SRBGENk インタビュー

SRBGENk インタビュー

SRBGENk(読み方 : ゲンキ)
HP : http://sweetrubberberry.sakura.ne.jp/
Twitter : http://twitter.com/SRB_GENk
Facebook : https://www.facebook.com/srbgenk/

SRBGENk(ゲンキ)氏は都内在住のペインター。”怖いは美しく、恐いはエロティック”と掲げ、オカルトやホラー、血をモチーフとした作風にはkawaiiと恐怖が混在している。
”幻想的”で……その反面”痛み”を伴った作風は人々の目を釘付けにする事間違い無しだろう。元々WEB上での活動がメインだったSRBGENk氏だが、2012年のGOREDECKをきっかけに、各展示会にも参加、近年はボードゲーム『ハコオンナ』のメインビジュアルも担当し、2017年2月にはヴァニラ画廊での個展開催等、その活動範囲を大きく広げている。

今回、SRBGENkに対し、彼の作風や音楽的ルーツ、近年の多岐に渡る活動のあれこれ等を聞くべく、メールインタビューにて話を伺った。

文 / SRBGENk 編集 / 宮久保仁貴 写真 /SHIN


 

-TOPPA!!初登場という事で、SRBGENk様の自己紹介をお願い致します。

 

SRBGENk : どうも初めましてSRBGENk(ゲンキ)です。ペインターです。よろしくお願いします!

作家さんによくある話だと思いますが、子供の頃から絵を描く事が大好きで、授業そっちのけで絵を描いたり好きな漫画キャラを模写したりしているようなタイプでした。当初は絵を描くという事に特別な意識は無くて、楽しい暇つぶしの落書きぐらいにしか考えていませんでした。ただ、進学して行動範囲が広がり入手できる情報が多くなるにつれて、徐々に“絵を描く仕事”を意識するようになっていきました。パソコン=デジタルアートとの出会いも大きかったです。デザイン系の専門学校を卒業してからしばらくはインターネットが活動の場でしたが、2012年のGOREDECK展に参加したことを切っ掛けに、徐々に展示活動にシフトしていって今では展示がメインの活動の場になっています。

 

-SRBGENk様の画風にはオカルトやホラー、エロス、美しさを感じます。
そんなSRBGENk様の絵のルーツを教えて下さい。

 

SRBGENk : 高校生の頃たまたま見た深夜の通販番組で、今は亡き韮沢靖さんがデザインしたZIPPOライターが紹介されていたんです。その絵柄に猛るというか「なんだこれ!?こんな絵を描く人がいるのかッッ!?」と凄い衝撃を受けました。同時に、「自分が求めていた事、やりたかった事はコレだッッ!!」とはっきりわかったんです。でもあまりの衝撃で名前を記すどころか絵柄意外が頭から吹っ飛んでしまったんですよね(笑)。
なので翌日からあらゆる書店で記憶にある絵柄探索を始めました。当時はまだインターネットは一般的ではなかったので今と比べると不便だったかもしれませんが、自分の足を使っての情報収集は宝探しのような感覚で凄く楽しかったのを覚えています。

その経験から書店巡りにはまって、洋書コーナーやデザイン・画集コーナーなどで目に入る魅力的な写真やワード等を収集するようになりました。今思えば能動的では無く、目に入るがまま受動的に情報を吸収していったのが良かったんだと思います。通うたびに自分の知らないジャンルや、それまで興味が無かった美しい世界をどんどん吸収する事が出来たので。雑誌SMHや流行通信、SPAWNや寺田克也さんに恋月姫さんなど……素晴らしい出会いを経ていくうちに、いつしかサブカル・鬼畜・悪趣味ブームへと足が向いていきました。
意外かもしれませんが、自分は高校生ぐらいまでホラー・スプラッターが大の苦手で、当時はできるかぎりそういった媒体と接しないように生活していました。

 

-それは本当に意外ですね!そんなSRBGENk様がホラーやスプラッターに耐性を持つきっかけは何だったのでしょうか?

 

SRBGENk : そういったものが苦手な自分にとっても90年代サブカル・鬼畜・悪趣味ブームは刺激的で輝いて見えて、目に入ってくる『死体』『ドラッグ』『タトゥー』『エロ』etcという思春期には恐ろしくも魅力的なタブーに逆らえませんでしたね(笑)。怖いもの見たさで惹かれるままに雑誌を読み漁って、結果的に嫌いが反転してオカルト・ホラー・スプラッターの虜になってしまいました。その流れで知ったのがTrevor Brownですね。Trever作品との出会いはタブーとの出会いでもあり、衝撃的でまさに最高の魅了でした。

自分にとって絵の世界への道を示してくれたのが韮沢靖さん。その後の作風を照らしてくれたのがTrevor Brownです。この二人はいつまでも最高であり最大の憧れです。

 

