PALM インタビュー

PALM インタビュー

PALM (読み方 : パーム)
メンバー(LtoR): Akira Inada(Gt) / Toshihiko Takahashi(Vo) / Kenta Nakanishi(Dr) / Will de Monchaux(Ba)
HP : http://palmjpn.com/
Twitter : https://twitter.com/palmjp
Facebook : https://www.facebook.com/palmjpn/
Instagram : https://www.instagram.com/palmjapan/

 

ハードコア、パンク、グラインドコア、デスメタル、カオティック等々……様々な要素を内包し、10数年間独自のダークな音楽を貫いて来たバンド、それが大阪のハードコアバンドPALMだ。日本のアンダーグラウンド・ハードコアシーンにおいて、その強烈なサウンド・パフォーマンスで名を轟かせるだけではなく、度重なる海外遠征・数多くの著名ハードコアバンド達とも共演している。また、近年はPizza Of Death主催のSATANIC CARNIVAL’18にも出演し、老若男女問わずに衝撃を与えた事も記憶に新しい。

そして、PALMは2018年8月29日に約6年ぶりのフルアルバム『TO LIVE IS TO DIE, TO DIE IS TO LIVE』をリリースする。本作はこれまでに彼らが培って来たダークな要素をより深く、より濃厚にアップデータとした内容になっている。

今回、そんな彼らに対し、改めて彼らの音楽的ルーツ、本作にまつわる逸話、彼ら自身の近況や価値観等を伺うべく、メールインタビューを実施した。

 

文 / PALM    編集 / 宮久保 仁貴    Photo by cazrow aoki


 

それでは、今回お話をお伺いするに辺り、改めてバンドとして、そして皆様の音楽的ルーツを教えて下さい。

 

Takahashi : 結成当初のメンバーが全員好きだったのはPANTERA、SLAYER、SEPULTURA、CAVE IN、CONVERGE、SKINLESS、AFTeRSHOCK、VISION OF DISORDER、HATEBREED、DEFTONESなんかです。

自分のルーツを振り返るなら……初めて買ったCDは『機動戦士ガンダムF91』の主題歌だった森口博子の「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」でした。そこから90s’J-pop、THE BLUE HEARTS、長渕剛、NIRVANA、RANCID、PANTERA経由でいわゆるAIR JAM世代という空前のバンドブームにまみれながら色々なライブを見つつ、90s’punk、METAL、HARDOCRE、LOUDROCKなんかの扉 がどんどん開かれていきましたね。友達、先輩、後輩なんかとやばいバンドの情報交換しあいながらも、好きなバンドのサンクスリストをチェックしてかたっぱしから買い漁ってみたりして、気がついたらまだその延長線上みたいなことやってます。

今だに音楽聴くのも、見るのも大好きで日替わり定食みたいにころころと色々な音楽に影響受けてますが、自分がバンド活動をする上でプレイやーとして大きな 影響と、かつ色々な事を学ばせてもらっているSHOさん(EDGE OF SPIRIT/Vo)、松原さん(ex MORTALIZED、RETORTION TERROR、GRIDLINK/Gt)の2人の存在は本当に大きいです。

 

Inada : 幼い頃に100人規模の合唱団に所属していましたが、それ以後はあまり音楽に接していませんでした。高校生の頃にKORNやDEFTONESにハマり、そこから更に重い激しい音楽を求めて、Hidra headやRelapse, Earache等の作品を聴きあさっていました。最近はフラメンコを軸にヒターノ系の音楽にハマっています。ギタリストとして特に影響を受けたのは、Steve Austin(TODAY IS THE DAY/Gt),Duane Denison(THE JESUS LIZARD,TOMAHAWK/Gt), Raoul Björkenheim(KRAKATAU,SCORCH TRIO)です。そして、若い頃に価値観が覆される程の衝撃を受けたのは大阪に出て来たての頃に観たCAVOと鐵男のライブです。

 

