音源も購入するようになりました。まだクレジットカードも銀行口座も持っていなかったので、現金書留で都内のお店にお金を送ってCDを送ってもらってましたね。中学生時代は名古屋系と呼ばれるヴィジュアル系バンドたちにひとしきりハマり、高校生になってから本格的にメタルを聴くようになりました。最初は、後のブラックメタルに影響を与えたデンマークのMERCYFUL FATEやKING DIAMONDに夢中になって、そこからどんどんブラックメタルバンドをチェックするようになっていきました。

 

-そこから諸々を経て、ポーランドに移住された訳ですが、なぜポーランドに移住しようと思われたのですか?

 

岡田早由 : もともとポーランドのブラックメタルが好きで、特に2012年頃からFURIAというバンドにハマっていました。その当時、都内で一人暮らししながら仕事を3つ掛け持ちして、時々海外にバンドのライブを観に行ったりしていたんです。ずっとこの生活を続けるんだろうなぁと思っていたのですが、転機が訪れたのは2014年の6月頃でした。当時はあまりツアーをやっていなかったFURIAが、11月にポーランドで国内ツアーを行うという情報を知ったのです。それを知った日から、「これは行かねば!!!」と頭がそのツアーのことでいっぱいになってしまったんですよね。FURIAのライブはいつか絶対にどこかで観たいと思っていたし、なんならバンドのホームページから「わたしはあなたたちのファンです。いつかライブを観たいです」とメッセージを送ったこともありました(笑)。

 

 

ちょうどその頃、海外に1年くらい住んでみたいなぁと思っていたんですよ。その中でも、ポーランドは過去に2回訪れていてとても気に入っており、さらにポーランドでブラックメタルのライブを観た時に現地の人に非常にお世話になった思い出があって。なので、そのツアーを廻るついでに、ちょっとポーランド辺りに住んでみるかと決心しました。そこからは仕事を辞め、アパートを引き払って2014年の10月に日本を発ちました。わたしが日本からやってくることを知っていたオーガナイザーとバンドメンバーはわたしを快く迎え入れてくれ、無事に一緒にツアーを廻ることができ、もうそれは夢のように楽しい10日間を過ごしました。そのツアー時に現地で色々な人と出会って、わたしはそのままポーランドに居つくことになったんです。

 

決心されて大きく人生が変わりましたね!ところで、岡田様は合同会社パブリブより、『東欧ブラックメタルガイドブック』を執筆されていらっしゃいますね。こちらの書籍執筆のきっかけを教えて下さい。


東欧ブラックメタルガイドブック: ポーランド・チェコ・スロヴァキア・ハンガリーの暗黒音楽 (世界過激音楽)


東欧ブラックメタルガイドブック2: ウクライナ・ベラルーシ・バルト・バルカンの暗黒音楽 (世界過激音楽)

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