Paledusk(読み方 : ペイルダスク)
メンバー(LtoR) : Seiya(Dr) 283(Gt) Kaito(V0) Daisuke(Gt) John(Ba)
HP : https://paledusk.jimdo.com/
Twitter : https://twitter.com/Paledusk_jpn
Facebook : https://www.facebook.com/Paledusk/
福岡県出身、今や日本各地を回り、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍している福岡発のラウドロック・メタルコアバンド、PALEDUSK。
昨年2017年はPERIPHERYの来日公演サポートに始まり、TRIPLE VISION主催の「SCREAM OUT FEST 2017」、福岡の大型ロックフェス「TRIANGLE’17」、そしてcoldrainのツアーの福岡場所にも出演と数々の大きなイベントで爪痕を残している。
そんな彼らは今年3/14にTRIPLE VISION entertainmentより、New EP『Blue Rose』をリリースする。以前より大舞台でのライブを経験したことで見えてきた物を糧に、更に多くのオーディエンスを熱狂させることを意識した曲たちが揃っているとのこと。
今回、TOPPA編集部ではその新作についてだけでなく、彼らの機材、ハングリー精神溢れるKaito(Vo)のスタンスについても迫った、盛り沢山の内容でお送りする。
取材・文・編集 / 鹿野 貴大
-バンド結成の経緯について教えてください。
Kaito : このバンドを組んで、曲作りを始めたのは2014年で本格的にライブ活動を開始したのは2015年の4月でした。きっかけとしては俺と283(Gt)で、オリジナルの音源を作るバンドがやりたいなと思って組みました。
–Paleduskというバンド名の由来について教えてください。
Kaito : マジな話をすると、バンドを結成した当初は自分たちのオリジナル音源をレコーディングできたらいいな…というくらいの軽い気持ちで組んだので、バンド名の意味にそこまで重きを置いてなかったんです。
ただ、考えた時にネットで検索して、一番目に出てくるようなバンド名にしたいと考えていました。たまたまその時にTVで、「半濁音の付いた文字(パピプペポなど)が頭文字になってる単語は頭に残りやすい」っていうのを見て、勉強で使ってた辞書を開いて半濁音の付いた文字の項目を見てたら「Pale」っていう言葉が見つかって、まずこれだなと。 そして、もう一個連ねる単語を探してた時に「Dusk」を見つけて、二つ合わせて「 Paledusk」にしたっていう感じです。 完全に響きで決めた感じですね(笑)。
–なるほど、気になっていたので聞けて良かったです! 話は変わって去年の10月からDaisuke(Gt)さんが入ったと思うんですが、こちらの経緯を教えて下さい。
Daisuke : もともと福岡のバンドシーンで活動していて、アメリカに渡ってそっちでもLUCRECIAというポストハードコアバンドをやっていました。Paleduskには、前任Gtが抜けた後に誘われて、何度かサポートを経験して加入した感じですね。
–Paleduskに加入して、これまでプレイしてきてどのような感触を感じていますか?