Nakanishi : まず、最初のツービートとの出会いは友達とコピーした黒夢です。そこからNOFXやRANCIDなどの洋楽パンクバンドをコピーするようになります。その同時期にミクスチャー、モダンヘビネスの波が来ていたので、RED HOT CHILI PEPPERS、RAGE AGAINST THE MACHINE、KORN、LIMP BIZKITなどのグルーヴィーなものも聴いてました。で、最初に「メタルやばい、ツインペダルやばい!」ってなったのがSLIPKNOTです。そこからSLAYERとか色んなものを聴くようになって掘っていきましたね。

 

諸々ありがとうございます。それでは、この度は2018829日に新作『 TO LIVE IS TO DIE , TO DIE IS TO LIVE 』をリリースされますね。本作はフルアルバムとしては6年ぶり、前作EPからは4年ぶりとなる新作になりますが、こちらのリリースの経緯を教えて下さい。


【リリース情報】

【タイトル名】
『 TO LIVE IS TO DIE , TO DIE IS TO LIVE 』

【発売日】
2018/8/29

【価格】
3,000円(※初回限定盤/税抜) / 2,500円(※通常盤/税抜)
初回限定盤 : http://amzn.asia/d/729qoma
通常盤 : http://amzn.asia/d/7xAUO3V

【収録曲】
1. Scapegoat
2. Only Ego
3. Dedicated To Humanity
4. Burn The Silence
5. Call The Disorder
6. ex Owner is fucked
7. Leave Me Alone
8. Blood Clot Of Pain
9. Honorable Death
10. Sacrifice
11. 音我苦 -ONGAKU-
12. To Live Is To Die, To Die Is To Live

※初回限定盤のみDVDが付属。2013年に1ヶ月をかけてオーストラリアの全州をツアーするという、日本人としては前人未到のツアーの模様を収録したドキュメンタリー映像が収録。


 

Takahashi : スローペースながらも新しい曲を作って、出来たらすぐライブでやりたくなる性格なのでちょこちょこライブでやったりするんですが……いい加減にちゃんとまとめてアルバムとして出さないとなって事で無事にリリースする運びになりました。 1曲目から12曲目までの歌詞、曲、トータル36分が聴きどころです。

 

Nakanishi : ハードコアという括りで説明されることが多いバンドですが、デスメタル、グラインド、インダストリアル、ドゥームなど色んな要素が入ってるのでそういう拘ってるところを聴いてもらえれば嬉しいです。

 

Inada : アルバム全体の音像・質感・レンジ感があまり似た感じの無い独特な仕上がりになっていると思います。当初は「Only Ego」が一曲目の予定でした。最後に出来た「Scapegoat」が今までに無い感じの曲だった故に、一曲目になると聞いて少し悩みましたが、結果良い流れになったと思います。

 

本作の制作の裏側には数々の名クリエイターが携わられているとお聞きしました。その諸々に関して、教えて頂けますでしょうか?

 

Takahashi : ミックスはTaylor Young(NAILS/Dr,TWITCHING TONGUES/Gt&Vo)、マスタリングはBrad Boatright(FROM ASHES RISE/Gt&Vo)、アートワークはSamantha Muljatです。ミックス&マスタリングは前作の7epでも一緒に制作した2人なので、信頼もあったし相変わらず最高でした。アートワークをお願いしたSAMANTHA MULJATはここ数年、個人的に大好きなアーティストだったので、駄目もとでお願いしたら快く引き受けてくれました。彼女はまずアルバムのタイトルを凄く気にいってくれたんですが、そこから「何故このタイトルにしたのか?曲を聴かせてほしい。そしてどういった歌詞の内容なのか?」と、何度もイメージの共有と意見を交換し合い、色味、細部まで徹底的に拘って作られました。やりとりはほんとうに大変でしたが、凄く良いものができたので嬉しいです。

 