-SRBGENk様の活動は多岐に渡りますが、音楽系のアートワークも度々手がけていらっしゃいますね。GENk様の音楽的ルーツを教えて下さい。

 

SRBGENk : 子供の頃にMVをたくさん見ていまして、中でも『ディズニーポップ&ロック』という、ディズニーアニメーションにMARTHA & THE VANDELLASやTHE BEACH BOYS、THE DOOBIE BROTHERS等の曲を合わせたMV集が大好きでいつも夢中で見ていました。音楽が好きになったのはそれらのMVのおかげだと思います。逆に、同時期に見せてもらったMICHAEL JACKSONの「Thriller」のMVがトラウマになって、そこからホラー嫌いも始まっています(笑)。

小学生の頃まではテレビで流れる音楽を聴くぐらいでしたが、漫画『疾風伝説 特攻の拓』という漫画の作中で紹介された実在するバンド、EXTREMEやSTRAY CATSに興味が出てから洋楽を聴くようになり、MEGADETHを皮切りにメタルやパンクを聞き始め、ゲームのビートマニアとの出会いでテクノやブレイクビーツ等も聞くようになりました。かなり影響されやすいというかミーハーです(笑)。

特に影響を受けているアーティストを言えば、QUEENADREENA、NINE INCH NAILS、ATARI TEENAGE RIOT、JOHN ZORN、MIKE PATTONからは多くの影響を受けています。特にQUEENADREENAは1stアルバム『Taxidermy』を個展のタイトルにしてしまうぐらい敬愛しています。

 

-ちなみに、SRBGENk様が一番初めに手がけられた音楽系のアートワークは一体どなたのアートワークだったのでしょうか?

 

SRBGENk : 仕事として初めて手がけたのは2006年のFROG FLAVORの『Space of Magic』というアルバムのアートワークです。

彼らのジャンルは言うならば……ジャズ、ファンク、プログレからヘヴィー・メタルまで縦横無尽に駆け巡るギタートリオでしょうか。高校時代に入部していた軽音楽部のベースの先輩が立ち上げたバンドで、「デビューする時はお前に頼もうと思っていた!」と言って頂き、個人的に熱くなったのを覚えています!高見一生(Gt/BARAKA)さんからは仕事として作品を出すということの覚悟や責任など沢山勉強させてもらいました。

 

-活動の話に戻りまして、直近の画家活動について教えて頂ければ、と思います。

 

SRBGENk :グループ展やテーマ展へのアナログ作品出展の割合を上げています。ここ最近は水彩画だけでは無くアクリル画の出展も始め、画法と作風のバリエーションを増やしている最中です。将来的にデジタル作品との差を無くし比率を半々に出来たらと考えています。あと基本的に人前で絵を描く事が苦手なんですが、描き始めてしまえばライブペイントもコミッションイベントも楽しめるので、少ずつ克服していこうと努力しています。

 

-それでは、今まで活動されてきた中で一番印象深かった出来事を教えて下さい。

 

SRBGENk : うーん……絞るのは難しいですが、やはり展示活動にシフトする切っ掛けなったGOREDECK 2012ですね!

 

 

-GOREDECK 2012は懐かしいですね!私自身も会場に行き、SRBGENk様の作品は勿論の事、江川敏弘氏やキョウグ氏等の作品を拝見させて頂きました。

 

SRBGENk : なんやかんやでもう6年前ですもんね。江川敏弘さんと氏賀Y太さんという、エログロ、ゴアアート界の神様二人が主催する展示。しかも公募で誰でも参加できる夢のような機会なんてそうは無いです。ただ、本当の事を言うと、実際はビビリまくってしまい、応募するか凄く迷ったんですよ。それまでインターネットでしか作品を発表していなかったのに、初めての展示になるであろう場所がとんでもない大舞台で大丈夫か?って。作品の作り方もわからないのに用意できのか?仕上げられるのか?それ以前に俺みたいなやつが応募して良いのか?って。

でも「ここで応募しなかったら自分は一生このままで終わっちまうぞ!」って奮い立たせて応募したんです。その時出した勇気がすべて今の活動に繋がっています。大変な事も沢山ありましたが、未だに夢に見るぐらいめちゃくちゃ楽しかったです!そこで出合った作家さんたちとも長い付き合いになっています。

 

-話は変わりまして、最近触れた中で感銘を受けたアーティストを教えて下さい。

 

SRBGENk : 鉄を自在に操るアーティストJUNK LAW(http://www.junklaw.jp/index.html)さんです!!
以前からテレビ番組や世界で一番格好良くて愛して止まないスケートブランドSKULL SKATESとのコラボ等で存じ上げていましたが、お会いしてお話しできる機会があり、作品以上にデカくてハードコアで格好良い人柄に一発でやられてしまいました。本当に格好良い憧れの先輩です!!

