THE冠アルバム発売記念 奪冠ツアー2017/2018 2018.1.28@SHIBUYA TSUTAYA O-WEST ライブレポート

THE冠アルバム発売記念 奪冠ツアー2017/2018 2018.1.28@SHIBUYA TSUTAYA O-WEST ライブレポート


pix : Yumiko Haba/BURRN!

取材・文・編集 / 宮久保仁貴  pix:Yumiko Haba/BURRN!  /  書上友輔(カキガミユウスケ)


2018年1月28日、ヘヴィメタルバンド、THE冠が4thアルバム『奪冠』リリース記念のツアー「奪冠ツアー2017/2018」のワンマン公演をSHIBUYA TSUTAYA O-WESTにて行った。この日は、2017年10月よりスタートしたツアーのファイナル公演であり、見事チケットもソールドアウト。冠徹弥(Vo、以下冠)、べっち(Gt)、THUNDER(Ba)、YOUTH-K(Dr)の4人に、K-A-Z(Gt)も加わり、究極完全体のTHE冠のライブが繰り広げられた。

「行こうか渋谷!」冠の一喝と共に、本ツアーのタイトル名でもある「奪冠」からツアーファイナル公演がスタート!のっけからテンションMAX、5人編成の究極完全体THE冠サウンドはそれはもうバカデカく、会場全体に鳴り響いた。続いて、バンドは「花占い」「ただ単に」をプレイした。「アホになる準備出来てんのか?!」冠の煽りに、アホになっているオーディエンスの返事は一つしかない。バカデカいヘヴィメタルサウンドに対し、歯止めが効かないほどにバカデカい歓声で応える。ライブ中、ふと見せる冠の笑顔は46歳のそれとは思えないほど、ピュアで純真だ。


pix : Yumiko Haba/BURRN!

MCでは、本公演がソールドアウトした事に対し、冠は感謝の言葉を述べた。それと共に、「お前らの溜まってるもん、全て破壊したろやないか?!」とTHE冠らしく、漢気溢れる喝をオーディエンスに飛ばした。会場の熱気が高まる中、バンドの代表曲「傷だらけのヘビーメタル」、「RIKI」が演奏された。「今だ!」と言わんばかりに、突如オーディエンス内に巨大なサークルピットが発生した。そんな中、歌い上げる冠の姿にどこか哀愁を感じさせつつも、美しさを感じた。

「このフロア揺らそうか?ヘヴィメタルが欲しいか〜?!」と冠がオーディエンスを煽り、「哀罠メタル」がスタート!冠自ら客中に突っ込むハードコアなパフォーマンスを披露するやいなや、この日初のダイバーが発生した。曲終盤で「照明さん〜!」と冠が叫ぶやいなや、冠の顔にスポットライトが!これぞ、THE冠流様式美。

MCでは、冠が「ホンマに楽しいツアーやったね〜!K-A-Zも途中で合流してね、まぁTHE冠最強の形でございます。自分らの好きなやり方で暴れてちょうだい!」と言い、「帰郷」をプレイした。次の曲に行く際、冠の声が掠れて森進一のようになってしまうアクシデントが!「声援もらえませんか?みんなの声がないとハイトーンが出ない。」と冠がオーディエンスに頼むやいなや、はち切れんばかりの声援が会場中から鳴り響いた。オーディエンスの声が大きくなるにつれ、冠の声もどんどん大きさを取り戻していく。その様子はまるでドラゴンボールの元気玉を思わせるようだ。見た目はクリリン、中身は悟空なのが冠徹弥なのだ。


pix : 書上友輔(カキガミユウスケ)