Nakanishi : 制作時に1番感動したのは、僕らの音楽を理解してくれてるTaylor Youngのミックスが、良い感じにオールドデスメタルで最高だったことです。

 

本作からはリリースに先駆け、「SCAPEGOAT 」の MV が公開されていますね。こちらの制作時の裏話をお聞かせ下さい。

 

 

Inada : 撮影当日のライブハウスオープン直後に楽屋からフロアの様子を見伺っていたところ、疎らに数人 、といった感じで焦りましたが、いざ撮影がスタートする頃には大盛況で来場して頂いた方々にはとても感謝しています。

 

Takahashi : みんなが激しくめちゃめちゃ盛り上がってくれたおかげで、ライブ始まって2曲目くらいで1台カメラがぶっ壊れた事ですかね。終わってからカメラの値段聞いて震えました。

 

直近の活動に触れますと、先日幕張メッセ 9-11 ホールにて開催されたSATANIC CARNIVAL’18に出演されましたね。こちらの反響は現場・SNS上でも非常に大きなものであったかと思われますが、こちらの出演に関する経緯を教 えて下さい。また、この日の手応えは如何でしたか。

 

高橋 : 経緯というものは特になくて、突然お誘いの連絡があったので、まず普通にめちゃめちゃびっくりしました。その時になぜ僕等を誘ってくれたのかとか、SATANIC CARNIVALのフェスとしての趣旨だったりを色々とお話しさせてもらって……「それならば是非よろしくお願いします!」って流れでしたね。本当に多くの人にライブも観てもらえて、終わった後に沢山の初めて見たって人達が、前作のアルバムを買ってくれたので単純にめちゃめちゃ嬉しかったです。貴重な経験をさせてもらって凄く感謝してます。

 

Nakanishi : 質問と少し話は逸れますが、この日はドラムテックにEiji(ex FACT/Dr、ex Joy Opposites/Dr)さんが入ってくれたので、気持ちよくライブできました。ライブの手応えは、本番中あまり感じなかったんですが、後から音源を買ってくれる お客さんがたくさん来てくれたので、何か伝わったのかなと感じれて嬉しかったです。

 

Inada : 過去、OZZFEST JAPANを観に来ていた場所でプレイ出来たので感慨深かったです。

 

– それでは、今まで活動してきた中で最も印象深かった出来事を教えて下さい。

 

Takahashi : 個人的には2010年にスウェーデンのMunkedalという街で、完全DIYで行われてるPUNK ILLEGAL FESTIVALに出演した時ですかね。出演日の前日に現地に着いて、Mikaというモヒカン、鋲ジャンに身を包んだ隙無しで厳格、かついかついルックスの 奴が僕等のケアをしてくれる事になったんです。彼は見た目とは裏腹にめちゃくちゃ優しくて良い奴で、自分達を取り巻く国の事、何故パンクロック、ハードコアミュージックが好きなのか、何故このフェスがこういう形で行われてるのかとか、そいつ含め色々な人と色々な話しをしました。いわゆる娯楽、コンテンツみたいなものとしての音楽ではなく、とにかく自分達の’生活’の中にハードコア・パンク、音楽が溶け込んでいるのを肌で感じて、自分の中での価値観がグラグラと揺らぎましたし、改めて自分を見つめ直す大きなきっかけになりました。

フェスの大トリのFROM ASHES RISEが演奏してる途中で帰りの空港に向かわないと行けなかったんですけど、移動する時にちょうどめちゃめちゃ好きな「The Final Goodbye」という曲が始まって、ずっと僕等のケアしてくれたMikaと「寂しいな~。」って感じで別れのハグをしたら「イッツ ア スモールワールドだ。寂しくないぜ。俺たちはまたすぐ会える!」とか言うもんだからなんか泣けてきて。今でも「The Final Goodbye」を聴いたらブワッとこの時の思い出がフィードバックして、胸が熱くなるものがあります。因みに余談ですがそのMikaとは、2015年に彼が日本に遊びに来た時にまた再会して、今でも良い関係が続いてます。