Daisuke : 僕はライブがすごく好きで、このバンドは沢山ライブができるしメンバーみんなとても仲が良くて楽しいですね。あとはアメリカでやっているバンドとは違う、PALEDUSKのようなヘヴィでストレートな音楽性のバンドの方が好きなのでこのバンドで弾けて嬉しいですね。
–分かりました!ありがとうございます。 次にメンバーそれぞれの影響を受けたバンドやルーツについて教えて下さい。
Kaito : 恐らくメンバーみんなヘヴィな音楽をやろうと思ったきっかけは、FACTやSiMやcoldrainやマキシマム ザ ホルモンみたいな日本のラウドロックを聴いて育った事がベースにありますね。初めてやったコピーバンドもマキシマム ザ ホルモンとFACTだったし。
俺が個人的に影響を受けたミュージャンで言うとex.NORTHLANEのAdrian Fitipaldes(Vo)とTHE PLOT IN YOUのLandon Tewers(Vo)、そしてCrystal LakeのRyo(Vo)さんですね。
Daisuke:ギタリストとして影響を受けているのは、ISSUESのAJ Rebollo(Gt)ですね。ステージのスタンスや使ってる竿もすごく好きですね。それとColdrainのY.K.C(Gt)さんとVOLUMESのDiego Farias(Gt)にも影響を受けてます。あとはプレイスタイルは違うんですけど、ANIMALS AS LEADERSのTosin Abasi(Gt)もリスペクトしていますね。
あと意外かも知れないんですけどサンボマスターもすごく好きですね!去年福岡のフェスで一緒に共演する機会があり、すごく感激しました。
John:自分はPaleduskに入る前はピック弾きのベーシストでは無くて。ただ、ピック弾きになってから色々なアーティストを探して、これだという理想形なベーシストがex.PERIPHERYのAdam “Nolly” Getgood(Ba)でしたね。音もプレイスタイルも理想的で、今も彼のプレイを研究してます。
Seiya:メタルコアを聞くきっかけになったのはTEXAS IN JULYですね。あとはニコニコ動画とかの叩いてみた動画をひたすら見てます。
283:元々激しい音楽を昔はあまり聞いてなくて、ユーミン(松任谷由実)や小田和正がとても好きでしたね。激しい音楽を聴くようになったのはアメリカのMADINA LAKEというロックバンドの1stアルバム「From Them, Through Us, to You」を聴いてからですね。
プレイヤーとしてはBREAKERZでギターを弾いているAKIHIDE(Gt)さんです。彼がBREAKERZより前に弾いていたNEVER LANDというバンドの時から好きですね。あとcoldrainのSugi(Gt)さんにもかなり影響を受けてますね。
–283さん、かなり意外な所から影響を受けたりしてるんですね……、ありがとうございます。 次に、TRIPLE VISION entertainmentからリリースされる新作『Blue Rose』のことについてお聴きしたいと思います。
Daisuke:聴きどころについてなんですが、全体的にストレートさ、キャッチーさに重きを置いて曲を作りましたね。「分かりやすい曲の中に斬新なフレーズを入れる」というような所を意識しました。 あとは今作はかなり「ライブ映え」を意識した曲を収録しています。
–先に音源を聞かせてもらった印象ですが、今までの様に2ビート押しでテクニカルなフレーズを散りばめた……という感じではないですね。
Daisuke:そうですね。大きい所でやる事を意識しているのもあるんですが、細かいリフを多く入れるのではなく、分かりやすくノレるリフで勝負しようという狙いがあります。 現段階で、メンバーみんなができる良い意味での「引き算」をやった感じですね。 ライブでもストレートに楽しめるようなアレンジに出来たんじゃないかと思います。
–思い入れのある一曲はありますか?
283:「Lights」という曲です。この曲のイントロが曲作りで浮かんできた時に、よく聞いていた松任谷由実さんの曲で、一回のサビで2回同じフレーズを歌ったりしている部分を思い出したんです。リフレインの効果を使って、「一回サビを聞けば次のサビでは一緒に歌うことができる」フレーズを入れようと思いました。
この曲を作っている途中に、仲の良かったVictim of DeceptionのDaichi(Vo)君の訃報が飛び込んできて、その事を思いながら曲作りを進めていきました。特にその事を誰に言ったわけではないんですが、Kaitoが歌詞を付ける時にDaichi君のことを思い起こさせるような歌詞を付けてくれたんですよね。