続く「エビバディ炎」では、ガンガン盛り上がっていく中、突如曲調がガラっと変わり、冠の語りタイムが始まった。「2018年になっても、俺何してんねやろな。また、これを言わなあかん時間が来てしもたようやわ!アンタいつまでヘヴィメタやってんの?アンタ、今年47やで!いつになったら売れてくれんのハゲー!金髪!ハゲー!チリチリロン毛!」と自虐とメンバーいじりを始めた。このシュールな空間に思わず笑いが止まらないオーディエンスもちらほら。こんな一面も含めてTHE冠流様式美なのだ。「でも皆さん見てください。本日SHIBUYA TSUTAYA O-WEST、完売致しました!20年前からここで、京都の田舎から出て来て、昔やってたSo What?の頃からしょっちゅうワンマンやらイベントやらやって、ON AIR WESTからO-WESTになってTSUTAYA O-WESTになって……完売したのは初めてです!20年かかりまして、たまに夢かなと思うです。皆さんこれ夢ですか?夢ちゃうやろ!」と冠は言い、B’zのUltra Soulのサビに繋げる荒業をやってのけた。正に身体を張って、エンタメタルを体現している。

そして、本編に戻るやいなや、「速いの一発いったろかい?!」と冠の一声で「待てど暮らせど」が始まった。16分で刻む超スラッシーなリズムにサークルピットの速度も加速した。勿論この曲もそうだが、どんなスピードでもカッチリ合わせてくるTHUNDERとYOUTH-Kのリズム隊コンビネーションは毎回感心させられる。


pix : Yumiko Haba/BURRN!

「27年間やってるとね、色々しんどい事や辛い事もあったりしたんですけども、その度にお前らの顔が見れて、続けてて良かったなと思います。何回も辞めようかなというタイミングに、ヘヴィメタルに助けられてきてん!だからお前らにヘヴィメタルで恩返し出来たらなと思っています!」と冠は熱いMCを行い、バンドは冠流パワーバラード「ヘビーメタルで」をプレイ!冠の熱唱の裏では、べっちのアルペジオとK-A-Zのリードギターが互いに共存しあい、存在感を放っていた。続く「鎧兜鎖血」ではオーディエンスがこれまでに無いくらい、グチャグチャにモッシュ・ダイブの嵐を繰り広げた。曲中、突如転調し、ミラーボールが光るやいなや冠歌謡ショーがスタート!何が起こるかわからないO-WESTワンマン、このバンドのトリッキーさは計り知れない。

「鎧兜鎖血」が終わると、冠はステージ裏に捌け、ギターソロコーナーが始まった。まず先行はべっちからスタート!いつものバルタンVギターも普通に見えてしまうような、超変形ギターを携え、ヘヴィなリフを刻んで行く。激重いギターリフ、どこかで聞き覚えがあるなと思ったら、PANTERAの「A NEW LEVEL」だ。そこからMETALLICAの「Battery」への繋げていくプレイに、彼のルーツが垣間見えた。非常にカッチリしたプレイ、THE冠のライブにはやはり彼が欠かせない事を再認識した。そして、後攻のK-A-Zにバトンタッチ!禍々しく歪んだギタートーンで湿ったギターソロを奏でていく。ギターがまるで嘶いたり、ほくそ笑んだり、彼のプレイは非常に表情豊かだ。音作りがどうとか、ピッキングの加減がどうとか色々あると思うが……改めて、K-A-Zという魔人はそういった要素を超越した存在なのだなと認識した。


pix : 書上友輔(カキガミユウスケ)

ギターソロタイムが終わるやいなや、YOUTH-Kの激しいドラミングが!そう、このフレーズはJUDAS PRIESTの「Painkiller」だ!鎧から漆黒の革ジャン、サングラス、警帽に着替え、冠が再びステージに登場!ただ、本家JUDAS PRIESTのRob Halford(Vo)と違う点は、彼がHarley Davidsonのバイクにまたがっているのに対し、冠はミニバイク付きのレザーパンツを股間に装着していた事だろう。どこまでもエンターテイメントの心を忘れない46歳、それが冠徹弥だ。「Painkiller」のイントロから、「俺なりのペインキラー」へ繋がった。「やっぱ、モテない〜!」と歌う冠だが、こんなにカッコい46歳を見た事が無い。この日、この空間の中にいる男性の中で一番モテていたのは冠に違いない。続いて「恐怖のベルがなる」では、べっちとK-A-Zのツインリードギターが見事にハモり合っていた。これも究極完全体THE冠だからこそ成せるのに違いない。