 

Inada : 2016年に出演したチェコでのObscene Extreme Fest。当日は朝から大雨で野外ステージゆえに観客も疎らだったのですが、PALMの本番直前に晴れてきて人も集まり、結果大盛り上がりだった事はとても印象的な出来事です。

 

 

Nakanishi : 前回のヨーロッパツアーのOEFでINCANTATION、BRUJERIA、INSECT WARFEREなどと一緒にやれたこと、そしてツアー最終日にMISERY INDEXのレコ発ツアーのプラハ場所に出れたことです。

 

話は変わりますが、皆さんが最近聴いた中で感銘を受けたアーティストを教えて下さい。

 

Takahashi : HANK WOOD AND THE HAMMERHEADS、BELL WITCH、SPECTRAL VOICE、LINGUA IGNOTA、CADAVER DOG、BIRDS IN ROW、FIVE NO RISKの新しい作品がお気に入りです。感銘を受けたというか、最近CROSSBEAT Special Editionの一冊丸々TOM WAITSの本を買って昔のインタビューとか読んでたんですけど、改めて最高だな〜と思いました。

 

Inada : NEIL YOUNGのArchivesですね。元々殆どの音源を所持していましたが、独自のストリーミング技術のせいか、とても音が良いので初期からの膨大な作品群を改めて聴きこんでいます。これが無料だというのが信じられません。

 

Nakanishi : 最近出会ったドラマーでいうとMISERY INDEXのAdam Jarvis(Dr)、INSECT WARFEREのDover(Dr)がマイヒーローです。

 

– それでは、近年の音楽シーンについて皆さんが思う所を語って下さい。

 

Takahashi : 大阪は新たな若い世代の子達が遊びに来てくれることが増えたので、そこは凄く良いことだと思っています。でもそれに比べて近いところで新しいバンドはそんなに増えないし、バンドの数はどんどん少なくなってきてるので、若い世代の人達はモッシュの練習とかに時間をつかう暇があればバンドをやってほしいと切に願っています。世界規模だと色々と思うところもありますが、90年代から一周回ってきた感じでシーンとしては良い意味で凄く盛り上がっているような気がします。

 

Inada : うまく言葉に出来ませんが、ノリや人間性の部分ではない、曲の中でのリフや音づかいに宿る『関西感』といったものが最近少しわかってきた気がします。ワールドワイドにハードコアシーンを見ると、楽曲に意図的なノイズを取り込んだアプローチのバンドが増えていますが、ライブにおいてその再現性の高さに驚く事が多々あります。

 

皆さんの今後の目標を教えて下さい。

 

Inada : 良い曲を作り良いライブをしたいです。

 

Takahashi : 前作を出した時も言ってた気がしますけど……とりあえず次作はもっと早いスパンで出したいと思っています。

 

-PALMの今後の予定をお教え下さい。

 

Takahashi : 国内もちょこちょこと決まってるライブあるんですが、9/14~9/30までEuro tour、11月はS.E ASIA tour、来年の2月or3月にAustralia tourをして、春以降にアルバムリリースツアーとして国内の行ける街に色々行きたいと思っています。どうなるか分かりませんけどいくつかスプリットEPの話しもあるので、もしかしたら来年それのリリースとかもあるかもです。

 

Inada : 今後幾つかリリースに向けた話もあるので、アルバム制作を経てそこから見えてきたものを新しい作品に落としこみたいです。

 

それでは最後に、 TOPPA!! 読者へのメッセージをどうぞ。

 

Nakanishi : 新譜発売以降かなりライブもやりますし、早速次の音源に向けて新曲も作っていってるのでこれからもサポート宜しくお願いします。

 

Takahashi : 月並みですがアルバム買って聴いて、タイミングが合えば是非ライブにも遊びに来てください。最後までインタビュー読んでもらってありがとうございました。

    Comments are closed, but trackbacks and pingbacks are open.