YuNi「さよなら平成カウントダウンライブ UNiONWAVE – clear -」 / 2019.4.30-2019.5.1@ cluster イベントレポート

YuNi「さよなら平成カウントダウンライブ UNiONWAVE – clear -」 / 2019.4.30-2019.5.1@ cluster イベントレポート


取材・文・編集 / 宮久保仁貴

2019年4月30日から5月1日にかけ、バーチャルシンガーYuNi主催のVR音楽ライブ「さよなら平成カウントダウンライブ UNiON WAVE – clear -」がVRプラットフォームcluster上で開催された。

本公演の前情報を整理すると、ライブに先駆けてYuNiは4月24日に1stアルバム『clear/CoLoR』を発売。特に本公演の冠にもなっている『clear』には、「透明声彩」や「花は幻」等、彼女がこれまでにYouTube上で発表してきた楽曲を中心に収録。発売当日のiTunes Storeアルバムランキングやオリコンデイリーランキングにおいて、上位ランクインを果たした。

また、本公演は事前に販売されていたチケットが完売多数につき、再々販売が行われるほど。そして、ゲストとして天神子兎音、樋口楓、かしこまり、ときのそらが出演。ライブ当日を迎える前から、音楽系VTuberシーンを中心に大きく話題を呼んでいた。


clusterにログインし、会場にIN。気がつけば、広大なVR空間が広がっている。今回、観客達は煌びやかなクリスタルを模した姿で会場に集結。YuNiのキャラクターカラーの一つであるエメラルドグリーンが、暗闇の中に幻想的に映える。

また、開演までの演出として、スクリーン上にYuNiと縁の深いVTuberを中心にゲストコメントが放送された。列挙するならば、朝ノ瑠璃(朝ノ姉妹ぷろじぇくと)、AZKi、Alt!、小山内めい、おめがシスターズ、花譜、銀河アリス、東雲めぐ、デラとハドウ、バーチャルねこ、花鋏キョウ、ハニーストラップ全員、響木アオ、富士葵、甲賀流忍者!ぽんぽこ、おしゃれになりたい!ピーナッツくん、由宇霧、ミライアカリ、キズナアイ……と、十数組のVTuber達によるYuNiに対する愛情のこもったコメントが流れた。それと共に、オリジナル曲持ちのVTuberに関しては、彼女達のオリジナル曲・MVも流れる粋な計らいが。

程なくして会場が暗転、YuNiの掛け声とともに、ステージにYuNiと本日のゲスト天神子兎音が登場。まずは疾走ロックチューン「フーアーユーなんて言わないで」がスタート。天神子兎音の歌いっぷりもさることながら、力強くコブシの効いた歌唱を見せるYuNi。

続いては、でろーんこと樋口楓がゲスト第二弾として登場。カッティングのリズムが小気味良いギターロック「MapleDancer」でもまた、芯の通ったパワフルな互いの歌声が会場に鳴り響く。

また、本ライブの前半パートに関して、YuNiとゲストの歌唱は勿論のこと、MCパートも非常に興味深い内容が語られた。天神子兎音、樋口楓とこれまでにYouTube上で目立ったコラボが見られなかった組み合わせではあったものの、YuNiは今回のライブに向けたリハーサルを重ねる度に彼女達と親交を深めた事を告白。実際、今回のステージでは打ち解け、非常に息の合ったプレイが見られた。

三人目にはYuNiと同じくupd8参加のかしこまりが登場。ここでは、先日かしこまりがリリースした「ルーティン」をプレイ。先の二人とは打って変わって、それぞれの色を持ったエモーショナルな歌声が会場を包み込んでいく。補足すると、本ライブに先駆け、かしこまりは事前にYuNiの「透明声彩」をYouTube上でかしこまり流に歌いこなしていた。これに対し、この日はYuNiがYuNi流の歌いこなしを見せるアンサーを返す。ただ、どちらの歌にも、根底に互いへのリスペクトが感じられる内容だった。

時間も早いもので、最後のゲストのときのそらが登場。「Dream☆Story」では、彼女達のアイドル要素溢れる歌唱、非常にキュートな振り付けに心奪われる。また、歌詞を随所で本日向けにアレンジしている所に粋を感じる。加速度的にシンクロ率を増す彼女達に向け、観客達の熱も共鳴していく。

ゲストとの前半戦がひと段落した後、YuNiの掛け声と共に、ゲスト4名とYuNiが再びステージに集合。平成から令和、記念すべき瞬間を皆でカウントダウンを迎えた後、程なくしてライブ後半戦がスタートした。