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当ライブもいよいよ後半戦。「お前らに聞きたい事がある。お前らパーティー好き?俺は、大嫌いだ〜〜!!」と冠は言い、アップテンポナンバー「パーティーソング」「奇祭」をプレイ!老若男女入り乱れ、フロアは踊り狂った。「タオル回しは俺らのライブでやらんといてや……やらんといてや?」と前振りしておいて、ライブ中に煽る冠の姿はどこか愛おしい。「奇祭」の締め方は、冠の寝オチだったという画期的な設定で度肝を抜かれた。

「今まで色物とか言われてきたけど、その色物がお前らの心彩ったろやないか?!」と冠の感動的なMCと共に、バンドは「イロモノ」を続けて演奏した。「やめろと言われても、これしかできない!」なんと潔くて、美しい歌詞なんだろうか。20数年ヘヴィメタルに魂を捧げて来た漢の言葉には重みがある。「まだまだ行くぞ、闘う魂、貫く心、それがヘヴィメタルだ!」と冠は続け、「最後のヘビーメタル」「初志冠徹」をプレイ!終盤戦に入る中、オーディエンスの疲労の色は全く見えない。サークルピットは勿論、ダイバーが全方面からガンガンステージ目掛けて飛んでくる。そして、バンドは定番曲「担がれた冠」にてフロアをお祭り騒ぎ一色に染め上げ、本編最後を締めくくった。


pix : 書上友輔(カキガミユウスケ)

全19曲、まるでニンニクアブラ野菜カラメマシマシと言わんばかりの濃厚な2時間だった。ただ、アホ丸出しになったオーディエンスはまだ聴き足りない。時折「ハゲ〜!」とか聞こえつつも、老若男女入り混じったオーディエンスの声がこれまで以上にホール中に鳴り響いた。


pix : Yumiko Haba/BURRN!

そして、厳かなSEと共に、再びメンバーが登場!「ただいま!」と自信たっぷりの冠の笑顔と共に「帰って来たヘビーメタル」がスタート!「全部吐き出せ!」と冠が続けるやいなや、オーディエンス総出のメロイックサインがフロアを彩った。色物も突きつければ、こんなに美しい光景を生み出す事が出来るのだ。

続いては「中3インマイドリームス」をプレイ!ステージもオーディエンスもまるで中学生の気持ちを取り戻したかの様に、身体を左右に揺らしてノリノリなムードに。「全部出せや!」と冠の一括からモッシュパートへ突入した!この日一番大きく、そして速い竜巻(サークル)が展開された。冠も再び客中に突っ込み、アンコールにふさわしいグチャグチャ具合だ。そして、バンドは最後にエクストリームな要素マシマシな「糞野郎」をプレイ、「奪冠ツアー」の幕を閉じた。


pix : 書上友輔(カキガミユウスケ)

なお、この日冠本人からの告知があった通り、3月16日(金)梅田Zeela、3月21日(水)池下CLUB UPSET、3月24(土)下北沢SHELTERにて、THE冠の曲を一日中やりまくる「THE冠 単独公演 表冠裏冠TOUR 2018」の開催、そして、メタルの聖地川崎CLUB CITTAにて、冠によるメタルの祭典、「大冠祭 2018」が9月30日に開催されると発表された。こちらの情報はTHE冠オフィシャルサイトにて随時更新される為、是非チェックしてみよう。

THE冠オフィシャルサイト URL : http://thekanmuri.jp/


pix : Yumiko Haba/BURRN!

-Set List-

1.奪冠

2.花占い

3.ただ単に

4.傷だらけのヘビーメタル

5.リキ

6.哀罠メタル

7.帰郷

8.エビバディ炎

9.待てど暮らせど

10.ヘビーメタルで

11.鎧兜鎖血

<ギターソロコーナー>

12.俺なりのペインキラー

13.恐怖のベルが鳴る

14.パーティーソング

15.奇祭

16.イロモノ

17.最後のヘビーメタル

18.初志冠徹

19.担がれた冠

 

EN1.帰ってきたヘビーメタル

EN2.中3インマイドリームス

EN3.糞野郎

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