Kaito:特にDaichi君個人に当てた歌詞として書いた訳ではないんです、曲を聴いた時にそう言った歌詞にしようという思いが浮かんできて。 僕の中では「この曲を捧げるぜ」っていう感情は少し違うなと思っています。そういう意識ではない方がもっと多くの人の元に届けることが出来るな、と。ただ、この曲を通して「生きるということはどういうことなのか?」という事を考えた時に、Daichi君のことも当てはまるなという思いで作りました。
–なるほど、ありがとうございます! 次に機材のことについてお聞きしたいんですが、PALEDUSKはチューニングもかなり低く最先端のサウンドを意識していると思うんですが、こだわりについて教えて下さい。
283 : チューニングはドロップFチューニングなんですが、ここまで低いとアナログの機材だったり、マイクで拾おうとすると低音の芯がボヤけてしまうので、僕とDaisukeはFractal Audio SystemsのAX8というアンプシュミレーターを使っています。そこで全て込みで音色を作ってしまってからライブのときはPAさんに投げるという手法を使っています。なので、ライブハウスの違いに左右されない、自分たちの出したいピュアな音像を出せる仕組みですね。
僕個人で使っているギターはE-Ⅱというメーカーから出てるTE-7というテレキャスターシェイプの物ですね。良い意味で音のレンジが狭いところがありまして、変にギャリつく感じの高音もなければ、モタつく感じの低音も出ないという感じで非常に引き締まった低音が出ますね。音がとても作りやすいです。
Daisuke : 僕はKieselというメーカーのAriesの7弦ギターを使ってるんですが、少し特殊なギターで、実はKieselの社長の私物のギターなんですよね。2017年のNAMMショウという楽器の展示会があるんですけど、そこでそのギターが始めて展示されていました。ボディに綺麗なラメが散りばめられてるんですけどその見た目に一目惚れしてしまって……。サウンドは低音がすごく出ていて個性的なサウンドだし、僕はその見た目と、何より絶対に人と被らないことが魅力的に思えて、これにしよう!と思いました。もともとこのギターはKieselの社長であるJeff Kiesel氏が、その年のNAMM SHOWに出すためのギターで売ってくれなかったんです。ただ、何回も何回も頼み込んで売ってもらいましたね(笑)!
John : 僕はエンドース契約している、Dingwall GuitarsのZ3xというモデルを使用しています。チューニングが低いと弦のテンションが緩くなりピッチもブレてしまうので、十分なスケールのあるこのベースを選びました。他にも自分の考える条件を満たしてくれるいいベースだと思います。
あと実は竿はもちろんなんですけど弦の方にもこだわりがあって、アメリカのKalium StringsのHYBRID BASSを使っています。とにかくブライトだし、アタックや倍音の出方、歪みの乗り方も気持ちいい弦です。ゲージは5弦-1弦で174-53とかなり太い部類だと思います。ただそのくらいないと鳴らないので。国内ではDingwallのスケールに対応していて、かつここまで太いゲージの弦は多分無いので、この弦を本国から輸入して使っていますね。
–なるほど、貴重なお話かと思います、ありがとうございます! 次に、ここ一年Paleduskは色々大きいイベントに出たりしたと思うんですがその中でも印象的な出来事を教えて下さい。
Kaito : ちょうど一年前にSHIBUYA TSUTAYA O-EAST で行われたPeripheryの来日公演にサポートアクトとして出演したんですけれども、それが1000人以上のキャパの会場に出た初めてのライブでしたね。その時にもう言葉にできないくらいの感動がありました。当日はソールドアウトしていまして、ステージから見た景色が凄くて、これを見るためにバンドをやってきたんだなと思いました。いつか自分達であんな景色を作りたいです。
その次に川崎のCLUB CITTAで「SCREAM OUT FEST 2017」に出演し、だんだんチャンスが巡ってくることが多くなりました。そして、8月に福岡でPROJECT FAMILY主催の「TRIANGLE’17」という海の横でライブをやる大型フェスに出演しました。自分達はその日のトッパーで、朝10:30からの出演だったんですが、その時間でもお客さんが結構入っていて嬉しかったですね。ただそこで気づいた事がありました。それまで、僕らを見てくれるお客さんは、もう既にメタルコアなどをがっつり聴いてライブに来る人が多かったんですけど、「TRIANGLE’17」みたいなイベントは、所謂フェスキッズみたいな感じのお客さんがメインで、その中でライブをした時に「俺らまだまだ、狭い範疇の中でバンドをしていたんだ!」と。そのライブは楽しかったんですけど、自分たち的には物足りなくて……自分達はまだまだこんなもんじゃない!と思いました。ただ、そこでcoldrainと仲良くなって、2週間後に彼らの「FATELESS JAPAN TOUR」ツアーの福岡場所に誘ってもらったり……得たものは非常に大きかったです。
