江川敏弘(読み方 : えがわとしひろ)
HP : http://toshihiroegawa.com/
Twitter : https://twitter.com/Toshihiro_Egawa
Facebook : https://www.facebook.com/toshihiroegawa666
江川敏弘氏は大阪府出身、岐阜県在住の画家、イラストレーター。地球上で数々の残虐な音楽ジャンルはあるが、その中でもエクストリームな『ブルータルデスメタル』、かつ本場である欧米のアンダーグラウンドシーンにおいて、江川氏は大きな支持を得ている。15年以上に渡りアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界25ヶ国以上のデスメタルバンドからCDカバーアートやTシャツアート、ロゴデザインなどのオファーを受け、数多くのマスターピースを手がけてきた。
海外では、ARCH ENEMY、CRYPTOPSY、KATAKLYSM、HEAVEN SHALL BURN、SUICIDE SILENCE、DYING FETUS、KRISIUN、MASSACRE、DEEDS OF FLESH、ABIGAIL WILLIAMS、DISFIGURING THE GODDESS、DEVOURMENT、VEIL OF MAYA、PROTEST THE HERO、THE FACELESS、WAKING THE CADAVER等、名だたるアーティスト達のデザインを江川氏は担当した。
また、過去日本国内のアーティストに関して言えば、BABYMETAL、SiM、Crossfaith、the GazettE、KEYTALK、FACT、ROTTENGRAFFTY、NAMBA69、HER NAME IN BLOOD、INFERNAL REVULSION、キバオブアキバ、私立恵比寿中学等、エクストリームなアーティストからポップなアーティストまで、そしてSUMMER SONIC Osaka、京都大作戦などイベントへのデザイン、脇田涼平(RNR TOURS)氏著作の『ブルータルデスメタルガイドブック』の表紙デザインも江川氏は手がけた。
今回、数々の名アートワークを手がけてきた江川氏に対し、彼がこの仕事を始めたきっかけ、その画風や音楽的ルーツ、近年のアートワークに関する逸話等を聞くべく、メールインタビューを試みた。
文章・写真・イラスト / 江川敏弘 編集 / 宮久保 仁貴
-TOPPA!!初登場という事で、改めて江川様の自己紹介をお願い致します。
江川敏弘 : 初めまして、画家/イラストレーターをやっております江川敏弘と申します、よろしくお願い致します。まずは、このような機会を下さいましてありがとうございます!
デスメタルからアイドルまで幅広くミュージシャンやアーティストのTシャツアートワークやカバーアート、ロゴデザインをさせて頂いております。また、画家としてファインアートの制作も続けております。
-こちらこそ今回ご回答頂きましてありがとうございます!それでは、いつからアートワークのお仕事を始められたのでしょうか?
江川敏弘 :この仕事についたきっかけですが、20代後半にデスメタルを専門に扱う国内のディストロの方から「カバーアートをやってみないか」と誘いを受けたんです。私も当時そこの客だったのですが、ウェブサイトに載せていた作品をその方が見てくれていたんです。そうして引き受けた最初のデスメタルのカバーアートが南米コロンビアのブルータルデスメタルバンドINTERNAL SUFFERING の『Unmercyful Extermination』だったのですが、この仕事を皮切りに世界中からオファーを頂くこととなりました。それから2008年ぐらいまで非常に多忙でしたが、少しずつオファーを受ける量を減らしファインアートの時間を増やし始め、現在に至ります。
-もう10年以上が経ちますね……!数多くのマスターピースを作成されてきた江川様ですが、画風に関するルーツを教えて下さい。
江川敏弘 : 最も影響を受けたのは中世の宗教画やギュスターヴ・ドレ、生頼範義氏の作品だと思います。もちろん絵画だけでなくその他多くの映画や漫画、ゲームからの影響を受けましたが、特に作風においては先に述べた作家や作品から刺激を受けました。生頼氏の作品は高校生の時によく模写しました。ドレの作品はメタルのアートワークの古典、聖典のような存在だと思いますが、いまでも参考にすることもあります。宗教画は子供の頃から好きでしたが、デスメタルのアートワークをするようになって観る機会が増えました。
海外のデスメタルはアンチクライシス描写が多いので必然的に基本に触れる必要がありました。キリスト教圏のバンドがほとんどなせいかもしれませんが、当初日本人の私には「そんなに嫌いなのか(笑)」と思うほど、依頼コンセプトや絵のテーマとする歌詞にイエスを徹底的に破壊する描写がありました。しょっちゅうそんな感じでしたので、普通のキリスト教絵画展に行ってはアンチ描写のインスピレーションを得る、みたいなこともしていました。なので作風に結構な影響があったかもしれませんね。
-海外と日本との宗教観の違いを感じますね。
江川敏弘 : あと子供の頃から、図書館にあるような大きな『昭和の事件史』みたいな写真図鑑(資料?図説?でしょうか)を見るのが好きで、特に第二次大戦や原爆の悲惨で惨たらしい写真を食い入るように見ていました。今ではそういったものはドキュメンタリー映像でいつでも見れるかも知れませんが、当時少年の私には衝撃的で、その時目の当たりにした写真のリアリティが、作風のリアリズムや細かさに影響したとは思います。
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