TOSHIHIRO EGAWA ( 江川敏弘 ) インタビュー

TOSHIHIRO EGAWA ( 江川敏弘 ) インタビュー

-ご回答ありがとうございます。それでは、江川様のアートワークは音楽と関連した物が多いですが、今改めて江川様の音楽的ルーツを教えて頂けますでしょうか?

 

江川敏弘 : 20代前半までJPOPのヒットチャートを追っていましたが、PANTERAから始まってSEPULTURA、BRUTAL TRUTHやNASUMでグラインドコア、CARCASSでゴアグラインドにはまり、そこからブルータルデスメタルにはまり出しました。今でもブルータルデスメタルはよく聴きますが、以前より幅広く聴くようになりました。特にダークアンビエントが最近は好きです。

 

-ポップスからデスメタルまで幅が広いですね!江川様の音楽的ルーツもそうですが、近年は国内外メジャー・アンダーグラウンド問わず、幅広いアーティスト等のアートワーク・ロゴやマーチデザイン(Tシャツ)をデザインされていらっしゃいますね。それこそBABYMETALやSiM(DEADPOP FESTiVAL)、ISSUES、the GazettE、ブルータルデスメタルガイドブック、ARCH ENEMY、俺の藤井2016、HER NAME IN BLOOD等々……!直近で参加された諸々についてお聞きできれば、と思います。

 

江川敏弘 : 一つ一つが印象に残る仕事でしたが、特にBABYMETALはちょっとした事件でした。最初にお話を頂いた時は、何かの間違いか送り先を間違えたのだろうと思いました(笑)。当時は今ほど幅広い活動はしておらず、デスメタルアートワークがメインでしたので。

 

 

メールを何度も読み返してみましたがどうやら間違いではないと分かって、「何かが起こるんだろうな……!」と勘が働いたのを憶えています。普通だったら私のような仕事をしている人は作家のイメージに保守的でしょうから断ると思いますし、私も断った方が良いかと思ったんですね、一瞬。ただ、何か流れが変わるんだろうな、と思ったんです。漠然とですが。大きな流れというか、そういうものを感じて。そこに、自分がやってきたことが生きるなら意義があるなと思いました。あと、デスメタルアートワークをストイックにやってきた上で、あえてジャンルの遠いところにデスメタルを届けたい思いがずっとあって、たった一人でもデスメタルに興味を持つ人が増えたらと思い続けていたので、この仕事を引き受けさせて頂きました。同時にこの時期、実はエビ中(私立恵比寿中学)からも依頼があったことが印象深かったですね。ほぼ同時にメールを頂いて驚いていたのを憶えております。いったい何が始まるんだと。

そして、BABYMETALに限らず先に挙げて頂いたSiMやthe GazettE、俺の藤井2016などの仕事も積極的に受けてきました。

 

アートワーク一覧 : http://toshihiroegawa.com/html_j/index.html

 

-江川様がデザインをご担当された影響で、上記のバンドやフェスに辿り着いたファンも多いと思います!私個人もBABYMETALを知ったきっかけは江川様のアートワークがきっかけです!そう言えば、江川様自身がプロデュースされていらっしゃるファッションブランド「Gluttonous Slaughter(グラトナス・スローター)」は今年でスタートしてから6年目を迎えますね!こちらを始められたきっかけを教えて下さい。

 

江川敏弘 : 当初はRuthless MassacreとGluttonous Slaughterの二枚看板で始めたのですが、いまでは代表名がBrutal Death Clothingで取り扱いブランドとしてGluttonous Slaghterとしています。

最初のきっかけは、完全に自分の思うイメージで描いたアートワークのシャツが欲しいと思ったのがきっかけだったと思います。バンドTシャツだと自分の意見やコンセプトが発端ではなくて、やはりバンドの発案が最初にあって、それは言ってしまえば自分ではない他者のアイデアや考え、思いからできたものなんですよね。それに、当時バンドTみたいないかつい絵柄のTシャツってそうなくて、あったとしてもロックやハードコア寄りの絵柄だったり、バイカー向けだったり、メタル、それもデスメタルテーマは見かけなかったんですよね。そういう体験もあって、自分発信で作りたいという思いが年々強くなってきて、ブランド立ち上げに至りました。

また、ブルータルデスメタルの仕事をここまでやってきた自分こそ、こういったデスメタルをテーマとしたブランドを、しかも日本発信で、やらなくてはいけないんじゃないかと思ったのもあります。誰かがやってくれないかとか、自分じゃなくてもって少しはあったのですが、もし誰かに先にやられたら悔しいじゃないですか(笑)、なら自分がやろうと。

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