こういう風に言うと、結局デカい舞台のライブばかりを言ってるような感じなんですけど、そのどれもがイベントの色が違っていたので、どれも印象的でしたね。「こういうチャンスがラッキーで終わらないようにする為にどうしたらいいんだろう……!」とか、現実的なものが見えた一年でしたね。
あとはCrystal Lake主催の「TRUE NORTH FESTIVAL 2017」のcoldrainのライブ中に、ゲストボーカルとしてフィーチャリングさせてもらったことはかなり最高でしたね。あれ印象的じゃなかったら、自分の頭はおかしいです(笑)。
John :あとは、去年10月に福岡のEarly Believersでのワンマンライブですかね。1時間以上のロングセットをバンドで初めて演りました。今までは長くて45分くらいだったんですけど、ワンマンに臨む前に、既存の曲の並べ方を考えたり、曲間に使うためのSEを用意したりして。ダレないライブのやり方というか…実際にやって反応を見ないと分からない事が多かったので。それを見ることが出来たという意味では、ワンマンはとても有意義なライブでした。
Kaito : デカいイベントは半年前とかにもう全部バンドがブッキングされてて、中々若手バンドにはチャンスが回ってこない……と皆思うかも知れないですよね。でもそれはメインのアクトだけの話で、もしかしたらすごいチャンスが舞い込んで来るかもしれないと毎日ワクワクしていられるようになりましたね。実際、PERIPHERYのサポートの話はライブの2週間前に決まったし。良いライブをしたらチャンスが転がってるんじゃないかと思ってますね。今、このインタビューを受ける直前にも、ビッグなイベントからのオファーが来ていましたし……!
-今注目しているバンドがいれば是非教えて下さい!
Kaito :よく対バンしている中で意識してる存在で言えば、AzamiとPRAISEですね。その2バンドはやっぱりすごくギラギラしてると思います。 地元の福岡で言えば、PORFIDIOが良いと思いますね。あとはACCIDENT I LOVEDもライブがすごくいいと思います。あと上京しちゃったんですけど、神はサイコロを振らない、も熱いと思いますね。
–ありがとうございます、新作を出してこれから「Blue Rose Release Tour」で各地を回られるかと思うんですが、今年やりたい事はありますか?
Kaito : フェスに出たいですね……!あとはアジア以外の海外に行きたいですね。アジアには行く話がちょくちょくあるので。あとはツアーを2ヶ月で18〜9本くらい回りますね。
-4/6〜8、ツアーファイナルシリーズで韓国のEND THESE DAYSを招聘しますね。
Kaito : もともと地元の福岡は韓国と近いから、韓国の友達が元からいて、その流れでEND THESE DAYSも前から知っていてすごく好きだったんです。去年7月にツアーで韓国に行った時に、うちのベースのJohnが所用で急遽来れなくなって、同期でベースを流そうということになったんですが肝心の音を録る為のベースが無くて……その時にEND THESE DAYSがベースを貸してくれて、ライブも見に来てくれて意気投合した感じですね。それで俺がその後、韓国に個人的に旅行に行った時にEND THESE DAYSのライブを観に行ってそこで誘ったという感じですね。
–これからのツアーが楽しみですね! 最後にこのインタビューを読んでいる読者、これからバンドを始める人に向かってなにかメッセージをお願いします!
Kaito:もちろん、自分たちの実力だけじゃなくラッキーとかもあるけれどもバンドを始めて2年と何ヶ月かで、1000人のオーディエンスの前でプレイしたり、高校生のときに憧れたバンドのツアーに呼んでもらったりしたんですけど、それはボーッとしてて話があっちから来たわけじゃないです。
何かしらのアクションを起こせば、誰か見てくれる人がいてチャンスがもらえるかもしれない、逆に何もアクションを起こさない人は見つけようがないと思います。
周りの目なんて何も気にせず、自分が会いたい人、憧れてるステージに近付くためには何でもする!くらいの気持ちを持つ事が大切ですね。
きっと何かを始めるのに遅すぎることはないから。
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