ひとしずくの光が落ちてくる演出と共に、YuNiが再びステージに登場。暗闇に包まれたステージから一転、会場は白の空間に包まれた。後半戦を幕を開いたのは、劇場版オリジナルアニメ『LAIDBACKERS-レイドバッカーズ-』の挿入歌「Destination」。スピード感溢れる楽曲に、のっけから観客も惹き込まれていく。

「まだまだ行くよ~!」とYuNiが叫んだ後、彼女は光に包まれ、白のドレスに衣装チェンジ。真っ白で幻想的な花々を背景に、「花は幻」がスタート。花びらを模したホログラムを中心に、色鮮やかで幻想的な演出に目を奪われる。そこに、YuNiの琴線を揺さぶるかのような歌唱が重なり、身も心もエモーショナルな空気に包まれる。

2曲が終了し、YuNiの単独MCがスタート。「元号が変わる中々立ち会えない瞬間を皆と一緒に過ごしているわけですが、絶対忘れられない日にしてやるからな~!」と意気込みを述べると共に、観客からのレスポンスもどんどん増えていく。

そして、「YuNiの初めてのバラードです。」と続け、『clear』収録の「ジレンマ」がスタート。セットは街を模したステージに変化し、そこには座り込んだYuNiが。しっとりとしつつ、かつ底に力強さを見せる歌声に、彼女の新機軸を感じさせられる。また、曲が進むにつれ、ステージ演出としてメリーゴーランドが出現。clusterは不思議なおもちゃ箱とでも言うべきか。聴覚然り、視覚も飽きさせない。

続く楽曲は、トラックメイカーYUC’eと共に制作を進めた「Winter Berry」。暖かみを感じる歌唱もさながら、ステージでは雪やクリスマスツリーが登場。ホワイトクリスマスを彷彿とさせる演出に、楽曲とステージのシンクロ率も増していく。

そして会場は暗転し、再びMCへ。『Clear/CoLoR』のリリースの裏側、活動当初の振り返り、YUC’eとの馴れ初めを語ると共に、今こうしてcluster・YouTube上で何万何千何百のユーザーがライブを観ている事への感謝を述べた。

「次の曲は透明声彩の続編でもある曲です。」とYuNiが言い、「Write My Voice」がスタート。ステージは近未来的要素を感じさせる空間にトリップ。kzが手がけたスリリングでアップテンポなトラックにYuNiの歌唱が乗っかり、会場の熱はどんどん増していく。また、ステージにゆにチル(※YuNiファン名称)の厳選されたコメントが浮かび上がっていく仕様も非常にユニーク。

そして、本編最後の曲としてYuNiが選んだのは「ウタオウヨ、ウタオウヨ」。「これで最後の曲でーす!声出し切っていくぞー」とYuNiが言うやいなや、ステージ中央が空中に浮遊。その上に乗っかったYuNiの姿はヒロイン然としている。「いくよー!」とYuNiの掛け声と共に、YuNiが観客の目前にまで移動。それまでどこか遠くにいた偶像(アイドル)的存在が、身近に感じられた瞬間だった。そして楽曲が終了し、光に包まれて、YuNiはステージから消えた。

この時点で満足度200%なライブではあったが、YuNiの事を昔から知るゆにチルからすれば、あともう一押し足りない内容なのは明白の事実。鳴り止まないラブコールに応え、再びYuNiは登場。アンコールとして選ばれたのは、彼女の代表曲「透明声彩」だ。ステージのバックには、スマートフォンやYouTube、LINE上に映し出された数々のYuNiの姿が。MVとリンクさせた内容がそこにあった。そして、YuNiの原点を感じさせると共に、この半年で大きく知名度・成長を遂げたYuNiがそこにいた。

あっという間に楽しい時間は過ぎ、カウントダウンライブの幕は閉じた。まさにYuNiで平成が終わり、YuNiで令和が始まる日に相応しいとでも言うべきか。集大成を見せると共に、YuNiの新たな一歩もまた、ここから始まるに違いない。


<前半戦Set List>
1.フーアーユーなんて言わないで(天神子兎音)
2.MapleDancer(樋口楓)
3.ルーティン(かしこまり)
4Dream☆Story(ときのそら)

<後半戦Set List>
1.Destination
2.花は幻
3.ジレンマ
4.Winter Berry
5.Write My Voice
6.ウタオウヨ、ウタオウヨ
EN.透明声彩

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