あと先月のジャパンコミックアートエキスポというコミッションイベントで知り合ったTrevinoArt(http://trevinoart.com/)さんです。彼は日本在住のメキシコ人コミックアーティストで、描かれる線や表情全てが魅力的で、一目見てファンになってしまいました。
自分は線の表現が得意ではないので、魅力的な線を描かれる作家さんにとても惹かれます。

他には作家仲間の雪駄(http://sanshin-art.com/)さんですね。彼は筆字デザインと絵を武器に活動している作家なんですが、会う度に絵を描く楽しさ、特にアナログイラストの良さを再認識させてくれます。お互いに刺激を与え合う仲間でありライバルといった良い関係です。

 

-それでは、SRBGENk様自身の近年の活動を振り返ると、如何でしたか?そして今後の抱負を語って頂ければ、と思います。

 

SRBGENk : 2016年にフリーになり、改めて画家としての活動が始まりました。そのスタートとしてヴァニラ画廊でのグループ展『虚ろの国のアリス』展に参加できたのは感慨深かったです。主催してくださった花蟲さんに、猫将軍さん、マチゲリータさんとは以前からお仕事を一緒にしており、特にマチゲリータさんは自分が注目される切っ掛けを作ってくださった方でもあったので、一緒に展示できたのは本当に嬉しかったです。個人的にファンだった七菜乃さんとはその後共同でアートブックを出すことも出来ました。その展示で知り合ったshichigoro-shingoさんは尊敬するライバルの一人になりました。

そしてなによりTrevor Brownとヴァニラ画廊で展示をする事ができ、作家としての大きな目標が二つ同時に達成することもできました。その後も様々な展示にイベントを重ねていき、アナログ作品への挑戦にアパレルや画集の発表、ボードゲーム『ハコオンナ』との素晴らしい出会い、そして去年は初の個展も行う事ができました。ありがたいことに順調に目標を達成できていますが、まだまだ自分の絵に足りない部分が多すぎて、いくら時間があっても全然足りません!

 

 

今後はアナログ作品への挑戦を重ねつつ、表現したいもの、描きたいもの、自分にとってのエログロとは何か、をしっかりと見つめ直し、地上最強の血の画家を目指して突っ走って行きたいと思います!!

 

-以前にも増して、SRBGENk様は活動の範囲を広げられましたよね。今後のご活躍、期待しております!
それでは、近年の画家/イラストレーターシーンについて思う所を語って頂ければ、と思います。

 

SRBGENk : iPad+Procreateのように、ガジェット、ツール、アプリの連携や進化が著しく、どんな場所でも簡単に絵が描けるじゃあないですか。それを発信できる場もどんどん増えていて、今の子は良いなあと嫉妬しつつ、本当に素晴らしい流れだなと思ってます。しかし、そういった便利が増えた反面、展示に足を運んだりライブへ行ったり、書店やお店で直接目で見て吟味する機会も大事にしていかないといけないなと思います。

シーンではLIMITS Digital Art Battleのような新しいエンターテイメントの登場や、ライブペイントイベントの盛り上がり、コミッション等の海外で盛んな文化がどんどん輸入され、今まで以上に多様な表現の登場や新しいアーティストの活躍が期待できますね!作家としても新しいイベントやツールが増えてくれるのは嬉しいです!

 

– SRBGENk様自身のお話に戻りまして、今後の予定をお教え下さい。

 

SRBGENk : 7月17日〜7月29日に銀座ヴァニラ画廊で2回目の個展『Unknown Cults』が開催されます。
前回よりも大きな展示部屋で作品数も多く見ごたえも迫力も増しています!!
新しい画集の発表に加え、会期中の7/21(土) にはトーク&イベントもあります。絵描きにとって展示はライブですので、直接見て感じてもらえると嬉しいです!是非ともよろしくお願い致します!!

 

■ イベントタイトル
『Unknown Cults』

■日時場所
【2018年7月17日(火)〜7月29日(日)@ヴァニラ画廊】
月曜日〜金曜日 12:00~19:00
土日祝 12:00~17:00
展覧会室A 入場料500円(展示室AB共通)
※会期中無休

■詳細URL
https://www.vanilla-gallery.com/archives/2018/20180717a.html


 

-今回は諸々ご回答頂きましてありがとうございました!それでは最後に、これから画家/イラストレーター業を始めようと考えている方へのメッセージをどうぞ。

 

SRBGENk : 絵や表現は戦いだと考えています。人種性別容姿年齢関係なく平等に戦える事なんて他に無いと思うんですよ。こんなに平和で最高に熱い戦いって無いと思うんですよね!とはいっても勝ち負けなんて無くて、作者として胸を張れたか誇れたかってやつです!必要なのは紙と鉛筆とちょっとの勇気!描きたいものを描いて誰かに見せましょう!まずはそこから!!
何事も自分で良いと思えるものを表現して発表し続けていればいつの間にか成れているもんだと思います!
がんばれ!!

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